県大会
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「大会一日目のプログラム…午前中はフリーからのスタートです。
アオちゃんは女子の1組目
遙先輩は男子の4組目」
江と天方と合流した一行は江が持つプログラムを見ていた。ちなみに一番最初に泳ぐ1組目の蒼は既に準備のためにこの場にはいなかった。江の持つプログラムを覗き込んで見ていた渚が興奮気味に声をだす。
「あ…!ハルちゃんと凜ちゃん、隣どうしのコースだ」
4組目のグループを良く見ると…
4レーン:松岡 凛
5レーン:七瀬 遙
と書かれていたのだ。
「これってたしか、エントリーの申告タイム順だったよね?」
疑問形で投げかけた真琴の言葉に江がうなずく。
「はい!」
「実力は互角って事だねぇ」
「予選各種目ごと、タイム順に上位8名の選手が決勝戦に進出…地方大会に進むことができます」
江の言葉に彼女を囲んでいた真琴・怜・渚はゴクリとツバを飲んだ。その緊張している様子を見てか、日焼け防止用に傘をさす天方が声をかけた。
「大丈夫!緊張することなんてないわ。普段どおりやればいいのよ。大切なのは最後まで諦めないこと。
ナポレオンの名言にもあります!
”勝負は最後の5分で決まる!!”」
いつもの調子で名言を披露する天方だったが、渚が不思議そうに一言オウム返しした。
「5分??」
「先生…それじゃあタイム遅すぎます…」
江の冷静な突っ込みに甘方は苦笑いをする。その様子を見ていた真琴達は緊張が少しほぐれ小さく笑った。
「それじゃみんな、それぞれの種目で自分のベストを尽くして、悔いのないよう!頑張っていこう!」
「「「「おう!!」」」
真琴の掛け声に答えるように3人は拳を高く突き上げるのだった。
*
はぁ〜〜〜…
ロッカーで支度を終えた蒼は深く息を吐いた。自分らしくいつもどおりに泳げばいいのに足がすくんだ。
ここはアメリカじゃない。タイムや結果なんて気にしなくていい。そんなことはわかっていても蘇るのはアメリカ時代の記憶。
記憶が振るわない自分に対して叱咤を通り越す罵倒や暴言の数々。チームメイトからは冷ややかな目で見られ小さいちょっかいを受けた。それでも頑張った。異国の地で、慣れない英語を使って。
そしてようやく掴んだメドレーリレーの大舞台。だがそこで自分は大きな失態を犯した。
その記憶は蒼の枷として重くのしかかっていたのだ。
それでも前に進みたいと言ったのは自分自身だ。だからこそ、ウジウジとしてられない。
蒼は自分の頬を思いっきり両手でバチンと叩いた。
「よし…行こう!!」
蒼はプールへと向かった。もう過去に縛られたくない。前に進むきっかけをくれた皆のためにも、彼らの前でいい泳ぎを…。
『女子フリー1組目…』
コールされプールサイドに選手が入場してくる。
「アオちゃんの番です!!」
「アオちゃ~ん!!ファイト〜〜!!」
「蒼先輩!!頑張ってください!!」
歩く蒼の姿を見つけ、江や渚や怜が手を降り声を上げる。他の大声援に負けないように大きな声で。
遙と真琴はジッと彼女の姿を見つめる。
「蒼大丈夫かな…」
不安そうに小さく真琴が呟く。その声が聞こえたのは隣りにいた遙だけだった。
「真琴…大丈夫だ蒼なら。信じてやれ。
それにお前が信じなくてどうする??」
ハッとして真琴が遙の方を向く。真琴の瞳に写ったのはまっすぐ自分を見つめる遙の姿だった。
「そうだね…ハルの言うとおりだ。」
そう言うとプールの方に視線を真琴は戻す。そしてプールのスタート台に立つ蒼に向けて真琴は大きな声で叫んだ。
「蒼!!!頑張れ〜〜〜!!」
真琴や皆の声援を聞いた蒼は胸が熱くなった。スタート台で飛び込む体制に入った蒼のこわばる身体は自然とほぐれた。
独りじゃない…皆がいる…
蒼は合図と共に飛び出した。
試合で久しぶりに感じる身体の軽さ。泳いでいてとても気分がよく心地良かった。必死に泳ぎターンをし壁にタッチをし蒼は勢いよく顔上げた。そして息を整えながら電光掲示板を見る。それを確認した蒼は弾ける笑顔を浮かべた。
「アオちゃん1位だ!!」
渚が飛び跳ねて喜ぶ。釣られるように皆ヤッタ!!と喜びの声を上げた。
「アオちゃん!!」
「蒼先輩!!」
江と怜が大きな声で呼ぶ。すると声が届いたのかプールから上がった蒼が満面の笑みで大きく手を振っていた。
蒼の泳ぎを見終わった遙はゴーグルとスイムキャップを持ち一人静かにその場から消えようとしていた。その後ろ姿に真琴は力強く声をかけた。
「ハル…勝ってこいよ」
そしてそのまま遙は真琴の方を振り返る事なく決戦に向けて気持ちを高ぶらせてスタスタと歩くのだった。
そして通路を一人歩いていると前方のベンチに腰掛けて下を向く凜の姿があった。凛は遙が通りかかるのを待っていたのか彼が近くにくると腰を上げた。
そんな彼に遙は一言言い放つ。
「約束通り、来たぞ」
「当然だ。俺もお前にあわせて、エントリータイムを落としてやったんだ」
「そんな必要は無い。決勝でも戦える」
「それまで待ってらんねーんだよ。それに、お前が決勝に残れるかは…わかんねーしな」
そうセリフを吐いた凛は遙の横を通る。そして去り際に耳元でこう囁くのだった。
「他はどうでもいい。俺とお前の勝負だ。楽しみにしてるぜ」
*
「アオちゃん!!おつかれ様!!」
観客席に戻ってきた蒼は、渚が飛び込んでくるという歓迎を受けた。
「ナギちゃん…ありがと」
飛び込んできた彼を受け止めた蒼は小さく微笑んだ。それを皮切りに江や怜が駆け寄ってくる。
「アオちゃん、おめでと!」
「おめでとう御座います!!蒼先輩の泳ぎを見てて感動しました!」
「江ちゃんとレイちゃんの声援聞こえたよ!すっごく力になった!」
そう言った蒼は少し遠くから微笑ましげに見ている真琴の方へ近づいていった。
「アオちゃん…おめでと」
目を細める真琴に蒼は微笑んだ。
「全部真琴のおかげだよ…」
「俺なんかしたっけ??」
「真琴が背中を押してくれなかったら、私は前に進めなかったから…」
そう言った蒼はここで一区切り間を置く。そして思い切り大きく息を吸った。
「ありがと…真琴。だ~いすき!!」
満面の笑みを浮かべた蒼は真琴の胸に飛び込んだ。勢いよく飛び込んできた蒼を真琴はうわぁ!!と慌てながらも受け止めた。
そんな二人の姿を遠くから渚達は訝しげに見つめていた。
「あの二人…くっついてないんだよね」
「そーなんだよ。なんでなんだろ?」
「蒼先輩が鈍感すぎなのでは?」
いいムードを醸し出す二人についてヒソヒソと三人は噂話のように話すのだった。
『男子フリー4組目』
「あ!次はハルちゃんと凜ちゃんの番だよ!」
次の4組目の選手がプールサイドを歩いてくる。前が遙、その後ろに凛。その二人の姿を見た天方が江に声をかけた。
「松岡さんはどっちを応援するの??」
「もちろん……どっちも!!!」
「私も!!」
江と蒼が祈るように手を組んだ。
「ハルちゃーーん!ふぁいとーーーー!!」
そして渚が遙に聞こえるように大きな声で声援を送った。
遙と凛がスタート台の上で視線を交わす。そして合図で前を向いた。バチバチと両者の間で火花が飛び散る中、レースが始まった。
「はやい!!」
「凛ちゃん前より格段に早くなってる!!」
「どんどんハルが凛に置いていかれてる!?」
「ストロークでハルが負けてる!?」
50メートル最初は併行するように泳いでいた。しかし、徐々に凜の泳ぐスピードが増す。そして徐々に両者の差は開き始めていた。それは凛がターンに入って戻る時にハルとすれ違うくらいの差であった。
「ハルちゃんが追い上げてる!!」
ターンした遙は凛との差を埋めるために懸命に泳いでいた。
「ハル!!頑張れ!!」
「ハル〜〜〜!!」
「遙先輩〜〜〜!!」
蒼・真琴・怜が声を張り上げる。この声援が少しでも力になってくれればいいと。しかしその願いは叶わなかった。コンマ何秒まで追い上げた遙だったがタッチの差で凛に及ばなかったのだ。
電光掲示板に表示されていく順位。
「ハルが…負けた……」
「そんな…」
この結果に渚と真琴が信じられないという表情を浮かべる。
「しかも…予選落ちなんて…」
ポツリと呟いた江の言葉で蒼が電光掲示板を見ると決勝進出した一覧の中に遙の名前が載っていなかった。
一人勝った!!とはしゃぎ喜ぶ凛。対照的に遙はうつむいたままその場を動かなかった。そんな彼に、プールから上がった凛は一言こう告げるのだった。
「俺の勝ちだ。これでもう、お前と泳ぐ事はねぇ。二度とな」
遙の目の前から凛が消えていく。それと同時に遙の目の前は真っ暗になった。そんな彼の心境の変化に遠目ながら気づいた蒼の頭では警鈴が激しく鳴るのだった。
アオちゃんは女子の1組目
遙先輩は男子の4組目」
江と天方と合流した一行は江が持つプログラムを見ていた。ちなみに一番最初に泳ぐ1組目の蒼は既に準備のためにこの場にはいなかった。江の持つプログラムを覗き込んで見ていた渚が興奮気味に声をだす。
「あ…!ハルちゃんと凜ちゃん、隣どうしのコースだ」
4組目のグループを良く見ると…
4レーン:松岡 凛
5レーン:七瀬 遙
と書かれていたのだ。
「これってたしか、エントリーの申告タイム順だったよね?」
疑問形で投げかけた真琴の言葉に江がうなずく。
「はい!」
「実力は互角って事だねぇ」
「予選各種目ごと、タイム順に上位8名の選手が決勝戦に進出…地方大会に進むことができます」
江の言葉に彼女を囲んでいた真琴・怜・渚はゴクリとツバを飲んだ。その緊張している様子を見てか、日焼け防止用に傘をさす天方が声をかけた。
「大丈夫!緊張することなんてないわ。普段どおりやればいいのよ。大切なのは最後まで諦めないこと。
ナポレオンの名言にもあります!
”勝負は最後の5分で決まる!!”」
いつもの調子で名言を披露する天方だったが、渚が不思議そうに一言オウム返しした。
「5分??」
「先生…それじゃあタイム遅すぎます…」
江の冷静な突っ込みに甘方は苦笑いをする。その様子を見ていた真琴達は緊張が少しほぐれ小さく笑った。
「それじゃみんな、それぞれの種目で自分のベストを尽くして、悔いのないよう!頑張っていこう!」
「「「「おう!!」」」
真琴の掛け声に答えるように3人は拳を高く突き上げるのだった。
*
はぁ〜〜〜…
ロッカーで支度を終えた蒼は深く息を吐いた。自分らしくいつもどおりに泳げばいいのに足がすくんだ。
ここはアメリカじゃない。タイムや結果なんて気にしなくていい。そんなことはわかっていても蘇るのはアメリカ時代の記憶。
記憶が振るわない自分に対して叱咤を通り越す罵倒や暴言の数々。チームメイトからは冷ややかな目で見られ小さいちょっかいを受けた。それでも頑張った。異国の地で、慣れない英語を使って。
そしてようやく掴んだメドレーリレーの大舞台。だがそこで自分は大きな失態を犯した。
その記憶は蒼の枷として重くのしかかっていたのだ。
それでも前に進みたいと言ったのは自分自身だ。だからこそ、ウジウジとしてられない。
蒼は自分の頬を思いっきり両手でバチンと叩いた。
「よし…行こう!!」
蒼はプールへと向かった。もう過去に縛られたくない。前に進むきっかけをくれた皆のためにも、彼らの前でいい泳ぎを…。
『女子フリー1組目…』
コールされプールサイドに選手が入場してくる。
「アオちゃんの番です!!」
「アオちゃ~ん!!ファイト〜〜!!」
「蒼先輩!!頑張ってください!!」
歩く蒼の姿を見つけ、江や渚や怜が手を降り声を上げる。他の大声援に負けないように大きな声で。
遙と真琴はジッと彼女の姿を見つめる。
「蒼大丈夫かな…」
不安そうに小さく真琴が呟く。その声が聞こえたのは隣りにいた遙だけだった。
「真琴…大丈夫だ蒼なら。信じてやれ。
それにお前が信じなくてどうする??」
ハッとして真琴が遙の方を向く。真琴の瞳に写ったのはまっすぐ自分を見つめる遙の姿だった。
「そうだね…ハルの言うとおりだ。」
そう言うとプールの方に視線を真琴は戻す。そしてプールのスタート台に立つ蒼に向けて真琴は大きな声で叫んだ。
「蒼!!!頑張れ〜〜〜!!」
真琴や皆の声援を聞いた蒼は胸が熱くなった。スタート台で飛び込む体制に入った蒼のこわばる身体は自然とほぐれた。
独りじゃない…皆がいる…
蒼は合図と共に飛び出した。
試合で久しぶりに感じる身体の軽さ。泳いでいてとても気分がよく心地良かった。必死に泳ぎターンをし壁にタッチをし蒼は勢いよく顔上げた。そして息を整えながら電光掲示板を見る。それを確認した蒼は弾ける笑顔を浮かべた。
「アオちゃん1位だ!!」
渚が飛び跳ねて喜ぶ。釣られるように皆ヤッタ!!と喜びの声を上げた。
「アオちゃん!!」
「蒼先輩!!」
江と怜が大きな声で呼ぶ。すると声が届いたのかプールから上がった蒼が満面の笑みで大きく手を振っていた。
蒼の泳ぎを見終わった遙はゴーグルとスイムキャップを持ち一人静かにその場から消えようとしていた。その後ろ姿に真琴は力強く声をかけた。
「ハル…勝ってこいよ」
そしてそのまま遙は真琴の方を振り返る事なく決戦に向けて気持ちを高ぶらせてスタスタと歩くのだった。
そして通路を一人歩いていると前方のベンチに腰掛けて下を向く凜の姿があった。凛は遙が通りかかるのを待っていたのか彼が近くにくると腰を上げた。
そんな彼に遙は一言言い放つ。
「約束通り、来たぞ」
「当然だ。俺もお前にあわせて、エントリータイムを落としてやったんだ」
「そんな必要は無い。決勝でも戦える」
「それまで待ってらんねーんだよ。それに、お前が決勝に残れるかは…わかんねーしな」
そうセリフを吐いた凛は遙の横を通る。そして去り際に耳元でこう囁くのだった。
「他はどうでもいい。俺とお前の勝負だ。楽しみにしてるぜ」
*
「アオちゃん!!おつかれ様!!」
観客席に戻ってきた蒼は、渚が飛び込んでくるという歓迎を受けた。
「ナギちゃん…ありがと」
飛び込んできた彼を受け止めた蒼は小さく微笑んだ。それを皮切りに江や怜が駆け寄ってくる。
「アオちゃん、おめでと!」
「おめでとう御座います!!蒼先輩の泳ぎを見てて感動しました!」
「江ちゃんとレイちゃんの声援聞こえたよ!すっごく力になった!」
そう言った蒼は少し遠くから微笑ましげに見ている真琴の方へ近づいていった。
「アオちゃん…おめでと」
目を細める真琴に蒼は微笑んだ。
「全部真琴のおかげだよ…」
「俺なんかしたっけ??」
「真琴が背中を押してくれなかったら、私は前に進めなかったから…」
そう言った蒼はここで一区切り間を置く。そして思い切り大きく息を吸った。
「ありがと…真琴。だ~いすき!!」
満面の笑みを浮かべた蒼は真琴の胸に飛び込んだ。勢いよく飛び込んできた蒼を真琴はうわぁ!!と慌てながらも受け止めた。
そんな二人の姿を遠くから渚達は訝しげに見つめていた。
「あの二人…くっついてないんだよね」
「そーなんだよ。なんでなんだろ?」
「蒼先輩が鈍感すぎなのでは?」
いいムードを醸し出す二人についてヒソヒソと三人は噂話のように話すのだった。
『男子フリー4組目』
「あ!次はハルちゃんと凜ちゃんの番だよ!」
次の4組目の選手がプールサイドを歩いてくる。前が遙、その後ろに凛。その二人の姿を見た天方が江に声をかけた。
「松岡さんはどっちを応援するの??」
「もちろん……どっちも!!!」
「私も!!」
江と蒼が祈るように手を組んだ。
「ハルちゃーーん!ふぁいとーーーー!!」
そして渚が遙に聞こえるように大きな声で声援を送った。
遙と凛がスタート台の上で視線を交わす。そして合図で前を向いた。バチバチと両者の間で火花が飛び散る中、レースが始まった。
「はやい!!」
「凛ちゃん前より格段に早くなってる!!」
「どんどんハルが凛に置いていかれてる!?」
「ストロークでハルが負けてる!?」
50メートル最初は併行するように泳いでいた。しかし、徐々に凜の泳ぐスピードが増す。そして徐々に両者の差は開き始めていた。それは凛がターンに入って戻る時にハルとすれ違うくらいの差であった。
「ハルちゃんが追い上げてる!!」
ターンした遙は凛との差を埋めるために懸命に泳いでいた。
「ハル!!頑張れ!!」
「ハル〜〜〜!!」
「遙先輩〜〜〜!!」
蒼・真琴・怜が声を張り上げる。この声援が少しでも力になってくれればいいと。しかしその願いは叶わなかった。コンマ何秒まで追い上げた遙だったがタッチの差で凛に及ばなかったのだ。
電光掲示板に表示されていく順位。
「ハルが…負けた……」
「そんな…」
この結果に渚と真琴が信じられないという表情を浮かべる。
「しかも…予選落ちなんて…」
ポツリと呟いた江の言葉で蒼が電光掲示板を見ると決勝進出した一覧の中に遙の名前が載っていなかった。
一人勝った!!とはしゃぎ喜ぶ凛。対照的に遙はうつむいたままその場を動かなかった。そんな彼に、プールから上がった凛は一言こう告げるのだった。
「俺の勝ちだ。これでもう、お前と泳ぐ事はねぇ。二度とな」
遙の目の前から凛が消えていく。それと同時に遙の目の前は真っ暗になった。そんな彼の心境の変化に遠目ながら気づいた蒼の頭では警鈴が激しく鳴るのだった。