仲間のために
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「凜ーー!!!」
「凜ちゃーーーん!!!」
「凜さーーーん!!!」
真琴・渚・怜が会場内やその外を彼の名を必死に呼んで走り回る。
「凜!凜どこだ!!!!」
遙も珍しく大きな声をあげ、走り回った。
時計を見て、時間が無い事を知る。
蒼もあちこち探し回る。
だがどこにも見当たらないことに焦りがつのる。
どうしよう…と思った時ふと今朝の風景を思い起こす。
まさか…と蒼はたまたま近くにいた遙の腕を引っ張り走り出す。
「蒼!?!?」
「一つ思い当たる場所があるの!!」
そして二人が着いた場所は、今朝遙が立ち止まり地面に何かをかいた大きな木がある場所。
そこには蒼の予想通り凜の姿があった。
はぁはぁと息を整える蒼と遙。
その音に訝しげに思った凛は見上げていた視線を移す。そして瞳に写った二人の姿を確認すると最初驚いたように眼を見張る。
が、すぐに鋭い視線で睨みつけた。
「ハル…蒼…。何しに来た。無様に負けた俺を笑いに来たか」
「凜!」
「凜…」
「フリーの試合もこのザマ!リレーもメンバーから外された!世界が聞いて呆れる!笑えよ!遠慮はいらねぇ!!」
自分を自嘲する凛。
だが、二人は笑うことはなくそんな彼らに凛は怒鳴るように声を荒げ感情をぶつけた。
「笑えつってんだろ!!結局俺はこの程度の人間だ!!リレーでお前らと戦う事もできやしねぇ!!」
「凛!!!」
「落ち着け凜!」
「うっせぇ!!テメーに何がわかる!!!」
「わかる。仲間と泳ぐ楽しさ、リレーを共に泳ぐ喜び、それを教えてくれたのは、凜!お前だ!
お前が居てくれたから俺はっ」
遙の言葉を遮るように凛は遙に詰め寄ると胸ぐらを掴んだ。
蒼は仲裁に入ろうとする。が、今の凜に必要なのは間違いなく遙の言葉だと思い黙って見守ることにする。
「黙れ!!」
噛みつくように凜が声を更に荒げると、遙も負けじと声を大きく張り上げた。
「俺もわかったんだ!!
気づいたんだ!!
なんの為に泳ぐのか!
誰の為に泳ぐのか!」
「黙れつってんだろぉ!!」
凛が殴りかかろうとする。その手を遙は掴んで阻止をするが衝撃で凛と一緒に倒れ込む。そのまま二人は地面を転がった。
そして遙の上に乗った凛は遙を睨もうと顔を上げる。が、彼の眼に映ったのは地面に書かれた言葉だった。
『For the team』
それは遙が今朝書いた言葉。
そしてその言葉は紛れもなく凛自身が小学時代にレンガに記した言葉だった。
「この木…似てるよな。校庭にあったあの桜の木に」
凜の視線の先に気づいた遙がゆっくりと口を開いた。
「なんで…なんでフリーじゃねぇんだよ…俺も、お前らと泳ぎてぇ…お前らとリレー、泳ぎてぇ…」
遙の顔には凜の瞳から涙がポタポタとこぼれ落ちる。
そんな凜の声は震えていた。
「けど…今更もうおせぇよ…」
「遅くなんかないよ…凛」
凜のやっと素直な心の声をようやく聞けた蒼は満足げに彼を見た。
そして遙と蒼は顔を見合わせ大きく頷きあった。
「行こう、凜!」
二人の言葉に理解ができない凛は呆然とする。
「あー!いたいた!」
「凜ちゃん!」
その声に凛が振り向く。そこには真琴、渚、怜が居た。
「お前ら…」
「まったく!あなたを見てるとイライラするんですよ。泳ぎたいなら泳げばいい!」
怜は凜を見て言いたいことを言い放った。
まだ立ち尽くす凛に遙は立ち上がると手を差し伸べた。
「凜!来い!今度は俺が見せてやる!見たことの無い景色を!」
「凜ちゃーーーん!!!」
「凜さーーーん!!!」
真琴・渚・怜が会場内やその外を彼の名を必死に呼んで走り回る。
「凜!凜どこだ!!!!」
遙も珍しく大きな声をあげ、走り回った。
時計を見て、時間が無い事を知る。
蒼もあちこち探し回る。
だがどこにも見当たらないことに焦りがつのる。
どうしよう…と思った時ふと今朝の風景を思い起こす。
まさか…と蒼はたまたま近くにいた遙の腕を引っ張り走り出す。
「蒼!?!?」
「一つ思い当たる場所があるの!!」
そして二人が着いた場所は、今朝遙が立ち止まり地面に何かをかいた大きな木がある場所。
そこには蒼の予想通り凜の姿があった。
はぁはぁと息を整える蒼と遙。
その音に訝しげに思った凛は見上げていた視線を移す。そして瞳に写った二人の姿を確認すると最初驚いたように眼を見張る。
が、すぐに鋭い視線で睨みつけた。
「ハル…蒼…。何しに来た。無様に負けた俺を笑いに来たか」
「凜!」
「凜…」
「フリーの試合もこのザマ!リレーもメンバーから外された!世界が聞いて呆れる!笑えよ!遠慮はいらねぇ!!」
自分を自嘲する凛。
だが、二人は笑うことはなくそんな彼らに凛は怒鳴るように声を荒げ感情をぶつけた。
「笑えつってんだろ!!結局俺はこの程度の人間だ!!リレーでお前らと戦う事もできやしねぇ!!」
「凛!!!」
「落ち着け凜!」
「うっせぇ!!テメーに何がわかる!!!」
「わかる。仲間と泳ぐ楽しさ、リレーを共に泳ぐ喜び、それを教えてくれたのは、凜!お前だ!
お前が居てくれたから俺はっ」
遙の言葉を遮るように凛は遙に詰め寄ると胸ぐらを掴んだ。
蒼は仲裁に入ろうとする。が、今の凜に必要なのは間違いなく遙の言葉だと思い黙って見守ることにする。
「黙れ!!」
噛みつくように凜が声を更に荒げると、遙も負けじと声を大きく張り上げた。
「俺もわかったんだ!!
気づいたんだ!!
なんの為に泳ぐのか!
誰の為に泳ぐのか!」
「黙れつってんだろぉ!!」
凛が殴りかかろうとする。その手を遙は掴んで阻止をするが衝撃で凛と一緒に倒れ込む。そのまま二人は地面を転がった。
そして遙の上に乗った凛は遙を睨もうと顔を上げる。が、彼の眼に映ったのは地面に書かれた言葉だった。
『For the team』
それは遙が今朝書いた言葉。
そしてその言葉は紛れもなく凛自身が小学時代にレンガに記した言葉だった。
「この木…似てるよな。校庭にあったあの桜の木に」
凜の視線の先に気づいた遙がゆっくりと口を開いた。
「なんで…なんでフリーじゃねぇんだよ…俺も、お前らと泳ぎてぇ…お前らとリレー、泳ぎてぇ…」
遙の顔には凜の瞳から涙がポタポタとこぼれ落ちる。
そんな凜の声は震えていた。
「けど…今更もうおせぇよ…」
「遅くなんかないよ…凛」
凜のやっと素直な心の声をようやく聞けた蒼は満足げに彼を見た。
そして遙と蒼は顔を見合わせ大きく頷きあった。
「行こう、凜!」
二人の言葉に理解ができない凛は呆然とする。
「あー!いたいた!」
「凜ちゃん!」
その声に凛が振り向く。そこには真琴、渚、怜が居た。
「お前ら…」
「まったく!あなたを見てるとイライラするんですよ。泳ぎたいなら泳げばいい!」
怜は凜を見て言いたいことを言い放った。
まだ立ち尽くす凛に遙は立ち上がると手を差し伸べた。
「凜!来い!今度は俺が見せてやる!見たことの無い景色を!」