無人島合宿
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目の前に広がるのは太陽に照らされて綺麗に光る真青な海....
穏やかな海は好きだ。広大な海を見ているだけで悩んでいる事がちっぽけに思えてきて。心が浄化される気がして。
でも、荒れている海は怖い。濁った海の水が牙をむき襲いかかってくるのだ。
「蒼...始めるよ」
海を暫く見ていてすっかり忘れてた。ここに来た目的。
それは...合宿である。
何故こうなったのか...それは江のある一声で始まったのだった。
*
「大変です!!凄いの見つけちゃいました!!」
練習を始めようかというタイミングで来たのは袴姿の江。彼女が持っていたのは一枚の紙。興奮しながらも江はその紙を皆に見えるように突き出す。それを覗くとそこに書いてあったのは…
【岩鳶高等学校水泳部 地獄の夏合宿 in無人島】
「地獄?」
「無人島?」
訝しげな表情を浮かべるのは怜と遙。
対して、一人だけ渚は目を輝かせていた。
「楽しそ〜!!」
「これ何十年も前、岩鳶に水泳部があった時代のものですよ!!」
「だから…なんなんですか?」
「だから!!私たちもこの合宿のメニューにのっとって…
無人島で夏合宿しましょう!!
県大会へ向けて!!」
江はそれに向かって指を指した。
「めんどくさい」
「とか言っている場合じゃありません
見てください!!この特訓メニュー!!」
いつの間にか興味が薄れたのか、遙はプールサイドにしゃがみ込み水面に手を入れていた。
そんな彼に一喝した江はまた別の紙を取り出してきた。
その紙には島が4つ書かれており、島と島の間には矢印が書かれていた。
「海での遠泳特訓です。無人島から無人島へとひたすら泳ぐ!
持久力をつけるには最高の特訓だと思いませんか!!」
「海…」
「はい!!海です!!」
海…そのフレーズを聞いた真琴の表情が少し曇る。その表情に興奮気味の江が気づくわけがなかった。
それに気づいたのは、遙と真琴の隣で心配そうに彼をチラ見していた蒼だけだった。
「かつての栄光の水泳部のように、私達もこの合宿を敢行しましょう!」
「栄光の水泳部だったの?」
「こんなのを見つけたの!」
首を傾げて不思議そうに渚が尋ねる。それに対し、江はまた別の紙を取り出した。それは昔の表彰状。でもよく見てみると…
「岩鳶町ジュニア大会6位…」
「「「「微妙…」」」
「とにかく、今の岩鳶水泳部に必要なのは持久力です!
そして夏といえば合宿です!海です!無人島です!」
「いやぁ…そもそも無人島は関係ないじゃないですか!」
「でも…なんかドキドキするよね無人島って響き…」
「でしょ!!だから行きましょ!!合宿!!
部長!!ご決断を!」
「え…あぁ…」
ボーとしていたのか、いきなり決断を迫られた真琴は曖昧な反応を示す。
それを見た蒼はこれから彼がどう判断するかわかってしまった。
「まぁ…いいんじゃないかな
県大会に向けて強化合宿ってのは」
その判断を聞き喜ぶのはもちろん、江と渚。
いつもの蒼ならためらうことなくこの輪に加わっていただろう。
みんなと合宿だ。楽しくないわけがないから。
でも、喜べなかった。なぜなら、場所自体に問題があったから。
「そんな部費はありません」
「じゃあ太っ腹の顧問の先生がお金を出してくれるのはどうですか?」
「太くありません!
それに、そんな都合のいい話はテレビや漫画の中だけの話です。
イギリスの劇作家バーナードショウの名言にもあります。
私が最も影響を受けた本はなにか…
それは…
預金通帳だ。」
ということで、合宿の件は見事に天方により突っ張り返されてしまうのだった。
職員室を後にし、コンビニに寄り道。各々好きなものを買った後、ふと渚が口を開いた。
「でも行きたいなぁ…みんなで無人島
部費がダメなら自分たちのお金で行けないかなぁ?」
「そんな余裕はありません。
自腹で揃いのジャージも作ったし
非ブーメラン型の水着も買ったし…」
「俺も買った」
「僕も僕も!!」
怜が水着を買いに行ったその日に各々気に入った水着を買っていたのだ。
「怜君はともかく全員新しい水着買う必要なかったでしょ?
特に遥先輩。持ってるの全部似たようなものだし…」
「締め付けが微妙に違う」
「じゃ、皆でバイトでもしようか?」
「今からじゃ遅いです」
「残念だけど計画倒れか…」
前を歩く渚と怜と江。特に楽しみにしていた渚と江はしょんぼりとしていた。そんな彼らの背中を見てか、真琴が口を開く。
「いや…俺がなんとかする。
お金をかけずに行く方法考えてみるよ」
「マコちゃんがやる気に!!」
「部長頼もしい!!」
そして真琴が自宅から引っ張ってきたのは本格的なキャンプ用品だった。
穏やかな海は好きだ。広大な海を見ているだけで悩んでいる事がちっぽけに思えてきて。心が浄化される気がして。
でも、荒れている海は怖い。濁った海の水が牙をむき襲いかかってくるのだ。
「蒼...始めるよ」
海を暫く見ていてすっかり忘れてた。ここに来た目的。
それは...合宿である。
何故こうなったのか...それは江のある一声で始まったのだった。
*
「大変です!!凄いの見つけちゃいました!!」
練習を始めようかというタイミングで来たのは袴姿の江。彼女が持っていたのは一枚の紙。興奮しながらも江はその紙を皆に見えるように突き出す。それを覗くとそこに書いてあったのは…
【岩鳶高等学校水泳部 地獄の夏合宿 in無人島】
「地獄?」
「無人島?」
訝しげな表情を浮かべるのは怜と遙。
対して、一人だけ渚は目を輝かせていた。
「楽しそ〜!!」
「これ何十年も前、岩鳶に水泳部があった時代のものですよ!!」
「だから…なんなんですか?」
「だから!!私たちもこの合宿のメニューにのっとって…
無人島で夏合宿しましょう!!
県大会へ向けて!!」
江はそれに向かって指を指した。
「めんどくさい」
「とか言っている場合じゃありません
見てください!!この特訓メニュー!!」
いつの間にか興味が薄れたのか、遙はプールサイドにしゃがみ込み水面に手を入れていた。
そんな彼に一喝した江はまた別の紙を取り出してきた。
その紙には島が4つ書かれており、島と島の間には矢印が書かれていた。
「海での遠泳特訓です。無人島から無人島へとひたすら泳ぐ!
持久力をつけるには最高の特訓だと思いませんか!!」
「海…」
「はい!!海です!!」
海…そのフレーズを聞いた真琴の表情が少し曇る。その表情に興奮気味の江が気づくわけがなかった。
それに気づいたのは、遙と真琴の隣で心配そうに彼をチラ見していた蒼だけだった。
「かつての栄光の水泳部のように、私達もこの合宿を敢行しましょう!」
「栄光の水泳部だったの?」
「こんなのを見つけたの!」
首を傾げて不思議そうに渚が尋ねる。それに対し、江はまた別の紙を取り出した。それは昔の表彰状。でもよく見てみると…
「岩鳶町ジュニア大会6位…」
「「「「微妙…」」」
「とにかく、今の岩鳶水泳部に必要なのは持久力です!
そして夏といえば合宿です!海です!無人島です!」
「いやぁ…そもそも無人島は関係ないじゃないですか!」
「でも…なんかドキドキするよね無人島って響き…」
「でしょ!!だから行きましょ!!合宿!!
部長!!ご決断を!」
「え…あぁ…」
ボーとしていたのか、いきなり決断を迫られた真琴は曖昧な反応を示す。
それを見た蒼はこれから彼がどう判断するかわかってしまった。
「まぁ…いいんじゃないかな
県大会に向けて強化合宿ってのは」
その判断を聞き喜ぶのはもちろん、江と渚。
いつもの蒼ならためらうことなくこの輪に加わっていただろう。
みんなと合宿だ。楽しくないわけがないから。
でも、喜べなかった。なぜなら、場所自体に問題があったから。
「そんな部費はありません」
「じゃあ太っ腹の顧問の先生がお金を出してくれるのはどうですか?」
「太くありません!
それに、そんな都合のいい話はテレビや漫画の中だけの話です。
イギリスの劇作家バーナードショウの名言にもあります。
私が最も影響を受けた本はなにか…
それは…
預金通帳だ。」
ということで、合宿の件は見事に天方により突っ張り返されてしまうのだった。
職員室を後にし、コンビニに寄り道。各々好きなものを買った後、ふと渚が口を開いた。
「でも行きたいなぁ…みんなで無人島
部費がダメなら自分たちのお金で行けないかなぁ?」
「そんな余裕はありません。
自腹で揃いのジャージも作ったし
非ブーメラン型の水着も買ったし…」
「俺も買った」
「僕も僕も!!」
怜が水着を買いに行ったその日に各々気に入った水着を買っていたのだ。
「怜君はともかく全員新しい水着買う必要なかったでしょ?
特に遥先輩。持ってるの全部似たようなものだし…」
「締め付けが微妙に違う」
「じゃ、皆でバイトでもしようか?」
「今からじゃ遅いです」
「残念だけど計画倒れか…」
前を歩く渚と怜と江。特に楽しみにしていた渚と江はしょんぼりとしていた。そんな彼らの背中を見てか、真琴が口を開く。
「いや…俺がなんとかする。
お金をかけずに行く方法考えてみるよ」
「マコちゃんがやる気に!!」
「部長頼もしい!!」
そして真琴が自宅から引っ張ってきたのは本格的なキャンプ用品だった。