メドレーリレー
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一方、凜の試合の途中で何処かに行ってしまった遙は会場の外のベンチで呆然と天を仰いでいた。
そんな彼の耳に凜の声が聞こえる。
「答えろよ!!宗介!!!」
思わず後方を振り向くと凛が宗介に問い詰める姿があった。
時々、部活の練習を休んでいたこと…
今朝のサイドプールでの練習を抜けたこと……
不審な宗介のいくつかの行動に違和感を感じていた凛は遂に気づいてしまったのだ。
宗介の右肩が負傷していることに。
「なんでだ??なんで嘘までついて鮫柄に転校してきたんだ??」
大きな木にもたれかかる宗介に凛が言う。
宗介はようやく凛に心の内を話しだした。
中学にあがり、凛はオーストラリアに行った…夢のために
だから俺も…俺自身の夢を叶えるために頑張ろうと練習に励んだ。
いつか世界の舞台に立った時に、その隣には凛がいると信じて疑わなかった。たとえ、凛からの手紙が途絶えても…きっと壁を打ち破ると思って…
高校に入り一層ハードな練習を積み、いつの間にか周りには俺に勝てるやつはいなくなっていた。
その頃から肩に違和感を感じ始めた。だが、それを無視して泳ぎ続けた。
強くなるために…誰にも負けないくらいもっともっと速くなるために…
そして遂に無茶な過度の練習でその肩は壊れてしまった。
「そりゃあ…壊れるよな
そんな頃に江から連絡が来た。
お前が帰ってきたと…
でも会いたくなかった。立ち止まった姿をお前にだけは見られたくなかった」
リハビリ…故障…リハビリ…
その繰り返しの毎日…
周りの人達にどんどんと置いてかれる自分に焦りが募り惨めさを感じた。そして遂に気づいてしまった。
俺の夢はもう叶わない…
「俺は水泳をやめることにした」
「水泳やめるって…」
「だが、辞める前に一度だけお前の姿を見に行ったことがあった。
それが去年の地方大会だ」
その言葉に凛は目を丸くした。
「あの試合見てたのか…」
「あぁ…同じ夢を見ているお前の姿を最後に見ておきたかったんだ」
だが、その姿に宗介は目を疑った。
そこにいたのは悶え苦しむ凜の姿。
一体どうしてこうなっているのか…壁にぶち当たっても乗り越えて突き進んでいると思っていたからだ。
宗介は声をかけようとした…
だが声をかけることが出来なかった。
しかし、次に見た凛は遙達とそれまでと別人のように生き生きと泳ぐ凜の姿。嬉しそうに仲間達と笑い合う凜の姿を見て、宗介の空っぽな心の中に新たな希望が生まれたのだ。
ちっぽけな新しい夢…
それは凛と再び一緒に泳ぐこと
「あの時…俺は気づくことができなかったんだ
仲間と泳ぐことの大切さを
俺は水泳をやめる
けど最後に…お前と本当の仲間になりたい!!凛!!お前と!!」
ホントの想いをぶつけた宗介。
だが、凛は苛立ちをぶつけるように宗介に詰め寄った。
「なんで…もっと早く言わねぇんだよ!!なんで隠してた!!なんで!!」
「言ったらお前…
泣いちまうだろ??」
困ったような表情を浮かべる宗介の瞳に映るのは、凜の瞳に光る雫だった。
「なか…泣かねぇよ…泣かねぇよ」
宗介の言葉に、凜の瞳は涙で溢れていく。瞳に収まりきれなかった涙が凜の頬を伝っていく。
そして凛は宗介の身体に泣き崩れるのだった。
宗介の想いをジッと聞いていた遙は、その想いを胸の中に押し込めると静かにその場を立ち去った。
そんな彼の耳に凜の声が聞こえる。
「答えろよ!!宗介!!!」
思わず後方を振り向くと凛が宗介に問い詰める姿があった。
時々、部活の練習を休んでいたこと…
今朝のサイドプールでの練習を抜けたこと……
不審な宗介のいくつかの行動に違和感を感じていた凛は遂に気づいてしまったのだ。
宗介の右肩が負傷していることに。
「なんでだ??なんで嘘までついて鮫柄に転校してきたんだ??」
大きな木にもたれかかる宗介に凛が言う。
宗介はようやく凛に心の内を話しだした。
中学にあがり、凛はオーストラリアに行った…夢のために
だから俺も…俺自身の夢を叶えるために頑張ろうと練習に励んだ。
いつか世界の舞台に立った時に、その隣には凛がいると信じて疑わなかった。たとえ、凛からの手紙が途絶えても…きっと壁を打ち破ると思って…
高校に入り一層ハードな練習を積み、いつの間にか周りには俺に勝てるやつはいなくなっていた。
その頃から肩に違和感を感じ始めた。だが、それを無視して泳ぎ続けた。
強くなるために…誰にも負けないくらいもっともっと速くなるために…
そして遂に無茶な過度の練習でその肩は壊れてしまった。
「そりゃあ…壊れるよな
そんな頃に江から連絡が来た。
お前が帰ってきたと…
でも会いたくなかった。立ち止まった姿をお前にだけは見られたくなかった」
リハビリ…故障…リハビリ…
その繰り返しの毎日…
周りの人達にどんどんと置いてかれる自分に焦りが募り惨めさを感じた。そして遂に気づいてしまった。
俺の夢はもう叶わない…
「俺は水泳をやめることにした」
「水泳やめるって…」
「だが、辞める前に一度だけお前の姿を見に行ったことがあった。
それが去年の地方大会だ」
その言葉に凛は目を丸くした。
「あの試合見てたのか…」
「あぁ…同じ夢を見ているお前の姿を最後に見ておきたかったんだ」
だが、その姿に宗介は目を疑った。
そこにいたのは悶え苦しむ凜の姿。
一体どうしてこうなっているのか…壁にぶち当たっても乗り越えて突き進んでいると思っていたからだ。
宗介は声をかけようとした…
だが声をかけることが出来なかった。
しかし、次に見た凛は遙達とそれまでと別人のように生き生きと泳ぐ凜の姿。嬉しそうに仲間達と笑い合う凜の姿を見て、宗介の空っぽな心の中に新たな希望が生まれたのだ。
ちっぽけな新しい夢…
それは凛と再び一緒に泳ぐこと
「あの時…俺は気づくことができなかったんだ
仲間と泳ぐことの大切さを
俺は水泳をやめる
けど最後に…お前と本当の仲間になりたい!!凛!!お前と!!」
ホントの想いをぶつけた宗介。
だが、凛は苛立ちをぶつけるように宗介に詰め寄った。
「なんで…もっと早く言わねぇんだよ!!なんで隠してた!!なんで!!」
「言ったらお前…
泣いちまうだろ??」
困ったような表情を浮かべる宗介の瞳に映るのは、凜の瞳に光る雫だった。
「なか…泣かねぇよ…泣かねぇよ」
宗介の言葉に、凜の瞳は涙で溢れていく。瞳に収まりきれなかった涙が凜の頬を伝っていく。
そして凛は宗介の身体に泣き崩れるのだった。
宗介の想いをジッと聞いていた遙は、その想いを胸の中に押し込めると静かにその場を立ち去った。