巫女
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じゃーね、ジェハ…
旅の武運を祈ってるよ
その声にジェハは飛び跳ねるように飛び起きると、ルイを探すように辺りを見渡した。だが、当然のように彼女の姿は見当たらない。空耳か?と疑ったものの、鮮明に聞こえてきた彼女の声にそんなことはないと打ち消した。では、このさっきから感じる胸騒ぎはなんなのだろうか?どうして冷や汗が背筋を伝っているのだろうか?
ジェハは否定したい気持ちをグッと堪えて部屋を飛び出した。向かうのはもちろんルイの自室だった。ガバっと勢いそのままにジェハは扉を開けて部屋の中に入る。窓から差し込む光が部屋の中を照らす。普段と変わらないように見えた部屋の中。だが、注意深く見るといくつかなくなっているものがあった。もちろんこの部屋を使っているルイの姿は見当たらない。
ルイがいないことを確認すると、ジェハはすぐさま慌ただしく部屋を出た。この現実を認めたくなくて、微かな望みをかけてジェハはが向かう先は甲板だった。
勢いよくジェハは甲板へと繋がる扉を開ける。するとジェハの視界に映ったのは手すりにもたれ掛かって煙管を吹かすギガンだった。扉が開く大きな物音。それに気づいたギガンは、切羽詰まった顔をしているであろう彼に振り向くことなく棘のある言葉を吐き捨てるのだった。
「なにやってんだい、ひよっこ
もうルイなら行っちまったよ」
ギガンの口から突きつけられた現実にジェハは崩れ落ちるように座り込んだ。
「はぁー、僕としたことが一服盛られたよ」
「ハハ、ルイの方が一枚上手だったね」
ジェハは前髪を掻き上げると大きく項垂れて溜息を吐いた。起きたときからガンガンと痛む頭。自分としては遅すぎる起床時間。確実に昨夜の最後の水になにか強力な睡眠剤が盛られていたのが明らかだった。悔しげに顔を歪めるジェハをギガンは振り向いて確認すると高笑いするのだった。
「おかしいとおもったんだよ…
ルイが僕のことを介抱するなんてね」
「それは寝耳に水だね」
どうしてあそこでルイの企みに気づかなかったのだろうかとジェハは後悔の念にかられた。貴重なルイの介抱に浮かれていたのかもしれない。
「で?どうすんだい?
まさかこのまま諦めるって抜かすんじゃないだろうね」
ギガンはスッと目を細める。ジェハの心を試すようなギガンの問いただしに、ジェハはまさか!?と口元を緩めた。
「僕が諦める?
そんなことするわけないじゃない?船長」
ゆっくりと立ち上がるとジェハはギガンと向き合った。
「僕は諦めが悪いんだ
欲しい物はどんな手を使ってでも手に入れてみせるよ」
「その言葉を聞いて安心したよ
諦めるって抜かしたら、しごき直してやろうと思っていたんだが…」
普段はあまり見せることがないジェハの真剣な眼差しを見定めること数秒。ギガンは大きく息を吐いて柔らかい表情を浮かべた。
「うーん…
船長にしごかれるのもいいなぁ…」
「だったらお望み通り
その腑抜けさを叩き直してやるよ」
「ちょっと、それは流石に遠慮しとこうかな」
「そうかい、それは残念だね〜」
ギガンは不敵な笑みを浮かべて物騒なセリフをボヤく。その言葉にジェハはキランと目を光らせるが、ギガンが手にとった暗器を見て苦笑いを浮かべて刺される寸止めの場所で食い止めるとやんわりとお断りを入れた。それに残念そうにギガンは離れて暗器を懐に仕舞った。
「ルイのこと頼んでいいかい?
あの子は本当に危なっかしいからね
送り出した私からしたら気が気じゃないよ…」
再び煙管を吹かすとギガンは遠い目をして心中を吐露した。心配で心配で心が休まる気がしない。一度決めたらよほどのことがない限り意見を変えない頑固者。一度見たものは見て見ぬ振りをできずに首をつっこむばかりか、誰かのためなら自分を犠牲にするルイはとても脆いのだ。
ルイのことを思って心配そうな表情を滲ませるギガン。そんな彼女を安心させようとジェハが自信満々に胸を張る。
「大丈夫!僕に任せて!!船長」
「やっぱり頼む相手を間違えたかねぇ…」
「何を言うんだい?船長
僕以外に適任はいないでしょ?」
そんなジェハを見てギガンは冷たい眼差しを向けた。が、ジェハ以外に任せられないことは事実のためギガンはヤレヤレと肩を竦める。
「お前に頼むのは癪だが
ルイの心の在処になってやるんだよ、ジェハ」
「言われなくてもそのつもりですよ」
ギガンの言葉にジェハは強く頷くと、ギガンの横に立って水平線を眺めた。どんだけ拒絶されようと、離れようとしても、次見つけたら何があろうが絶対に掴んだまま離してやるものか。ジェハ確固たる決意を固め直すのだった。
旅の武運を祈ってるよ
その声にジェハは飛び跳ねるように飛び起きると、ルイを探すように辺りを見渡した。だが、当然のように彼女の姿は見当たらない。空耳か?と疑ったものの、鮮明に聞こえてきた彼女の声にそんなことはないと打ち消した。では、このさっきから感じる胸騒ぎはなんなのだろうか?どうして冷や汗が背筋を伝っているのだろうか?
ジェハは否定したい気持ちをグッと堪えて部屋を飛び出した。向かうのはもちろんルイの自室だった。ガバっと勢いそのままにジェハは扉を開けて部屋の中に入る。窓から差し込む光が部屋の中を照らす。普段と変わらないように見えた部屋の中。だが、注意深く見るといくつかなくなっているものがあった。もちろんこの部屋を使っているルイの姿は見当たらない。
ルイがいないことを確認すると、ジェハはすぐさま慌ただしく部屋を出た。この現実を認めたくなくて、微かな望みをかけてジェハはが向かう先は甲板だった。
勢いよくジェハは甲板へと繋がる扉を開ける。するとジェハの視界に映ったのは手すりにもたれ掛かって煙管を吹かすギガンだった。扉が開く大きな物音。それに気づいたギガンは、切羽詰まった顔をしているであろう彼に振り向くことなく棘のある言葉を吐き捨てるのだった。
「なにやってんだい、ひよっこ
もうルイなら行っちまったよ」
ギガンの口から突きつけられた現実にジェハは崩れ落ちるように座り込んだ。
「はぁー、僕としたことが一服盛られたよ」
「ハハ、ルイの方が一枚上手だったね」
ジェハは前髪を掻き上げると大きく項垂れて溜息を吐いた。起きたときからガンガンと痛む頭。自分としては遅すぎる起床時間。確実に昨夜の最後の水になにか強力な睡眠剤が盛られていたのが明らかだった。悔しげに顔を歪めるジェハをギガンは振り向いて確認すると高笑いするのだった。
「おかしいとおもったんだよ…
ルイが僕のことを介抱するなんてね」
「それは寝耳に水だね」
どうしてあそこでルイの企みに気づかなかったのだろうかとジェハは後悔の念にかられた。貴重なルイの介抱に浮かれていたのかもしれない。
「で?どうすんだい?
まさかこのまま諦めるって抜かすんじゃないだろうね」
ギガンはスッと目を細める。ジェハの心を試すようなギガンの問いただしに、ジェハはまさか!?と口元を緩めた。
「僕が諦める?
そんなことするわけないじゃない?船長」
ゆっくりと立ち上がるとジェハはギガンと向き合った。
「僕は諦めが悪いんだ
欲しい物はどんな手を使ってでも手に入れてみせるよ」
「その言葉を聞いて安心したよ
諦めるって抜かしたら、しごき直してやろうと思っていたんだが…」
普段はあまり見せることがないジェハの真剣な眼差しを見定めること数秒。ギガンは大きく息を吐いて柔らかい表情を浮かべた。
「うーん…
船長にしごかれるのもいいなぁ…」
「だったらお望み通り
その腑抜けさを叩き直してやるよ」
「ちょっと、それは流石に遠慮しとこうかな」
「そうかい、それは残念だね〜」
ギガンは不敵な笑みを浮かべて物騒なセリフをボヤく。その言葉にジェハはキランと目を光らせるが、ギガンが手にとった暗器を見て苦笑いを浮かべて刺される寸止めの場所で食い止めるとやんわりとお断りを入れた。それに残念そうにギガンは離れて暗器を懐に仕舞った。
「ルイのこと頼んでいいかい?
あの子は本当に危なっかしいからね
送り出した私からしたら気が気じゃないよ…」
再び煙管を吹かすとギガンは遠い目をして心中を吐露した。心配で心配で心が休まる気がしない。一度決めたらよほどのことがない限り意見を変えない頑固者。一度見たものは見て見ぬ振りをできずに首をつっこむばかりか、誰かのためなら自分を犠牲にするルイはとても脆いのだ。
ルイのことを思って心配そうな表情を滲ませるギガン。そんな彼女を安心させようとジェハが自信満々に胸を張る。
「大丈夫!僕に任せて!!船長」
「やっぱり頼む相手を間違えたかねぇ…」
「何を言うんだい?船長
僕以外に適任はいないでしょ?」
そんなジェハを見てギガンは冷たい眼差しを向けた。が、ジェハ以外に任せられないことは事実のためギガンはヤレヤレと肩を竦める。
「お前に頼むのは癪だが
ルイの心の在処になってやるんだよ、ジェハ」
「言われなくてもそのつもりですよ」
ギガンの言葉にジェハは強く頷くと、ギガンの横に立って水平線を眺めた。どんだけ拒絶されようと、離れようとしても、次見つけたら何があろうが絶対に掴んだまま離してやるものか。ジェハ確固たる決意を固め直すのだった。