二度目の県大会
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「遂にこの時が来たね!!!!」
「去年の夏以来だねこの会場
うぅ〜!!燃えてきた!!」
去年の夏と同じ会場前に着いた蒼と渚が声を張り上げる。
そして、去年と違い怜は今年は隈を作ることなく元気そうに口を開く。
「去年は緊張のあまり寝不足でしたが今年の僕は違う!!
体調管理も万全です!!」
「レイちゃん少しは心臓に毛が生えた??」
自信満々に言う怜の顔を渚が覗き込む。
その言葉に案の定、怜は嫌な顔をする。
「やめてください!!
そんな美しくないもの生えてませんよ」
「皆さ〜ん!!コッチです!!」
江の声に振り向くと既に江だけでなく天方と笹部がいた。
一通り挨拶をしていると後方から声が揃った挨拶が聞こえてくる。
ふとそちらに視線を向けると…
「あ!!凛ちゃん達だ!!」
バスから降りて整列している鮫柄学園がいた。
そしてそこにはOBの御子柴もいたのであった。
相変わらずの御子柴の元気の良い声。そして、弟である百太郎の首を腕でしめもう片方の手で拳をつくりグリグリと押し付けている様子に蒼が苦笑いしていると、百太郎の視線がこちら側に向くのに気づく。
「うわぁ!!!」
声を上げ目を輝かす百太郎。それを不思議に思った御子柴百太郎の目線の先を見る。
そこにいたのはもちろん……
「江さん!!/くん!!」
兄弟そろって目を輝かせ江の名を呼ぶ二人に凛は思わず頭を抱える。呼ばれた本人の江も若干引き気味に。
「それじゃあ私達は行きましょうか??」
目を泳がせ、苦笑いを浮かべる江に一同は頷き会場へ移動するのだった。
「わぁ〜!!今年もいろんな学校がいるね!!」
観客席に着いて、会場を見渡す一同。渚も感嘆の声を上げる。
だが、いつもと違い俯いたまま身体を震わせ目を輝かさない江がいた。普段と違う江の姿に心配になった怜が声をかける。
「どうしたんです??江さん??」
怜の言葉に江の異変に気づいた遙と渚が口を開く。
「気分でも悪いのか??」
「えぇ〜!!江ちゃんの大好きな筋肉がこんなに一杯あるのに!?」
「私…願掛けしたんです
岩鳶水泳部が全国大会に進出できるまでは筋肉封印!
筋肉をみて興奮しない…興奮しても我慢するって!!!」
手を祈るように組み、祕めたる決意を皆に公開する江。
だが、皆の口から発せられたのは江を心配する言葉だった。
「そんな無理ですよ」
「我慢は身体に良くないよ」
「そうだよ!江ちゃんがぶったおれちゃう」
「無理するな」
怜・渚・蒼・遙の言葉が江に重くのしかかる。
「皆!!江ちゃんの決死の想いを無駄にしないようベストを尽くそう!!そして必ず勝ち進み全国大会へ行こう!!」
「「「「「オー!!!!!」」」」」
真琴の掛け声に真剣な目つきで円陣を組み声を上げる選手たち。
江は自分の決意は何だったんだろう…と呆然と立ち尽くすのだった。
男子平泳ぎ100m 3組…
ストレッチをして身体を解していた渚だが、ふと観客席に目が止まり手を止めた。その渚の視界の先には彼の両親がいたのだ。
両親が来てくれたことに瞳を揺らした渚は、よしっと気持ちを切り替えるようにゴーグルを装着した。
その隣のレーンには似鳥の姿もあった。
よーーーい……せい!!!
合図とともにレースが始まる。
「いっけーいけいけいけいけ渚!!」
笹部の掛け声に続き皆も声を張り上げる。
「「「「「いっけーいけいけいけいけ渚!!」」」」
「おっせーおせおせおせおせ渚!!」
「「「「「おっせーおせおせおせおせ渚!!」」」」」
ターン後も1位をキープ。後半追いつかれそうになるが、渚のゴール前に伸びる泳ぎでそのままゴール。
見事1位で予選通過し地方大会進出を決めた。
対して、似鳥は3位で予選通過を逃した。
「次はバックだ!真琴!!この勢いで勝ってこい!!」
笹部の言葉に真琴は大きく頷くのだった。
男子背泳100m
真琴の隣は鮫柄学園の魚住。
メドレーリレーでは彼がバックを泳ぐ予定だ。
「二人のバック対決か…」
江の説明が終わると渚がそう呟いた。
「江さーーーーん!!」
江をプールサイドから呼ぶ声。その声を発している人物は下で思い切り手を振る百太郎だった。
「あ〜…後、鮫柄は彼も…御子柴部長の弟さん??」
「御子柴百太郎って言ってなかったっけ??」
首を傾げる江。対して蒼は元気一杯ニコニコと手を振る彼をげんなりとした表情で見ていた。
対して、鮫柄サイドは呆れ顔だ。どうして岩鳶の方に手を振っているんだろうと思ったからだ。だが、全く逆に捉えるものもいた。
「百太郎!!
お前の泳ぎで江くんのハートを射止められることができるか?
この目で見届けさせて貰うぞ!!」
「おうよ!!任せとけ!!見とけよ!!兄ちゃん!!」
大声で言葉を交わし合う御子柴兄弟。
「見てるだけで恥ずかしい…」
蒼はその光景に頭を抱えた。
結果は1位が真琴、2位が百太郎、3位が魚住に。
見事真琴と百太郎は予選を通過した。
「渚くんのブレ、真琴先輩のバック…
いずれも岩鳶と鮫柄の美しいライバル対決を見せてもらいました。
そしてここで満を持してのバッタ対決!!」
と言い、意気揚々にプールサイドへ怜は向かっていくのだが…
「あれ…え…ちょ…なぜだ〜!!!」
同じ組に誰も鮫柄の選手はおらず毎度のように怜は悲鳴を上げるのだった。
「お兄ちゃんは次の組なんですけどね…」
「山崎は??」
遙の問いに江が困惑気味に答える。
「それが…宗介くんバッタが専門なんですけど今回の試合には出てないみたいです」
「いいでしょう!!
ならばここは僕の独壇場!!
完璧なバッタを披露してご覧に入れようじゃありませんか!」
「レイちゃんそれ失敗フラグ〜〜」
渚が意気揚々と声を上げる怜に嘆く。
しかし、怜は見事にその失敗フラグを回避。
予選の組1位で見事に予選を突破。
客席に戻ってきた怜は嬉し涙を流した。
もちろんバタフライの総合順位1位は凛だった。
そして女子のバタフライの試合のコールが鳴る。
蒼がプールサイドに出てくると、皆彼女の名前の呼んだ。
「「「アオちゃ〜〜ん!!」」」
「蒼せんぱ〜〜い!!」
声援が聞こえたのか蒼は観客席を見上げて笑みを浮かべた。でもその笑みは彼らから見るとぎこちない笑みで言葉を失った。
「アオちゃん…緊張してるのかな」
「やっぱり…そのお友達のことが…」
「アオちゃんなら大丈夫」
「真琴の言う通りだ。蒼なら大丈夫だ」
渚と怜が不安そうな声を上げる。
しかし、幼馴染の二人は真剣な眼差しで飛び込み台に立つ蒼を見ていた。
その二人を見て怜も渚は顔を見合わせて大きく頷いた。
「そうだよね!!!」
「そうですね!!!」
一同が見守る中蒼のレースは始まる。
「いっけーいけいけいけいけ蒼!!」
「「「「いっけーいけいけいけいけ蒼!!」」」」
最初はぎこちない泳ぎだったのだが、徐々にペースを掴んできたのか段々とスピードを上げていく。
そしてターンする頃には先頭集団に割り込む。50m過ぎた後も蒼の泳ぐスピードは落ちるどころか益々ギアを上げていった。
蒼はその組で1位でゴールをし見事に地方大会進出を決めた。
よほど嬉しかったのかプールから上がった蒼は観客席に顔を向けると満面の笑みでピースをするのだった。
「去年の夏以来だねこの会場
うぅ〜!!燃えてきた!!」
去年の夏と同じ会場前に着いた蒼と渚が声を張り上げる。
そして、去年と違い怜は今年は隈を作ることなく元気そうに口を開く。
「去年は緊張のあまり寝不足でしたが今年の僕は違う!!
体調管理も万全です!!」
「レイちゃん少しは心臓に毛が生えた??」
自信満々に言う怜の顔を渚が覗き込む。
その言葉に案の定、怜は嫌な顔をする。
「やめてください!!
そんな美しくないもの生えてませんよ」
「皆さ〜ん!!コッチです!!」
江の声に振り向くと既に江だけでなく天方と笹部がいた。
一通り挨拶をしていると後方から声が揃った挨拶が聞こえてくる。
ふとそちらに視線を向けると…
「あ!!凛ちゃん達だ!!」
バスから降りて整列している鮫柄学園がいた。
そしてそこにはOBの御子柴もいたのであった。
相変わらずの御子柴の元気の良い声。そして、弟である百太郎の首を腕でしめもう片方の手で拳をつくりグリグリと押し付けている様子に蒼が苦笑いしていると、百太郎の視線がこちら側に向くのに気づく。
「うわぁ!!!」
声を上げ目を輝かす百太郎。それを不思議に思った御子柴百太郎の目線の先を見る。
そこにいたのはもちろん……
「江さん!!/くん!!」
兄弟そろって目を輝かせ江の名を呼ぶ二人に凛は思わず頭を抱える。呼ばれた本人の江も若干引き気味に。
「それじゃあ私達は行きましょうか??」
目を泳がせ、苦笑いを浮かべる江に一同は頷き会場へ移動するのだった。
「わぁ〜!!今年もいろんな学校がいるね!!」
観客席に着いて、会場を見渡す一同。渚も感嘆の声を上げる。
だが、いつもと違い俯いたまま身体を震わせ目を輝かさない江がいた。普段と違う江の姿に心配になった怜が声をかける。
「どうしたんです??江さん??」
怜の言葉に江の異変に気づいた遙と渚が口を開く。
「気分でも悪いのか??」
「えぇ〜!!江ちゃんの大好きな筋肉がこんなに一杯あるのに!?」
「私…願掛けしたんです
岩鳶水泳部が全国大会に進出できるまでは筋肉封印!
筋肉をみて興奮しない…興奮しても我慢するって!!!」
手を祈るように組み、祕めたる決意を皆に公開する江。
だが、皆の口から発せられたのは江を心配する言葉だった。
「そんな無理ですよ」
「我慢は身体に良くないよ」
「そうだよ!江ちゃんがぶったおれちゃう」
「無理するな」
怜・渚・蒼・遙の言葉が江に重くのしかかる。
「皆!!江ちゃんの決死の想いを無駄にしないようベストを尽くそう!!そして必ず勝ち進み全国大会へ行こう!!」
「「「「「オー!!!!!」」」」」
真琴の掛け声に真剣な目つきで円陣を組み声を上げる選手たち。
江は自分の決意は何だったんだろう…と呆然と立ち尽くすのだった。
男子平泳ぎ100m 3組…
ストレッチをして身体を解していた渚だが、ふと観客席に目が止まり手を止めた。その渚の視界の先には彼の両親がいたのだ。
両親が来てくれたことに瞳を揺らした渚は、よしっと気持ちを切り替えるようにゴーグルを装着した。
その隣のレーンには似鳥の姿もあった。
よーーーい……せい!!!
合図とともにレースが始まる。
「いっけーいけいけいけいけ渚!!」
笹部の掛け声に続き皆も声を張り上げる。
「「「「「いっけーいけいけいけいけ渚!!」」」」
「おっせーおせおせおせおせ渚!!」
「「「「「おっせーおせおせおせおせ渚!!」」」」」
ターン後も1位をキープ。後半追いつかれそうになるが、渚のゴール前に伸びる泳ぎでそのままゴール。
見事1位で予選通過し地方大会進出を決めた。
対して、似鳥は3位で予選通過を逃した。
「次はバックだ!真琴!!この勢いで勝ってこい!!」
笹部の言葉に真琴は大きく頷くのだった。
男子背泳100m
真琴の隣は鮫柄学園の魚住。
メドレーリレーでは彼がバックを泳ぐ予定だ。
「二人のバック対決か…」
江の説明が終わると渚がそう呟いた。
「江さーーーーん!!」
江をプールサイドから呼ぶ声。その声を発している人物は下で思い切り手を振る百太郎だった。
「あ〜…後、鮫柄は彼も…御子柴部長の弟さん??」
「御子柴百太郎って言ってなかったっけ??」
首を傾げる江。対して蒼は元気一杯ニコニコと手を振る彼をげんなりとした表情で見ていた。
対して、鮫柄サイドは呆れ顔だ。どうして岩鳶の方に手を振っているんだろうと思ったからだ。だが、全く逆に捉えるものもいた。
「百太郎!!
お前の泳ぎで江くんのハートを射止められることができるか?
この目で見届けさせて貰うぞ!!」
「おうよ!!任せとけ!!見とけよ!!兄ちゃん!!」
大声で言葉を交わし合う御子柴兄弟。
「見てるだけで恥ずかしい…」
蒼はその光景に頭を抱えた。
結果は1位が真琴、2位が百太郎、3位が魚住に。
見事真琴と百太郎は予選を通過した。
「渚くんのブレ、真琴先輩のバック…
いずれも岩鳶と鮫柄の美しいライバル対決を見せてもらいました。
そしてここで満を持してのバッタ対決!!」
と言い、意気揚々にプールサイドへ怜は向かっていくのだが…
「あれ…え…ちょ…なぜだ〜!!!」
同じ組に誰も鮫柄の選手はおらず毎度のように怜は悲鳴を上げるのだった。
「お兄ちゃんは次の組なんですけどね…」
「山崎は??」
遙の問いに江が困惑気味に答える。
「それが…宗介くんバッタが専門なんですけど今回の試合には出てないみたいです」
「いいでしょう!!
ならばここは僕の独壇場!!
完璧なバッタを披露してご覧に入れようじゃありませんか!」
「レイちゃんそれ失敗フラグ〜〜」
渚が意気揚々と声を上げる怜に嘆く。
しかし、怜は見事にその失敗フラグを回避。
予選の組1位で見事に予選を突破。
客席に戻ってきた怜は嬉し涙を流した。
もちろんバタフライの総合順位1位は凛だった。
そして女子のバタフライの試合のコールが鳴る。
蒼がプールサイドに出てくると、皆彼女の名前の呼んだ。
「「「アオちゃ〜〜ん!!」」」
「蒼せんぱ〜〜い!!」
声援が聞こえたのか蒼は観客席を見上げて笑みを浮かべた。でもその笑みは彼らから見るとぎこちない笑みで言葉を失った。
「アオちゃん…緊張してるのかな」
「やっぱり…そのお友達のことが…」
「アオちゃんなら大丈夫」
「真琴の言う通りだ。蒼なら大丈夫だ」
渚と怜が不安そうな声を上げる。
しかし、幼馴染の二人は真剣な眼差しで飛び込み台に立つ蒼を見ていた。
その二人を見て怜も渚は顔を見合わせて大きく頷いた。
「そうだよね!!!」
「そうですね!!!」
一同が見守る中蒼のレースは始まる。
「いっけーいけいけいけいけ蒼!!」
「「「「いっけーいけいけいけいけ蒼!!」」」」
最初はぎこちない泳ぎだったのだが、徐々にペースを掴んできたのか段々とスピードを上げていく。
そしてターンする頃には先頭集団に割り込む。50m過ぎた後も蒼の泳ぐスピードは落ちるどころか益々ギアを上げていった。
蒼はその組で1位でゴールをし見事に地方大会進出を決めた。
よほど嬉しかったのかプールから上がった蒼は観客席に顔を向けると満面の笑みでピースをするのだった。