決戦前夜
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そして遂に地区予選前日を迎えた。
「よし!俺がお前らに教えられる事は全部教えた!あとは力を出し切るだけだぁ!」
はちまきをし気合十分の笹部。
そして天方や江達が持つのは横断幕。
「「あいや〜!!」」
笹部の掛け声に渚と蒼が片手を上げジャンプする。
対する怜は横断幕を見て顔を曇らせる。
「その横断幕…凄く恥ずかしいんですけど…」
その言葉に真琴は思わず苦笑する。
それもそのはず…
燃えろ!!岩鳶水泳部
とデカデカと書かれた黒文字に
背景は漁を伺わせるような太陽と大きな波が書かれていたのだ。
そして左下に書かれていたものに遙はハッとする。
「そのイラスト…」
「あ!ハルちゃんが前に書いてたやつだ!!」
「ここで使われるとは思わなかった」
それは遙が前に書いた岩鳶ペンギンのイラストだったのだ。
「それじゃあ、私たちは明日の朝一で会場に向かうから」
「みなさんは会場近くのホテルでゆっくり体を休めてください」
天方と江が一言言う。そしていつものように天方の偉人の話が始まろうとする。しかし、その途中で背後にバスが停まる音が聞こえる。
「あ!!バス来たよ!」
「えっと…それじゃ…」
蒼の言葉に真琴が口を開く。そして送り出してくれる彼らの方を向き皆声を揃えた。
「「「「「行ってきます」」」」」
バスに乗り込んだ一行はもはや遠足気分。
持ち込んだお菓子を食べたり、その途中ではやはり怜は車酔いして…
バスが止まったパーキングエリアではうどんを食べた。
そしてまさかの渚が4人前をたらふく食べた事実に真琴と怜は眼を疑った。その後、おみやげコーナーを見て…
はしゃいだ一行は空が夕日に染まる頃には夢の中
そしてバスをようやく降りた一行は真琴の持つ地図を頼りにホテルを探す。
渚や蒼が眼に映る誘惑で道を外れそうになるのを怜が止めながらようやく目的のホテルに着きチェックインし一息つくのだった。
「それにしても…俺達だけでこんなホテルに泊まるなんて、なんか緊張するよね」
「あぁ…」
無人島合宿では野宿だったのに偉い違いに戸惑いを隠せない真琴と遙。そんな二人の部屋のドアがノックされる。
「ハルちゃんマコちゃん!準備できたぁ?」
扉が開き姿を現したのは渚と怜だった。
「夕ご飯、何にしますか?」
怜の投げかけに真琴は少し考えると閃いたように皆に提示する。
「こういう時に食べるものと言えば……」
「あれだね!!」
「じゃあ…アオちゃん呼んでくるね」
渚の言葉に大きく頷くと真琴がベッドから腰を上げ蒼が泊まる部屋へ。
「アオちゃん…居る??」
ノックするが中から一向に返事がない。それに大きくため息を付いた真琴はゆっくりとドアノブを回す。案の定、鍵は開いていて簡単に開いた。
「はぁ…やっぱり鍵開いてるよ」
いつも通り無防備すぎる彼女にげんなりしつつも真琴は部屋に入った。
「アオちゃん…入るよ?」
断りを入れるとゆっくりと真琴は部屋に入る。すると真琴の目に留まったのは気持ちよさそうに寝ている蒼だった。
「無防備すぎる……」
ガクリと肩を落とした真琴は、沸き上がる衝動を抑えながら彼女を揺すった。
「ん??あ…真琴だ!」
目をこすりながら蒼の小さく伸びをすると起き上がり真琴に対して嬉しそうに笑みを浮かべた。
「今から夕飯いくんだけど…」
「え!!もうそんな時間か!!」
真琴の言葉に一気に目を覚ました蒼はガバッと身体を起こす。そんな彼女を微笑まし気に真琴は見た。
「で…どこ行くの?」
「こういう時に食べるものだよ」
「あぁ!!あれね!!」
そして蒼も含めた一行は店に入る。
もちろん彼らが食べようとしているのは…
「「かつ丼だね!!」」
「俺はヒレカツにしようかな??」
「僕も!!」
「私も!!」
真琴の言葉に渚と蒼が大きく手を挙げる。そして渚がヒレカツ丼3つ注文する。対して渚の隣に居た遙はジッとメニューを見ると…
「鯖味噌定食…」
「ハルは相変わらず鯖好きだね」
「流石ハルちゃん!!」
何にしようか考え込む怜を除き、笑いが飛び交った。そして難しい顔を浮かべる怜はというと…
「僕は…カツ鍋か、あんかけカツ丼か、
いや…冷やしカツうどんも…」
顎に手を当て未だに絞れていなかった。
だが、店主はそれを注文と勘違い。
「カツ鍋1、あんカツ1、冷カツ1…」
それに怜は顔を真っ赤にして慌てた。
「えぇ!!違います!!今のは…注文ではなくて!!」
その怜の様子に遙も含め皆高笑いするのだった。
そして無事にたらふく食べた彼らは夜の道を歩く。
「あ~!おいしかったぁ!」
「ほんとだね!!」
「ちょっと食べすぎました…」
満足そうに蒼達が歩く反対側の歩道では制服を着た学生が通り過ぎる。その姿を渚は眼で追った。
「ねね!今の明日の大会に出る子達じゃないかなぁ?ひょっとして隣のレーンだったりして!」
「ただの地元の高校生ですよ!第一筋肉のつきかたが水泳選手のものじゃない!」
興奮する渚に怜が一言言い放つ。
その怜の目の付け方が誰かに似ていて渚と蒼は大きく笑った。
「遂に…レイちゃんが!!」
「あはは!ごうちゃんみたい!」
そんな中、真琴が何か閃いたのか声を上げた。
「そうだ!明日の会場見に行ってみない?」
真琴の考えに賛同した彼らは足の向きを会場に向ける。だが、会場の入口は立入禁止の看板で閉鎖されていた。
「…駄目みたい」
「もう遅いもんね…」
「この時間じゃ無理か…」
「仕方ありませんね」
皆落胆する中、ただ一人…遙だけは違う方向を見ていた。
「いや、見えるかもしれない」
「私、いっちばーん!!」
「えぇ!!アオちゃんズルい!!」
蒼が先頭で走る。それを渚が慌てて追いかける。
それを後方で見た怜が注意しながらも追いかけた。
「二人共走っちゃ駄目ですよ!!」
さらに後方からは疲れ切った真琴と彼を気にしながら歩いていた遙が追いつく。
そしてようやく着いた高台。その場所から見える景色に皆、眼を輝かせた。
「すっごい!!」
「大きいな」
「明日あそこで泳ぐんですね」
「あぁ」
「なんか僕、ドキドキしてきた!」
「私もだよ!!」
それはライトで青く光輝く会場のプール。
辺りが暗いせいかその輝きは一層際立っていた。
そんな会場を見て彼らは目をキラキラと輝かせるのだった。
「よし!俺がお前らに教えられる事は全部教えた!あとは力を出し切るだけだぁ!」
はちまきをし気合十分の笹部。
そして天方や江達が持つのは横断幕。
「「あいや〜!!」」
笹部の掛け声に渚と蒼が片手を上げジャンプする。
対する怜は横断幕を見て顔を曇らせる。
「その横断幕…凄く恥ずかしいんですけど…」
その言葉に真琴は思わず苦笑する。
それもそのはず…
燃えろ!!岩鳶水泳部
とデカデカと書かれた黒文字に
背景は漁を伺わせるような太陽と大きな波が書かれていたのだ。
そして左下に書かれていたものに遙はハッとする。
「そのイラスト…」
「あ!ハルちゃんが前に書いてたやつだ!!」
「ここで使われるとは思わなかった」
それは遙が前に書いた岩鳶ペンギンのイラストだったのだ。
「それじゃあ、私たちは明日の朝一で会場に向かうから」
「みなさんは会場近くのホテルでゆっくり体を休めてください」
天方と江が一言言う。そしていつものように天方の偉人の話が始まろうとする。しかし、その途中で背後にバスが停まる音が聞こえる。
「あ!!バス来たよ!」
「えっと…それじゃ…」
蒼の言葉に真琴が口を開く。そして送り出してくれる彼らの方を向き皆声を揃えた。
「「「「「行ってきます」」」」」
バスに乗り込んだ一行はもはや遠足気分。
持ち込んだお菓子を食べたり、その途中ではやはり怜は車酔いして…
バスが止まったパーキングエリアではうどんを食べた。
そしてまさかの渚が4人前をたらふく食べた事実に真琴と怜は眼を疑った。その後、おみやげコーナーを見て…
はしゃいだ一行は空が夕日に染まる頃には夢の中
そしてバスをようやく降りた一行は真琴の持つ地図を頼りにホテルを探す。
渚や蒼が眼に映る誘惑で道を外れそうになるのを怜が止めながらようやく目的のホテルに着きチェックインし一息つくのだった。
「それにしても…俺達だけでこんなホテルに泊まるなんて、なんか緊張するよね」
「あぁ…」
無人島合宿では野宿だったのに偉い違いに戸惑いを隠せない真琴と遙。そんな二人の部屋のドアがノックされる。
「ハルちゃんマコちゃん!準備できたぁ?」
扉が開き姿を現したのは渚と怜だった。
「夕ご飯、何にしますか?」
怜の投げかけに真琴は少し考えると閃いたように皆に提示する。
「こういう時に食べるものと言えば……」
「あれだね!!」
「じゃあ…アオちゃん呼んでくるね」
渚の言葉に大きく頷くと真琴がベッドから腰を上げ蒼が泊まる部屋へ。
「アオちゃん…居る??」
ノックするが中から一向に返事がない。それに大きくため息を付いた真琴はゆっくりとドアノブを回す。案の定、鍵は開いていて簡単に開いた。
「はぁ…やっぱり鍵開いてるよ」
いつも通り無防備すぎる彼女にげんなりしつつも真琴は部屋に入った。
「アオちゃん…入るよ?」
断りを入れるとゆっくりと真琴は部屋に入る。すると真琴の目に留まったのは気持ちよさそうに寝ている蒼だった。
「無防備すぎる……」
ガクリと肩を落とした真琴は、沸き上がる衝動を抑えながら彼女を揺すった。
「ん??あ…真琴だ!」
目をこすりながら蒼の小さく伸びをすると起き上がり真琴に対して嬉しそうに笑みを浮かべた。
「今から夕飯いくんだけど…」
「え!!もうそんな時間か!!」
真琴の言葉に一気に目を覚ました蒼はガバッと身体を起こす。そんな彼女を微笑まし気に真琴は見た。
「で…どこ行くの?」
「こういう時に食べるものだよ」
「あぁ!!あれね!!」
そして蒼も含めた一行は店に入る。
もちろん彼らが食べようとしているのは…
「「かつ丼だね!!」」
「俺はヒレカツにしようかな??」
「僕も!!」
「私も!!」
真琴の言葉に渚と蒼が大きく手を挙げる。そして渚がヒレカツ丼3つ注文する。対して渚の隣に居た遙はジッとメニューを見ると…
「鯖味噌定食…」
「ハルは相変わらず鯖好きだね」
「流石ハルちゃん!!」
何にしようか考え込む怜を除き、笑いが飛び交った。そして難しい顔を浮かべる怜はというと…
「僕は…カツ鍋か、あんかけカツ丼か、
いや…冷やしカツうどんも…」
顎に手を当て未だに絞れていなかった。
だが、店主はそれを注文と勘違い。
「カツ鍋1、あんカツ1、冷カツ1…」
それに怜は顔を真っ赤にして慌てた。
「えぇ!!違います!!今のは…注文ではなくて!!」
その怜の様子に遙も含め皆高笑いするのだった。
そして無事にたらふく食べた彼らは夜の道を歩く。
「あ~!おいしかったぁ!」
「ほんとだね!!」
「ちょっと食べすぎました…」
満足そうに蒼達が歩く反対側の歩道では制服を着た学生が通り過ぎる。その姿を渚は眼で追った。
「ねね!今の明日の大会に出る子達じゃないかなぁ?ひょっとして隣のレーンだったりして!」
「ただの地元の高校生ですよ!第一筋肉のつきかたが水泳選手のものじゃない!」
興奮する渚に怜が一言言い放つ。
その怜の目の付け方が誰かに似ていて渚と蒼は大きく笑った。
「遂に…レイちゃんが!!」
「あはは!ごうちゃんみたい!」
そんな中、真琴が何か閃いたのか声を上げた。
「そうだ!明日の会場見に行ってみない?」
真琴の考えに賛同した彼らは足の向きを会場に向ける。だが、会場の入口は立入禁止の看板で閉鎖されていた。
「…駄目みたい」
「もう遅いもんね…」
「この時間じゃ無理か…」
「仕方ありませんね」
皆落胆する中、ただ一人…遙だけは違う方向を見ていた。
「いや、見えるかもしれない」
「私、いっちばーん!!」
「えぇ!!アオちゃんズルい!!」
蒼が先頭で走る。それを渚が慌てて追いかける。
それを後方で見た怜が注意しながらも追いかけた。
「二人共走っちゃ駄目ですよ!!」
さらに後方からは疲れ切った真琴と彼を気にしながら歩いていた遙が追いつく。
そしてようやく着いた高台。その場所から見える景色に皆、眼を輝かせた。
「すっごい!!」
「大きいな」
「明日あそこで泳ぐんですね」
「あぁ」
「なんか僕、ドキドキしてきた!」
「私もだよ!!」
それはライトで青く光輝く会場のプール。
辺りが暗いせいかその輝きは一層際立っていた。
そんな会場を見て彼らは目をキラキラと輝かせるのだった。