無人島合宿
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寝静まった夜…
打ち寄せるさざ波の音、テントを揺らす潮風が吹く中
一人怜が海に出ていた。
やっぱり僕が頑張らないと…
空に浮かぶ月に照らされた海を怜がビート板を持って泳ぐ。真琴には気にしなくていいと言われたもののやはり引け目を感じていたのだ。
ふと空を見上げると満天の星空。思わず怜は足を止めた。
「美しい…」
そして視線を戻すと泳ぐのを再開。ようやくコツが掴めてしたと思った矢先に天候は急変。穏やかな海は一気に波が高くなり猛威を振るう海に化したのだ。
「あれ…怜??」
ふと目を覚ました真琴。だが、隣で寝ているはずの怜がいなく彼は不思議に思いテントの外に出る。
外は、風が吹き荒れ、雨がバシャバシャと激しく降り、空には厚い黒い雲が浮かんでいた。
「すごい雨…」
たまらずそう呟いた真琴。流石にすぐに戻ってくるだろうとテントに戻ろうと踵を返したその時…
海でビート板をなくした怜がもがいているのを真琴は見つけた。一瞬立ちすくむ真琴だが、彼は慌てて怜を助けるために荒れる海に飛び込むのだった。
「怜!!」
真琴が怜を呼ぶ声はもう一つのテントで寝ている遥の耳に届く。ぬくっと起き上がった遥を眠そうに瞼をこする渚が不思議そうに見上げた。
「ハルちゃん?」
「聞こえなかったか?」
「何が?」
「声が」
そして遙は外に出ると、もう一つのテントを覗き込んだ。
「真琴」
だが、そこはもぬけの殻。
「どうしたの?あれ…二人とも居ないね。」
「まだ温かい」
「トイレにでも行ってるんじゃないのかなぁ」
少しあとに同じように覗き込んだ渚がそう言うが、遙はテントの中を見るのをやめて外に視線を移した。その彼の目に一人の女性が目に入った。
「蒼!!」
「ハル!!それにナギちゃんも!」
少し青ざめた顔をした蒼がそこにはいた。
「ふたりとも…真琴は??」
「…いない」
「まこちゃんだけじゃなくてレイちゃんもいないんだよね。アオちゃんはどうしたの?」
「なんか胸騒ぎがして…あ!!」
辺りを不安そうにキョロキョロしていた蒼が声を上げる。
「二人共!!海見て!!」
蒼が指差したほうを見る。一瞬では遠くてわからないがよく注意して見るとそこには海に溺れる怜。そして彼のもとに行こうと泳ぐ真琴がいた。
「真琴!!!!レイちゃん!!!!!」
蒼は後先考えることなく海に飛び込んだ。泳いでいた真琴の体が急に膠着したように止まってしまったからだ。
やっぱりまだ……
はやく彼のところへと蒼は懸命に体を動かした。そして、蒼を追いかけるように遙も海へ走り出す。
「渚!お前は天方先生に連絡しろ!」
「まって二人共!危ないよ!!」
続いて渚も後に続くのだった。
※
「真琴!!真琴!!」
「真琴!」
真琴の体を掴んだ蒼と遙が懸命に彼の名を呼ぶ。それを見た渚は少し離れたとこにいる怜のもとへ。
「レイちゃんは僕に任せて!」
「ナギちゃんお願い!」
「頼む!!」
「怜ちゃん!今助けて…」
渚が怜のことにつく。だが、彼らのとこにとてつもない大きな波が押し寄せる。その波はいとも容易く彼ら二人を飲み込むのだった。
*
蒼と遙は近くの島へ。意識のない真琴を連れて泳ぐのはキツく陸に辿り着いた時には二人共ヘロヘロで倒れ込む。
「真琴!!」
彼の体を揺らすが反応がない。
どうしよ...このまま目を醒まさなかったら
最悪のシチュエーションが頭を過ぎり、徐々に蒼の目頭も熱くなってくる。
「大丈夫、動いてる。
怪我は…ない
でも息が弱い。」
蒼が精神的に弱っている中で自分までも気を乱すわけにはいかないと冷静に自分を落ち着かせ遙は真琴の状況を確認する。
そして、彼の顎を持ち上げ息を吹き込もうと遙がしようとしたまさにその時…
真琴が身体をのけぞらせ飲んでしまった海水を咳き込みながら吐き出した。
「真琴!!」
肺に空気を送ろうと懸命に呼吸をする真琴。そしておぼつかない視界の中、真琴が見たのは目を丸くする遙と目に涙をためている蒼だった。
「は…はるか…。そ…それに…蒼」
「真琴!大丈夫か?」
「こ…ここは??」
「多分好島だ。テントから見えた向かいの」
遙の言葉を聞きながら真琴はゆっくりと上半身を起こす。そして辺りを不安げに見渡した。
「怜は?…怜!!」
「まだ動くな!お前は安静にしていろ!」
「でも、怜が!!」
「真琴のバカ!!!」
「「…え???」」
今までずっと黙り込んでいた蒼がここで怒鳴り声をあげた。突然の出来事に二人は唖然としながら蒼を見た。
「いつも自分のことを後回しにして…バカだよ。少しは自分の心配でもしてよ!!
すごい心配したんだよ…私も遙も」
蒼の瞳に溜まった涙が溢れ出す。そんな彼女を見て真琴は黙り込んだ。そして蒼は真琴の背後にまわると彼の首に腕をまわし顔を肩に埋めた。
「…お願い。自分のことも大切にして。
怜はきっと大丈夫だから」
背後に感じる蒼の温もり。そして彼女の口から発せられた言葉はあまりにも小さく弱々しく淋しげ。
そうさせた原因が自分にあるのがわかっている事が余計に辛く、真琴は胸を締め付けられる思いだった。
「…蒼」
「蒼の言うとおりだ。
怜は渚が助けてくれてる!安心しろ」
二人の言葉にようやく落ち着き始める真琴。二人は、雨をしのげる場所を見つけ真琴を連れてそこで雨宿りすることにするのだった。
「少しは落ち着いたか?」
「うん…」
「やっぱりお前、海が怖いんだな」
「大丈夫だと思ったんだ。でも、怜が溺れてるのを見たら…体が動かなくなった。
あの時の事が頭に浮かんで...
ハルと蒼まで巻き込んで本当にごめん」
「真琴のせいじゃないよ…」
「でも…合宿に来るって決めたのは俺だ。
水泳部作ったのも。
だけどハルとまた一緒に泳ぎたいと思ったから…
そして蒼を見たとき思ったんだ…蒼とも泳ぎたいって
後もう一度…みんなとリレーをしたいって
…でもそこには、ハルと蒼がいないと…2人じゃなきゃダメなんだ。
ハルや蒼と一緒に、泳ぎたいんだ。」
真琴の心の内を聞いた遙と蒼の瞳は揺らいだ。そんなふうに思ってくれてたなんて思っても見なかったから…
「いたいたー!アオちゃーん!ハルちゃーん!まこちゃーん!」
彼ら3人の耳に聞こえる声。声のした方をむくと渚と怜が走っている姿があった。
「怜!渚!!」
真琴が声をあげいち早く二人の元へ駆け寄る。遥と蒼も後ろから続くように駆け寄った。
「良かったー!2人とも、無事だったんだな。」
安堵の様子を見せる真琴だが、怜の方を見ると目を伏せ申し訳無さそうな表情を浮かべた。
「怜…助けられなくて…ごめん」
「そんなっ!…僕のほうこそ、すみませんでした」
「ううん…無事でよかったよ」
「良くない」
一喝するように言い放ったのは遙だった。そのまま遙は怜に詰め寄った。
「何やってたんだ。夜の海なんかで」
言い寄る遙。そんな彼をまぁまぁと蒼はなだめた。
「ハル...レイちゃんは...」
「練習してたんだよ。少しでもみんなに追いつこうって」
蒼の言葉に重ねるように渚が続けた。
「ほら、レイちゃんのせいだけじゃないからさ!
まこちゃんもダメだよぉ!溺れてる人を一人で助けにいったら!アオちゃんも!ハルちゃんもだよ!いきなり飛び込むし!!」
「ナギちゃんも飛び込んでんじゃん」
「えへへ…いやぁでもみんな無事でよかったね」
「そうだね…」
そういった蒼だが、急に寒気を感じてブルブルと身体を震わした。
「安心した途端に寒くなってきたよ」
「寒い!!!」
渚も賛同し身体を震わした。
皆がキョロキョロと周囲を見渡す。
「そうだなぁ~、何処か雨を避ける場所はないかなぁ…」
あ!!と真琴が見つけたのは丘の上に建つ建物だった
打ち寄せるさざ波の音、テントを揺らす潮風が吹く中
一人怜が海に出ていた。
やっぱり僕が頑張らないと…
空に浮かぶ月に照らされた海を怜がビート板を持って泳ぐ。真琴には気にしなくていいと言われたもののやはり引け目を感じていたのだ。
ふと空を見上げると満天の星空。思わず怜は足を止めた。
「美しい…」
そして視線を戻すと泳ぐのを再開。ようやくコツが掴めてしたと思った矢先に天候は急変。穏やかな海は一気に波が高くなり猛威を振るう海に化したのだ。
「あれ…怜??」
ふと目を覚ました真琴。だが、隣で寝ているはずの怜がいなく彼は不思議に思いテントの外に出る。
外は、風が吹き荒れ、雨がバシャバシャと激しく降り、空には厚い黒い雲が浮かんでいた。
「すごい雨…」
たまらずそう呟いた真琴。流石にすぐに戻ってくるだろうとテントに戻ろうと踵を返したその時…
海でビート板をなくした怜がもがいているのを真琴は見つけた。一瞬立ちすくむ真琴だが、彼は慌てて怜を助けるために荒れる海に飛び込むのだった。
「怜!!」
真琴が怜を呼ぶ声はもう一つのテントで寝ている遥の耳に届く。ぬくっと起き上がった遥を眠そうに瞼をこする渚が不思議そうに見上げた。
「ハルちゃん?」
「聞こえなかったか?」
「何が?」
「声が」
そして遙は外に出ると、もう一つのテントを覗き込んだ。
「真琴」
だが、そこはもぬけの殻。
「どうしたの?あれ…二人とも居ないね。」
「まだ温かい」
「トイレにでも行ってるんじゃないのかなぁ」
少しあとに同じように覗き込んだ渚がそう言うが、遙はテントの中を見るのをやめて外に視線を移した。その彼の目に一人の女性が目に入った。
「蒼!!」
「ハル!!それにナギちゃんも!」
少し青ざめた顔をした蒼がそこにはいた。
「ふたりとも…真琴は??」
「…いない」
「まこちゃんだけじゃなくてレイちゃんもいないんだよね。アオちゃんはどうしたの?」
「なんか胸騒ぎがして…あ!!」
辺りを不安そうにキョロキョロしていた蒼が声を上げる。
「二人共!!海見て!!」
蒼が指差したほうを見る。一瞬では遠くてわからないがよく注意して見るとそこには海に溺れる怜。そして彼のもとに行こうと泳ぐ真琴がいた。
「真琴!!!!レイちゃん!!!!!」
蒼は後先考えることなく海に飛び込んだ。泳いでいた真琴の体が急に膠着したように止まってしまったからだ。
やっぱりまだ……
はやく彼のところへと蒼は懸命に体を動かした。そして、蒼を追いかけるように遙も海へ走り出す。
「渚!お前は天方先生に連絡しろ!」
「まって二人共!危ないよ!!」
続いて渚も後に続くのだった。
※
「真琴!!真琴!!」
「真琴!」
真琴の体を掴んだ蒼と遙が懸命に彼の名を呼ぶ。それを見た渚は少し離れたとこにいる怜のもとへ。
「レイちゃんは僕に任せて!」
「ナギちゃんお願い!」
「頼む!!」
「怜ちゃん!今助けて…」
渚が怜のことにつく。だが、彼らのとこにとてつもない大きな波が押し寄せる。その波はいとも容易く彼ら二人を飲み込むのだった。
*
蒼と遙は近くの島へ。意識のない真琴を連れて泳ぐのはキツく陸に辿り着いた時には二人共ヘロヘロで倒れ込む。
「真琴!!」
彼の体を揺らすが反応がない。
どうしよ...このまま目を醒まさなかったら
最悪のシチュエーションが頭を過ぎり、徐々に蒼の目頭も熱くなってくる。
「大丈夫、動いてる。
怪我は…ない
でも息が弱い。」
蒼が精神的に弱っている中で自分までも気を乱すわけにはいかないと冷静に自分を落ち着かせ遙は真琴の状況を確認する。
そして、彼の顎を持ち上げ息を吹き込もうと遙がしようとしたまさにその時…
真琴が身体をのけぞらせ飲んでしまった海水を咳き込みながら吐き出した。
「真琴!!」
肺に空気を送ろうと懸命に呼吸をする真琴。そしておぼつかない視界の中、真琴が見たのは目を丸くする遙と目に涙をためている蒼だった。
「は…はるか…。そ…それに…蒼」
「真琴!大丈夫か?」
「こ…ここは??」
「多分好島だ。テントから見えた向かいの」
遙の言葉を聞きながら真琴はゆっくりと上半身を起こす。そして辺りを不安げに見渡した。
「怜は?…怜!!」
「まだ動くな!お前は安静にしていろ!」
「でも、怜が!!」
「真琴のバカ!!!」
「「…え???」」
今までずっと黙り込んでいた蒼がここで怒鳴り声をあげた。突然の出来事に二人は唖然としながら蒼を見た。
「いつも自分のことを後回しにして…バカだよ。少しは自分の心配でもしてよ!!
すごい心配したんだよ…私も遙も」
蒼の瞳に溜まった涙が溢れ出す。そんな彼女を見て真琴は黙り込んだ。そして蒼は真琴の背後にまわると彼の首に腕をまわし顔を肩に埋めた。
「…お願い。自分のことも大切にして。
怜はきっと大丈夫だから」
背後に感じる蒼の温もり。そして彼女の口から発せられた言葉はあまりにも小さく弱々しく淋しげ。
そうさせた原因が自分にあるのがわかっている事が余計に辛く、真琴は胸を締め付けられる思いだった。
「…蒼」
「蒼の言うとおりだ。
怜は渚が助けてくれてる!安心しろ」
二人の言葉にようやく落ち着き始める真琴。二人は、雨をしのげる場所を見つけ真琴を連れてそこで雨宿りすることにするのだった。
「少しは落ち着いたか?」
「うん…」
「やっぱりお前、海が怖いんだな」
「大丈夫だと思ったんだ。でも、怜が溺れてるのを見たら…体が動かなくなった。
あの時の事が頭に浮かんで...
ハルと蒼まで巻き込んで本当にごめん」
「真琴のせいじゃないよ…」
「でも…合宿に来るって決めたのは俺だ。
水泳部作ったのも。
だけどハルとまた一緒に泳ぎたいと思ったから…
そして蒼を見たとき思ったんだ…蒼とも泳ぎたいって
後もう一度…みんなとリレーをしたいって
…でもそこには、ハルと蒼がいないと…2人じゃなきゃダメなんだ。
ハルや蒼と一緒に、泳ぎたいんだ。」
真琴の心の内を聞いた遙と蒼の瞳は揺らいだ。そんなふうに思ってくれてたなんて思っても見なかったから…
「いたいたー!アオちゃーん!ハルちゃーん!まこちゃーん!」
彼ら3人の耳に聞こえる声。声のした方をむくと渚と怜が走っている姿があった。
「怜!渚!!」
真琴が声をあげいち早く二人の元へ駆け寄る。遥と蒼も後ろから続くように駆け寄った。
「良かったー!2人とも、無事だったんだな。」
安堵の様子を見せる真琴だが、怜の方を見ると目を伏せ申し訳無さそうな表情を浮かべた。
「怜…助けられなくて…ごめん」
「そんなっ!…僕のほうこそ、すみませんでした」
「ううん…無事でよかったよ」
「良くない」
一喝するように言い放ったのは遙だった。そのまま遙は怜に詰め寄った。
「何やってたんだ。夜の海なんかで」
言い寄る遙。そんな彼をまぁまぁと蒼はなだめた。
「ハル...レイちゃんは...」
「練習してたんだよ。少しでもみんなに追いつこうって」
蒼の言葉に重ねるように渚が続けた。
「ほら、レイちゃんのせいだけじゃないからさ!
まこちゃんもダメだよぉ!溺れてる人を一人で助けにいったら!アオちゃんも!ハルちゃんもだよ!いきなり飛び込むし!!」
「ナギちゃんも飛び込んでんじゃん」
「えへへ…いやぁでもみんな無事でよかったね」
「そうだね…」
そういった蒼だが、急に寒気を感じてブルブルと身体を震わした。
「安心した途端に寒くなってきたよ」
「寒い!!!」
渚も賛同し身体を震わした。
皆がキョロキョロと周囲を見渡す。
「そうだなぁ~、何処か雨を避ける場所はないかなぁ…」
あ!!と真琴が見つけたのは丘の上に建つ建物だった