真琴の転機
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「真琴…お疲れ」
真琴のコーチしている様子が見たくて来ていた蒼が子どもたちを見送っていた彼に声をかける。
「あ…蒼。来てたんだ」
「え…まぁね。そういえばどう??やってみて」
「うん!楽しいよ!あ…でも」
「でも??」
「実は…気になる子がいて…」
真琴が壁際にいる子に視線を移す。その子は一人で浮かない顔をして俯いていた。その子はビート板なしで泳ぐのを怖がっている子だった。
そして真琴はゆっくりと彼に近づくと屈んで彼を下から見上げ、声を掛けた。
「颯斗くん…どうしたの??
今日、楽しくなかった??」
「泳ぐの…楽しくない」
俯いたはやとから言われた言葉に真琴は一瞬言葉を失った。
そんな中、入り口からそんな颯斗を呼ぶ声が聞こえてくる。
「颯斗!!」
「貴澄お兄ちゃん!!」
その声にハッと顔を上げた颯斗は一気に明るい表情になり呼んだ彼の胸に飛びこんだ。
「ごめんなぁ…遅くなって…」
真琴はというと立ち上がり、はやとを迎えに来た人物を凝視する。
颯斗が言ったきすみという名前に真琴は心当たりがあったのだ。
「きすみって…鴫野貴澄!?!?」
不思議そうに尋ねるとその人物は真琴の方を向き目を丸くした。
「もしかして…真琴!?!?」
「うん!!久しぶりだね貴澄!!」
「うん。中学のとき以来かな?」
談笑する二人を不思議に思い蒼は近づいた。
「真琴…知り合い??」
振り向いた真琴があぁ!!と声を上げる。
「蒼は貴澄に会うのは初めてだっけ??」
そう言うと真琴は貴澄を紹介する。
「鴫野貴澄…
俺と遙の中学時代のクラスメートだったんだよ」
「そうだったんだ…」
「貴澄…
彼女は宮沢蒼。俺とハルの幼馴染なんだよ」
「そうなんだ!
よろしくね…アオちゃん」
「こちらこそよろしく…貴澄くん」
そう言うと二人は握手を交わした。その様子を微笑ましげに見ていた真琴なのだが…
「ところで真琴…あの時言っていた人って…もしかして…」
「うわぁぁぁぁ!!ちょっと貴澄〜〜!!」
ニタニタと不敵な笑みを浮かべ始める貴澄。その言動に真琴は慌てふためき貴澄を蒼から遠ざける。
その様子を蒼はぽかんとして見ていた。
対して…
「なになにその様子だとホントのホントに!?」
「ちょっと…貴澄〜!?」
「ごめんごめん!!ちょっと鎌かけただけなんだけど…
まさか本人だとは…」
真琴の肩を組んで貴澄がニヤニヤと彼の顔を覗き込む。
「いやぁ…でもめちゃ可愛い子じゃないか…
で…想いは伝えたの??」
「え…い…いや…まだだけど…」
コノコノ!と肘鉄を貴澄が食らわすが、真琴の言い淀む姿に貴澄の手は止まった。
「えぇ〜〜!!真琴それホント!?」
「何がホントなの??」
いい加減しびれを切らした蒼が二人を覗き込む。
一方で急に現れた蒼に真琴と貴澄はギクッと身体を強張らせ慌てふためく。
「え…えっと…」
「ほ…ほら!!それは僕たちの秘密だよね!真琴!」
「そうそう!!」
「あ…怪しい」
ジーッと蒼が挙動不審な彼らを見つめる。
「あ…僕もう帰るね!じゃ〜ね!!」
蒼の目線に耐えきれなくなったのか貴澄は逃げるように颯斗を連れてこの場を立ち去る。
「えぇ!!あ…貴澄〜!!」
真琴の嘆きも虚しく貴澄の姿は消える。
「で??なんの話ししてたの??」
「…秘密」
「えぇ〜気になる!!」
ジタバタする蒼に真琴は困った顔を浮かべる。
「ちゃんと話すよ…
だからそれまで待っててくれないかな」
「………そこまで言うなら」
目をそらしふてくされながらもそう言ってくれた蒼が幼く見え真琴は小さく笑うと彼女の頭を撫でた。
「ありがと…じゃ帰ろ。アオちゃん」
「うん」
頭から離れた温もりが何故か名残惜しいと思った蒼に差し出されたのは、真琴の大きな手。
顔を上げると真琴がニコリと笑っていた。
「ほら…」
その言葉に促されながら蒼はその手を掴むのだった。
真琴のコーチしている様子が見たくて来ていた蒼が子どもたちを見送っていた彼に声をかける。
「あ…蒼。来てたんだ」
「え…まぁね。そういえばどう??やってみて」
「うん!楽しいよ!あ…でも」
「でも??」
「実は…気になる子がいて…」
真琴が壁際にいる子に視線を移す。その子は一人で浮かない顔をして俯いていた。その子はビート板なしで泳ぐのを怖がっている子だった。
そして真琴はゆっくりと彼に近づくと屈んで彼を下から見上げ、声を掛けた。
「颯斗くん…どうしたの??
今日、楽しくなかった??」
「泳ぐの…楽しくない」
俯いたはやとから言われた言葉に真琴は一瞬言葉を失った。
そんな中、入り口からそんな颯斗を呼ぶ声が聞こえてくる。
「颯斗!!」
「貴澄お兄ちゃん!!」
その声にハッと顔を上げた颯斗は一気に明るい表情になり呼んだ彼の胸に飛びこんだ。
「ごめんなぁ…遅くなって…」
真琴はというと立ち上がり、はやとを迎えに来た人物を凝視する。
颯斗が言ったきすみという名前に真琴は心当たりがあったのだ。
「きすみって…鴫野貴澄!?!?」
不思議そうに尋ねるとその人物は真琴の方を向き目を丸くした。
「もしかして…真琴!?!?」
「うん!!久しぶりだね貴澄!!」
「うん。中学のとき以来かな?」
談笑する二人を不思議に思い蒼は近づいた。
「真琴…知り合い??」
振り向いた真琴があぁ!!と声を上げる。
「蒼は貴澄に会うのは初めてだっけ??」
そう言うと真琴は貴澄を紹介する。
「鴫野貴澄…
俺と遙の中学時代のクラスメートだったんだよ」
「そうだったんだ…」
「貴澄…
彼女は宮沢蒼。俺とハルの幼馴染なんだよ」
「そうなんだ!
よろしくね…アオちゃん」
「こちらこそよろしく…貴澄くん」
そう言うと二人は握手を交わした。その様子を微笑ましげに見ていた真琴なのだが…
「ところで真琴…あの時言っていた人って…もしかして…」
「うわぁぁぁぁ!!ちょっと貴澄〜〜!!」
ニタニタと不敵な笑みを浮かべ始める貴澄。その言動に真琴は慌てふためき貴澄を蒼から遠ざける。
その様子を蒼はぽかんとして見ていた。
対して…
「なになにその様子だとホントのホントに!?」
「ちょっと…貴澄〜!?」
「ごめんごめん!!ちょっと鎌かけただけなんだけど…
まさか本人だとは…」
真琴の肩を組んで貴澄がニヤニヤと彼の顔を覗き込む。
「いやぁ…でもめちゃ可愛い子じゃないか…
で…想いは伝えたの??」
「え…い…いや…まだだけど…」
コノコノ!と肘鉄を貴澄が食らわすが、真琴の言い淀む姿に貴澄の手は止まった。
「えぇ〜〜!!真琴それホント!?」
「何がホントなの??」
いい加減しびれを切らした蒼が二人を覗き込む。
一方で急に現れた蒼に真琴と貴澄はギクッと身体を強張らせ慌てふためく。
「え…えっと…」
「ほ…ほら!!それは僕たちの秘密だよね!真琴!」
「そうそう!!」
「あ…怪しい」
ジーッと蒼が挙動不審な彼らを見つめる。
「あ…僕もう帰るね!じゃ〜ね!!」
蒼の目線に耐えきれなくなったのか貴澄は逃げるように颯斗を連れてこの場を立ち去る。
「えぇ!!あ…貴澄〜!!」
真琴の嘆きも虚しく貴澄の姿は消える。
「で??なんの話ししてたの??」
「…秘密」
「えぇ〜気になる!!」
ジタバタする蒼に真琴は困った顔を浮かべる。
「ちゃんと話すよ…
だからそれまで待っててくれないかな」
「………そこまで言うなら」
目をそらしふてくされながらもそう言ってくれた蒼が幼く見え真琴は小さく笑うと彼女の頭を撫でた。
「ありがと…じゃ帰ろ。アオちゃん」
「うん」
頭から離れた温もりが何故か名残惜しいと思った蒼に差し出されたのは、真琴の大きな手。
顔を上げると真琴がニコリと笑っていた。
「ほら…」
その言葉に促されながら蒼はその手を掴むのだった。