二度目の県大会
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午前中の試合は終わり休憩をはさみ、いよいよ午後の試合がスタートする。
男子自由形200m
真琴と遙は同じ組で隣同士のレーン。
二人共真剣な眼差しでスタート台へ。そして、合図と同時に水へ飛び込んだ。
「真琴先輩が遙先輩を抜いた!?」
「橘くん…七瀬くんより早かったの!?」
一気に飛び抜けるように遙を抜きトップを泳ぐ真琴に、怜と天方が驚きの声を上げる。対して、蒼は不安げにそのレースを見ていた。
「……真琴」
コレが100mだったらよかったかもしれない。でもこれは200m。
ペース配分が大切になってくる。
初っ端から飛ばしたら最後まで体力が持たない。
恐らくそんなの本人はわかっているのだろう。それでも、真琴は本気で遙に勝つために全力で泳いでいるのだ。
「遙先輩が追いついた!!」
「けど…徐々にマコちゃんのスピードが」
「…落ちてる」
案の定…
徐々に前を泳いでいた真琴のペースは落ち、遙が最後のターンで追いつき追い越した。
それでも泳ぎきった真琴はやりきったと爽快な気分だった。
「負けた〜〜!!」
息を整え終えた真琴は壁に付いていた手を外し、思い切り水しぶきを上げながら晴れ晴れしい表情を見せた。
「やっぱり水の中じゃ最高だね…ハルちゃん」
伏せていた目を遙に向けると小さく真琴は微笑んだ。
「…なんだそれ」
遙は真琴の言葉に小さくため息を付くのだった。
男子自由形100m
遂に遙と凛の対決が始まった。
「いっけーいけいけいけいけ遙!!!」
笹部の掛け声に皆も声を上げる。
「「「「「いっけーいけいけいけいけ遙!!!」」」」
「おーせ!!せいっ!!せいっ!!せいっ!!せいっ!!」
対する鮫柄サイドからも大きな声援が飛ぶ。
声援を受けた二人はほぼ同時に壁を蹴りターンをする。その二人のスピードは他の選手を引き付けないくらい群を抜いていた。未だに、他の選手は50m泳ぎきっていないのだ。
「なんなんですか…他をよせつけない圧倒的な速さは…」
その光景にたまらず怜は唖然とした声を漏らす。
そして二人はほぼ並走しながら泳ぎきる。
パッと見ではどちらが勝ったかわからないくらい同着。
結果を知るために一同は電光掲示板を見る。
そこには…
2松岡 凛
1七瀬 遙
と示されていた。
そしてそのタイム差は…0.02秒だった。
プールサイドには泳ぎきった二人が話をする姿。
その姿を真琴は目を細めて見つめていた。そんな彼を蒼は不思議そうに見つめた。
「真琴はどうしてハルと泳ごうと思ったの??」
「俺もハルと真剣勝負をしてみたかったんだ。
なんでだろう…凛が羨ましかったのかな」
「…そっか」
「次は蒼の番だね。頑張って」
「うん!あの二人以上の良い泳ぎしてくるよ」
あんないい試合を見せてもらったんだ。自分も最高の良い泳ぎをしなくてはと意気揚々と歩いていった。
そして、蒼は有言実行…いやそれ以上の今までにないくらいの良い泳ぎを見せた。
そのしなやかな誰もよせつけないような泳ぎに見ている人皆が魅了された。
対して、レースを遠巻きに見ているある人物は光り輝く彼女を見て奥歯をこれでもかと思い切り噛み締めた。そして、輝かしい光景に目をそむけるように黒のキャップをグイッと目深に被り直す。すると、もう此処には用がないのか踵を返す。胸辺りまであるブラウン色の髪を靡かせながらその人物は誰にも気づかれることなく立ち去るのだった。
男子自由形200m
真琴と遙は同じ組で隣同士のレーン。
二人共真剣な眼差しでスタート台へ。そして、合図と同時に水へ飛び込んだ。
「真琴先輩が遙先輩を抜いた!?」
「橘くん…七瀬くんより早かったの!?」
一気に飛び抜けるように遙を抜きトップを泳ぐ真琴に、怜と天方が驚きの声を上げる。対して、蒼は不安げにそのレースを見ていた。
「……真琴」
コレが100mだったらよかったかもしれない。でもこれは200m。
ペース配分が大切になってくる。
初っ端から飛ばしたら最後まで体力が持たない。
恐らくそんなの本人はわかっているのだろう。それでも、真琴は本気で遙に勝つために全力で泳いでいるのだ。
「遙先輩が追いついた!!」
「けど…徐々にマコちゃんのスピードが」
「…落ちてる」
案の定…
徐々に前を泳いでいた真琴のペースは落ち、遙が最後のターンで追いつき追い越した。
それでも泳ぎきった真琴はやりきったと爽快な気分だった。
「負けた〜〜!!」
息を整え終えた真琴は壁に付いていた手を外し、思い切り水しぶきを上げながら晴れ晴れしい表情を見せた。
「やっぱり水の中じゃ最高だね…ハルちゃん」
伏せていた目を遙に向けると小さく真琴は微笑んだ。
「…なんだそれ」
遙は真琴の言葉に小さくため息を付くのだった。
男子自由形100m
遂に遙と凛の対決が始まった。
「いっけーいけいけいけいけ遙!!!」
笹部の掛け声に皆も声を上げる。
「「「「「いっけーいけいけいけいけ遙!!!」」」」
「おーせ!!せいっ!!せいっ!!せいっ!!せいっ!!」
対する鮫柄サイドからも大きな声援が飛ぶ。
声援を受けた二人はほぼ同時に壁を蹴りターンをする。その二人のスピードは他の選手を引き付けないくらい群を抜いていた。未だに、他の選手は50m泳ぎきっていないのだ。
「なんなんですか…他をよせつけない圧倒的な速さは…」
その光景にたまらず怜は唖然とした声を漏らす。
そして二人はほぼ並走しながら泳ぎきる。
パッと見ではどちらが勝ったかわからないくらい同着。
結果を知るために一同は電光掲示板を見る。
そこには…
2松岡 凛
1七瀬 遙
と示されていた。
そしてそのタイム差は…0.02秒だった。
プールサイドには泳ぎきった二人が話をする姿。
その姿を真琴は目を細めて見つめていた。そんな彼を蒼は不思議そうに見つめた。
「真琴はどうしてハルと泳ごうと思ったの??」
「俺もハルと真剣勝負をしてみたかったんだ。
なんでだろう…凛が羨ましかったのかな」
「…そっか」
「次は蒼の番だね。頑張って」
「うん!あの二人以上の良い泳ぎしてくるよ」
あんないい試合を見せてもらったんだ。自分も最高の良い泳ぎをしなくてはと意気揚々と歩いていった。
そして、蒼は有言実行…いやそれ以上の今までにないくらいの良い泳ぎを見せた。
そのしなやかな誰もよせつけないような泳ぎに見ている人皆が魅了された。
対して、レースを遠巻きに見ているある人物は光り輝く彼女を見て奥歯をこれでもかと思い切り噛み締めた。そして、輝かしい光景に目をそむけるように黒のキャップをグイッと目深に被り直す。すると、もう此処には用がないのか踵を返す。胸辺りまであるブラウン色の髪を靡かせながらその人物は誰にも気づかれることなく立ち去るのだった。