渚の家出!?
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「ハル??」
「ハル!!」
ある朝、普段どおりに真琴と蒼が遙の家に。だが、応答がなく二人は顔を見合わせた。
夏になりプールで泳げるようになってから彼は水風呂には入って無かったからだ。
「ハル??開けるよ??」
しかたなく家に上がり、脱衣所に直行。
かごに服が置いてあるのを確認すると真琴は風呂の扉を開ける。
「…あれ??」
真琴の後から入った蒼はその服を訝しげに見ていた。
この服…いや…まさか…
気になった蒼だが、すぐさまその可能性を切り捨てて彼女も風呂場へ。
「もう…いつまで水風呂入ってるつもり?
ほら行くよ…ハル…」
いつも通りに真琴が手を差し伸べる。
だが、真琴の言葉が言い終わらないうちに浴槽から急に手が伸びてきて彼の手首を思い切りガシッと掴む。
「え…えぇ〜〜!?!?」
思わず真琴は身体を仰け反らせる。
流石の蒼もビックっと身体を震わせる。
「え…まさかまさかの!?!?」
「まさかってなに!!」
蒼の言葉にビクビクしながら真琴が反応する。
そんな彼を落ち着かせようと蒼が口を開きかけた時…
「マ〜コ〜ちゃ〜〜ん!!!」
ゆっくりと浴槽から顔を出す彼。
もちろん小心者の真琴は幽霊でも見たかのような目つきで震え上がり静かな朝に響くような悲鳴を思い切り上げ蒼にしがみつくのだった。
「お…おばけ〜!!」
「ま…真琴!!落ち着いて!!」
蒼が落ち着かせようと声をあげるが当の本人はビビって蒼に更に強くしがみつく。
もう!!と呆れかえる蒼の前方の浴槽には案の定思った通りの人物がえへへと笑っていた。
「ナギちゃん!!面白がって真琴を驚かせちゃダメでしょ!!」
「いやぁ…つい悪戯心が…」
「ここで発動させないで!!
ほら真琴!!おばけじゃないからちゃんと目を開けて!!」
渚の声を遮るように蒼が一言言い切ると、彼女は未だにしがみつく真琴を引きはがしにかかる。
「ホントだよ!!ほら!!」
「…なにやってんだ」
後少しというところで後方から遙の声。
騒ぎを聞きつけた遙がエプロン姿で様子を見に来たのだ。
遙の登場で3人は固まる。ようやく目を開けた真琴はお化けの正体が渚だとやっと気づく。
「……渚!?」
「おはよ!マコちゃん!!
それにしてもあいかわらず二人は仲いいよね。」
「…いつまで真琴は蒼に抱きついてるんだ」
ニコニコと笑う渚。
対して、事情を知らない遙は静かにどす黒いオーラを滲ませる。
二人の言葉に最初は理解できなかった真琴達。だが、数秒後ようやくまだ抱きつかれたままだと気づいた蒼が思い切り力を入れて真琴から離れる。
「ひ…ひゃぁ!?!?」
「ご…ごめん!!蒼」
突然跳ね上がって離れた蒼を視線に捕らえた真琴は慌てふためきながら彼女に謝る。ようやく己の置かれていた状況を思い出した真琴の顔は一気に赤面。
そこまではいつもと同じなのだが…
「蒼???」
いつもはいいよいいよと軽く笑って返す蒼が何故か黙ったまま俯いていた。よくよく注意してみると蒼の髪の隙間から見える肌や耳が赤く染まっていた。
「へ…あ!!平気平気!!
ほら早く行かないと遅刻しちゃうよ!!」
真琴の呼びかけにようやく応じた蒼は恥ずかしさを隠すように慌てて風呂場を後にする。
そんな彼女の後ろ姿を真琴は見えなくなるまで茫然としていた。
「マコちゃ~~ん??」
渚が真琴の目に手をかざして振るが一向に反応ゼロ。
「…重症だな」
その様子に遙は小さくため息をつくのだった。