スカウトのプレッシャー
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遂に地方大会前日…
一行は泊まるホテルの前に来ていた。
「うわぁ!!大きなホテル!!」
「こんな所に泊まるの!?」
渚と蒼が感嘆の声を上げる。
「去年と明らかにランクが違う…」
対して、怜は訝しげにそのホテルを見ていた。
「ま…まさか江ちゃんとアオちゃんと先生だけ此処に泊まって…
俺たちはテントなんじゃ」
「去年の合宿と同じパターン!?!?」
真琴と怜は去年のことを思い出し、顔を蒼ざめる。
そんな二人を江と天方は呆れた様子で横目で見る。
「何言ってるんですか!!」
「そうよ!主役はあくまで貴方達なんだから。
ただし…こんな名言があります。
”タダより高いものはない。されどその値段プライスレス!”」
「はぁ…」
「というわけだから皆きちんと結果を出しましょうね!!」
「はい…」
プレッシャーを掛けられた彼らは小さくため息を付くのだった。
「江さ〜〜〜ん!!」
そんな彼らの後方で聞き覚えのある声が聞こえてくる。
振り向くとそこには鮫柄学園一行が着いていた。
「お兄ちゃん達!」
「なんだよ…お前らも同じホテルか」
先頭を歩く凛が気づくと小さく息をつく。
「うん!!よろしくね!愛ちゃん!!」
渚は似鳥に歩み寄るとニコニコと笑った。
その彼に似鳥はすかさず異を唱える。
「だから愛ちゃんはやめてください!!」
「そういえば宗介くん…この前家の近くの駅にいたでしょ?何してたの??」
江は、先日見た光景が気になり宗介に近づき疑問を投げかける。
「あ…いや…」
言い渋る宗介。江は、もう少し踏込もうとするがそれ寄り先に宗介の前にウキウキする百太郎が二人の間に割って入る。
「江さ〜〜ん!!
山崎先輩よりもっと俺を見てください!!
御子柴百太郎!!!!
好きなアイスはチョコプリン味!!
好きなバーガーはトリプルチーズハンバーガ!!
そして!!
好きな女の子のタイプは…」
江をキラキラした目でみつめる百太郎。
そんな彼の耳をとある人物が摘む。
「い〜く〜ぞ!!!!」
その人物は凛。
殺気立つオーラを体中から漏らし彼をそのまま引きづる。
そして嵐のように鮫柄学園一行は姿を消すのだった。
ガタン!!
突如響いた音。
それは蒼が自分の荷物を落とした音だった。
蒼の視界の遥か遠方で見覚えのあるシルエット。
ジャージを羽織った少女でブラウン色の髪を靡かせていた。
一瞬で目を疑う蒼だが考えるよりも先に走り出す。
そのただならぬ雰囲気を出す蒼に、何事かと一行は天方を置き去りにして追いかけ始める。
「待って!!待ってよ!!雪菜!!!」
慣れない町並み。
蒼は必死に人混みを掻き分けて必死に叫ぶ。
だが、その人物は止まる様子がない。蒼は見失わないようにひたすら後を追った。
そしてようやくその人物は人気のない公園で立ち止まる。
息を荒げて蒼はようやく手に届く範囲まで追いつく。
「雪菜...雪菜だよね??」
息を整えながら蒼は彼女の背に手を伸ばす。だが、彼女の手が届く前にその人物に叩かれてしまう。
え....
蒼が払われた手を見つめ、そしてゆっくりと顔を上げる。すると琥珀色の瞳がキリッと己を睨みつけていた。
「親しげに私の名前呼ばないでくれる??」
振り返った彼女は蒼から目をそらす事なく鋭い眼光を蒼に向ける。
その瞳...彼女から放たれる重たい空気に蒼は恐怖を覚え後ずさり。対して、彼女は蒼との距離を詰めようと足を前に出し始める。
「随分楽しそうじゃない?
仲間とはしゃいで楽しく自由に何にも囚われることなく泳いで...満足??」
憎しみを込めた彼女の声は冷たく、蒼の心にズシズシと突き刺さっていく。
「そんなんで良く留学しようと思ったね?
ねぇ?私言ったよねあの時?
貴女に競泳なんて向いてないって
もう本気じゃないなら私の夢を邪魔しないでって」
「わかってる...わかってるけど...
私どうしても...雪菜に...」
「うるさいな!!
もう金輪際アンタとか関わりたくないっていってんの!!」
蒼の言葉を遮るように彼女は声を荒げる。
その二人の様子に追いついた真琴は割って入るように蒼の前に立って正面の彼女を見据えた。
「キミが平井雪菜さん?」
「えぇ...そうよ。なんか用??」
「蒼がどうしてもキミに話したい事があるって言ってたんだ。話だけでも...」
「何も知らないくせに!!
外部者は黙ってて!!....邪魔」
「お願い!!話だけでも...」
「鬱陶しい...
専門でもないのにバッタにもエントリーして...今更何を話すの?」
呆れ返った彼女から吐き出されるトゲトゲしい言葉の数々。
だが、あるフレーズに引っかかった遙が口を開く。
「なんでバッタに出てるって知ってるんだ?」
遙を一瞥すると雪菜は一度目を伏せる。そして数秒後目をゆっくり開いた彼女は話し出す。
「見てたからだよ。
七瀬遙...アンタのフリーもそして貴女のバッタとフリーもね...蒼」
「ど...どうして?」
「1年お預け喰らったからね。」
「それって!?」
「去年の地方大会の話ですか?」
渚と怜の言葉に雪菜は小さく頷く。
「何時までも私は立ち止まっていられないの!!何時までもアンタの幻影を見たくない!だから、ケリをつけようと思った!!
なのに!!他校とリレーを組んで失格!?
前代未聞よ」
苛立ちをぶつけるように声を荒げる雪菜。そして一息つくと切実な声を発する。
「でも...明日でようやく終わる。
アンタに勝って私は前に進む
幻影ともおさらば
言いたいことがあるって?だったら私を負かしてから言いなさい」
今まで苦しんできた分がようやく報われると……
一瞬だけ柔らかい表情を浮かべる雪菜を見て、蒼はそっと目を伏せると小さく頷いた。
「...分かった」
「「蒼!?!?」」
「「アオちゃん!?!?」」
「蒼先輩!?!?」
聞いていた皆が驚きの声を上げる中、二人は静かに話を進めていく。
「雪菜に勝てば話聞いてくれる??」
「えぇ...まぁ負ける気しないけど」
「だったら私は雪菜に勝つために泳ぐ」
「そう来なくっちゃ!倒しがいが無い」
ニヤリと笑うともう話すことはないと雪菜は彼らの脇を通り抜ける。
「じゃあね...蒼
明日は覚悟しときなさい」
そして彼女は公園から姿を消すのだった。
「なんか…想像していた人と違う…」
江が思わず心の声を漏らす。
「よかったの??アオ??」
話し合いたいと言っていたのに、結局は聞く耳を持ってもらえないばかりか勝負をすることになってしまったことに、真琴は蒼を心配そうに見る。
「うん…いいの。
まぁそれに勝負する気ないしね!」
吹っ切れた表情をする蒼に皆驚きの声を上げる。
「勝負しないんですか!?」
「だって…バッタに関しては雪菜には勝てない自信しかないんだもん」
怜の言葉に蒼は困ったように答える。
「じゃあ…どうして??」
「泳いでみたかったんだ…雪菜と」
渚の言葉に柔らかく微笑む蒼は、菫色の瞳を細めるのだった。
一行は泊まるホテルの前に来ていた。
「うわぁ!!大きなホテル!!」
「こんな所に泊まるの!?」
渚と蒼が感嘆の声を上げる。
「去年と明らかにランクが違う…」
対して、怜は訝しげにそのホテルを見ていた。
「ま…まさか江ちゃんとアオちゃんと先生だけ此処に泊まって…
俺たちはテントなんじゃ」
「去年の合宿と同じパターン!?!?」
真琴と怜は去年のことを思い出し、顔を蒼ざめる。
そんな二人を江と天方は呆れた様子で横目で見る。
「何言ってるんですか!!」
「そうよ!主役はあくまで貴方達なんだから。
ただし…こんな名言があります。
”タダより高いものはない。されどその値段プライスレス!”」
「はぁ…」
「というわけだから皆きちんと結果を出しましょうね!!」
「はい…」
プレッシャーを掛けられた彼らは小さくため息を付くのだった。
「江さ〜〜〜ん!!」
そんな彼らの後方で聞き覚えのある声が聞こえてくる。
振り向くとそこには鮫柄学園一行が着いていた。
「お兄ちゃん達!」
「なんだよ…お前らも同じホテルか」
先頭を歩く凛が気づくと小さく息をつく。
「うん!!よろしくね!愛ちゃん!!」
渚は似鳥に歩み寄るとニコニコと笑った。
その彼に似鳥はすかさず異を唱える。
「だから愛ちゃんはやめてください!!」
「そういえば宗介くん…この前家の近くの駅にいたでしょ?何してたの??」
江は、先日見た光景が気になり宗介に近づき疑問を投げかける。
「あ…いや…」
言い渋る宗介。江は、もう少し踏込もうとするがそれ寄り先に宗介の前にウキウキする百太郎が二人の間に割って入る。
「江さ〜〜ん!!
山崎先輩よりもっと俺を見てください!!
御子柴百太郎!!!!
好きなアイスはチョコプリン味!!
好きなバーガーはトリプルチーズハンバーガ!!
そして!!
好きな女の子のタイプは…」
江をキラキラした目でみつめる百太郎。
そんな彼の耳をとある人物が摘む。
「い〜く〜ぞ!!!!」
その人物は凛。
殺気立つオーラを体中から漏らし彼をそのまま引きづる。
そして嵐のように鮫柄学園一行は姿を消すのだった。
ガタン!!
突如響いた音。
それは蒼が自分の荷物を落とした音だった。
蒼の視界の遥か遠方で見覚えのあるシルエット。
ジャージを羽織った少女でブラウン色の髪を靡かせていた。
一瞬で目を疑う蒼だが考えるよりも先に走り出す。
そのただならぬ雰囲気を出す蒼に、何事かと一行は天方を置き去りにして追いかけ始める。
「待って!!待ってよ!!雪菜!!!」
慣れない町並み。
蒼は必死に人混みを掻き分けて必死に叫ぶ。
だが、その人物は止まる様子がない。蒼は見失わないようにひたすら後を追った。
そしてようやくその人物は人気のない公園で立ち止まる。
息を荒げて蒼はようやく手に届く範囲まで追いつく。
「雪菜...雪菜だよね??」
息を整えながら蒼は彼女の背に手を伸ばす。だが、彼女の手が届く前にその人物に叩かれてしまう。
え....
蒼が払われた手を見つめ、そしてゆっくりと顔を上げる。すると琥珀色の瞳がキリッと己を睨みつけていた。
「親しげに私の名前呼ばないでくれる??」
振り返った彼女は蒼から目をそらす事なく鋭い眼光を蒼に向ける。
その瞳...彼女から放たれる重たい空気に蒼は恐怖を覚え後ずさり。対して、彼女は蒼との距離を詰めようと足を前に出し始める。
「随分楽しそうじゃない?
仲間とはしゃいで楽しく自由に何にも囚われることなく泳いで...満足??」
憎しみを込めた彼女の声は冷たく、蒼の心にズシズシと突き刺さっていく。
「そんなんで良く留学しようと思ったね?
ねぇ?私言ったよねあの時?
貴女に競泳なんて向いてないって
もう本気じゃないなら私の夢を邪魔しないでって」
「わかってる...わかってるけど...
私どうしても...雪菜に...」
「うるさいな!!
もう金輪際アンタとか関わりたくないっていってんの!!」
蒼の言葉を遮るように彼女は声を荒げる。
その二人の様子に追いついた真琴は割って入るように蒼の前に立って正面の彼女を見据えた。
「キミが平井雪菜さん?」
「えぇ...そうよ。なんか用??」
「蒼がどうしてもキミに話したい事があるって言ってたんだ。話だけでも...」
「何も知らないくせに!!
外部者は黙ってて!!....邪魔」
「お願い!!話だけでも...」
「鬱陶しい...
専門でもないのにバッタにもエントリーして...今更何を話すの?」
呆れ返った彼女から吐き出されるトゲトゲしい言葉の数々。
だが、あるフレーズに引っかかった遙が口を開く。
「なんでバッタに出てるって知ってるんだ?」
遙を一瞥すると雪菜は一度目を伏せる。そして数秒後目をゆっくり開いた彼女は話し出す。
「見てたからだよ。
七瀬遙...アンタのフリーもそして貴女のバッタとフリーもね...蒼」
「ど...どうして?」
「1年お預け喰らったからね。」
「それって!?」
「去年の地方大会の話ですか?」
渚と怜の言葉に雪菜は小さく頷く。
「何時までも私は立ち止まっていられないの!!何時までもアンタの幻影を見たくない!だから、ケリをつけようと思った!!
なのに!!他校とリレーを組んで失格!?
前代未聞よ」
苛立ちをぶつけるように声を荒げる雪菜。そして一息つくと切実な声を発する。
「でも...明日でようやく終わる。
アンタに勝って私は前に進む
幻影ともおさらば
言いたいことがあるって?だったら私を負かしてから言いなさい」
今まで苦しんできた分がようやく報われると……
一瞬だけ柔らかい表情を浮かべる雪菜を見て、蒼はそっと目を伏せると小さく頷いた。
「...分かった」
「「蒼!?!?」」
「「アオちゃん!?!?」」
「蒼先輩!?!?」
聞いていた皆が驚きの声を上げる中、二人は静かに話を進めていく。
「雪菜に勝てば話聞いてくれる??」
「えぇ...まぁ負ける気しないけど」
「だったら私は雪菜に勝つために泳ぐ」
「そう来なくっちゃ!倒しがいが無い」
ニヤリと笑うともう話すことはないと雪菜は彼らの脇を通り抜ける。
「じゃあね...蒼
明日は覚悟しときなさい」
そして彼女は公園から姿を消すのだった。
「なんか…想像していた人と違う…」
江が思わず心の声を漏らす。
「よかったの??アオ??」
話し合いたいと言っていたのに、結局は聞く耳を持ってもらえないばかりか勝負をすることになってしまったことに、真琴は蒼を心配そうに見る。
「うん…いいの。
まぁそれに勝負する気ないしね!」
吹っ切れた表情をする蒼に皆驚きの声を上げる。
「勝負しないんですか!?」
「だって…バッタに関しては雪菜には勝てない自信しかないんだもん」
怜の言葉に蒼は困ったように答える。
「じゃあ…どうして??」
「泳いでみたかったんだ…雪菜と」
渚の言葉に柔らかく微笑む蒼は、菫色の瞳を細めるのだった。