岩鳶高校へ
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スイムキャップOK
度付きゴーグルOK
非ブーメラン型水着OK
飛び込み台に立ち、確認をする怜。そしてプールへ飛び込んだ。彼の飛び込むを蒼は初めて見たのだが、入水角度・フォームすべてが完璧だと思った。たまらず目を丸くして見惚れたくらいだ。だが…
次に蒼の視界に映ったのは、プールの底に沈んでいく怜であった。
「ぷは!!なぜだ………」
水面から出てきた怜はキャップとゴーグルを外し水を見つめるのだった。
あんなに綺麗なのになんで泳げないの!?
蒼は不思議だと首を傾げた。
そんな嘆く怜に近づく影…
その影は怜の隣で水面から浮上した。
「俺が教えてやる…。泳げるようになりたいんだろ?
ただし俺はフリーしか教えない」
その影の正体は遙だったのだ。
「ハルが人に教えるなんて…」
「びっくりだね…真琴」
いつもは教えることなんてないのに…
蒼達にとってこれは衝撃な出来事であった。
空が夕焼け色に染まるまで遥からワンツーマン指導を受けたあと、クロールを怜は泳ぎだす。
であったが、
やはり変わることなく底へ沈んでいくのだった。
なぜなんだ!!!
怜の悲痛な叫びが木霊した。
「天才とは1%のひらめきと99%の努力…
だがしかし
このエジソンの名言は1%のひらめきがなければいくら努力しても無駄
って意味もあるのよね」
プールサイドで見ていた顧問兼担任の天方はこう言うのであった。
「努力全否定!!!」
江をはじめとして皆驚いたことは言うまでもない…
*
プールサイドで膝をかかえうつむく怜。そこに近づくのは遙だった。
「泳ごうと思うな…飛べばいい」
「意味がわかりません」
「…心で飛べ」
「…もっと意味がわかりません」
「感覚で…」
「そういう抽象的な言い回しはやめてください。
どうすれば遙先輩のように…
あんな風に…
自由に泳げるんですか?
僕は悔しい。
自分にはなぜそれができないのか?」
この会話を聞いて蒼は悟った…
彼も遙の泳ぎに魅せられた一人なのだと…。
遙が去ってもその場を動かない彼に蒼はそっと近づき隣に腰かけた。
「蒼先輩…」
「ね??怜ちゃんはなんで水泳部に入ったの??」
「....
僕は…遙先輩の泳ぎに魅せられました。
あんなに美しい泳ぎを僕は初めてみました。
だから僕もあの人みたいに泳いでみたいんです。」
遠くを思い出すかのように見つめる怜がいた。その言葉に蒼は良かったと胸を撫で下ろす。
「そっか…なら大丈夫だよ。」
「え??」
「その気持ちがあれば怜ちゃんは泳げるよ…」
「で…でも…僕は…」
蒼の言葉に困惑する怜。蒼はそんな彼に次の言葉を投げかけるのだった。
「ね??怜ちゃん…バッタ泳いでみない??
怜ちゃんの思うままに自由に泳いでみてよ!」
この言葉が彼を動かしたのかはわからない…
けど…彼の顔はさっきと違いスッキリしているように蒼には見えるのだった。
*
「もうこうなったらビート板で出場しよう!」
倉庫から渚がビート板を取り出してくる。
「ルール的にありなの?」
疑問視する江。
だけど...その考え...
少し真琴は考えた。そして顔を上げた。
「意外とありかも!ルールとして明確に規定されてないんじゃ...」
最終手段だけど、ありだと真琴は思ったのだ。
「後でルール調べて....ん?」
今後のことを考え始めた真琴の耳に独特な音が聞こえてきてたまらず首を傾げた。
バシャ...バシャ...
それは水を掻き分ける音だった。プールを見るとバッタを泳ぐ姿。
「ハルちゃんかな?」
この場に居ないのは遙と蒼と怜。その中で、渚は遙の名前を口にした。
「でもハルはフリーしか泳がないんじゃ...」
「俺じゃない」
急に彼らの耳に遙の声が聞こえてくる。いつの間にか遙は真琴の隣に立っていたのだ。
遙ではないと知った彼らはでは誰だろうと考え込む。そして次は江が口を開いた。
「じゃあアオちゃんですかね?」
「確かに、蒼ならありえるけど...」
「私でもないよ。真琴」
真琴が隣を見るとそこには蒼がいた。
選択肢が次々と消えていく。そして残ったのは一人だった。
「ハルでも蒼でもないってことは...」
「怜ちゃん!?」「怜!?」
なんとバッタを泳いでいたのは怜だったのだ。
「今バッタ泳いでなかった?」
「まだ泳いでないのバッタだけだったので。やってみたら泳げました。」
清々しい顔で笑う怜がいた。
泳げるようになってよかったとその顔を見て誰もが思った。真琴が隣を見ると嬉しそうに笑う蒼。その顔を見て、真琴は彼女が何かしたのだろうと直感的に思った。
「アオちゃん...なんか言ったの?」
真琴の声に振り向いた彼女はこういうのだった。
「なんも言ってないよ...
ただ....」
「ただ?」
「自由に泳いでみなよって言っただけだよ。でも良かったよ...
バッタが泳げて」
微笑む彼女は、太陽のように輝いていた。真琴もそれにつられ頬が緩む。
「うん...そうだね。何がどうあれ...結果オーライだね」
プールでは水の中にいる怜に向かって飛び込む渚がいた。その近くのプールサイドには遥と江が立っていた。
「これで怜ちゃんも試合出れるね」
笑う彼女の表情の裏側は何故か曇っているように真琴には見えた。
「蒼...あの..」
「二人共〜!!そろそろ帰ろ!」
渚達が呼ぶ声に真琴の次の言葉はかき消された。
いつの間にか彼らはプールから出ていて、プールサイドの出入り口で二人に手を振っていたのだ。
「どうしたの?真琴?」
「ううん...なんでもないよ。行こうか」
先程の表情は無くなり不思議そうな顔で蒼は真琴を見上げていた。
そんな彼女に真琴は喉から出そうになった言葉を引っ込めた。
どうしてそんなに苦しそうな表情をするんだ?
どうしても言い出そうとしても喉に突っ掛かり口から声が出ない。
そんな君の顔を俺は見たくないのに...
度付きゴーグルOK
非ブーメラン型水着OK
飛び込み台に立ち、確認をする怜。そしてプールへ飛び込んだ。彼の飛び込むを蒼は初めて見たのだが、入水角度・フォームすべてが完璧だと思った。たまらず目を丸くして見惚れたくらいだ。だが…
次に蒼の視界に映ったのは、プールの底に沈んでいく怜であった。
「ぷは!!なぜだ………」
水面から出てきた怜はキャップとゴーグルを外し水を見つめるのだった。
あんなに綺麗なのになんで泳げないの!?
蒼は不思議だと首を傾げた。
そんな嘆く怜に近づく影…
その影は怜の隣で水面から浮上した。
「俺が教えてやる…。泳げるようになりたいんだろ?
ただし俺はフリーしか教えない」
その影の正体は遙だったのだ。
「ハルが人に教えるなんて…」
「びっくりだね…真琴」
いつもは教えることなんてないのに…
蒼達にとってこれは衝撃な出来事であった。
空が夕焼け色に染まるまで遥からワンツーマン指導を受けたあと、クロールを怜は泳ぎだす。
であったが、
やはり変わることなく底へ沈んでいくのだった。
なぜなんだ!!!
怜の悲痛な叫びが木霊した。
「天才とは1%のひらめきと99%の努力…
だがしかし
このエジソンの名言は1%のひらめきがなければいくら努力しても無駄
って意味もあるのよね」
プールサイドで見ていた顧問兼担任の天方はこう言うのであった。
「努力全否定!!!」
江をはじめとして皆驚いたことは言うまでもない…
*
プールサイドで膝をかかえうつむく怜。そこに近づくのは遙だった。
「泳ごうと思うな…飛べばいい」
「意味がわかりません」
「…心で飛べ」
「…もっと意味がわかりません」
「感覚で…」
「そういう抽象的な言い回しはやめてください。
どうすれば遙先輩のように…
あんな風に…
自由に泳げるんですか?
僕は悔しい。
自分にはなぜそれができないのか?」
この会話を聞いて蒼は悟った…
彼も遙の泳ぎに魅せられた一人なのだと…。
遙が去ってもその場を動かない彼に蒼はそっと近づき隣に腰かけた。
「蒼先輩…」
「ね??怜ちゃんはなんで水泳部に入ったの??」
「....
僕は…遙先輩の泳ぎに魅せられました。
あんなに美しい泳ぎを僕は初めてみました。
だから僕もあの人みたいに泳いでみたいんです。」
遠くを思い出すかのように見つめる怜がいた。その言葉に蒼は良かったと胸を撫で下ろす。
「そっか…なら大丈夫だよ。」
「え??」
「その気持ちがあれば怜ちゃんは泳げるよ…」
「で…でも…僕は…」
蒼の言葉に困惑する怜。蒼はそんな彼に次の言葉を投げかけるのだった。
「ね??怜ちゃん…バッタ泳いでみない??
怜ちゃんの思うままに自由に泳いでみてよ!」
この言葉が彼を動かしたのかはわからない…
けど…彼の顔はさっきと違いスッキリしているように蒼には見えるのだった。
*
「もうこうなったらビート板で出場しよう!」
倉庫から渚がビート板を取り出してくる。
「ルール的にありなの?」
疑問視する江。
だけど...その考え...
少し真琴は考えた。そして顔を上げた。
「意外とありかも!ルールとして明確に規定されてないんじゃ...」
最終手段だけど、ありだと真琴は思ったのだ。
「後でルール調べて....ん?」
今後のことを考え始めた真琴の耳に独特な音が聞こえてきてたまらず首を傾げた。
バシャ...バシャ...
それは水を掻き分ける音だった。プールを見るとバッタを泳ぐ姿。
「ハルちゃんかな?」
この場に居ないのは遙と蒼と怜。その中で、渚は遙の名前を口にした。
「でもハルはフリーしか泳がないんじゃ...」
「俺じゃない」
急に彼らの耳に遙の声が聞こえてくる。いつの間にか遙は真琴の隣に立っていたのだ。
遙ではないと知った彼らはでは誰だろうと考え込む。そして次は江が口を開いた。
「じゃあアオちゃんですかね?」
「確かに、蒼ならありえるけど...」
「私でもないよ。真琴」
真琴が隣を見るとそこには蒼がいた。
選択肢が次々と消えていく。そして残ったのは一人だった。
「ハルでも蒼でもないってことは...」
「怜ちゃん!?」「怜!?」
なんとバッタを泳いでいたのは怜だったのだ。
「今バッタ泳いでなかった?」
「まだ泳いでないのバッタだけだったので。やってみたら泳げました。」
清々しい顔で笑う怜がいた。
泳げるようになってよかったとその顔を見て誰もが思った。真琴が隣を見ると嬉しそうに笑う蒼。その顔を見て、真琴は彼女が何かしたのだろうと直感的に思った。
「アオちゃん...なんか言ったの?」
真琴の声に振り向いた彼女はこういうのだった。
「なんも言ってないよ...
ただ....」
「ただ?」
「自由に泳いでみなよって言っただけだよ。でも良かったよ...
バッタが泳げて」
微笑む彼女は、太陽のように輝いていた。真琴もそれにつられ頬が緩む。
「うん...そうだね。何がどうあれ...結果オーライだね」
プールでは水の中にいる怜に向かって飛び込む渚がいた。その近くのプールサイドには遥と江が立っていた。
「これで怜ちゃんも試合出れるね」
笑う彼女の表情の裏側は何故か曇っているように真琴には見えた。
「蒼...あの..」
「二人共〜!!そろそろ帰ろ!」
渚達が呼ぶ声に真琴の次の言葉はかき消された。
いつの間にか彼らはプールから出ていて、プールサイドの出入り口で二人に手を振っていたのだ。
「どうしたの?真琴?」
「ううん...なんでもないよ。行こうか」
先程の表情は無くなり不思議そうな顔で蒼は真琴を見上げていた。
そんな彼女に真琴は喉から出そうになった言葉を引っ込めた。
どうしてそんなに苦しそうな表情をするんだ?
どうしても言い出そうとしても喉に突っ掛かり口から声が出ない。
そんな君の顔を俺は見たくないのに...