桜のプール
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岩鳶高校に来た凛が声を上げる。
「おいハル!きたぞ!出て来いよ!」
だが反応は無く、凜は階段をのぼる。
「っんだよったく、人を呼び出しといて何処行きやがったんだ?」
不服な声をあげ凛は一つの扉のドアノブをひねる。すると鍵が開いていたのか扉が開く。
「ん?あいてんじゃねーか」
訝しげに凛が中に入ると同時、凜の視界は真っ暗に。それと同時に誰かの声が聞こえてくる。
「連れていけぇ!!」
「「キキー!!」」
渚の合図と同時に凛は両脇に腕を入れられる。そのまま凜の体は宙に浮く。
「ちょっちょ!はなせ!ちょっ!!」
凜が慌てるが、どんどんと運ばれていく。
「大人しく従え」
「ハルちゃん語尾語尾!」
「大人しく従えもげ」
「もげじゃねーよ離せ!」
「江!!凛が!!」
「いや~お兄ちゃんを連れていかないでぇ~」
慌てたような蒼の声。
そして江の棒読みに凜もさらに反応する。
「蒼と江もいるのかよぉ!!お前らいいかげんに!!!」
そういったとき、凜の足は地面につく。そして頭に被されていた岩鳶ペンギンの被り物が外された。
ようやく視界が開け自由の身になった凛は顔を上げると驚きのあまり言葉を失った。
なぜなら…視界に映るのは凛が焦がれていた桜の花びらでうめつくされたプールだったからだ。
小学校の大きな桜の木を初めて凛が見た時…
「春には桜が散ってそこのプール一杯になるんだろうなぁ…
泳いでみたいなぁ〜〜
桜のプール」
こう嘆いていた凜の言葉を覚えていた遙と真琴と蒼が今回のサプラズを思いついたのだ。
元々は新入部員獲得のために早めに天方に頼み込んでプール開きの時期を早めたのだ。だが、結局は誰も来てくれることはなかった。
「天ちゃんが頑張ってくれたんだよ~」
「ですが結局新入部員はゼロ」
渚と怜が言うと、真琴と蒼も続ける。
「でも、おかげで桜のプールが見られたから、凜にも見せたいなって思って」
「キレイだよね…桜のプール」
「お前ら…」
凜は眼に涙をため、咄嗟に表情を隠すように後ろを向いて顔を隠す。そんな彼を見て江は苦笑いを浮かべた。
「凜さん!さぁどうぞ」
怜の声に凜が振り向くとみんなでどうぞとプールに促す。
遙も視線を合わせずに口を開く。
「しょうがないから泳がせてやる」
「いや泳ぎてーけど、まだ泳げる季節じゃねーだろ」
江は凜の後ろでワクワクしている。
「お兄ちゃん!ぬいでぬいで!!」
江がシャッタチャンスを逃すまいとデジカメを構える。
そして蒼と渚と怜が凜の背中を押す。
「照れなくていいのに〜!!」
「照れてねぇーよ!!」
「入りたいって言ってたの凛じゃん!!ほらほら!!」
「おい待てやめっ…」
凛が突き落とされそうなのをなんとか阻止していると、ポタンポタンと雨粒が…
一気に頭上に現れたのは重たい雲。
その雲がゲリラ豪雨を降らせる。
慌てて皆、雨がしのげる場所に非難を余儀なくされた。
「何かやみそうにないねぇ」
「折角準備したのにこれでは…」
そう言う怜を訝しげに江が見る。
「ひょっとして怜くん雨男??」
「違います!!」
一方で…
「天気予報…雨って言ってなかったのに…」
「あ〜あ…残念」
プールの水面に雨粒が激しく打ち付けられる様子に真琴と蒼は肩を落とし嘆く。
「そういえばよ…
お前ら卒業した後の事、考えてるか?」
凛がふと口を開く。
「別に」
「いや…別にじゃねーだろ!」
真琴はクスクスと笑い、口を開く。
「凜は世界を目指すんだよね?」
「あぁ、俺は色々…道草くっちまったからな。今年の夏の全国大会が最後のチャンスだ。全国大会まで行けばスカウトも来る。そこで記録を出して、俺は夢を掴む!
ハル、真琴、蒼…お前らはどうするつもりなんだ?」
真っすぐ見つめてくる凜に、ゆっくりと真琴と蒼が口を開く。
「俺は…まだ決めてなくて」
「……私も」
そして遙も決めてないのか何も口を開くことは無かった。
「………」
「チッ…考えてねーのかよ…」
凛はたまらず舌打ちをする。
特に遙には真剣に考えてもらいたいのだ。
世界に行ける可能性を持っているから。
そして今年は大学のスカウトを貰えればスポーツ推薦で大学に進学できる。
この3人には力があるからこそ凛はもっと真剣に考えてほしかったのだ。
「大丈夫だよ。凛」
「たく...何がだよ」
「しっかり決めないと行けないから考えるよ。それはもちろんハルも真琴もおんなじだよ」
ね!!と蒼は笑みを零すのだった。
その彼女の表情に凛はハァ〜と毒気を抜かれてしまうのだった。
「おいハル!きたぞ!出て来いよ!」
だが反応は無く、凜は階段をのぼる。
「っんだよったく、人を呼び出しといて何処行きやがったんだ?」
不服な声をあげ凛は一つの扉のドアノブをひねる。すると鍵が開いていたのか扉が開く。
「ん?あいてんじゃねーか」
訝しげに凛が中に入ると同時、凜の視界は真っ暗に。それと同時に誰かの声が聞こえてくる。
「連れていけぇ!!」
「「キキー!!」」
渚の合図と同時に凛は両脇に腕を入れられる。そのまま凜の体は宙に浮く。
「ちょっちょ!はなせ!ちょっ!!」
凜が慌てるが、どんどんと運ばれていく。
「大人しく従え」
「ハルちゃん語尾語尾!」
「大人しく従えもげ」
「もげじゃねーよ離せ!」
「江!!凛が!!」
「いや~お兄ちゃんを連れていかないでぇ~」
慌てたような蒼の声。
そして江の棒読みに凜もさらに反応する。
「蒼と江もいるのかよぉ!!お前らいいかげんに!!!」
そういったとき、凜の足は地面につく。そして頭に被されていた岩鳶ペンギンの被り物が外された。
ようやく視界が開け自由の身になった凛は顔を上げると驚きのあまり言葉を失った。
なぜなら…視界に映るのは凛が焦がれていた桜の花びらでうめつくされたプールだったからだ。
小学校の大きな桜の木を初めて凛が見た時…
「春には桜が散ってそこのプール一杯になるんだろうなぁ…
泳いでみたいなぁ〜〜
桜のプール」
こう嘆いていた凜の言葉を覚えていた遙と真琴と蒼が今回のサプラズを思いついたのだ。
元々は新入部員獲得のために早めに天方に頼み込んでプール開きの時期を早めたのだ。だが、結局は誰も来てくれることはなかった。
「天ちゃんが頑張ってくれたんだよ~」
「ですが結局新入部員はゼロ」
渚と怜が言うと、真琴と蒼も続ける。
「でも、おかげで桜のプールが見られたから、凜にも見せたいなって思って」
「キレイだよね…桜のプール」
「お前ら…」
凜は眼に涙をため、咄嗟に表情を隠すように後ろを向いて顔を隠す。そんな彼を見て江は苦笑いを浮かべた。
「凜さん!さぁどうぞ」
怜の声に凜が振り向くとみんなでどうぞとプールに促す。
遙も視線を合わせずに口を開く。
「しょうがないから泳がせてやる」
「いや泳ぎてーけど、まだ泳げる季節じゃねーだろ」
江は凜の後ろでワクワクしている。
「お兄ちゃん!ぬいでぬいで!!」
江がシャッタチャンスを逃すまいとデジカメを構える。
そして蒼と渚と怜が凜の背中を押す。
「照れなくていいのに〜!!」
「照れてねぇーよ!!」
「入りたいって言ってたの凛じゃん!!ほらほら!!」
「おい待てやめっ…」
凛が突き落とされそうなのをなんとか阻止していると、ポタンポタンと雨粒が…
一気に頭上に現れたのは重たい雲。
その雲がゲリラ豪雨を降らせる。
慌てて皆、雨がしのげる場所に非難を余儀なくされた。
「何かやみそうにないねぇ」
「折角準備したのにこれでは…」
そう言う怜を訝しげに江が見る。
「ひょっとして怜くん雨男??」
「違います!!」
一方で…
「天気予報…雨って言ってなかったのに…」
「あ〜あ…残念」
プールの水面に雨粒が激しく打ち付けられる様子に真琴と蒼は肩を落とし嘆く。
「そういえばよ…
お前ら卒業した後の事、考えてるか?」
凛がふと口を開く。
「別に」
「いや…別にじゃねーだろ!」
真琴はクスクスと笑い、口を開く。
「凜は世界を目指すんだよね?」
「あぁ、俺は色々…道草くっちまったからな。今年の夏の全国大会が最後のチャンスだ。全国大会まで行けばスカウトも来る。そこで記録を出して、俺は夢を掴む!
ハル、真琴、蒼…お前らはどうするつもりなんだ?」
真っすぐ見つめてくる凜に、ゆっくりと真琴と蒼が口を開く。
「俺は…まだ決めてなくて」
「……私も」
そして遙も決めてないのか何も口を開くことは無かった。
「………」
「チッ…考えてねーのかよ…」
凛はたまらず舌打ちをする。
特に遙には真剣に考えてもらいたいのだ。
世界に行ける可能性を持っているから。
そして今年は大学のスカウトを貰えればスポーツ推薦で大学に進学できる。
この3人には力があるからこそ凛はもっと真剣に考えてほしかったのだ。
「大丈夫だよ。凛」
「たく...何がだよ」
「しっかり決めないと行けないから考えるよ。それはもちろんハルも真琴もおんなじだよ」
ね!!と蒼は笑みを零すのだった。
その彼女の表情に凛はハァ〜と毒気を抜かれてしまうのだった。