渚の家出!?
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遙の一声により一行が行き着いた場所は、岩鳶SC RETURNS。
笹部から鍵を借りられたお陰で今回は普通に入口から入ることが出来た。
「ごめん!!結局皆を巻き込んで…」
一番後方を歩いていた渚が頭を下げる。
「…今更だろ?」
「ハルの言う通りだよ」
「もう乗りかかった船だ」
「えぇ!!一緒に解決策を考えましょう!!」
皆の言葉を噛み締め渚は小さく頷く。
「このままロビーに居たら見つかるかもしれない…」
「それならやはり更衣室でしょうか?」
遙の最もな意見に怜が隠れる場所を思いつくのだが、その言葉に真琴は顔を青ざめる。
「えぇ!!いや…でも…ほら!
あそこ暗いさ…お化けとか…」
「いませんよそんな非科学的なもの」
真琴の表情に怜が呆れた表情を浮かべる。
「そんなこと言っているかもしれないだろ!!」
恐怖で震えた真琴は蒼に思い切りしがみつく。そして蒼の方を勢いよく揺さぶった。
「真琴…落ち着いてって…」
「真琴声が大きい」
「あぁ…ごめん」
恐怖で声を上ずらせる真琴をなだめるように蒼と遙が声をかけることでようやく彼は落ち着きを取り戻す。
「とりあえずは暫くここにいましょう」
真琴のただならぬ様子に怜は小さくため息をつく。
そして怜の言う通り、暫くロビーに留まることに決めるのだった。
ロビーの床に座り込こんだ一行は解決策を考えていた。
「やはり成績を挽回して両親にお許しを貰うしかないと思いますが…」
「ま…それが正攻法だよなぁ」
怜がため息混じりに言うと真琴が怜の言葉に同意する。
「ナギちゃん…一体どんなひどい点数をとったの??」
蒼が気になったことを渚に尋ねると渚はリュックサックに手を入れ、この間のテスト用紙を取り出した。
それを皆見ると愕然とした。
英語31
数学41
国語55
社会98
「ナギちゃん、極端すぎる…」
「怒られて当然です」
蒼が苦笑いし、怜はピシャリと声を上げた。
「でも…渚、中学は私立じゃなかったか?」
「うん…進学校だったよ」
真琴の率直な疑問に渚は小さく頷く。
「それに1年のときはそこまで成績悪く無かったじゃないですか…
それが何故??」
怜の投げかけに渚は俯きながら答える。
「それは…勉強が嫌いだから…」
「嫌いって…集中力が足りないだけでしょ?」
「そうじゃなくて…本当に辛かったんだ」
そう呟くと渚は抱えているカバンをギュッと握りしめる。
「中学受験も親が決めただけなんだ
いい大学に入っていい会社に就職…それが僕の家の方針だから…
中学の時毎日勉強ばっかりで…楽しいと思えることが何もなくて
自分がなんのために勉強しているかだんだんわからなくなっていったんだ。それから勉強することが苦しく感じるようになった。
そんな僕を見かねて親が岩鳶にいくことを許してくれたんだ。
だからこうして皆と泳げてるんだ。
結局親の期待には答えられなかったけど…
そのまま進学校にいたら絶対水泳できなかったろうし…」
「どうして岩鳶だったんだ?
泳ぎたいなら別に岩鳶じゃなくてもいいだろ?」
遙の問に渚はゆっくりと立ち上がると皆の顔を見渡した。
「そんなの決まってるじゃない。
ハルちゃんやマコちゃんとまた泳ぎたかったから
そしたらアオちゃんにまた偶然にも会えることが出来たし、それにレイちゃんと出会ってもっと泳ぐのが楽しくなって…
この仲間と泳げるのが楽しくて楽しくて…しょうがないんだ」
ほんとに嬉しかったのか渚は満面の笑みを浮かべ微笑んだ。
「だから水泳部をやめろって言われた時目の前が真っ暗になった。
昔みたいにまた楽しいと思えることが何もなくなるのかと思うと…」
「それで家を出たのか…」
真琴の言葉に小さく渚は頷く。
すると、怜はそんな彼にある疑問を投げかける。
「渚くんがそう思ってること…ご両親は知ってるんですか?」
「知らないと思う…言ったところで聞いてくれないと思うし…」
苦しそうに渚が嘆く中…
クラブの入り口に一台の車が入ってくる。
「誰か来ました!!」
怜が目を見開く。
「クラブの人かなぁ??」
「こんな時間にこないよ!!」
慌てる真琴の言葉を蒼が否定する。
「じゃ…渚くんのご両親??」
怜が閃きハッとして声を上げる。その言葉に皆、えぇ!?と驚きの声を上げ慌てて立ち上がった。
「一先ず隠れよう」
渚の背中を真琴が押す。
「はい…渚くん!!」
怜が先導するように前に出る。
その中、遙が外を確認しようと立ち止まる。彼の様子を振り返って知った蒼が遙を急かす。
「ハル!!早く!!」
「あぁ」
そして皆は息をひそめるようにロッカーに隠れた。
「ここなら見つからないよな」
不安げに真琴が声に漏らす。その言葉に小さく怜が外の様子を伺いながら頷く。
「おそらく」
「…お母さんかな」
「シッ!!静かに」
表情を曇らせ俯き呟く渚。
対して、怜は外の様子に気づき渚たちを黙らせた。
コツコツコツ
靴音がだんだん近づいてくるのに気づき一行は固唾をのむ。そしてその足音の持ち主は一度扉の前で立ち止まる。
が、その人物はその扉を開けることなく立ち去っていった。
息を潜めていた一行は足音が遠ざかるのを確認するとホッとして大きく息をついた。
だが、いつまでもここにいたら時間の問題だと行動に移す。
「今のうちにもっと奥…プールまで行こう」
真琴のかけごえで皆足早にプールへ走った。
笹部から鍵を借りられたお陰で今回は普通に入口から入ることが出来た。
「ごめん!!結局皆を巻き込んで…」
一番後方を歩いていた渚が頭を下げる。
「…今更だろ?」
「ハルの言う通りだよ」
「もう乗りかかった船だ」
「えぇ!!一緒に解決策を考えましょう!!」
皆の言葉を噛み締め渚は小さく頷く。
「このままロビーに居たら見つかるかもしれない…」
「それならやはり更衣室でしょうか?」
遙の最もな意見に怜が隠れる場所を思いつくのだが、その言葉に真琴は顔を青ざめる。
「えぇ!!いや…でも…ほら!
あそこ暗いさ…お化けとか…」
「いませんよそんな非科学的なもの」
真琴の表情に怜が呆れた表情を浮かべる。
「そんなこと言っているかもしれないだろ!!」
恐怖で震えた真琴は蒼に思い切りしがみつく。そして蒼の方を勢いよく揺さぶった。
「真琴…落ち着いてって…」
「真琴声が大きい」
「あぁ…ごめん」
恐怖で声を上ずらせる真琴をなだめるように蒼と遙が声をかけることでようやく彼は落ち着きを取り戻す。
「とりあえずは暫くここにいましょう」
真琴のただならぬ様子に怜は小さくため息をつく。
そして怜の言う通り、暫くロビーに留まることに決めるのだった。
ロビーの床に座り込こんだ一行は解決策を考えていた。
「やはり成績を挽回して両親にお許しを貰うしかないと思いますが…」
「ま…それが正攻法だよなぁ」
怜がため息混じりに言うと真琴が怜の言葉に同意する。
「ナギちゃん…一体どんなひどい点数をとったの??」
蒼が気になったことを渚に尋ねると渚はリュックサックに手を入れ、この間のテスト用紙を取り出した。
それを皆見ると愕然とした。
英語31
数学41
国語55
社会98
「ナギちゃん、極端すぎる…」
「怒られて当然です」
蒼が苦笑いし、怜はピシャリと声を上げた。
「でも…渚、中学は私立じゃなかったか?」
「うん…進学校だったよ」
真琴の率直な疑問に渚は小さく頷く。
「それに1年のときはそこまで成績悪く無かったじゃないですか…
それが何故??」
怜の投げかけに渚は俯きながら答える。
「それは…勉強が嫌いだから…」
「嫌いって…集中力が足りないだけでしょ?」
「そうじゃなくて…本当に辛かったんだ」
そう呟くと渚は抱えているカバンをギュッと握りしめる。
「中学受験も親が決めただけなんだ
いい大学に入っていい会社に就職…それが僕の家の方針だから…
中学の時毎日勉強ばっかりで…楽しいと思えることが何もなくて
自分がなんのために勉強しているかだんだんわからなくなっていったんだ。それから勉強することが苦しく感じるようになった。
そんな僕を見かねて親が岩鳶にいくことを許してくれたんだ。
だからこうして皆と泳げてるんだ。
結局親の期待には答えられなかったけど…
そのまま進学校にいたら絶対水泳できなかったろうし…」
「どうして岩鳶だったんだ?
泳ぎたいなら別に岩鳶じゃなくてもいいだろ?」
遙の問に渚はゆっくりと立ち上がると皆の顔を見渡した。
「そんなの決まってるじゃない。
ハルちゃんやマコちゃんとまた泳ぎたかったから
そしたらアオちゃんにまた偶然にも会えることが出来たし、それにレイちゃんと出会ってもっと泳ぐのが楽しくなって…
この仲間と泳げるのが楽しくて楽しくて…しょうがないんだ」
ほんとに嬉しかったのか渚は満面の笑みを浮かべ微笑んだ。
「だから水泳部をやめろって言われた時目の前が真っ暗になった。
昔みたいにまた楽しいと思えることが何もなくなるのかと思うと…」
「それで家を出たのか…」
真琴の言葉に小さく渚は頷く。
すると、怜はそんな彼にある疑問を投げかける。
「渚くんがそう思ってること…ご両親は知ってるんですか?」
「知らないと思う…言ったところで聞いてくれないと思うし…」
苦しそうに渚が嘆く中…
クラブの入り口に一台の車が入ってくる。
「誰か来ました!!」
怜が目を見開く。
「クラブの人かなぁ??」
「こんな時間にこないよ!!」
慌てる真琴の言葉を蒼が否定する。
「じゃ…渚くんのご両親??」
怜が閃きハッとして声を上げる。その言葉に皆、えぇ!?と驚きの声を上げ慌てて立ち上がった。
「一先ず隠れよう」
渚の背中を真琴が押す。
「はい…渚くん!!」
怜が先導するように前に出る。
その中、遙が外を確認しようと立ち止まる。彼の様子を振り返って知った蒼が遙を急かす。
「ハル!!早く!!」
「あぁ」
そして皆は息をひそめるようにロッカーに隠れた。
「ここなら見つからないよな」
不安げに真琴が声に漏らす。その言葉に小さく怜が外の様子を伺いながら頷く。
「おそらく」
「…お母さんかな」
「シッ!!静かに」
表情を曇らせ俯き呟く渚。
対して、怜は外の様子に気づき渚たちを黙らせた。
コツコツコツ
靴音がだんだん近づいてくるのに気づき一行は固唾をのむ。そしてその足音の持ち主は一度扉の前で立ち止まる。
が、その人物はその扉を開けることなく立ち去っていった。
息を潜めていた一行は足音が遠ざかるのを確認するとホッとして大きく息をついた。
だが、いつまでもここにいたら時間の問題だと行動に移す。
「今のうちにもっと奥…プールまで行こう」
真琴のかけごえで皆足早にプールへ走った。