二人の想い
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蒼のやりたいことも決まり、
雪菜も大学を巡れたことに満足。
そして二人は東京を後にし、遂に全国大会会場へ到着した。
「あ!!雪菜!!」
「...なに??」
「日和達も会場着いたらしいよ?」
ウキウキと蒼が携帯の画面を雪菜に見せる。すると雪菜は途端にしかめっ面になり、眉をひそめた。
「達??と言う事は郁也もいるの?」
「そうらしいよ」
「へぇ〜...相変わらず郁也にベッタリなんだアイツ」
嫌悪感露わにする雪菜。
そんな彼女を気にする素振りなく蒼は閃いたことを雪菜に言う。
「あ!そうだ!
お昼に日和と会おうってなったんだけど、雪菜も...」
「パス!!アイツの顔なんか見たくもない」
ピシャリと蒼の言葉を拒否した雪菜は彼女に背を向け手をヒラヒラさせる。
「え...あ...雪菜??」
「チームに顔出してくるわ...
どうぞ二人でごゆっくり」
ご機嫌斜めな雪菜に蒼は小さく息をつく。
「たく…素直じゃないんだから…」
小さく溜息をつくと、蒼は彼女とは逆へ歩く。そして会場の外へ出て、指定されたカフェに向かう。
カラン
ゆっくりと蒼が開けると扉についていた鈴が綺麗な音色を奏でる。
指定されたカフェは、オシャレながらも落ち着いた雰囲気を醸し出していて、色々なカフェを巡っている彼が選ぶのも納得が行く場所だった。
もう来てるかな?と辺りを見渡す蒼。
そんな彼女の背後にカランという音と共にある一人の青年が入ってくる。そして彼は蒼の肩を軽くポンポンと叩く。
「久しぶり蒼」
振り向いた蒼に、ニコリと笑いかける人物こそ蒼の待ち合わせ相手。
「ホント久しぶりだね!日和」
明るい栗色の髪に黒縁眼鏡の青年は、遠野日和。アメリカ時代のチームメイト兼友達だ。
二人揃って窓際の席に、座り注文した飲み物を飲む。
「そういえば、郁也は?」
てっきり一緒に二人で来ると思っていた蒼は不思議そうに尋ねる。
「郁也は、試合前だからね...
誘わなかったよ」
「そっか...それは残念」
相変わらずの郁也への過保護っぷりに多少呆れながらも、郁也に会えなかった事をホントに蒼は残念がった。
「それにしても良かったよ。
また、蒼が泳ぐの始めてくれて」
一安心したように微笑む日和に、蒼はアハハと申し訳無さそうに笑いながら口を開く。
「いやぁ...色々あったんだよ、帰ってから」
蒼は、帰ってからあった出来事を掻い摘んで話す。対して、日和もアメリカであった出来事を話した。
「お陰で雪菜とも縁が戻ってね!
ホントは今日誘ったんだけど断られちゃって...」
「いいよいいよ、雪菜の顔なんか見たくないし」
「...二人揃って同じこと言うよね?
雪菜も同じ様なこと言ってたよ」
「そりゃあそうでしょ?
俺と雪菜は水と油だからね」
ニコニコと笑顔を絶やさない日和。
それは、蒼から見て作り笑いのようにも時々見えた。それを唯一取り払って、彼の喜怒哀楽を表面に出すのは何時も雪菜だった。
周囲から見て、犬猿の中として見られるが、親近者の蒼や郁也からすると二人の言い争いは痴話喧嘩にしか聞こえないのだ。
「ホント二人揃って素直じゃないよね?」
「何か言った?蒼?」
「何も言ってないよ」
独り言を小さく呟いた蒼は、少しばかり不機嫌な顔で目の前の飲み物を飲み干すのだった。
そして、時間差を埋めるように喋り倒した二人はお互いの健闘を祈り合って別れるのだった。
※
「そろそろ真琴くんが恋しくなってきた?」
雪菜と連絡を取り合い、夕食を一緒に食べ、ホテルの部屋に戻り、お風呂も入り一段落している時に雪菜が蒼に突然話を振り出す。
「へぇ!?」
雪菜の言葉でみるみるうちに真っ赤に染まっていく蒼。雪菜はニヤニヤとその様子を眺める。
「あ...図星なんだ〜?なんでわかったかって?そりゃあ顔に書いてあるからだよ」
雪菜は楽しげに己の人差し指を蒼の顔に近づける。
「もう〜!!からかわないでよ」
「で?実際はどうなの?」
真剣味な声を出す雪菜に、蒼は素直に心の声を漏らす。
「うん。
なんか、久しぶりに離れてみて...
ポッカリと穴が空いた気分で...
すごく寂しい」
真琴を思い出すだけで胸が張り裂けるよう苦しい。早く会いたい。その想いが日に日につのっていっていたのだ。
「そっか」
「でも...この気持ちって一体何なんだろう?」
う~んと首を傾げる蒼に雪菜は思わず体勢を崩す。
ガタン!!
「へ?どうしたの?雪菜?そんなポカンとした顔して?」
「それ本気で言ってるの?」
本気トーンで言う雪菜の勢いに押されながらも蒼はコクコク頷く。
「う...うん」
「はぁ〜〜
真琴くんが不憫すぎる」
盛大なため息を付き雪菜は頭を抱える。
が、直ぐに立て直すと急に立ち上がり雪菜はズンズンと蒼に近づいて肩を掴んで揺らした。
「い〜い??
それは恋よ!恋!!
蒼は真琴くんに恋してるの!!」
「そうなの??」
未だにピンときていない蒼に雪菜は畳み掛けるように言葉を投げかける。
「じゃあ...蒼は他の人が真琴くんの隣にいたり抱きついてたりしてるの想像してなんとも思わない?」
「......思う」
「じゃあ、遙くんや渚くんや怜くんだったら?」
「微笑ましげに見てるかも」
「でしょ!!
その感情があるなら十分貴女は恋してるの!」
ストンと落ちてくる言葉に蒼はようやく自分の想いに気づく。
「そっか...私...真琴の事が好きなんだ」
「はぁ〜全く世話がかかる」
「でも...」
「でも?」
「真琴はただの幼馴染だとおもってるかも?」
泣き出しそうな顔を浮かべる蒼に、雪菜は盛大にため息をつく。
「それは本人に直接聞きなさい!!」
蒼の手を引いてベッドに横たわせると、彼女に布団を被せる。蒼は布団から目だけを覗かせた。
「で...でも」
「もうおそいから寝なさい。
ウジウジするなんて蒼らしくないよ」
「そ...そうだね。
おやすみ雪菜」
「おやすみ蒼」
しばらく立つと蒼はスヤスヤと眠り出す。それを確認すると雪菜もベッドへ潜り込んだ。
大丈夫。アンタは十分愛されてるよ
蒼を想う彼を思い浮かべ、雪菜は小さく笑みを浮かべる。
それと同時に雪菜の脳裏に浮かび上がるのは、いつも突っかかるように絡んでくる黒縁眼鏡の青年の姿。
何故、あんな奴の事を...
雪菜はまた、ありえない相手に対する自分の恋心に蓋をし脳裏にチラつく彼を消滅させ、眠りにつくのだった。
雪菜も大学を巡れたことに満足。
そして二人は東京を後にし、遂に全国大会会場へ到着した。
「あ!!雪菜!!」
「...なに??」
「日和達も会場着いたらしいよ?」
ウキウキと蒼が携帯の画面を雪菜に見せる。すると雪菜は途端にしかめっ面になり、眉をひそめた。
「達??と言う事は郁也もいるの?」
「そうらしいよ」
「へぇ〜...相変わらず郁也にベッタリなんだアイツ」
嫌悪感露わにする雪菜。
そんな彼女を気にする素振りなく蒼は閃いたことを雪菜に言う。
「あ!そうだ!
お昼に日和と会おうってなったんだけど、雪菜も...」
「パス!!アイツの顔なんか見たくもない」
ピシャリと蒼の言葉を拒否した雪菜は彼女に背を向け手をヒラヒラさせる。
「え...あ...雪菜??」
「チームに顔出してくるわ...
どうぞ二人でごゆっくり」
ご機嫌斜めな雪菜に蒼は小さく息をつく。
「たく…素直じゃないんだから…」
小さく溜息をつくと、蒼は彼女とは逆へ歩く。そして会場の外へ出て、指定されたカフェに向かう。
カラン
ゆっくりと蒼が開けると扉についていた鈴が綺麗な音色を奏でる。
指定されたカフェは、オシャレながらも落ち着いた雰囲気を醸し出していて、色々なカフェを巡っている彼が選ぶのも納得が行く場所だった。
もう来てるかな?と辺りを見渡す蒼。
そんな彼女の背後にカランという音と共にある一人の青年が入ってくる。そして彼は蒼の肩を軽くポンポンと叩く。
「久しぶり蒼」
振り向いた蒼に、ニコリと笑いかける人物こそ蒼の待ち合わせ相手。
「ホント久しぶりだね!日和」
明るい栗色の髪に黒縁眼鏡の青年は、遠野日和。アメリカ時代のチームメイト兼友達だ。
二人揃って窓際の席に、座り注文した飲み物を飲む。
「そういえば、郁也は?」
てっきり一緒に二人で来ると思っていた蒼は不思議そうに尋ねる。
「郁也は、試合前だからね...
誘わなかったよ」
「そっか...それは残念」
相変わらずの郁也への過保護っぷりに多少呆れながらも、郁也に会えなかった事をホントに蒼は残念がった。
「それにしても良かったよ。
また、蒼が泳ぐの始めてくれて」
一安心したように微笑む日和に、蒼はアハハと申し訳無さそうに笑いながら口を開く。
「いやぁ...色々あったんだよ、帰ってから」
蒼は、帰ってからあった出来事を掻い摘んで話す。対して、日和もアメリカであった出来事を話した。
「お陰で雪菜とも縁が戻ってね!
ホントは今日誘ったんだけど断られちゃって...」
「いいよいいよ、雪菜の顔なんか見たくないし」
「...二人揃って同じこと言うよね?
雪菜も同じ様なこと言ってたよ」
「そりゃあそうでしょ?
俺と雪菜は水と油だからね」
ニコニコと笑顔を絶やさない日和。
それは、蒼から見て作り笑いのようにも時々見えた。それを唯一取り払って、彼の喜怒哀楽を表面に出すのは何時も雪菜だった。
周囲から見て、犬猿の中として見られるが、親近者の蒼や郁也からすると二人の言い争いは痴話喧嘩にしか聞こえないのだ。
「ホント二人揃って素直じゃないよね?」
「何か言った?蒼?」
「何も言ってないよ」
独り言を小さく呟いた蒼は、少しばかり不機嫌な顔で目の前の飲み物を飲み干すのだった。
そして、時間差を埋めるように喋り倒した二人はお互いの健闘を祈り合って別れるのだった。
※
「そろそろ真琴くんが恋しくなってきた?」
雪菜と連絡を取り合い、夕食を一緒に食べ、ホテルの部屋に戻り、お風呂も入り一段落している時に雪菜が蒼に突然話を振り出す。
「へぇ!?」
雪菜の言葉でみるみるうちに真っ赤に染まっていく蒼。雪菜はニヤニヤとその様子を眺める。
「あ...図星なんだ〜?なんでわかったかって?そりゃあ顔に書いてあるからだよ」
雪菜は楽しげに己の人差し指を蒼の顔に近づける。
「もう〜!!からかわないでよ」
「で?実際はどうなの?」
真剣味な声を出す雪菜に、蒼は素直に心の声を漏らす。
「うん。
なんか、久しぶりに離れてみて...
ポッカリと穴が空いた気分で...
すごく寂しい」
真琴を思い出すだけで胸が張り裂けるよう苦しい。早く会いたい。その想いが日に日につのっていっていたのだ。
「そっか」
「でも...この気持ちって一体何なんだろう?」
う~んと首を傾げる蒼に雪菜は思わず体勢を崩す。
ガタン!!
「へ?どうしたの?雪菜?そんなポカンとした顔して?」
「それ本気で言ってるの?」
本気トーンで言う雪菜の勢いに押されながらも蒼はコクコク頷く。
「う...うん」
「はぁ〜〜
真琴くんが不憫すぎる」
盛大なため息を付き雪菜は頭を抱える。
が、直ぐに立て直すと急に立ち上がり雪菜はズンズンと蒼に近づいて肩を掴んで揺らした。
「い〜い??
それは恋よ!恋!!
蒼は真琴くんに恋してるの!!」
「そうなの??」
未だにピンときていない蒼に雪菜は畳み掛けるように言葉を投げかける。
「じゃあ...蒼は他の人が真琴くんの隣にいたり抱きついてたりしてるの想像してなんとも思わない?」
「......思う」
「じゃあ、遙くんや渚くんや怜くんだったら?」
「微笑ましげに見てるかも」
「でしょ!!
その感情があるなら十分貴女は恋してるの!」
ストンと落ちてくる言葉に蒼はようやく自分の想いに気づく。
「そっか...私...真琴の事が好きなんだ」
「はぁ〜全く世話がかかる」
「でも...」
「でも?」
「真琴はただの幼馴染だとおもってるかも?」
泣き出しそうな顔を浮かべる蒼に、雪菜は盛大にため息をつく。
「それは本人に直接聞きなさい!!」
蒼の手を引いてベッドに横たわせると、彼女に布団を被せる。蒼は布団から目だけを覗かせた。
「で...でも」
「もうおそいから寝なさい。
ウジウジするなんて蒼らしくないよ」
「そ...そうだね。
おやすみ雪菜」
「おやすみ蒼」
しばらく立つと蒼はスヤスヤと眠り出す。それを確認すると雪菜もベッドへ潜り込んだ。
大丈夫。アンタは十分愛されてるよ
蒼を想う彼を思い浮かべ、雪菜は小さく笑みを浮かべる。
それと同時に雪菜の脳裏に浮かび上がるのは、いつも突っかかるように絡んでくる黒縁眼鏡の青年の姿。
何故、あんな奴の事を...
雪菜はまた、ありえない相手に対する自分の恋心に蓋をし脳裏にチラつく彼を消滅させ、眠りにつくのだった。