桜のプール
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
そして市民大会当日…
「今回は市民大会って事で、うちは希望者のみエントリーだが…」
会場で凜が部員へと説明していた時、渚の明るい声が響く。
「凜ちゃーーーん!!」
凜が視線を上げると、手を振りながら渚達がいるのが見え凛は頭を少し抱えた。
「とにかく、大会に慣れてねーやつはこの機会に雰囲気を掴め。以上」
凜はサクッと切り上げるように言葉をかける。それに対し鮫柄の選手が声をそろえてはいと返事をした。
遙達は会場内を移動していると、怜がふと声をあげる。
「凜さん、意外と部長らしかったですね」
「しっかり風格でてたよね!」
意外な凜の姿に怜が拍子抜けした表情に。その怜に嬉しそうに蒼が微笑む。
「『てめぇら、ベスト出さねーとぶっとばす!』とか言うのかと思った」
「いやぁ…それはないだろ?」
渚が予想していた凜の言葉を真似る。
それに真琴は苦笑いを浮かべた。
「お前らおせぇぞ!」
怒声が聞こえる。そちらに皆視線を向けるとそこに居たのは水着姿の笹部だった。そんな彼を見て皆驚きの声を上げる。
「え!ごろちゃんも泳ぐの!?」
「おおよ!一般の部もあるんでな!」
「県大会と違ってのんびりした感じ!こういうのも悪くないわね」
会場のほんわかな雰囲気に天方がニコリと笑う。対して、江は不服そうに心の声を漏らす。
「でも筋肉的には物足りないかも」
「種目にリレーがないのも残念です」
「僕も〜〜」
怜と渚はメドレーリレーがないことにガクリと肩を落とす。
「でも…県大会でも泳げるしね!!」
渚がハッとして皆の顔を見て笑う。つられるように皆も笑みをこぼすのだった。
「こんな所で待ち伏せか?凜」
ロッカーに一足着いていた凛が寄りかかって待っていたのだ。
「待ってたぜ、ハル」
揃った2人は一緒にプールに向かって歩き出した。
「また隣合わせのコースだな」
「あぁ」
「お前ら冬の間まともに泳げてなかったんだろ?なんならハンデ、つけてやってもいいぜ?」
「そんな必要はない!泳げなくてもトレーニングはずっとしてた」
その言葉に凜は一瞬驚いてから笑みを浮かべる。
「随分とやる気じゃねぇか。その成果、見せてみ…」
凛がゴーグルを嵌めいつものようにゴムを伸ばして離そうとするのだが…
「絶対俺が勝つぜぇ!」
「俺だもんねぇ!」
その前を子ども達が駆けていく。
その様子にキョトンと二人とも彼らの姿を眼で追う。そして元気な声が聞こえなくとお互いに顔を見合わせるのだった。
「今日はリレーで勝負できねぇからなぁ。俺とお前の勝負だ」
「俺は記録なんてどうでもいい」
その言葉に凛が呆れた表情に。
「まだそんな事言ってんのか…」
だが、ニヤリと笑い遙を見据えると眼をスウッと細めた。
「勝ちや負けに興味なくても、水の中じゃてめぇが一番だって思ってんだろ?
その冷めたツラ、俺が熱くしてやるよ」
その言葉に、遙の表情も変わる。
ピッピッピーーーー
笛の合図で凛と遙がスタート台に立つ。
それに気づいた蒼が声をあげる。
「次はハルと凜だね!」
「おにいちゃーーん!!」
「ハル〜!!」
「遙せんぱーーい!!」
みんなの声がプールに響き渡る。
そしてスタートの笛の合図と同時に、遙達はプールに飛び込んだ。
「どんどん凜との差が開いてく…」
真琴が呟くと、渚達も声をあげる。
「負けるな!ハルちゃーーーん!!」
「遙せんぱーーい!」
その声援に答えるように遙がターンの後スピードを上げていく。
遙は凛との距離を徐々に詰める。二人の泳ぎは泳いでいる他の人を置いていっていた。
そして彼らは同時に壁にタッチした。
大会新記録で、二人は同着。
「ハル!」
呼ばれた遙が凜へと視線を移動させると、凜は片手をあげていた。
遙もゆっくりと手をあげる。そして2人はハイタッチを交わすのだった。
「なってんじゃねぇか、熱くよ!」
「別に…」
その様子に蒼は眼を細めた。
蒼!!ナイス泳ぎ!!
笑顔を浮かべ手をあげる少女の姿。
今…彼女は夢を追いかけているのだろうか…
蒼は昔を思い浮かべ、そしてもうハイタッチを交わすことができないのかと眼を伏せるのだった。
「すごかったです!!遙先輩!!
自己ベスト軽く更新してお兄ちゃんと同着なんて!!」
興奮気味に江が口を開く。
「皆もほんとによく頑張ったわね!」
「俺もブランクがなければもうちょっとな…」
「大丈夫です!笹部さん。こんな名言があります…」
市民大会も終わり会場の外で話していると、鮫柄の選手が通り過ぎていくのが横目で確認できる。
それに気づいた皆は目を合わせて頷くと、遙が凜へと駆け寄る。
「凜!」
「先に行っててくれ」
遙に気づいた凛が鮫柄の部員に一言言う。
その言葉で凛以外はこの場を去る。それを確認した凛は遙に向き直った。
「どうしたハル?」
「話がある。あとで岩鳶高校までこい」
「なんだよ…そこでケリをつけようってのか?」
「くればわかる」
「今回は市民大会って事で、うちは希望者のみエントリーだが…」
会場で凜が部員へと説明していた時、渚の明るい声が響く。
「凜ちゃーーーん!!」
凜が視線を上げると、手を振りながら渚達がいるのが見え凛は頭を少し抱えた。
「とにかく、大会に慣れてねーやつはこの機会に雰囲気を掴め。以上」
凜はサクッと切り上げるように言葉をかける。それに対し鮫柄の選手が声をそろえてはいと返事をした。
遙達は会場内を移動していると、怜がふと声をあげる。
「凜さん、意外と部長らしかったですね」
「しっかり風格でてたよね!」
意外な凜の姿に怜が拍子抜けした表情に。その怜に嬉しそうに蒼が微笑む。
「『てめぇら、ベスト出さねーとぶっとばす!』とか言うのかと思った」
「いやぁ…それはないだろ?」
渚が予想していた凜の言葉を真似る。
それに真琴は苦笑いを浮かべた。
「お前らおせぇぞ!」
怒声が聞こえる。そちらに皆視線を向けるとそこに居たのは水着姿の笹部だった。そんな彼を見て皆驚きの声を上げる。
「え!ごろちゃんも泳ぐの!?」
「おおよ!一般の部もあるんでな!」
「県大会と違ってのんびりした感じ!こういうのも悪くないわね」
会場のほんわかな雰囲気に天方がニコリと笑う。対して、江は不服そうに心の声を漏らす。
「でも筋肉的には物足りないかも」
「種目にリレーがないのも残念です」
「僕も〜〜」
怜と渚はメドレーリレーがないことにガクリと肩を落とす。
「でも…県大会でも泳げるしね!!」
渚がハッとして皆の顔を見て笑う。つられるように皆も笑みをこぼすのだった。
「こんな所で待ち伏せか?凜」
ロッカーに一足着いていた凛が寄りかかって待っていたのだ。
「待ってたぜ、ハル」
揃った2人は一緒にプールに向かって歩き出した。
「また隣合わせのコースだな」
「あぁ」
「お前ら冬の間まともに泳げてなかったんだろ?なんならハンデ、つけてやってもいいぜ?」
「そんな必要はない!泳げなくてもトレーニングはずっとしてた」
その言葉に凜は一瞬驚いてから笑みを浮かべる。
「随分とやる気じゃねぇか。その成果、見せてみ…」
凛がゴーグルを嵌めいつものようにゴムを伸ばして離そうとするのだが…
「絶対俺が勝つぜぇ!」
「俺だもんねぇ!」
その前を子ども達が駆けていく。
その様子にキョトンと二人とも彼らの姿を眼で追う。そして元気な声が聞こえなくとお互いに顔を見合わせるのだった。
「今日はリレーで勝負できねぇからなぁ。俺とお前の勝負だ」
「俺は記録なんてどうでもいい」
その言葉に凛が呆れた表情に。
「まだそんな事言ってんのか…」
だが、ニヤリと笑い遙を見据えると眼をスウッと細めた。
「勝ちや負けに興味なくても、水の中じゃてめぇが一番だって思ってんだろ?
その冷めたツラ、俺が熱くしてやるよ」
その言葉に、遙の表情も変わる。
ピッピッピーーーー
笛の合図で凛と遙がスタート台に立つ。
それに気づいた蒼が声をあげる。
「次はハルと凜だね!」
「おにいちゃーーん!!」
「ハル〜!!」
「遙せんぱーーい!!」
みんなの声がプールに響き渡る。
そしてスタートの笛の合図と同時に、遙達はプールに飛び込んだ。
「どんどん凜との差が開いてく…」
真琴が呟くと、渚達も声をあげる。
「負けるな!ハルちゃーーーん!!」
「遙せんぱーーい!」
その声援に答えるように遙がターンの後スピードを上げていく。
遙は凛との距離を徐々に詰める。二人の泳ぎは泳いでいる他の人を置いていっていた。
そして彼らは同時に壁にタッチした。
大会新記録で、二人は同着。
「ハル!」
呼ばれた遙が凜へと視線を移動させると、凜は片手をあげていた。
遙もゆっくりと手をあげる。そして2人はハイタッチを交わすのだった。
「なってんじゃねぇか、熱くよ!」
「別に…」
その様子に蒼は眼を細めた。
蒼!!ナイス泳ぎ!!
笑顔を浮かべ手をあげる少女の姿。
今…彼女は夢を追いかけているのだろうか…
蒼は昔を思い浮かべ、そしてもうハイタッチを交わすことができないのかと眼を伏せるのだった。
「すごかったです!!遙先輩!!
自己ベスト軽く更新してお兄ちゃんと同着なんて!!」
興奮気味に江が口を開く。
「皆もほんとによく頑張ったわね!」
「俺もブランクがなければもうちょっとな…」
「大丈夫です!笹部さん。こんな名言があります…」
市民大会も終わり会場の外で話していると、鮫柄の選手が通り過ぎていくのが横目で確認できる。
それに気づいた皆は目を合わせて頷くと、遙が凜へと駆け寄る。
「凜!」
「先に行っててくれ」
遙に気づいた凛が鮫柄の部員に一言言う。
その言葉で凛以外はこの場を去る。それを確認した凛は遙に向き直った。
「どうしたハル?」
「話がある。あとで岩鳶高校までこい」
「なんだよ…そこでケリをつけようってのか?」
「くればわかる」