県大会
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「設立間もないにも関わらず、水泳部は見事県大会ベスト8に残り、地方大会への進出を決めました。次は全国大会への出場を是非とも叶えてほしいと思います。以上」
朝礼式で全生徒の前に立たされた一行は校長からの言葉を頂いた。
そして、朝礼が終わった後校舎をみあげるとそこには垂れ幕がぶら下がっていた。
『祝 水泳部地方大会進出』
「用意いいなぁ」
渚が一言そう呟くと、風が吹き垂れ幕が揺れる。
「あきらかに流用ですけどね…」
「まぁそれはしょうがないんじゃない」
怜や蒼はその垂れ幕を見て苦笑した。
『水泳部』と書かれた垂れ幕の下から隠れて出てきたのは『柔道部』の文字。どうやら、柔道部の垂れ幕の上に『水泳部』と書かれた垂れ幕を上乗せして上手く合成したのだ。
「でも、やっと実感が沸いてきました。勝ったんだって!」
「うん!教室戻ったら、ヒーロー扱いだよ!」
怜と渚がそう呟き笑みを浮かべて教室に向かう。江も友達に呼ばれる。そんな中、一人遙だけ遠い目をしていた。
「勝った…か……」
そして一人遙は歩き出す。
そんな彼から発せられた言葉に真琴を蒼は思わず顔を見合わせた。そして彼らは遙の心のなかでなにか心境の変化があったのではないかと心配になるのだった。
その心配は見事に的中。授業中、遙はずっと上の空。窓から見える青空を頬杖して見上げていたのだった。
そして放課後、チャイムが鳴ると同時に蒼と真琴に何も言わず一人どこかに消えていた。二人が気づいたときにはもう遙の姿は見えず、しょうがないので二人で先に部室の方へ向かうことに。その道中で1年の3人と出会う。
「遙先輩はどうしたんですか?」
いつも3人一緒なはずなのにと不思議に江が尋ねた。
「どっかいっちゃったんだよね…」
「帰ってしまったんでしょうか…」
苦笑交じりにそう言う蒼の言葉に怜は不安そうに俯く。
「まぁ、いつもの事だし…」
「とりあえず、最初の目的だった実績は出せたし、部費も増えるはず!部費が増えたら、ジムのプールで泳ぎ放題!」
「「あぁ!!」」
そういえばそうだった!!と感嘆の声を上げる真琴と蒼。だが、江はその考えは甘いとピシャリとはたき落とした。
「何言ってるんですか!校長先生も言ってたじゃないですか!次の目標は全国大会出場です!!目標はあくまで高く!」
頭上に人差し指を突き上げた江。江の気迫に押されながらも蒼達はおぉ〜と声に漏らした。
「よーし!全国目指してがんばろー!」
「ハイ!
フラ〜イ…」
「「「「オ〜〜〜!!!」」」」
「フライ…ハイ??」
怜の掛け声と共に戸惑う真琴を覗いた皆が拳を高く突き上げた。
「部室一番乗りぃー!」
「なぁ~におぉ~!」
「この元陸上部の僕に勝てるとでも!?」
飛び出した渚を追いかけるように江と怜が走り出す。
「ほら!!真琴も行こ!!」
「さっきの掛け声って……」
「そんなの…気にしなーい!!」
弾けるような笑みを浮かべた蒼が真琴の手を取る。そしてグイグイと引っ張っていくのだった。
*
「これからは主にドリルを行います。怜くんの課題はキックの強化です。力強く素早いキックを身に着ける練習です!」
「了解です」
「渚くんはストロークの強化を徹底的にやります」
「OK!」
「真琴先輩は加速をスムーズにするための練習を」
「わかった」
「それじゃ、ウォーミングアップから開始です!」
各自の補う部分を確認し終わったところ…
バシャリ!!
水面から遙が出てくる。
「「ハル!?」」
「もう来てたんだね!!」
皆驚きを見せる中、江がマネージャーらしくすぐさまタオルを遙に渡しに行った。
「ハルちゃん…すっごいやる気だね?」
「それともフリーで負けたのが悔しかったのでしょうか?」
「……かもしれないね。」
何故、もう一足先にプールで泳いでいるのか理由が気になり渚と怜が憶測を考える。
「アオちゃんはどう考える?」
「えぇ?」
1年組を横目に真琴が蒼に話を振る。
突然にしかもまさか渚ではなく真琴からであったため、最初は驚きはしたもののゆっくりと口を開いた。
「…そんなの真琴が一番わかってるでしょ」
「そう言うアオちゃんだって…」
「わからなくなったから…泳いだ。
水のことは…水に聞こうと思って」
言葉を交わさずに確認し合った二人の耳に聞こえてきた遙の言葉。
朝からずっと様子が可笑しいのを気づいていた二人は互いに顔を見合わせた。
そして予想が当っていたと同時に苦笑いを浮かべる。
「それって…どういう…」
意味がわからない江が遙に問おうとするが、その言葉を遮るように彼女の肩を優しく叩き、真琴が言葉を重ねる。
「じゃあみんな揃ったし、練習始めようか」
「そ、そうですね!それじゃ各自、軽いウォーミングアップから!」
部長の真琴の言葉に江は返事をした。
そして岩鳶水泳部は次の大会に向かって練習を始めるのだった。
朝礼式で全生徒の前に立たされた一行は校長からの言葉を頂いた。
そして、朝礼が終わった後校舎をみあげるとそこには垂れ幕がぶら下がっていた。
『祝 水泳部地方大会進出』
「用意いいなぁ」
渚が一言そう呟くと、風が吹き垂れ幕が揺れる。
「あきらかに流用ですけどね…」
「まぁそれはしょうがないんじゃない」
怜や蒼はその垂れ幕を見て苦笑した。
『水泳部』と書かれた垂れ幕の下から隠れて出てきたのは『柔道部』の文字。どうやら、柔道部の垂れ幕の上に『水泳部』と書かれた垂れ幕を上乗せして上手く合成したのだ。
「でも、やっと実感が沸いてきました。勝ったんだって!」
「うん!教室戻ったら、ヒーロー扱いだよ!」
怜と渚がそう呟き笑みを浮かべて教室に向かう。江も友達に呼ばれる。そんな中、一人遙だけ遠い目をしていた。
「勝った…か……」
そして一人遙は歩き出す。
そんな彼から発せられた言葉に真琴を蒼は思わず顔を見合わせた。そして彼らは遙の心のなかでなにか心境の変化があったのではないかと心配になるのだった。
その心配は見事に的中。授業中、遙はずっと上の空。窓から見える青空を頬杖して見上げていたのだった。
そして放課後、チャイムが鳴ると同時に蒼と真琴に何も言わず一人どこかに消えていた。二人が気づいたときにはもう遙の姿は見えず、しょうがないので二人で先に部室の方へ向かうことに。その道中で1年の3人と出会う。
「遙先輩はどうしたんですか?」
いつも3人一緒なはずなのにと不思議に江が尋ねた。
「どっかいっちゃったんだよね…」
「帰ってしまったんでしょうか…」
苦笑交じりにそう言う蒼の言葉に怜は不安そうに俯く。
「まぁ、いつもの事だし…」
「とりあえず、最初の目的だった実績は出せたし、部費も増えるはず!部費が増えたら、ジムのプールで泳ぎ放題!」
「「あぁ!!」」
そういえばそうだった!!と感嘆の声を上げる真琴と蒼。だが、江はその考えは甘いとピシャリとはたき落とした。
「何言ってるんですか!校長先生も言ってたじゃないですか!次の目標は全国大会出場です!!目標はあくまで高く!」
頭上に人差し指を突き上げた江。江の気迫に押されながらも蒼達はおぉ〜と声に漏らした。
「よーし!全国目指してがんばろー!」
「ハイ!
フラ〜イ…」
「「「「オ〜〜〜!!!」」」」
「フライ…ハイ??」
怜の掛け声と共に戸惑う真琴を覗いた皆が拳を高く突き上げた。
「部室一番乗りぃー!」
「なぁ~におぉ~!」
「この元陸上部の僕に勝てるとでも!?」
飛び出した渚を追いかけるように江と怜が走り出す。
「ほら!!真琴も行こ!!」
「さっきの掛け声って……」
「そんなの…気にしなーい!!」
弾けるような笑みを浮かべた蒼が真琴の手を取る。そしてグイグイと引っ張っていくのだった。
*
「これからは主にドリルを行います。怜くんの課題はキックの強化です。力強く素早いキックを身に着ける練習です!」
「了解です」
「渚くんはストロークの強化を徹底的にやります」
「OK!」
「真琴先輩は加速をスムーズにするための練習を」
「わかった」
「それじゃ、ウォーミングアップから開始です!」
各自の補う部分を確認し終わったところ…
バシャリ!!
水面から遙が出てくる。
「「ハル!?」」
「もう来てたんだね!!」
皆驚きを見せる中、江がマネージャーらしくすぐさまタオルを遙に渡しに行った。
「ハルちゃん…すっごいやる気だね?」
「それともフリーで負けたのが悔しかったのでしょうか?」
「……かもしれないね。」
何故、もう一足先にプールで泳いでいるのか理由が気になり渚と怜が憶測を考える。
「アオちゃんはどう考える?」
「えぇ?」
1年組を横目に真琴が蒼に話を振る。
突然にしかもまさか渚ではなく真琴からであったため、最初は驚きはしたもののゆっくりと口を開いた。
「…そんなの真琴が一番わかってるでしょ」
「そう言うアオちゃんだって…」
「わからなくなったから…泳いだ。
水のことは…水に聞こうと思って」
言葉を交わさずに確認し合った二人の耳に聞こえてきた遙の言葉。
朝からずっと様子が可笑しいのを気づいていた二人は互いに顔を見合わせた。
そして予想が当っていたと同時に苦笑いを浮かべる。
「それって…どういう…」
意味がわからない江が遙に問おうとするが、その言葉を遮るように彼女の肩を優しく叩き、真琴が言葉を重ねる。
「じゃあみんな揃ったし、練習始めようか」
「そ、そうですね!それじゃ各自、軽いウォーミングアップから!」
部長の真琴の言葉に江は返事をした。
そして岩鳶水泳部は次の大会に向かって練習を始めるのだった。