巫女
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「着いたよ。まだ3か月も経ってないのに何年も帰ってない気がする。」
「忘れ物取りに行くみたいな気軽さで言ってたから近いのかと思ってたよ。」
「コソコソ歩いてるから遠まわりなの。」
決意を固めたユンは翌日、皆に次の目的の場所を示す。それはユンが神官イクスと過ごしていた谷、そしてヨナとハクと出会った場所だった。
「イクス!戻ったよ。」
ユンは勢いよく家の扉を開ける。が、家の中は薄暗く荒れ放題。この惨状に血相を変えたユンは辺りを隈なく見渡す。すると畳の上で頭から血を流して倒れているイクスを見つけるのだった。ユンは目に涙を浮かべながら彼の名を呼んでイクスに駆け寄ると、彼の身体を起こす。必死に名を呼ぶユン。その声が聞こえたのかイクスはゆっくりと重たそうに瞼を開けた。
「あれ…ユンくん…」
「イクス!待って、今手当てを…」
「ごめん…
お腹すきすぎて…すべって転ん…じゃった。」
イクスの口から出た言葉にユンは拍子抜けする。呑み込むのに時間がかかったユンだが、ようやく事情を把握するとイクスに罵声を浴びさせながら手当を施し料理を作るのだった。
「いやあ、九死に一生を得ました。」
家の外でイクスはユンが作った料理を受け取る。お椀に入ったそれをグビグビと飲み干すとイクスは安堵した声を漏らすのだった。そんな彼にユンは眉間に皺を寄せてガミガミと言葉を吐き散らす。
「じゃないだろ、このバカ神官!!
何で普通に暮らしてて家めちゃくちゃ餓死寸前転んで大ケガだよ!
俺がいなきゃ本当に何も出来ないのな。
めんどくさすぎ!いっぺん天に還れ!!」
「わあ~♡ユン君の怒鳴り声だ。」
一方、心配して言っているユンを他所に久々のユンの言葉に懐かしさを覚えてイクスは嬉しそうに頬を緩まして拝むように両手を合わせた。その背後でジェハが茶々を入れる。
「ユン君、泣いて取り乱してたもんね。」
「泣いてないし取り乱してないよっ」
ジェハの言葉に恥ずかしいと顔を赤らめたユンはジェハを睨みつけると気恥ずかしさを紛らすように声を上げる。その隣でキジャは丁寧にイクスに頭を下げていた。
「神官殿、突然の訪問をお許し下さい。お会い出来て光栄です。」
「いえいえ、こちらこそ~」
イクスは軽く返事を返すと私達を見つめて柔らかく微笑んだ。
「ずいぶん賑やかになりましたね。
ヨナ姫様も様々な事を経験なされたようだ。
あれ、でもこれで本当に全員ですか??」
急にとぼけたことを言い出すイクスにユンが怪訝な表情を浮かべる。
「なに言ってるんだ?イクス」
「どうやら僕は見間違えをしてしまったみたいですね…」
イクスは独り嘆くように呟くと、ヨナを真剣な表情で見つめた。
「姫様、もう1人探さなければいけない人がいます」
「…もう1人??」
ヨナにイクスは小さく頷くとあの時伝えていなかったもう一つの事実を伝えるのだった。
「それは巫女と言われる存在です
巫女は四龍が集うことによって目覚めるといわれております
おそらくこの地のどこかで巫女の血を持つものが能力 に目覚めているはずです」
そのイクスの言ったことは神話に伝えられていないもの。この一行の中では唯一、緋龍王の赤髪を信仰していたキジャが反応を示し、微かな記憶を呼び起こす。
「巫女か…
薄っすらと聞き覚えがある
確か風の力を使う者だったか??」
「えぇそうです
風に愛されし巫女は、緋龍王の傍から離れることをせずに風の力を借りて戦っていたと言われています
そしてそれだけでなく、四龍の癒やしの拠り所だったと…」
「でもどうやって探すんだ??」
イクスの言いたいことは理解した。では、その巫女をどうやって探すんだとハクが純粋な疑問を口にする。その中、場違いな素っ頓狂な声を上げてジェハを見るゼノがいた。
「なぁ?
緑龍の首元、なんか光ってないか??」
「え??」
ゼノの一言に一斉に一行はジェハに視線を向ける。すると確かに首元から淡い光が服越しに漏れ出していた。
「ゼノ君…
僕が輝いて見えるって!?」
「誰もそんなこと言ってねーよ、タレ目
そんな冗談言ってねーで見せやがれ」
ジェハがゼノの言葉にキラキラと目を輝かせ始める。その彼をハクが呆れながら思い切りど突いた。
ど突かれたジェハは、ハクの一撃に満更でもないようで口元を緩めながら、仕方なく首にかけていたものを取り出した。
ジェハが掌に広げたものを皆が彼を囲んで覗き見る。それは不思議な模様が描かれているペンダント。そのペンダントを見てイクスが驚きの声を上げた。
「これは…」
「イクス!?これはなんなんだよ!?」
「巫女に代々受け継がれているといわれるペンダントですね…」
「おい、タレ目!!
それはどこで拾ったんだよ!?」
イクスの先の説明を聞くことなく、ハクは勢いそのままにジェハに詰め寄る。その言葉に目線を逸らしながらジェハは大切そうにそのペンダントを握りしめるとポツリと呟いた。
「拾ったんじゃないよ、預かりものさ
ルイからのね」
「え!?じゃあもしかして…」
「……ルイが巫女!?」
その言葉に一同は驚愕する。
「タレ目、本当にルイの行き先わからねーのかよ!?」
「わかったら苦労しないよ…」
ハクの追求に対してジェハはガクリと肩を落として答える。その表情を見てハクは、本人が一番精神的にきていることを察しこれ以上ルイのことを話題にするべきではないと引き下がった。
「まぁまぁ、落ち着けって雷獣
巫女が誰かってわかっただけで十分な収穫だよ」
「だが、気配を辿れないとなると探すのは困難だな…」
キジャが首を捻る。今までは、四龍の気配だけを頼りにしてきたのだ。だが、今回はそれすらもない。唯一の手掛かりすらない中、この広大な土地をどうやって探せばよいのだろうか。
「イクス、王を守護する剣と盾って何?
王というのはヨナ?それとも現国王スウォン?」
ユンは一先ずそれを保留にして気になっていた言葉をイクスに尋ねる。そのユンの問いかけにイクスは顔を曇らせるのだった。
「王を守護する剣と盾が現れるにはもう少し時間が必要なようです。その時が来たらきっとわかるでしょう。」
「忘れ物取りに行くみたいな気軽さで言ってたから近いのかと思ってたよ。」
「コソコソ歩いてるから遠まわりなの。」
決意を固めたユンは翌日、皆に次の目的の場所を示す。それはユンが神官イクスと過ごしていた谷、そしてヨナとハクと出会った場所だった。
「イクス!戻ったよ。」
ユンは勢いよく家の扉を開ける。が、家の中は薄暗く荒れ放題。この惨状に血相を変えたユンは辺りを隈なく見渡す。すると畳の上で頭から血を流して倒れているイクスを見つけるのだった。ユンは目に涙を浮かべながら彼の名を呼んでイクスに駆け寄ると、彼の身体を起こす。必死に名を呼ぶユン。その声が聞こえたのかイクスはゆっくりと重たそうに瞼を開けた。
「あれ…ユンくん…」
「イクス!待って、今手当てを…」
「ごめん…
お腹すきすぎて…すべって転ん…じゃった。」
イクスの口から出た言葉にユンは拍子抜けする。呑み込むのに時間がかかったユンだが、ようやく事情を把握するとイクスに罵声を浴びさせながら手当を施し料理を作るのだった。
「いやあ、九死に一生を得ました。」
家の外でイクスはユンが作った料理を受け取る。お椀に入ったそれをグビグビと飲み干すとイクスは安堵した声を漏らすのだった。そんな彼にユンは眉間に皺を寄せてガミガミと言葉を吐き散らす。
「じゃないだろ、このバカ神官!!
何で普通に暮らしてて家めちゃくちゃ餓死寸前転んで大ケガだよ!
俺がいなきゃ本当に何も出来ないのな。
めんどくさすぎ!いっぺん天に還れ!!」
「わあ~♡ユン君の怒鳴り声だ。」
一方、心配して言っているユンを他所に久々のユンの言葉に懐かしさを覚えてイクスは嬉しそうに頬を緩まして拝むように両手を合わせた。その背後でジェハが茶々を入れる。
「ユン君、泣いて取り乱してたもんね。」
「泣いてないし取り乱してないよっ」
ジェハの言葉に恥ずかしいと顔を赤らめたユンはジェハを睨みつけると気恥ずかしさを紛らすように声を上げる。その隣でキジャは丁寧にイクスに頭を下げていた。
「神官殿、突然の訪問をお許し下さい。お会い出来て光栄です。」
「いえいえ、こちらこそ~」
イクスは軽く返事を返すと私達を見つめて柔らかく微笑んだ。
「ずいぶん賑やかになりましたね。
ヨナ姫様も様々な事を経験なされたようだ。
あれ、でもこれで本当に全員ですか??」
急にとぼけたことを言い出すイクスにユンが怪訝な表情を浮かべる。
「なに言ってるんだ?イクス」
「どうやら僕は見間違えをしてしまったみたいですね…」
イクスは独り嘆くように呟くと、ヨナを真剣な表情で見つめた。
「姫様、もう1人探さなければいけない人がいます」
「…もう1人??」
ヨナにイクスは小さく頷くとあの時伝えていなかったもう一つの事実を伝えるのだった。
「それは巫女と言われる存在です
巫女は四龍が集うことによって目覚めるといわれております
おそらくこの地のどこかで巫女の血を持つものが
そのイクスの言ったことは神話に伝えられていないもの。この一行の中では唯一、緋龍王の赤髪を信仰していたキジャが反応を示し、微かな記憶を呼び起こす。
「巫女か…
薄っすらと聞き覚えがある
確か風の力を使う者だったか??」
「えぇそうです
風に愛されし巫女は、緋龍王の傍から離れることをせずに風の力を借りて戦っていたと言われています
そしてそれだけでなく、四龍の癒やしの拠り所だったと…」
「でもどうやって探すんだ??」
イクスの言いたいことは理解した。では、その巫女をどうやって探すんだとハクが純粋な疑問を口にする。その中、場違いな素っ頓狂な声を上げてジェハを見るゼノがいた。
「なぁ?
緑龍の首元、なんか光ってないか??」
「え??」
ゼノの一言に一斉に一行はジェハに視線を向ける。すると確かに首元から淡い光が服越しに漏れ出していた。
「ゼノ君…
僕が輝いて見えるって!?」
「誰もそんなこと言ってねーよ、タレ目
そんな冗談言ってねーで見せやがれ」
ジェハがゼノの言葉にキラキラと目を輝かせ始める。その彼をハクが呆れながら思い切りど突いた。
ど突かれたジェハは、ハクの一撃に満更でもないようで口元を緩めながら、仕方なく首にかけていたものを取り出した。
ジェハが掌に広げたものを皆が彼を囲んで覗き見る。それは不思議な模様が描かれているペンダント。そのペンダントを見てイクスが驚きの声を上げた。
「これは…」
「イクス!?これはなんなんだよ!?」
「巫女に代々受け継がれているといわれるペンダントですね…」
「おい、タレ目!!
それはどこで拾ったんだよ!?」
イクスの先の説明を聞くことなく、ハクは勢いそのままにジェハに詰め寄る。その言葉に目線を逸らしながらジェハは大切そうにそのペンダントを握りしめるとポツリと呟いた。
「拾ったんじゃないよ、預かりものさ
ルイからのね」
「え!?じゃあもしかして…」
「……ルイが巫女!?」
その言葉に一同は驚愕する。
「タレ目、本当にルイの行き先わからねーのかよ!?」
「わかったら苦労しないよ…」
ハクの追求に対してジェハはガクリと肩を落として答える。その表情を見てハクは、本人が一番精神的にきていることを察しこれ以上ルイのことを話題にするべきではないと引き下がった。
「まぁまぁ、落ち着けって雷獣
巫女が誰かってわかっただけで十分な収穫だよ」
「だが、気配を辿れないとなると探すのは困難だな…」
キジャが首を捻る。今までは、四龍の気配だけを頼りにしてきたのだ。だが、今回はそれすらもない。唯一の手掛かりすらない中、この広大な土地をどうやって探せばよいのだろうか。
「イクス、王を守護する剣と盾って何?
王というのはヨナ?それとも現国王スウォン?」
ユンは一先ずそれを保留にして気になっていた言葉をイクスに尋ねる。そのユンの問いかけにイクスは顔を曇らせるのだった。
「王を守護する剣と盾が現れるにはもう少し時間が必要なようです。その時が来たらきっとわかるでしょう。」