海上での決戦
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その頃、船で戦闘していたシンアが何か見えたのか海に目をやった。
「…花火」
その声に近くにいたハクがかかってきた傭兵の攻撃を防ぎながら方向をシンアに尋ねる。だが、シンアが指さした方向にある船は距離がありハクは舌打ちをした。
一方、花火を打ち上がった船では役人達が殺気だっていた。原因はヨナが打ち上げた花火だ。他の船のお陰で海賊が襲ってこないのに、この合図に気づいたらここもすぐに襲われてしまう。爆薬に火をつけたヨナは髪を引っ張られ床に引き倒される。ユンも背後を取られてしまう。
「この女!!」
「お前も海賊の仲間だ。」
「あのガキと一緒に潜入しやがってた。」
「この船の場所を仲間に教えたんだ。」
「早く殺せ!ヤツらが来る前に」
床に叩き落されたヨナに剣がかざされる。
「やめろ!俺の腕でも首でも何でもやるから、ヨナは…」
ユンは懇願するようにありったけの声で叫んだ。と、同時に剣を振り下ろそうとした役人の剣が弾かれた。と同時にユンを拘束していた役人が悲鳴をあげて倒れた。
「な…なんだ!?」
「ゲホッ…ゲホッ…」
役人達の視線がヨナとユンから外れる。暗器が放たれた方向に役人が目をやるとそこにはさっきまで縄で縛られていたルイが立っていた。
「…お、お前!!どうやって!?」
「どうやってって??決まってるだろ?」
口元に弧を描いたルイは持っている暗器をチラつかせた。先ほど自分から注意がそれた瞬間にルイは裾に隠してあった暗器を用いて縄を切ったのだ。
「さてと…
随分と可愛がってくれたお陰で身体中ボロボロだよ
キチンとお返ししないといけないね」
口に溜まった血塊を吐き出したルイはかかって来いと挑発する。そのルイの翡翠色の瞳の奥はメラメラと燃え上がっていた。
「かかってこないのかい?」
「な、なめやがって!!」
「お望み通りお前から殺ってやるよ!」
ニヤリと笑みを浮かべたルイの挑発に役人は額に青筋を立てる。もうこの時既にヨナやユンなど眼中になく役人はルイの思惑通りに一斉に襲い掛かってきた。
「やれるもんならやってみろよ!!」
ルイは振り下ろされてくる剣を暗器で受け流しながら、顔面に蹴りを喰らわせていく。
「ヨナ!!大丈夫!?」
ユンはこの状況に驚きながらも床に倒れ込んでいるヨナに駆け寄る。
「うん…平気
でも…ルイが…」
ヨナは不安そうにルイの方を見た。身体中痛みつけられてボロボロの状態で役人達の攻撃をかわして、蹴りを入れていくルイ。だが、顔色が良くなく動きはフラフラ、いつ倒れてもおかしくなかった。
「…ック!!」
「虚勢張ったくせにもうお終いか?」
次々に襲い掛かってくる剣を暗器で受け止めるルイに、剣を振り下ろした役人がニヤリと口角を上げた。
「まさか?」
ルイは嘲るように笑うと目の前の彼の腹部に蹴りを入れた。だが、多勢に無勢。気持ちだけで身体を動かしていたルイの背後から刃が突き刺さる。
「「ルイ、後ろ!!」」
「…グァ!!」
ヨナとユンが危険を知らせようと声を上げるがルイは回避することができなかった。左肩に猛烈な痛みが走りルイはその場に膝をついた。彼女に剣を刺した役人は抉るように剣を押し込むと、勢いよく剣を引き抜いた。
「ハァ…ハァ…」
ルイは肩で息をしながら刺された左肩に手を置いた。そのルイに群がるように役人が囲い込む。
「…お遊びはおしまいだ」
周囲を囲んだ役人が剣をルイに振り下ろす。それを見たヨナとユンは悲痛な声で叫んだ。
「やめ…て!!!」
「やめろぉおおおおおおお!!!」
その時だ。真っ暗な暗闇の空から一人の人物が舞い降りてきたのは。彼は大きい音を立てて甲板に着地すると左足を軸にして右足を使って周囲にいた役人をなぎ倒した。
「まったく…
君って子は本当にやってのけるとはかっこいいじゃないか」
「ジェハ!」
役人を蹴散らし終えるとジェハはヨナの方を向き口角を上げるのだった。が、目の前のルイのボロボロの姿を見た瞬間ジェハは眉間に皺を寄せた。
「ルイ…」
「遅いじゃないか…相棒」
悲しげに顔を歪めるジェハに、ルイはゆっくりと立ち上がると小さく笑いかけるのだった。
「僕の武器持ってきてくれた?」
「まだやる気かい?もう…」
「最後までやらせて…頼むよ」
潜入した3人の中で一番ボロボロなのは明らかにルイだ。この2人を守るためにあえて危険な行動をとったのは明白だ。後は任せて安全な場所に下がっていろと言おうとしたジェハの言葉をルイは遮ったのだ。心配しているジェハにルイは懇願するように頼み込んだ。これが、最後の戦いなのだ。皆が戦っているのに自分だけ安全地帯で待つなんてできっこないのだ。そんなルイの気持ちがわかるからこそ、ジェハは降参だと呆れた表情で大きくため息を吐き了承した。
「わかったよ
その代わり僕の側から離れないで」
そう言うとジェハは持ってきたルイの武器を手渡すのだった。一方、続々と集まってきた役人は突如現れたジェハの姿に目を見張っていた。
「お…お前は…」
「今まで数々の船を沈めたっていう空舞う海賊…」
「そんな事よりむやみに近寄らない方がいい。殺してしまう。
僕の相棒と彼女に危害を加えた君達に手加減できる程、僕は聖人君子ではないからね。」
そう呟いたジェハはルイですら見たことがないほどの殺気を身に纏っていた。彼の忠告を無視して役人が飛び掛かってくるが、ジェハは蹴りひとつで次々に倒していく。後れを取るわけにはいかないとルイは短剣を取り出して応戦していく。そのルイの動きは先ほどと比べようにならないほど軽やかになっていた。ただ背中を預けられるジェハがいるだけでルイは存分に力を振るえた。風を切るように次々と役人を蹴散らせていくジェハとルイ。だが、隣の船から梯子がこちらへ渡され傭兵が多く渡って来ていっこうに敵の数が減る気配がなかった。
「…花火」
その声に近くにいたハクがかかってきた傭兵の攻撃を防ぎながら方向をシンアに尋ねる。だが、シンアが指さした方向にある船は距離がありハクは舌打ちをした。
一方、花火を打ち上がった船では役人達が殺気だっていた。原因はヨナが打ち上げた花火だ。他の船のお陰で海賊が襲ってこないのに、この合図に気づいたらここもすぐに襲われてしまう。爆薬に火をつけたヨナは髪を引っ張られ床に引き倒される。ユンも背後を取られてしまう。
「この女!!」
「お前も海賊の仲間だ。」
「あのガキと一緒に潜入しやがってた。」
「この船の場所を仲間に教えたんだ。」
「早く殺せ!ヤツらが来る前に」
床に叩き落されたヨナに剣がかざされる。
「やめろ!俺の腕でも首でも何でもやるから、ヨナは…」
ユンは懇願するようにありったけの声で叫んだ。と、同時に剣を振り下ろそうとした役人の剣が弾かれた。と同時にユンを拘束していた役人が悲鳴をあげて倒れた。
「な…なんだ!?」
「ゲホッ…ゲホッ…」
役人達の視線がヨナとユンから外れる。暗器が放たれた方向に役人が目をやるとそこにはさっきまで縄で縛られていたルイが立っていた。
「…お、お前!!どうやって!?」
「どうやってって??決まってるだろ?」
口元に弧を描いたルイは持っている暗器をチラつかせた。先ほど自分から注意がそれた瞬間にルイは裾に隠してあった暗器を用いて縄を切ったのだ。
「さてと…
随分と可愛がってくれたお陰で身体中ボロボロだよ
キチンとお返ししないといけないね」
口に溜まった血塊を吐き出したルイはかかって来いと挑発する。そのルイの翡翠色の瞳の奥はメラメラと燃え上がっていた。
「かかってこないのかい?」
「な、なめやがって!!」
「お望み通りお前から殺ってやるよ!」
ニヤリと笑みを浮かべたルイの挑発に役人は額に青筋を立てる。もうこの時既にヨナやユンなど眼中になく役人はルイの思惑通りに一斉に襲い掛かってきた。
「やれるもんならやってみろよ!!」
ルイは振り下ろされてくる剣を暗器で受け流しながら、顔面に蹴りを喰らわせていく。
「ヨナ!!大丈夫!?」
ユンはこの状況に驚きながらも床に倒れ込んでいるヨナに駆け寄る。
「うん…平気
でも…ルイが…」
ヨナは不安そうにルイの方を見た。身体中痛みつけられてボロボロの状態で役人達の攻撃をかわして、蹴りを入れていくルイ。だが、顔色が良くなく動きはフラフラ、いつ倒れてもおかしくなかった。
「…ック!!」
「虚勢張ったくせにもうお終いか?」
次々に襲い掛かってくる剣を暗器で受け止めるルイに、剣を振り下ろした役人がニヤリと口角を上げた。
「まさか?」
ルイは嘲るように笑うと目の前の彼の腹部に蹴りを入れた。だが、多勢に無勢。気持ちだけで身体を動かしていたルイの背後から刃が突き刺さる。
「「ルイ、後ろ!!」」
「…グァ!!」
ヨナとユンが危険を知らせようと声を上げるがルイは回避することができなかった。左肩に猛烈な痛みが走りルイはその場に膝をついた。彼女に剣を刺した役人は抉るように剣を押し込むと、勢いよく剣を引き抜いた。
「ハァ…ハァ…」
ルイは肩で息をしながら刺された左肩に手を置いた。そのルイに群がるように役人が囲い込む。
「…お遊びはおしまいだ」
周囲を囲んだ役人が剣をルイに振り下ろす。それを見たヨナとユンは悲痛な声で叫んだ。
「やめ…て!!!」
「やめろぉおおおおおおお!!!」
その時だ。真っ暗な暗闇の空から一人の人物が舞い降りてきたのは。彼は大きい音を立てて甲板に着地すると左足を軸にして右足を使って周囲にいた役人をなぎ倒した。
「まったく…
君って子は本当にやってのけるとはかっこいいじゃないか」
「ジェハ!」
役人を蹴散らし終えるとジェハはヨナの方を向き口角を上げるのだった。が、目の前のルイのボロボロの姿を見た瞬間ジェハは眉間に皺を寄せた。
「ルイ…」
「遅いじゃないか…相棒」
悲しげに顔を歪めるジェハに、ルイはゆっくりと立ち上がると小さく笑いかけるのだった。
「僕の武器持ってきてくれた?」
「まだやる気かい?もう…」
「最後までやらせて…頼むよ」
潜入した3人の中で一番ボロボロなのは明らかにルイだ。この2人を守るためにあえて危険な行動をとったのは明白だ。後は任せて安全な場所に下がっていろと言おうとしたジェハの言葉をルイは遮ったのだ。心配しているジェハにルイは懇願するように頼み込んだ。これが、最後の戦いなのだ。皆が戦っているのに自分だけ安全地帯で待つなんてできっこないのだ。そんなルイの気持ちがわかるからこそ、ジェハは降参だと呆れた表情で大きくため息を吐き了承した。
「わかったよ
その代わり僕の側から離れないで」
そう言うとジェハは持ってきたルイの武器を手渡すのだった。一方、続々と集まってきた役人は突如現れたジェハの姿に目を見張っていた。
「お…お前は…」
「今まで数々の船を沈めたっていう空舞う海賊…」
「そんな事よりむやみに近寄らない方がいい。殺してしまう。
僕の相棒と彼女に危害を加えた君達に手加減できる程、僕は聖人君子ではないからね。」
そう呟いたジェハはルイですら見たことがないほどの殺気を身に纏っていた。彼の忠告を無視して役人が飛び掛かってくるが、ジェハは蹴りひとつで次々に倒していく。後れを取るわけにはいかないとルイは短剣を取り出して応戦していく。そのルイの動きは先ほどと比べようにならないほど軽やかになっていた。ただ背中を預けられるジェハがいるだけでルイは存分に力を振るえた。風を切るように次々と役人を蹴散らせていくジェハとルイ。だが、隣の船から梯子がこちらへ渡され傭兵が多く渡って来ていっこうに敵の数が減る気配がなかった。