過去と今
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練習が終わった真琴達は笹部から1000円札を貰い受ける。怜の様子を見てこいと言われたのだ。
電車に乗っているさなか遙がふと声を出す。
「そういえば…怜の家行くのはじめてだな」
「僕は近所だから何度か行ったことあるよ」
そうして怜の最寄り駅で降りた一行なのだが…
「あれ??皆なんでいるの??」
なぜか今日いなかった蒼とたまたま出くわした。
「あれ~?アオちゃんなんでいるの?」
渚が不思議そうに声をあげる。そんな彼に蒼は苦笑いをする。事情を知っている真琴は話題を逸らそうと声をあげた。
「あ!!お見舞い!何買っていこうか?」
「お見舞い??」
「怜が珍しく休んだからさ」
真琴の言葉に蒼は辻褄が合ったのか納得した表情を浮かべた。
「ここはやっぱり…メロンでしょ!!」
渚がそう言うが、売られていくメロンはやはり高く値段を見て一行は顔をしかめた。
「ま…1000円じゃ無理だな」
「じゃあ…イチゴにする?」
「イチゴミルクで腹を壊したんじゃないのか?」
渚の提案に遙が違和感を感じる。
「あ…あぁ!そうだっけ?じゃあ…バナナ?」
慌てて渚が次の案を提示するが、この渚の表情に見覚えがある遙の眼をごまかすことはできなかった。
「本当に食あたりなのか?」
「え!?」
「昨日俺が話したこと気にしているんじゃないのか?」
「え…えっと…」
眼を泳がせる渚だが、遙の真っ直ぐな眼に遂に観念するのだった。そんな渚の肩に蒼はそっと手を置いた。
*
蒼と別れて家に戻っていた怜。
だが、インターホンがなり玄関を開けるとそこにいたのは遙達。加えてさっき別れたばかりの蒼もいた。怜は戸惑いながらも部屋に通す。
「どうしたんですか?みなさん揃って」
「怜が今日休んでたから、お見舞いに来たんだよ」
「いやぁ…僕は」
「あぁあ!その様子なら、大丈夫そうだね!ごうちゃん達も、みんな心配してたよぉ~!ごろうちゃんなんか試合前の大事な時期に何やってんだ〜って」
その渚の言葉に怜は信じられないと眼を丸くした。
「心配…して…くれたんですか…?」
その怜の言葉に当然だろと遙達が口を開く。
「当たり前だろう」
「怜が部活休むのって初めてだしねぇ~。渚ならまだしも…」
「あはは!!それは確かに!!」
「えぇ〜!!それどういう意味!?」
真琴のセリフに渚は意義を唱える。その言葉で部屋が笑いに包まれた。その中、真琴は棚にあるものを見つけて感嘆を漏らす。
「これ、中学の時の?」
「あ、はい。でも昔の話です」
それは怜が取ったトロフィーや表彰状の数々。
でもその隣の本棚にはたくさんの水泳に関する本が置かれていた。
「でも今は水泳の本がこぉ~んなにー!」
「ほんとだぁ!」
「こんなに勉強してたのか?」
「はい。理論は全て完璧に、叩き込みましたから…」
「だからレイちゃんそれいっちゃダメでしょ!失敗フラグ失敗フラグ!」
「失敗フラグって…」
詰め寄る渚の言葉に怜が顔を顰める。
そんな怜を遙が呼ぶ。
「怜…凛のところに行ってたってホントか?」
遙の言葉に何故知っているのかと蒼を見るとえへへと笑っていた。そして申し訳なさそうに隣にいる渚が口を開く。
「あ…ボクが言っちゃったんだ。ごめんねレイちゃん」
事情を知った怜はいえ…と渚に声をかけると遙に向き合った。
「はい…行ってきました。」
「この間俺が昔の事を話したからか?」
「いえ…僕が個人的に、凜さんという方にあいたくなっただけです。でも…もういいんです。あんな人…もう知りません!」
僕には関係ありませんから!」
そう言い切った怜に、遙達は表情を和らげて顔を見合わせた。
「ならいい。今はこの4人が俺達のチームだ。もちろん蒼もだ」
「遙先輩…」
「ね?言った通りだったでしょ?レイちゃん」
「だよね。怜も俺たちのチームの一員として、しっかり頼む」
「そうだよぉ!一人でも欠けちゃったらダメなんだから、レイちゃん!」
「はい!!」
それじゃあ一旦休憩!!と渚の言葉で真琴が持っていたビニール袋からあるものを取り出す。
それはメロンパンだった。
「なんで…お見舞いにメロンパンなんですか?」
「だって~本物のメロン高くって…
でもこれ凄く美味しんだ」
と誰よりも先にメロンパンの包装を開くと渚がパクリと一口頬張る。そしてそのパンを遙に向ける。
「はい…ハルちゃん!あ~ん」
「いや…俺は…」
拒否しようとする遙。だが、渚は気にせずに遙の口にメロンパンを突っ込んだ。
「ね!美味しいでしょ?」
ニコリと笑う渚。対照的に遙の表情は青白くなり苦しそうに悶え始める。
「あぁ!!ハル!!大丈夫!?!?」
「どうみても大丈夫じゃないでしょ!!」
遙の様子に真琴と蒼と怜はもちろん慌て始める。
「ちょ!!怜!なにか飲み物、飲み物!」
「あぁ~!!ハイすぐに持ってきます」
慌てて、怜は部屋を後に。真琴は心配そうに苦しそうな遙の背中をさする。蒼は不安げに遙を見る。対する渚は遙の様子を不思議そうに見ていた。
「メロンパンに合う一番の飲み物…それは麦茶!!」
部屋に戻ってきた怜が得意げに麦茶を見せる。
「我が竜ヶ崎家では祖父の代からメロンパンと言えば麦茶と決まっていて…」
「なんでもいいから早く!!」
「真琴の言う通りだよ!!レイちゃん!!」
怜の説明を遮るように真琴と蒼が声をあげる。その横では暢気に渚がパクパクとメロンパンを食べる。その中で遙がさっき以上にもだえ苦しみだす。
「ハルちゃん大丈夫?」
「ナギちゃん!!食べている場合じゃないから!」
「渚もなに暢気なこと言って!!
あぁ!!ハル!!早く!!」
この光景を緊急事態のことを忘れ微笑まし気に見ていた怜なのだが、叫ぶような蒼と真琴の言葉でハッとする。
「すみません!!遙先輩!今助けます!」
慌てて遙に飲み物を渡そうと行動に移す。
「死ぬな!!ハル~~!!」
部屋には真琴の叫び声が響き渡るのだった。
電車に乗っているさなか遙がふと声を出す。
「そういえば…怜の家行くのはじめてだな」
「僕は近所だから何度か行ったことあるよ」
そうして怜の最寄り駅で降りた一行なのだが…
「あれ??皆なんでいるの??」
なぜか今日いなかった蒼とたまたま出くわした。
「あれ~?アオちゃんなんでいるの?」
渚が不思議そうに声をあげる。そんな彼に蒼は苦笑いをする。事情を知っている真琴は話題を逸らそうと声をあげた。
「あ!!お見舞い!何買っていこうか?」
「お見舞い??」
「怜が珍しく休んだからさ」
真琴の言葉に蒼は辻褄が合ったのか納得した表情を浮かべた。
「ここはやっぱり…メロンでしょ!!」
渚がそう言うが、売られていくメロンはやはり高く値段を見て一行は顔をしかめた。
「ま…1000円じゃ無理だな」
「じゃあ…イチゴにする?」
「イチゴミルクで腹を壊したんじゃないのか?」
渚の提案に遙が違和感を感じる。
「あ…あぁ!そうだっけ?じゃあ…バナナ?」
慌てて渚が次の案を提示するが、この渚の表情に見覚えがある遙の眼をごまかすことはできなかった。
「本当に食あたりなのか?」
「え!?」
「昨日俺が話したこと気にしているんじゃないのか?」
「え…えっと…」
眼を泳がせる渚だが、遙の真っ直ぐな眼に遂に観念するのだった。そんな渚の肩に蒼はそっと手を置いた。
*
蒼と別れて家に戻っていた怜。
だが、インターホンがなり玄関を開けるとそこにいたのは遙達。加えてさっき別れたばかりの蒼もいた。怜は戸惑いながらも部屋に通す。
「どうしたんですか?みなさん揃って」
「怜が今日休んでたから、お見舞いに来たんだよ」
「いやぁ…僕は」
「あぁあ!その様子なら、大丈夫そうだね!ごうちゃん達も、みんな心配してたよぉ~!ごろうちゃんなんか試合前の大事な時期に何やってんだ〜って」
その渚の言葉に怜は信じられないと眼を丸くした。
「心配…して…くれたんですか…?」
その怜の言葉に当然だろと遙達が口を開く。
「当たり前だろう」
「怜が部活休むのって初めてだしねぇ~。渚ならまだしも…」
「あはは!!それは確かに!!」
「えぇ〜!!それどういう意味!?」
真琴のセリフに渚は意義を唱える。その言葉で部屋が笑いに包まれた。その中、真琴は棚にあるものを見つけて感嘆を漏らす。
「これ、中学の時の?」
「あ、はい。でも昔の話です」
それは怜が取ったトロフィーや表彰状の数々。
でもその隣の本棚にはたくさんの水泳に関する本が置かれていた。
「でも今は水泳の本がこぉ~んなにー!」
「ほんとだぁ!」
「こんなに勉強してたのか?」
「はい。理論は全て完璧に、叩き込みましたから…」
「だからレイちゃんそれいっちゃダメでしょ!失敗フラグ失敗フラグ!」
「失敗フラグって…」
詰め寄る渚の言葉に怜が顔を顰める。
そんな怜を遙が呼ぶ。
「怜…凛のところに行ってたってホントか?」
遙の言葉に何故知っているのかと蒼を見るとえへへと笑っていた。そして申し訳なさそうに隣にいる渚が口を開く。
「あ…ボクが言っちゃったんだ。ごめんねレイちゃん」
事情を知った怜はいえ…と渚に声をかけると遙に向き合った。
「はい…行ってきました。」
「この間俺が昔の事を話したからか?」
「いえ…僕が個人的に、凜さんという方にあいたくなっただけです。でも…もういいんです。あんな人…もう知りません!」
僕には関係ありませんから!」
そう言い切った怜に、遙達は表情を和らげて顔を見合わせた。
「ならいい。今はこの4人が俺達のチームだ。もちろん蒼もだ」
「遙先輩…」
「ね?言った通りだったでしょ?レイちゃん」
「だよね。怜も俺たちのチームの一員として、しっかり頼む」
「そうだよぉ!一人でも欠けちゃったらダメなんだから、レイちゃん!」
「はい!!」
それじゃあ一旦休憩!!と渚の言葉で真琴が持っていたビニール袋からあるものを取り出す。
それはメロンパンだった。
「なんで…お見舞いにメロンパンなんですか?」
「だって~本物のメロン高くって…
でもこれ凄く美味しんだ」
と誰よりも先にメロンパンの包装を開くと渚がパクリと一口頬張る。そしてそのパンを遙に向ける。
「はい…ハルちゃん!あ~ん」
「いや…俺は…」
拒否しようとする遙。だが、渚は気にせずに遙の口にメロンパンを突っ込んだ。
「ね!美味しいでしょ?」
ニコリと笑う渚。対照的に遙の表情は青白くなり苦しそうに悶え始める。
「あぁ!!ハル!!大丈夫!?!?」
「どうみても大丈夫じゃないでしょ!!」
遙の様子に真琴と蒼と怜はもちろん慌て始める。
「ちょ!!怜!なにか飲み物、飲み物!」
「あぁ~!!ハイすぐに持ってきます」
慌てて、怜は部屋を後に。真琴は心配そうに苦しそうな遙の背中をさする。蒼は不安げに遙を見る。対する渚は遙の様子を不思議そうに見ていた。
「メロンパンに合う一番の飲み物…それは麦茶!!」
部屋に戻ってきた怜が得意げに麦茶を見せる。
「我が竜ヶ崎家では祖父の代からメロンパンと言えば麦茶と決まっていて…」
「なんでもいいから早く!!」
「真琴の言う通りだよ!!レイちゃん!!」
怜の説明を遮るように真琴と蒼が声をあげる。その横では暢気に渚がパクパクとメロンパンを食べる。その中で遙がさっき以上にもだえ苦しみだす。
「ハルちゃん大丈夫?」
「ナギちゃん!!食べている場合じゃないから!」
「渚もなに暢気なこと言って!!
あぁ!!ハル!!早く!!」
この光景を緊急事態のことを忘れ微笑まし気に見ていた怜なのだが、叫ぶような蒼と真琴の言葉でハッとする。
「すみません!!遙先輩!今助けます!」
慌てて遙に飲み物を渡そうと行動に移す。
「死ぬな!!ハル~~!!」
部屋には真琴の叫び声が響き渡るのだった。