無人島合宿
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建物の入り口付近まで来た一行はその建物を見上げた。看板らしきものがあり『好島レストハウス』と古びて色あせたカラフルな文字で書かれていた。
「レストハウス??レストハウスってなんだろ!!」
こう言う渚に隣に立つ怜は呆れ気味に答えた。
「…レストハウスです」
「入ってみるか」
「そうだね…」
遙と蒼が一言呟くと、渚が先陣を切って入ろうとする。
「え??ほんとに入るんですか!?」
驚きの声を上げながらも怜は大人しく渚の後ろについていく。
「真琴…大丈夫?」
「うん、平気」
真琴を見上げる菫色の瞳が不安げに揺らぐ。そんな彼女を安心させようと真琴は小さく微笑んだ。
その様子を前方からチラ見していた渚が不満げに振り返る。
「ちょっと〜!
これからお化け屋敷に入るカップルみたいな会話しないでよ〜」
渚の言葉に真琴は顔を真っ赤に。対する蒼は意味がわからないと首を傾げた。
その反応にまこちゃんたいへんだなぁと思っている渚の背後から不気味な顔をのぞかせた遙が低い小さな声を彼の耳元で呟く。
「あそこに…人影が…」
ゾッとした渚だが途端に笑い声を上げる。対する真琴は遙の言葉に青ざめ、蒼の腕を掴んだ。
「わ…わるい」
「ちょっと!!ハル!!」
「アオちゃん!そんなハルのこと睨まないで!俺は大丈夫だから」
若干顔をひきつらせる真琴は、頬を膨らませ遙を見る蒼をなだめる。
「ちょっと中見てくるからお前は蒼とここで待ってろ」
「俺も行くよ!」
踵を返し中に入ろうとする遙の足を真琴は止めた。遙が振り向くと小さく微笑む真琴がいた。
「みんながいるから大丈夫だよ」
「無理…してない??」
「してないよ…ほらいこ」
というわけで結局全員で建物の中に入ることになった。
「暗いね」
うす気味悪く暗い建物内。
「絶対なにか出そうな感じです…」
そう言う怜の隣で渚が大声を上げる。
「うわ!!」
渚の声に反応した怜と真琴がビクリと身体を震わせ声を上げた。
「え!!」
「何!?」
「懐中電灯だ!!」
渚が見つけたのは壁にある懐中電灯だったのだ。
「脅かさないでくださいよ…」
「ほんとだよ!!ナギちゃん!!ビビリが二人もいるんだから!!」
「えへへ…ごめん」
「僕はビビリじゃありません!!」
「え…違うの??」
このような会話が続く中、遙が壁にあった懐中電灯を手にとりライトをつける。そして一人先に前に進み出す。そんな彼を見て、会話を一時中断し遙を追いかけるように歩みをすすめるのだった。
「元は食堂だったみたいだな」
遙が照らし出した場所にはいくつかの机が並べられていて、古びた料理器具、奥には冷蔵庫らしきものが置いてあった。
「お!!じゃなんか食べ物とかあるかな?お腹すいた〜」
お腹をさする渚に怜はげんなりとする。
「よくこんな状況でお腹がすきますね…」
「いやぁ〜」
「褒めてませんから」
「…よし!!探そう!!
僕とハルちゃんはこっちの棚を
アオちゃんとマコちゃんはシンクの下を
レイちゃんはあのヤバそうな冷蔵庫を」
「ちょっと!!なぜ一番ヘビーな任務を僕が!?」
「レイちゃんの怜は冷蔵庫の怜」
「こじつけだ!!」
「あ!!なるほど!!」
「蒼先輩まで〜!?」
「で…できませんよ。開けたらすごいドロドロしたものがでてきそうで」
「やめろ」
「じゃあジャンケンで冷蔵庫担当を決めよ!」
「賛成!!」
「開けないと駄目ですか??」
「一番食料が入ってそうなところだからね!」
「電源は入ってないけどな」
「今の僕たちには冷蔵庫にかけるしかないんだよ!」
そしてジャンケンの結果…
「やっぱりレイちゃんだ!!ファイト!!」
「レイちゃん頑張れ!!」
怜がジャンケンで一人負けするという結果となった。一人なぜグーを出したのかと出した拳を見つめ怜は青ざめる。対して渚と蒼はニコニコと笑っていた。
背後にいる皆の視線を感じながら、怜は恐る恐る冷蔵庫の取っ手に手を伸ばす。そして意を決して勢いよく冷蔵庫を開けた。だが、そこは…
「良かった…」
「空っぽか…残念」
冷蔵庫の中はもぬけの殻だったのだ。ホッとする怜や真琴。対して、渚と蒼は肩をがっくりと落とすのだった。
*
「ハイ!!これ着て!!」
渚が両手に持つのは、『好島レストハウス』と書かれたオレンジ色のエプロン。ビニールに入っているので新品なのは間違いないのだが…
「なんでこれなんですか」
「これしかなかったんだよ。文句いわないで」
「もう身体乾いたから大丈夫だよ」
「そしてなぜまた…」
怜が見下ろす先には皿に乗ったサバとパイナップル。この組み合わせは夕食で食べたばかりなのにとげんなりする怜。これには渚も同じ意見で顔をひきつらせた。
「ついてるな…俺たち」
「あの…せめて重ねないで別々に食べませんか…」
怜がやんわりと言う先で遙が黙々と皿に載せたサバの上にパイナップルを載せていった。
落胆する二人。蒼を思わず苦笑いした。
「この水…まだ期限きれてないから沸かして飲めるかも」
そう言った真琴の手にはミネラルウォーターがあった。
「じゃあ…それ沸かそうか」
蒼は立ち上がり、真琴が持っていた水を沸かし始めるのだった。
「身体が温まるね」
「うーーん。でも…サバップルに白湯…」
蒼は紙コップに入った湯気が立つお湯をフーフーしながら飲む。対して、渚はガクリと肩を落としていた。
「口に入れられるものがあっただけいいと思え」
ごもっともの意見を遙が言う。それには流石の渚も賛同した。
「そうだよね…
想像しながら味わえばいいんだよ。
これはただのお湯じゃなくて極上のコンソメスープ!
キラキラと黄金に輝くシコンのスープ!!」
「言ってて虚しくなりませんか?」
「想像力のない人はこれだから…」
なぁ!?と渚の言葉に怜はたまらず目を見開いた。
その向かいに座っている遙が窓越しに外を見る。外は先程と変わることなく土砂降りの雨が降っていた。
「まだ雨…降ってるな」
「朝までここで過ごすしかないですね」
ため息混じりに嘆く怜。それとは対照的に渚が明るい声を出す。
「いまからなにしようか??」
「寝る」
遙の一言にえぇ〜!?と渚が驚きの声を上げる。
「せっかく無人島でサバイバルなんだよ!!
魚をモリで突いたり、食べられるキノコを探したりしないの!?」
「なにかの番組じゃないですから」
「とはいえこんな状況でとても眠れそうにないからなぁ…」
うーんと皆考え込む。その中、蒼と渚が同時に声を上げる。
「そうだ!!あれやろうよ!!」
「あれって…あれだよね!!」
「そうそう!!」
渚と蒼は顔を見合うと他のメンバーを蚊帳の外に放っておき二人で準備をし始めるのだった。
「レストハウス??レストハウスってなんだろ!!」
こう言う渚に隣に立つ怜は呆れ気味に答えた。
「…レストハウスです」
「入ってみるか」
「そうだね…」
遙と蒼が一言呟くと、渚が先陣を切って入ろうとする。
「え??ほんとに入るんですか!?」
驚きの声を上げながらも怜は大人しく渚の後ろについていく。
「真琴…大丈夫?」
「うん、平気」
真琴を見上げる菫色の瞳が不安げに揺らぐ。そんな彼女を安心させようと真琴は小さく微笑んだ。
その様子を前方からチラ見していた渚が不満げに振り返る。
「ちょっと〜!
これからお化け屋敷に入るカップルみたいな会話しないでよ〜」
渚の言葉に真琴は顔を真っ赤に。対する蒼は意味がわからないと首を傾げた。
その反応にまこちゃんたいへんだなぁと思っている渚の背後から不気味な顔をのぞかせた遙が低い小さな声を彼の耳元で呟く。
「あそこに…人影が…」
ゾッとした渚だが途端に笑い声を上げる。対する真琴は遙の言葉に青ざめ、蒼の腕を掴んだ。
「わ…わるい」
「ちょっと!!ハル!!」
「アオちゃん!そんなハルのこと睨まないで!俺は大丈夫だから」
若干顔をひきつらせる真琴は、頬を膨らませ遙を見る蒼をなだめる。
「ちょっと中見てくるからお前は蒼とここで待ってろ」
「俺も行くよ!」
踵を返し中に入ろうとする遙の足を真琴は止めた。遙が振り向くと小さく微笑む真琴がいた。
「みんながいるから大丈夫だよ」
「無理…してない??」
「してないよ…ほらいこ」
というわけで結局全員で建物の中に入ることになった。
「暗いね」
うす気味悪く暗い建物内。
「絶対なにか出そうな感じです…」
そう言う怜の隣で渚が大声を上げる。
「うわ!!」
渚の声に反応した怜と真琴がビクリと身体を震わせ声を上げた。
「え!!」
「何!?」
「懐中電灯だ!!」
渚が見つけたのは壁にある懐中電灯だったのだ。
「脅かさないでくださいよ…」
「ほんとだよ!!ナギちゃん!!ビビリが二人もいるんだから!!」
「えへへ…ごめん」
「僕はビビリじゃありません!!」
「え…違うの??」
このような会話が続く中、遙が壁にあった懐中電灯を手にとりライトをつける。そして一人先に前に進み出す。そんな彼を見て、会話を一時中断し遙を追いかけるように歩みをすすめるのだった。
「元は食堂だったみたいだな」
遙が照らし出した場所にはいくつかの机が並べられていて、古びた料理器具、奥には冷蔵庫らしきものが置いてあった。
「お!!じゃなんか食べ物とかあるかな?お腹すいた〜」
お腹をさする渚に怜はげんなりとする。
「よくこんな状況でお腹がすきますね…」
「いやぁ〜」
「褒めてませんから」
「…よし!!探そう!!
僕とハルちゃんはこっちの棚を
アオちゃんとマコちゃんはシンクの下を
レイちゃんはあのヤバそうな冷蔵庫を」
「ちょっと!!なぜ一番ヘビーな任務を僕が!?」
「レイちゃんの怜は冷蔵庫の怜」
「こじつけだ!!」
「あ!!なるほど!!」
「蒼先輩まで〜!?」
「で…できませんよ。開けたらすごいドロドロしたものがでてきそうで」
「やめろ」
「じゃあジャンケンで冷蔵庫担当を決めよ!」
「賛成!!」
「開けないと駄目ですか??」
「一番食料が入ってそうなところだからね!」
「電源は入ってないけどな」
「今の僕たちには冷蔵庫にかけるしかないんだよ!」
そしてジャンケンの結果…
「やっぱりレイちゃんだ!!ファイト!!」
「レイちゃん頑張れ!!」
怜がジャンケンで一人負けするという結果となった。一人なぜグーを出したのかと出した拳を見つめ怜は青ざめる。対して渚と蒼はニコニコと笑っていた。
背後にいる皆の視線を感じながら、怜は恐る恐る冷蔵庫の取っ手に手を伸ばす。そして意を決して勢いよく冷蔵庫を開けた。だが、そこは…
「良かった…」
「空っぽか…残念」
冷蔵庫の中はもぬけの殻だったのだ。ホッとする怜や真琴。対して、渚と蒼は肩をがっくりと落とすのだった。
*
「ハイ!!これ着て!!」
渚が両手に持つのは、『好島レストハウス』と書かれたオレンジ色のエプロン。ビニールに入っているので新品なのは間違いないのだが…
「なんでこれなんですか」
「これしかなかったんだよ。文句いわないで」
「もう身体乾いたから大丈夫だよ」
「そしてなぜまた…」
怜が見下ろす先には皿に乗ったサバとパイナップル。この組み合わせは夕食で食べたばかりなのにとげんなりする怜。これには渚も同じ意見で顔をひきつらせた。
「ついてるな…俺たち」
「あの…せめて重ねないで別々に食べませんか…」
怜がやんわりと言う先で遙が黙々と皿に載せたサバの上にパイナップルを載せていった。
落胆する二人。蒼を思わず苦笑いした。
「この水…まだ期限きれてないから沸かして飲めるかも」
そう言った真琴の手にはミネラルウォーターがあった。
「じゃあ…それ沸かそうか」
蒼は立ち上がり、真琴が持っていた水を沸かし始めるのだった。
「身体が温まるね」
「うーーん。でも…サバップルに白湯…」
蒼は紙コップに入った湯気が立つお湯をフーフーしながら飲む。対して、渚はガクリと肩を落としていた。
「口に入れられるものがあっただけいいと思え」
ごもっともの意見を遙が言う。それには流石の渚も賛同した。
「そうだよね…
想像しながら味わえばいいんだよ。
これはただのお湯じゃなくて極上のコンソメスープ!
キラキラと黄金に輝くシコンのスープ!!」
「言ってて虚しくなりませんか?」
「想像力のない人はこれだから…」
なぁ!?と渚の言葉に怜はたまらず目を見開いた。
その向かいに座っている遙が窓越しに外を見る。外は先程と変わることなく土砂降りの雨が降っていた。
「まだ雨…降ってるな」
「朝までここで過ごすしかないですね」
ため息混じりに嘆く怜。それとは対照的に渚が明るい声を出す。
「いまからなにしようか??」
「寝る」
遙の一言にえぇ〜!?と渚が驚きの声を上げる。
「せっかく無人島でサバイバルなんだよ!!
魚をモリで突いたり、食べられるキノコを探したりしないの!?」
「なにかの番組じゃないですから」
「とはいえこんな状況でとても眠れそうにないからなぁ…」
うーんと皆考え込む。その中、蒼と渚が同時に声を上げる。
「そうだ!!あれやろうよ!!」
「あれって…あれだよね!!」
「そうそう!!」
渚と蒼は顔を見合うと他のメンバーを蚊帳の外に放っておき二人で準備をし始めるのだった。