仲間のために
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「やっぱまだ咲いてなかったなぁ」
小学時代最後の大会で優勝という結果を残した彼らが試合後に訪れたのは岩鳶小学校にある桜の木だった。
「だから言ったじゃない、まだ早いって」
「でもどうしても見ておきたかったんだ。今日で見納めだから…」
少し寂しげに言った凛を遙は呼んだ。
「凜!」
真っ直ぐな瞳に凛は小さく笑う。
「何だよ」
「おやじさんの夢、おいかけるのか?」
「わからないよ、今はまだ」
「ねぇねぇ!このレンガ、何か書いてあるよ!」
渚が桜の木にある花壇のレンガを興味津々で眺めた。これは卒業制作で生徒が各々の好きなメッセージを書いたものだ。
「卒業制作で作ったんだよ!私はこれ!」
蒼はしゃがみこんで一つのレンガを指差す。
「僕はこれ。僕は泳ぐって意味」
真琴に続き、凜もしゃがんで指をさす。
「これは俺だ。For the Team…仲間の為に」
凜のその言葉に、全員が嬉しそうに笑顔をほころばせた。
「あ!ハルちゃんはこれだね!」
渚が示したのは『free』と書いてあるレンガだった。