仲間のために
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「やべぇよ、もう始まっちまう」
アナウンスが鳴り、笹部やみんなに焦りの色が見える。
その時、準備を終えた遙達がプールサイドに。
それを見つけた江は声を上げた。
「来ました!遙先輩達!!」
「どうやら間に合ったみたいね」
「よかった…」
天方と江は思わず心の声が漏れる。そして彼ら応援組は糸が切れたようにドッと安堵が押し寄せホッとするのだった。
「真琴ぉ!!」
「真琴せんぱーーい!!」
応援席からは更に声が響く。
「「いっけーいけいけいけいけいけ真琴!!」」
笹部のリードにみんなが続く。
「おっせーおせおせおせおせ真琴!」
「「おっせーおせおせおせおせ真琴!!」」
懸命に泳ぐ真琴。そんな彼はかつての景色を見る。
それはあの時見えた景色。
そのことに真琴の頬は嬉しそうに緩んだ。
そして100メートル泳ぎきりタッチすると大きく名前を呼んだ。
「渚ぁ!!!!」
その声と同時に渚が飛び込む。
そんな彼に見えたのは、優雅に泳ぐイルカとシャチとサメ。
昔見えた景色がまた見れたことに渚も嬉しそうに頬をほころばす。
「待って!!僕もいく!!」
渚は嬉しそうに声を上げ後を追いかける。
こんな二人の泳ぎは笹部達を驚愕させる。
今の時点で強豪校を差し置いて3位につけているからだ。
そして次は怜だなと視線を電光掲示板からスタート台に移すのだが…
「「「えぇ!?!?!?」」」
そこに居たのは怜ではなかったのだ。
その光景に驚いたのは鮫柄サイドも同じだった。
「松岡先輩!?」
「何やってんだ!アイツ!?」
思わず似鳥と御子柴が声を上げる。
なんとそこに居たのは凛だったのだ。
対して、スタート台にいる凛は嬉しそうに水面を見てニヤリと笑う。
「凜ちゃん!!!!」
渚の声と同時に凜は飛び込み、泳ぎ始める。
その光景に笹部が呟くように声をあげた。
「フリーでいいとはいったが…フリーダムすぎんだろ…」
「入水角度が5度足りませんが、まぁいいでしょう」
「まぁまぁ…いいじゃん細かいことはさ」
「って!なんでお前がここにいるんだよぉ!」
笹部が思わずいつの間にか隣りにいる怜に声を上げる。その隣には蒼も。
驚き目を見開いたのは笹部の隣りにいた天方と江も同様だった。
「細かいことはきにしなーい!」
「話はあとです!今は応援を!江さん!」
ニコニコと笑う蒼。そして怜は冷静に三人を見て促した。
怜の言葉に江は嬉しそうに笑い、声をあげる。
「いっけーいけいけいけいけ凜!」
グングンとスピードに乗る凛。凛も最初に泳いだ二人と同様にあの時見えた景色を見ていたのだ。
そんな彼の泳ぎに速い…と御子柴は思わず眼を見張った。
「ハル!!!!」
凛がタッチし叫ぶ。そして遙が飛び込んだ。
泳いでいるはずなのに皆が名前を呼ぶ声が鮮明に聞こえてくる。遙はその声に向かって懸命に泳いだ。
そしてその先は…
泳ぎきった遙が顔を上げる。
電光掲示板に書かれた岩鳶高校の文字の隣に1がつく。
彼らは1位でゴールしたのだ。
その結果に…
最高の景色に…
真琴達は嬉しそうに遙を見た。
「ハル…」
「ハルちゃん、ハルちゃん!」
「渚泣くなってぇ~!」
渚はグスリと嬉し涙を流す。そんな彼を慰めながら真琴は遙を引き上げる。そしてプールサイドに上がった遙に飛び込むように凛が抱きついた。
それに釣られるように真琴と渚も抱きつく。
「ハル~!」
「ハルちゃん~~~!!!」
「おい!」
遥が戸惑っていると、凜が声をあげた。
「ハル…最高の景色、見せてもらったぜ!」
その言葉に、遙の瞳が揺れる。
そして目を閉じる遙も嬉しそうに頬を緩ます。
「あぁ」
そして凛は、遙の肩から顔を上げ両脇にいる遙と真琴の肩を組むと、彼らの顔を見渡し嬉しそうに名前を呼んだ。
「真琴!渚!」
「凜!」
「リンリン!」
渚の呼び方に最初凛はキョトンとする。が、すぐに満面の笑みを浮かべた。
彼らの嬉しそうな笑い声はもちろん観客席まで聞こえ渡った。
「本当に…美しいですよ、あなたたちは……」
その光景に怜は思わず声を漏らす。
「今度あそこに居るのはレイちゃんだからね」
微笑む蒼に怜はもちろんですと大きく頷くのだった。
「はい!というわけで!感動的な試合を見せてもらったけど、あなた達失格ね!」
「ま!とーぜんだな!」
天方の言葉に笹部もウンウンと頷く。
「役員の人に叱られて大変だったんだから!
他所の学校の選手とリレーなんて前代未聞だって!」
その言葉に、5人がそろえて頭をさげる。
「「「「「「すみませんでした」」」」」」
はぁ…と小さく天方はため息を吐くと片目だけ開けた。
「まぁ…いいわ
無茶と無謀は若者の特権だし」
お咎めを食らうと思いきや思わぬ言葉に皆驚きの表情で顔を上げる。
「なんであんな無茶やったんだよ?」
笹部の率直な疑問。
それに皆顔を見合わせると笑みを浮かべる。
「それは…」
「決まってるよね」
「うん!チームは違っても…」
「俺達は…」
「仲間だから」
やりきったと清々しい表情を浮かべる彼ら。
「どういう意味なの?」
事情を理解していない天方の疑念は深まるばかり。
だが、彼らは答えることなくクスクスと笑うのだった。
そして五人は泳ぎ切った会場を見て想いをはせる。
「終わちゃったね」
「また来年来られるかなぁ」
「来てもらわないと困ります!
今度は僕がリレーで美しいバッタを披露するんですから」
「だよね!!」
「大丈夫だよ…」
「あぁ…きっと来られる」
彼らは来年に向け気持ちを新たにするのだった。
「……!?!?」
蒼は何か感じ取り木陰の方を見る。
「どうしたの??」
「…いや。なんか視線を感じた気がして…」
なぁ〜んだ…失格だから決勝来ないのか…
蒼は気づかなかった。
視線の先にいた人物が残念そうに不敵な笑みを浮かべていることに…
アナウンスが鳴り、笹部やみんなに焦りの色が見える。
その時、準備を終えた遙達がプールサイドに。
それを見つけた江は声を上げた。
「来ました!遙先輩達!!」
「どうやら間に合ったみたいね」
「よかった…」
天方と江は思わず心の声が漏れる。そして彼ら応援組は糸が切れたようにドッと安堵が押し寄せホッとするのだった。
「真琴ぉ!!」
「真琴せんぱーーい!!」
応援席からは更に声が響く。
「「いっけーいけいけいけいけいけ真琴!!」」
笹部のリードにみんなが続く。
「おっせーおせおせおせおせ真琴!」
「「おっせーおせおせおせおせ真琴!!」」
懸命に泳ぐ真琴。そんな彼はかつての景色を見る。
それはあの時見えた景色。
そのことに真琴の頬は嬉しそうに緩んだ。
そして100メートル泳ぎきりタッチすると大きく名前を呼んだ。
「渚ぁ!!!!」
その声と同時に渚が飛び込む。
そんな彼に見えたのは、優雅に泳ぐイルカとシャチとサメ。
昔見えた景色がまた見れたことに渚も嬉しそうに頬をほころばす。
「待って!!僕もいく!!」
渚は嬉しそうに声を上げ後を追いかける。
こんな二人の泳ぎは笹部達を驚愕させる。
今の時点で強豪校を差し置いて3位につけているからだ。
そして次は怜だなと視線を電光掲示板からスタート台に移すのだが…
「「「えぇ!?!?!?」」」
そこに居たのは怜ではなかったのだ。
その光景に驚いたのは鮫柄サイドも同じだった。
「松岡先輩!?」
「何やってんだ!アイツ!?」
思わず似鳥と御子柴が声を上げる。
なんとそこに居たのは凛だったのだ。
対して、スタート台にいる凛は嬉しそうに水面を見てニヤリと笑う。
「凜ちゃん!!!!」
渚の声と同時に凜は飛び込み、泳ぎ始める。
その光景に笹部が呟くように声をあげた。
「フリーでいいとはいったが…フリーダムすぎんだろ…」
「入水角度が5度足りませんが、まぁいいでしょう」
「まぁまぁ…いいじゃん細かいことはさ」
「って!なんでお前がここにいるんだよぉ!」
笹部が思わずいつの間にか隣りにいる怜に声を上げる。その隣には蒼も。
驚き目を見開いたのは笹部の隣りにいた天方と江も同様だった。
「細かいことはきにしなーい!」
「話はあとです!今は応援を!江さん!」
ニコニコと笑う蒼。そして怜は冷静に三人を見て促した。
怜の言葉に江は嬉しそうに笑い、声をあげる。
「いっけーいけいけいけいけ凜!」
グングンとスピードに乗る凛。凛も最初に泳いだ二人と同様にあの時見えた景色を見ていたのだ。
そんな彼の泳ぎに速い…と御子柴は思わず眼を見張った。
「ハル!!!!」
凛がタッチし叫ぶ。そして遙が飛び込んだ。
泳いでいるはずなのに皆が名前を呼ぶ声が鮮明に聞こえてくる。遙はその声に向かって懸命に泳いだ。
そしてその先は…
泳ぎきった遙が顔を上げる。
電光掲示板に書かれた岩鳶高校の文字の隣に1がつく。
彼らは1位でゴールしたのだ。
その結果に…
最高の景色に…
真琴達は嬉しそうに遙を見た。
「ハル…」
「ハルちゃん、ハルちゃん!」
「渚泣くなってぇ~!」
渚はグスリと嬉し涙を流す。そんな彼を慰めながら真琴は遙を引き上げる。そしてプールサイドに上がった遙に飛び込むように凛が抱きついた。
それに釣られるように真琴と渚も抱きつく。
「ハル~!」
「ハルちゃん~~~!!!」
「おい!」
遥が戸惑っていると、凜が声をあげた。
「ハル…最高の景色、見せてもらったぜ!」
その言葉に、遙の瞳が揺れる。
そして目を閉じる遙も嬉しそうに頬を緩ます。
「あぁ」
そして凛は、遙の肩から顔を上げ両脇にいる遙と真琴の肩を組むと、彼らの顔を見渡し嬉しそうに名前を呼んだ。
「真琴!渚!」
「凜!」
「リンリン!」
渚の呼び方に最初凛はキョトンとする。が、すぐに満面の笑みを浮かべた。
彼らの嬉しそうな笑い声はもちろん観客席まで聞こえ渡った。
「本当に…美しいですよ、あなたたちは……」
その光景に怜は思わず声を漏らす。
「今度あそこに居るのはレイちゃんだからね」
微笑む蒼に怜はもちろんですと大きく頷くのだった。
「はい!というわけで!感動的な試合を見せてもらったけど、あなた達失格ね!」
「ま!とーぜんだな!」
天方の言葉に笹部もウンウンと頷く。
「役員の人に叱られて大変だったんだから!
他所の学校の選手とリレーなんて前代未聞だって!」
その言葉に、5人がそろえて頭をさげる。
「「「「「「すみませんでした」」」」」」
はぁ…と小さく天方はため息を吐くと片目だけ開けた。
「まぁ…いいわ
無茶と無謀は若者の特権だし」
お咎めを食らうと思いきや思わぬ言葉に皆驚きの表情で顔を上げる。
「なんであんな無茶やったんだよ?」
笹部の率直な疑問。
それに皆顔を見合わせると笑みを浮かべる。
「それは…」
「決まってるよね」
「うん!チームは違っても…」
「俺達は…」
「仲間だから」
やりきったと清々しい表情を浮かべる彼ら。
「どういう意味なの?」
事情を理解していない天方の疑念は深まるばかり。
だが、彼らは答えることなくクスクスと笑うのだった。
そして五人は泳ぎ切った会場を見て想いをはせる。
「終わちゃったね」
「また来年来られるかなぁ」
「来てもらわないと困ります!
今度は僕がリレーで美しいバッタを披露するんですから」
「だよね!!」
「大丈夫だよ…」
「あぁ…きっと来られる」
彼らは来年に向け気持ちを新たにするのだった。
「……!?!?」
蒼は何か感じ取り木陰の方を見る。
「どうしたの??」
「…いや。なんか視線を感じた気がして…」
なぁ〜んだ…失格だから決勝来ないのか…
蒼は気づかなかった。
視線の先にいた人物が残念そうに不敵な笑みを浮かべていることに…