「え～この岩鳶祭は
私たちにとっては新入部員獲得をかけたラストチャンスです！！
この部活対抗リレーに勝てば一気に水泳部の注目度アップ間違いなし！
勝利をつかみ取り素晴らしい筋肉の新入部員を獲得するぞ！！」

「お～！！！」

1日目体育祭

２日目学園祭

２日間行われる岩鳶祭

未だに新入部員がこない水泳部は最後のラストチャンスを部活対抗リレーにかけていたのだ。























「さぁ！！いよいよやってきました。
岩鳶祭名物！部活対抗リレー！！」

テニス部

バスケ部

ラグビー部

剣道部

柔道部

水泳部

今回の出場はこの６チーム。
ちなみにバトン替わりとして持つのはビート板。


「よぉ～し！！頑張るぞ！！」

意気揚々とスタートラインにいるのはなんと蒼。
最初、遙の予定だったのだが、残念ながら彼は陸ではとびっきり遅い。まだ蒼が出た方がいいということになり男の中に女一人の状態で出ていたのだ。




よ～い…スタート！！


一斉に駆け出した選手。

蒼はなんと順位を真ん中にキープ。
そのまま次の走者の真琴へ。ビート板を手渡す。

「…蒼！！」

「真琴！！頼んだ！！」

受け取った真琴はダイナミックなパワー走りで先頭へ。
だが、渚とのビート板渡しを失敗。
宙に浮かぶビート板に飛び込んで渚がキャッチするもタイムロスで順位は最下位に後退してしまう。

だが、勝機はまだ残っている。
なぜなら…


風速1.5m…
渚君の身長は165ｃｍ
時速23㎞を想定し
…ビート板が受ける最も空気抵抗が少ない
腕の角度は…



怜が頭の中で最適な受け取り方をはじき出すと渚からビート板を受け取り駆け出す。

元陸上経験者の怜が最終ランナーとして走り出した。

またたく間に怜は先頭に躍り出る。

この怜の走りに周囲はどよめく。


「レイちゃん！！」

「「怜！！」」

「いっけ！！」

皆がトップになった怜に声援を送る。
そして水泳部は怜の活躍によりぶっちぎりの1位でゴールするのだった。














だが、後日…


皆の思惑通りに新入部員が訪れることはなかった。