暗黒龍とゆかいな腹減り達
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そして加淡村から出立して3日後、別の村に移動したヨナ達は崖の上から道を見下ろしていた。その道を通るのは村人から無理矢理徴収した税を乗せた荷車を役人と兵士だった。
「そこの役人共、止まりな。」
ヨナはそんな役人たちを崖の上から呼び止めた。その声に役人達は足を止めて不思議そうに上を見上げた。
「誰だっ!?」
「ここいら一体は私らの縄張りとなった。
命が惜しけりゃ有り金全部置いていきな!!」
ヨナが大きな声で叫ぶ。
が、役人達は崖の上にいる少ない人数に拍子抜けしたような声を上げるのだった。
「賊か?」
「大した人数じゃなさそうだな。」
「おい、とっとと片付けろ。」
「よく言ったね、役人共。目ん玉ひんむいてよく見な。
私ら暗黒龍とゆかいな腹へり達の恐ろしさをね!!」
外套を深く被ったヨナの後ろに並ぶのは四龍と、笠を深く被り斧を手にしたハク、そして最後まで乗り気ではなかったユンは一番端で呆れかえっていた。そんな一行はヨナの一声で役人達を襲う。そして奪った税を村へと持ち帰るのだった。
だがヨナ達はあくまで賊を名乗る立場上、村人たちに知らしめる必要がある。自分たちは悪であり、村は彼らに仕方なく従ったということにしないと役人の矛先が村に向いてしまうからだ。それを防ぎ、賊のせいだと言うことにするために一行は悪人を装うのだった。
「なっ…何ですか、あんた方は…」
「今からここいら一帯の村は私ら”暗黒龍とゆかいな腹へり達”の縄張りにするのさ。
ちょいと挨拶しとこうと思ってね。
死にたくなければ私らの言う通りにしな!」
「は…腹へり…?」
「この村に何も盗るものは…」
「アァ!?」
ざわつく村人に恐怖を植え付けていくヨナ達。だが、賊になりきるには言動と行動が矛盾してしまうのだった。
「こ…これは先程役人達が持って行ったワシらの税…!?」
「痛い目に遭いたくなかったら箪笥に仕舞っときな!!」
「えっ、いい人?」
先程奪い返してきたものを威厳のある声を発しながらヨナは返す。そのやり取りに村人は驚きの声を上げる。
「それとこの村の子供を残らず出しな!」
「こ、子供にどんなご用件で…」
「飴あめだよっ!受け取らない奴は
売り飛ばすよっ」
「いい人!?」
不安そうにオロオロと子どもを連れてくる母親。だが、危惧していたことと裏腹にヨナはお腹がす鳴っているにも関わらず持っていた飴を子どもに手渡すのだった。
****
「ユン、次はどこの村へ行く?」
一先ずの一仕事を終えてヨナ達は次の作戦を考えていた。
「そうだね。今の時期だと秋村にも役人が行くはず。」
「それは遠方か?」
ユンは手を顎に当てながら考えを整理し始める。が、一つだけユンが危惧していたことがあった。ここから秋村へは少し離れているのだ。ハクの問いにユンは表情を曇らせながら頷く。
「うん、少し。どうしよう、加淡村にもまた役人が来るかもだし。」
「じゃあ、僕がひとっ飛び加淡村に行って見張っとくよ。
ルイもそっちにいるしね」
ユンの不安はジェハの言葉で一気に払拭される。跳べる彼なら村と村を短時間で行き来できるし適任だと。
「あ、それ助かる。ヨナはここで待ってて。」
「えっ…どうして?私も行く。」
お願いとジェハに頼むとユンはヨナに指示を出す。それにヨナは不思議そうに声を上げた。が、ユンの頭の中では既に連れて行く人選は決まっていたのだった。
「次のとこは遠いんだ。役人が来るかもわからないし。
戦力は雷獣と…そうだな、キジャがいれば大丈夫だから。」
「じゃ、ゼノは娘さんとお留守番だからー」
その時満面の笑みを浮かべてゼノが声を上げる。が、ゼノの背後には殺気を纏ったキジャがいたのだった。ゼノの右肩をガシッとキジャは掴むと有無を言わせない声を上げるのだった。
「そなたは闘いの最中逃げまわってるだけではないか。
今度こそ私が四龍の闘い方を教えてやる。来い。」
「えぇええええーっ」
「シンア、姫様を頼むぞ。」
悲鳴を上げるゼノを強引に連れて行こうとするキジャは、ヨナと共に残るシンアに一声かける。
そしてヨナ達はそれぞれ割り当てられた役割を果たすために散らばるのだった。
「そこの役人共、止まりな。」
ヨナはそんな役人たちを崖の上から呼び止めた。その声に役人達は足を止めて不思議そうに上を見上げた。
「誰だっ!?」
「ここいら一体は私らの縄張りとなった。
命が惜しけりゃ有り金全部置いていきな!!」
ヨナが大きな声で叫ぶ。
が、役人達は崖の上にいる少ない人数に拍子抜けしたような声を上げるのだった。
「賊か?」
「大した人数じゃなさそうだな。」
「おい、とっとと片付けろ。」
「よく言ったね、役人共。目ん玉ひんむいてよく見な。
私ら暗黒龍とゆかいな腹へり達の恐ろしさをね!!」
外套を深く被ったヨナの後ろに並ぶのは四龍と、笠を深く被り斧を手にしたハク、そして最後まで乗り気ではなかったユンは一番端で呆れかえっていた。そんな一行はヨナの一声で役人達を襲う。そして奪った税を村へと持ち帰るのだった。
だがヨナ達はあくまで賊を名乗る立場上、村人たちに知らしめる必要がある。自分たちは悪であり、村は彼らに仕方なく従ったということにしないと役人の矛先が村に向いてしまうからだ。それを防ぎ、賊のせいだと言うことにするために一行は悪人を装うのだった。
「なっ…何ですか、あんた方は…」
「今からここいら一帯の村は私ら”暗黒龍とゆかいな腹へり達”の縄張りにするのさ。
ちょいと挨拶しとこうと思ってね。
死にたくなければ私らの言う通りにしな!」
「は…腹へり…?」
「この村に何も盗るものは…」
「アァ!?」
ざわつく村人に恐怖を植え付けていくヨナ達。だが、賊になりきるには言動と行動が矛盾してしまうのだった。
「こ…これは先程役人達が持って行ったワシらの税…!?」
「痛い目に遭いたくなかったら箪笥に仕舞っときな!!」
「えっ、いい人?」
先程奪い返してきたものを威厳のある声を発しながらヨナは返す。そのやり取りに村人は驚きの声を上げる。
「それとこの村の子供を残らず出しな!」
「こ、子供にどんなご用件で…」
「飴あめだよっ!受け取らない奴は
売り飛ばすよっ」
「いい人!?」
不安そうにオロオロと子どもを連れてくる母親。だが、危惧していたことと裏腹にヨナはお腹がす鳴っているにも関わらず持っていた飴を子どもに手渡すのだった。
****
「ユン、次はどこの村へ行く?」
一先ずの一仕事を終えてヨナ達は次の作戦を考えていた。
「そうだね。今の時期だと秋村にも役人が行くはず。」
「それは遠方か?」
ユンは手を顎に当てながら考えを整理し始める。が、一つだけユンが危惧していたことがあった。ここから秋村へは少し離れているのだ。ハクの問いにユンは表情を曇らせながら頷く。
「うん、少し。どうしよう、加淡村にもまた役人が来るかもだし。」
「じゃあ、僕がひとっ飛び加淡村に行って見張っとくよ。
ルイもそっちにいるしね」
ユンの不安はジェハの言葉で一気に払拭される。跳べる彼なら村と村を短時間で行き来できるし適任だと。
「あ、それ助かる。ヨナはここで待ってて。」
「えっ…どうして?私も行く。」
お願いとジェハに頼むとユンはヨナに指示を出す。それにヨナは不思議そうに声を上げた。が、ユンの頭の中では既に連れて行く人選は決まっていたのだった。
「次のとこは遠いんだ。役人が来るかもわからないし。
戦力は雷獣と…そうだな、キジャがいれば大丈夫だから。」
「じゃ、ゼノは娘さんとお留守番だからー」
その時満面の笑みを浮かべてゼノが声を上げる。が、ゼノの背後には殺気を纏ったキジャがいたのだった。ゼノの右肩をガシッとキジャは掴むと有無を言わせない声を上げるのだった。
「そなたは闘いの最中逃げまわってるだけではないか。
今度こそ私が四龍の闘い方を教えてやる。来い。」
「えぇええええーっ」
「シンア、姫様を頼むぞ。」
悲鳴を上げるゼノを強引に連れて行こうとするキジャは、ヨナと共に残るシンアに一声かける。
そしてヨナ達はそれぞれ割り当てられた役割を果たすために散らばるのだった。