惹かれあう
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♪♪
ルンルンと城下町内をステップする少女がいた。淡い色のワンピースの裾を揺しながら歩く少女は人混みをスイスイと糸を穴に通すように進んでいっていた。その少女は、人混みの中に見知った背中を見つけると目を輝かせて飛びつくのだった。
「...巳早!!」
「うわぁ!!!」
突然聞こえてきた彼女のはしゃぐ声の同時に勢いよく飛びつかれた衝撃で巳早は、剽軽な声を漏らした。地面に倒れそうになりかけるのを必死に堪えた巳早は、おぶる体勢になった彼女の被るフードが落ちそうになるのに気づき咄嗟に手を伸ばして防いだ。
「はぁ〜〜〜」
深く息を吐いた巳早は、己の肩越しに顔を埋め悪戯顔を浮かべクスクス笑う彼女に呆れ顔を浮かべた。
「何やってんだよ、ミーシャ」
悪態をつきながらも巳早は、彼女が落ちないように背負い直し歩き出す。一方のミーシャは久々の彼に上機嫌。そんな彼女の様子に巳早は小さく息を吐いた。
「おい、ミーシャ」
「なに??」
「フードが外れるような事はすんなってあれほど言っただろ?」
全く気にする素振りを見せない危機感のない彼女に巳早は呆れた口調で注意をする。その彼の言葉に納得してないのかミーシャは頬を膨らました。
「ちゃんと注意してるもん!!」
「現にさっき落ちかけただろ!!」
「あれは不可抗力!!」
「不可抗力でも、駄目なもんは駄目だろ!!」
互いに意見を譲らない両者。だが、正論なのは紛れもなく巳早。そのためか、ミーシャは言い返す言葉が見当たらず押し黙ってしまった。
「...だって」
掴みかかる勢いだったのが一転。俯いたミーシャは悲しそうに目を伏せ声を震わせていた。それはまるで怒られてしょんぼりする子犬のよう。それを感じ取った巳早は、落ち着いた口調で喋りだす。
「わかってるよ
ミーシャが俺を見て有頂天になったことくらいな」
見えなくてもわかる。目の前の彼がニヤリと笑いからかっていることくらい。ミーシャは素直に頷きたくなくてそっぽ向いた。
「別にそんなことないもん」
「へぇ〜〜、そうかよ
だったら今すぐ降りろよ」
「...嫌だ」
見透かされた巳早の手の中で転がされている気がしてたまらないミーシャ。だが、このまま素直に降りたくなくて縋るように彼の首に回した両手に力を込めた。対してこの行為を予想してなかった巳早の心臓はドクッと跳ね上がるのだった。
「お...おい!!」
「何言われても暫く離れる気はないから!」
これ以上は!!と意味を込められた上ずった巳早の声に対してミーシャは嫌だと強い口調で言い切り彼の肩元に顔を埋めた。
こりゃあ生殺しだ...
巳早は後ろに乗っかるミーシャを睨みつけながらも頬をほんわかに染めていた。異様に密着しているためか、幼い子供のように少し高い体温を背に感じる。そして鼻孔を擽るのは彼女の甘い花の香だった。今にも手を出しかねないこの状況に巳早は必死に理性を繋ぎ止めた。そんな巳早の苦労など知らないミーシャは心地よい振動に船を漕ぎ出し遂には夢の中に旅立ってしまうのだった。
「...嘘だろ」
ちょっと首元に込められた力が緩まったと思ったら鼓膜を揺らすのは健やかな寝息だった。彼女が己の背で眠ってしまったと悟った巳早は盛大に肩を落としながらも、彼女が落ちないように背負い直すのだった。
ルンルンと城下町内をステップする少女がいた。淡い色のワンピースの裾を揺しながら歩く少女は人混みをスイスイと糸を穴に通すように進んでいっていた。その少女は、人混みの中に見知った背中を見つけると目を輝かせて飛びつくのだった。
「...巳早!!」
「うわぁ!!!」
突然聞こえてきた彼女のはしゃぐ声の同時に勢いよく飛びつかれた衝撃で巳早は、剽軽な声を漏らした。地面に倒れそうになりかけるのを必死に堪えた巳早は、おぶる体勢になった彼女の被るフードが落ちそうになるのに気づき咄嗟に手を伸ばして防いだ。
「はぁ〜〜〜」
深く息を吐いた巳早は、己の肩越しに顔を埋め悪戯顔を浮かべクスクス笑う彼女に呆れ顔を浮かべた。
「何やってんだよ、ミーシャ」
悪態をつきながらも巳早は、彼女が落ちないように背負い直し歩き出す。一方のミーシャは久々の彼に上機嫌。そんな彼女の様子に巳早は小さく息を吐いた。
「おい、ミーシャ」
「なに??」
「フードが外れるような事はすんなってあれほど言っただろ?」
全く気にする素振りを見せない危機感のない彼女に巳早は呆れた口調で注意をする。その彼の言葉に納得してないのかミーシャは頬を膨らました。
「ちゃんと注意してるもん!!」
「現にさっき落ちかけただろ!!」
「あれは不可抗力!!」
「不可抗力でも、駄目なもんは駄目だろ!!」
互いに意見を譲らない両者。だが、正論なのは紛れもなく巳早。そのためか、ミーシャは言い返す言葉が見当たらず押し黙ってしまった。
「...だって」
掴みかかる勢いだったのが一転。俯いたミーシャは悲しそうに目を伏せ声を震わせていた。それはまるで怒られてしょんぼりする子犬のよう。それを感じ取った巳早は、落ち着いた口調で喋りだす。
「わかってるよ
ミーシャが俺を見て有頂天になったことくらいな」
見えなくてもわかる。目の前の彼がニヤリと笑いからかっていることくらい。ミーシャは素直に頷きたくなくてそっぽ向いた。
「別にそんなことないもん」
「へぇ〜〜、そうかよ
だったら今すぐ降りろよ」
「...嫌だ」
見透かされた巳早の手の中で転がされている気がしてたまらないミーシャ。だが、このまま素直に降りたくなくて縋るように彼の首に回した両手に力を込めた。対してこの行為を予想してなかった巳早の心臓はドクッと跳ね上がるのだった。
「お...おい!!」
「何言われても暫く離れる気はないから!」
これ以上は!!と意味を込められた上ずった巳早の声に対してミーシャは嫌だと強い口調で言い切り彼の肩元に顔を埋めた。
こりゃあ生殺しだ...
巳早は後ろに乗っかるミーシャを睨みつけながらも頬をほんわかに染めていた。異様に密着しているためか、幼い子供のように少し高い体温を背に感じる。そして鼻孔を擽るのは彼女の甘い花の香だった。今にも手を出しかねないこの状況に巳早は必死に理性を繋ぎ止めた。そんな巳早の苦労など知らないミーシャは心地よい振動に船を漕ぎ出し遂には夢の中に旅立ってしまうのだった。
「...嘘だろ」
ちょっと首元に込められた力が緩まったと思ったら鼓膜を揺らすのは健やかな寝息だった。彼女が己の背で眠ってしまったと悟った巳早は盛大に肩を落としながらも、彼女が落ちないように背負い直すのだった。