最後の試合
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女子自由形決勝
隣同士のレーンで泳ぐ蒼と雪菜は顔を見合わせると互いに微笑みあった。
「遂に来たね…このときが…」
「そうだね!ってか、雪菜連戦でバテてないよね?」
「誰にもの言っているの??」
蒼の言葉を雪菜は鼻で笑って吹き飛ばす。
だが、その笑いが静まると雪菜の表情は一変する。
「もうこうやって蒼と泳げないんだね」
寂しそうに名残惜しく嘆く雪菜の言葉。
それを今度は蒼が笑い飛ばす。
「何言ってるの??
これで最後じゃないよ!何度だって私達は一緒に泳げるんだから!!」
その言葉に雪菜は目を丸くする。
そんな彼女を蒼は小さく笑った。
「…なによ?」
「え…い…いや…雪菜もそういう表情するんだなって思って…」
「...悪い??」
「全然!!」
照れくさそうにほんわかに頬を赤く染め目をそらす雪菜に、蒼は笑って答えた。
「ねぇ、蒼」
「なに??」
「お互い、ラストのレース...楽しもうね」
「もちろん!!」
そして二人はスタート台に立ち、合図とともに水へ飛び込んだ。
水に馴染む感覚に蒼は酔いしれながら、懸命に手足を動かす。今までで一番いいコンディション。身体が凄くフワフワしていて軽く感じた。
隣りにいる雪菜の泳ぎを感じながら、蒼の脳裏に浮かぶのは、仲間達。
江...渚...怜...
凛...遙...
日和...郁也...
雪菜...
真琴...
皆が笑顔で差し伸べる手を掴もうと蒼は必死に手を伸ばした。
一方で、蒼の隣を泳ぐ雪菜も調子は絶好調。今まででもがき苦しんだあの時期が嘘のように生き生きと泳いでいた。
そんな雪菜の目の前に、突如として昔焦がれた景色が映る。
雪菜は嬉しさで頬を緩ます。
ここで泳ぎたい!!
光り輝く景色に、雪菜は必死に手を伸ばした。
必死に手を伸ばした二人の手は同時に壁にタッチする。
そして水面から顔を出した二人の耳に聞こえたのは大歓声。
何故ここまで沸いているのか不思議になり二人は電光掲示板を見る。
そこには、二人の名前の隣に表示された1という数字。
えっ!?
たまらず顔を見合わせた二人は今度はタイムの方を確認する。
すると、二人のタイムは全く同じ。
すなわち、両者とも同着で泳ぎきったのだ。
最初は、呆気に取られる蒼と雪菜。
真っ先に動いたのは蒼。
唖然と電光掲示板を見上げる雪菜に蒼は思い切り抱きついた。
「雪菜〜〜!!!」
満面の笑顔を浮かべ、嬉しそうに抱きつく力を強める蒼に、雪菜はようやくこれが現実に起こってることだと気づく。
「蒼!!凄いね!!私達全国で同着フィニッシュだよ!!」
雪菜は蒼の首に手を回す。
そんな彼女は嬉しさを通り越して涙を浮かべていた。
「あれ?雪菜、泣いてる??」
「う...うっさい!!
泣いてるわけないじゃん」
雪菜は紛らわす為に蒼から目を逸らす。
そんな彼女に蒼は笑いかける。
そんな二人を暖かい拍手が包んだ。
「いいの?行かなくて?」
「どこに?」
とある場所の観客席からその景色を見ていた青年が隣の青年に尋ねる。
そんな二人のジャージには、『SHIONEZAKI』と書かれていた。
「あれ、蒼と雪菜だよね?行かなくていいの?」
「...なんで僕が?
それに蒼になら3日前に会ったよ」
「なにそれ?聞いてないんだけど」
「ごめんごめん!!
試合前だったから郁也に言わなかったんだよ」
途端に不機嫌になる郁也をまぁまぁと日和は宥める。
「...別にいいけど。
それより二人共ふっ切れたみたいだね」
「...そうみたいだね」
郁也の言葉に日和は目を細める。
あの時以来全不調に陥った雪菜。そんな彼女を心配そうに見つめていたのは紛れもなく日和自身。
「あの時、凄く雪菜の事心配してたのは日和だろ?」
「え?そうだっけ?」
しらばっくれる日和に郁也は小さく溜息をつく。
「ほんと、素直じゃないよね日和って」
独り言のように呟いた郁弥の言葉は大歓声の中に消えていった。
隣同士のレーンで泳ぐ蒼と雪菜は顔を見合わせると互いに微笑みあった。
「遂に来たね…このときが…」
「そうだね!ってか、雪菜連戦でバテてないよね?」
「誰にもの言っているの??」
蒼の言葉を雪菜は鼻で笑って吹き飛ばす。
だが、その笑いが静まると雪菜の表情は一変する。
「もうこうやって蒼と泳げないんだね」
寂しそうに名残惜しく嘆く雪菜の言葉。
それを今度は蒼が笑い飛ばす。
「何言ってるの??
これで最後じゃないよ!何度だって私達は一緒に泳げるんだから!!」
その言葉に雪菜は目を丸くする。
そんな彼女を蒼は小さく笑った。
「…なによ?」
「え…い…いや…雪菜もそういう表情するんだなって思って…」
「...悪い??」
「全然!!」
照れくさそうにほんわかに頬を赤く染め目をそらす雪菜に、蒼は笑って答えた。
「ねぇ、蒼」
「なに??」
「お互い、ラストのレース...楽しもうね」
「もちろん!!」
そして二人はスタート台に立ち、合図とともに水へ飛び込んだ。
水に馴染む感覚に蒼は酔いしれながら、懸命に手足を動かす。今までで一番いいコンディション。身体が凄くフワフワしていて軽く感じた。
隣りにいる雪菜の泳ぎを感じながら、蒼の脳裏に浮かぶのは、仲間達。
江...渚...怜...
凛...遙...
日和...郁也...
雪菜...
真琴...
皆が笑顔で差し伸べる手を掴もうと蒼は必死に手を伸ばした。
一方で、蒼の隣を泳ぐ雪菜も調子は絶好調。今まででもがき苦しんだあの時期が嘘のように生き生きと泳いでいた。
そんな雪菜の目の前に、突如として昔焦がれた景色が映る。
雪菜は嬉しさで頬を緩ます。
ここで泳ぎたい!!
光り輝く景色に、雪菜は必死に手を伸ばした。
必死に手を伸ばした二人の手は同時に壁にタッチする。
そして水面から顔を出した二人の耳に聞こえたのは大歓声。
何故ここまで沸いているのか不思議になり二人は電光掲示板を見る。
そこには、二人の名前の隣に表示された1という数字。
えっ!?
たまらず顔を見合わせた二人は今度はタイムの方を確認する。
すると、二人のタイムは全く同じ。
すなわち、両者とも同着で泳ぎきったのだ。
最初は、呆気に取られる蒼と雪菜。
真っ先に動いたのは蒼。
唖然と電光掲示板を見上げる雪菜に蒼は思い切り抱きついた。
「雪菜〜〜!!!」
満面の笑顔を浮かべ、嬉しそうに抱きつく力を強める蒼に、雪菜はようやくこれが現実に起こってることだと気づく。
「蒼!!凄いね!!私達全国で同着フィニッシュだよ!!」
雪菜は蒼の首に手を回す。
そんな彼女は嬉しさを通り越して涙を浮かべていた。
「あれ?雪菜、泣いてる??」
「う...うっさい!!
泣いてるわけないじゃん」
雪菜は紛らわす為に蒼から目を逸らす。
そんな彼女に蒼は笑いかける。
そんな二人を暖かい拍手が包んだ。
「いいの?行かなくて?」
「どこに?」
とある場所の観客席からその景色を見ていた青年が隣の青年に尋ねる。
そんな二人のジャージには、『SHIONEZAKI』と書かれていた。
「あれ、蒼と雪菜だよね?行かなくていいの?」
「...なんで僕が?
それに蒼になら3日前に会ったよ」
「なにそれ?聞いてないんだけど」
「ごめんごめん!!
試合前だったから郁也に言わなかったんだよ」
途端に不機嫌になる郁也をまぁまぁと日和は宥める。
「...別にいいけど。
それより二人共ふっ切れたみたいだね」
「...そうみたいだね」
郁也の言葉に日和は目を細める。
あの時以来全不調に陥った雪菜。そんな彼女を心配そうに見つめていたのは紛れもなく日和自身。
「あの時、凄く雪菜の事心配してたのは日和だろ?」
「え?そうだっけ?」
しらばっくれる日和に郁也は小さく溜息をつく。
「ほんと、素直じゃないよね日和って」
独り言のように呟いた郁弥の言葉は大歓声の中に消えていった。