県大会
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「すみません、完全に僕の力不足でした」
落ち込む怜に天方は声をかける。
「そんな事ないわよ~。自己記録を更新したし、たいしたものだわ」
「ゴーグルさえズレてなきゃ、入賞できたかも!」
「いえ、流石にそこまでは…」
渚の言葉に怜は苦笑いを浮かべる。
「まぁいずれにせよ、みんなよく頑張ったわ。本当にお疲れ様!」
天方の一言に皆笑顔を浮かべる。
「やりきった!って感じだよね!」
「あぁ、また別の大会目指してがんばろ」
渚と真琴がそう言う中、天方が一人足りないと声をあげた。
「あら、そういえば七瀬くんは?」
その言葉に4人はあ!!とビクリと背筋が伸びる。
「先に帰ってしまって…」
「先に帰っちゃったみたいで…」
「あぁ、なんか気分悪いって言って」
歯切れ悪そうに蒼や渚・真琴が答える。
「そう…それなら仕方無いわね。」
そう言った天方は江に一声かける。そして皆に一礼した。
「それじゃあ、私もこれで失礼するから」
天方は自分の車に乗り一足先に会場を後にする。その姿を見送った後、笹部が口を開く。
「俺も久しぶりに燃えさせてもらったぜ!お疲れ!じゃあなぁ~!」
笹部は仕事先のピザの配達用のバイクに乗ってこの場を立ち去る。その姿をキョトンとした表情で蒼と真琴と渚は心の声を漏らす。
「ピザ屋のバイク…」
「あれに乗ってきたんだ…」
「仕事大丈夫なのかな…」
空に浮かぶ夕日。夕日に照らされ5人の影が地面に映し出される。5人しかいないこの場で、ポツリと名残惜しむように渚が呟いた。
「終わっちゃったね」
「そうだね…」
「あぁ」
蒼と真琴が渚の言葉に相槌をする。
「でもやっぱり、僕たちも地方大会…行きたかったです」
一方で怜が残念そうに呟く。
「あれだけ頑張って練習してきたんだから、誰か一人くらいは行けるかもって思ってたけど…現実は厳しかったか」
そう言った真琴だが思い出したかのように蒼の方を向く。
「間違えた!?蒼は地方大会あるんだっけ?」
「うん…そうだね。
でもみんなと行きたかった」
「試合はでれないけど、アオちゃんのこと全力で応援するよ!」
「ありがと…ナギちゃん」
そんな中、怜が何を思ったか急に意気込み始める。
「水泳は奥が深いです。やはり、理論だけでは勝てない。燃えてきました!」
「まぁ、今更燃えてもしょうがないけどね」
渚が怜の言葉に苦笑いを浮かべる。
そんな中、キョロキョロと皆の顔を見渡していた江が小さく呟いた。
「いいえ、しょうがなくありません」
え!?と彼女の言っていることが理解できない彼らが驚きの声をあげる中、江は皆のほうへ向き直る。
「まだ明日があります!大会二日目!」
「だって僕たちのエントリー種目は今日で全部終わっちゃったんだよ?」
「二日目は確か、個人メドレーと、あとはリレー…」
真琴が頭の中で明日の種目を考え込む。そしてまさか!!と結論に行きついた真琴が江を驚きの表情で見た。
「江ちゃんまさか!」
その言葉に、皆の前に出ると江は手を合わせて頭を下げるのだった。
「ごめんなさい!みなさんに内緒でメドレーリレーにエントリーしてました!」
まさかの展開にえぇ!!と真琴達は声をあげた。
「先生には言ってあったんだけど…」
江は俯きながら小さく呟く。そんな彼女に渚が思っていることを投げかける。
「それじゃあもし、リレーに勝てば…」
「地方大会に出られます」
だが、真琴は急に提示されたリレーに対し無茶だよ!と慌てた様子で口を開いた。
「急にそんな事言われても…俺達リレーの練習なんて何もしてこなかったし!」
「どうしてもっと早く言ってくれなかったの?」
真琴と渚が言った言葉は御尤も。江だって皆に隠すことはしたくなかった。でも…
「だって…遙先輩リレーは気が進まないみたいだったし…」
沈黙の時間が流れる中、一人が声をあげた。
「やりましょう」
「えぇ!?」
「レイちゃん!?」
怜がやろうと言い出すとは思わなかった真琴と渚が驚きの声をあげる。その中で、怜はまっすぐ前を見ていた。
「これは僕たちに与えられた、最後のチャンスです。たとえ練習してなくても……やってみる価値はある!」
「私も…皆のリレー見てみたいなぁ」
怜の意見に賛同するように口を開いたのは蒼だった。
「あの時のリレーと同じような景色をもう一回見てみたい」
二人の想いを聞いた真琴と渚は顔を見合わせた。ここまで来たらやるしかない。二人は大きく頷く。
皆の想いが固まると、一目散に駆け出した。もう一人の選手を探すために。
落ち込む怜に天方は声をかける。
「そんな事ないわよ~。自己記録を更新したし、たいしたものだわ」
「ゴーグルさえズレてなきゃ、入賞できたかも!」
「いえ、流石にそこまでは…」
渚の言葉に怜は苦笑いを浮かべる。
「まぁいずれにせよ、みんなよく頑張ったわ。本当にお疲れ様!」
天方の一言に皆笑顔を浮かべる。
「やりきった!って感じだよね!」
「あぁ、また別の大会目指してがんばろ」
渚と真琴がそう言う中、天方が一人足りないと声をあげた。
「あら、そういえば七瀬くんは?」
その言葉に4人はあ!!とビクリと背筋が伸びる。
「先に帰ってしまって…」
「先に帰っちゃったみたいで…」
「あぁ、なんか気分悪いって言って」
歯切れ悪そうに蒼や渚・真琴が答える。
「そう…それなら仕方無いわね。」
そう言った天方は江に一声かける。そして皆に一礼した。
「それじゃあ、私もこれで失礼するから」
天方は自分の車に乗り一足先に会場を後にする。その姿を見送った後、笹部が口を開く。
「俺も久しぶりに燃えさせてもらったぜ!お疲れ!じゃあなぁ~!」
笹部は仕事先のピザの配達用のバイクに乗ってこの場を立ち去る。その姿をキョトンとした表情で蒼と真琴と渚は心の声を漏らす。
「ピザ屋のバイク…」
「あれに乗ってきたんだ…」
「仕事大丈夫なのかな…」
空に浮かぶ夕日。夕日に照らされ5人の影が地面に映し出される。5人しかいないこの場で、ポツリと名残惜しむように渚が呟いた。
「終わっちゃったね」
「そうだね…」
「あぁ」
蒼と真琴が渚の言葉に相槌をする。
「でもやっぱり、僕たちも地方大会…行きたかったです」
一方で怜が残念そうに呟く。
「あれだけ頑張って練習してきたんだから、誰か一人くらいは行けるかもって思ってたけど…現実は厳しかったか」
そう言った真琴だが思い出したかのように蒼の方を向く。
「間違えた!?蒼は地方大会あるんだっけ?」
「うん…そうだね。
でもみんなと行きたかった」
「試合はでれないけど、アオちゃんのこと全力で応援するよ!」
「ありがと…ナギちゃん」
そんな中、怜が何を思ったか急に意気込み始める。
「水泳は奥が深いです。やはり、理論だけでは勝てない。燃えてきました!」
「まぁ、今更燃えてもしょうがないけどね」
渚が怜の言葉に苦笑いを浮かべる。
そんな中、キョロキョロと皆の顔を見渡していた江が小さく呟いた。
「いいえ、しょうがなくありません」
え!?と彼女の言っていることが理解できない彼らが驚きの声をあげる中、江は皆のほうへ向き直る。
「まだ明日があります!大会二日目!」
「だって僕たちのエントリー種目は今日で全部終わっちゃったんだよ?」
「二日目は確か、個人メドレーと、あとはリレー…」
真琴が頭の中で明日の種目を考え込む。そしてまさか!!と結論に行きついた真琴が江を驚きの表情で見た。
「江ちゃんまさか!」
その言葉に、皆の前に出ると江は手を合わせて頭を下げるのだった。
「ごめんなさい!みなさんに内緒でメドレーリレーにエントリーしてました!」
まさかの展開にえぇ!!と真琴達は声をあげた。
「先生には言ってあったんだけど…」
江は俯きながら小さく呟く。そんな彼女に渚が思っていることを投げかける。
「それじゃあもし、リレーに勝てば…」
「地方大会に出られます」
だが、真琴は急に提示されたリレーに対し無茶だよ!と慌てた様子で口を開いた。
「急にそんな事言われても…俺達リレーの練習なんて何もしてこなかったし!」
「どうしてもっと早く言ってくれなかったの?」
真琴と渚が言った言葉は御尤も。江だって皆に隠すことはしたくなかった。でも…
「だって…遙先輩リレーは気が進まないみたいだったし…」
沈黙の時間が流れる中、一人が声をあげた。
「やりましょう」
「えぇ!?」
「レイちゃん!?」
怜がやろうと言い出すとは思わなかった真琴と渚が驚きの声をあげる。その中で、怜はまっすぐ前を見ていた。
「これは僕たちに与えられた、最後のチャンスです。たとえ練習してなくても……やってみる価値はある!」
「私も…皆のリレー見てみたいなぁ」
怜の意見に賛同するように口を開いたのは蒼だった。
「あの時のリレーと同じような景色をもう一回見てみたい」
二人の想いを聞いた真琴と渚は顔を見合わせた。ここまで来たらやるしかない。二人は大きく頷く。
皆の想いが固まると、一目散に駆け出した。もう一人の選手を探すために。