海上での決戦
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翌朝、甲板には潜入のために着飾った2人が姿を現していた。
ヨナは赤髪に映える黒いリボンを両側に、ユンは同じ髪色の長髪のカツラを被り淡い紫色の布を巻いていた。
「ヨナちゃん、かわいい♡一発合格。」
「がんばるわ!」
「いいぞ、ボウズ!そのままクムジの愛人になってこい。」
「当然。正妻にだって勝つよ。」
ヨナにジェハが声を掛け、ユンは海賊に笑いながら褒められていた。
「ルイは??」
「まだ着替え終わってないの?」
ヨナとユンが未だ姿を現さないルイの姿を探して辺りを見渡す。それに釣られるように皆が辺りを見渡した。
「恐らくそろそろ来ると思うよ?」
このガヤガヤと騒がしい中、唯一ジェハは不敵な笑みを浮かべていた。
「なんでわかるんだよ…」
「だって僕らは13年の仲だからね!」
「お前が言うと変な意味合いに聞こえるからやめろ」
「えぇ?どういうことだい?ハク?」
語尾にハートマークが付きそうな声を発したジェハにハクはこの前言い寄られたことを思い起こし寒気を起こしていた。
一方甲板に出るための扉の前では違った意味のいざこざが行われていた。
「さっさとしないかい!ルイ!!」
「だって船長…そわそわする…」
扉の前でモジモジとするのはルイ。その背後ではサッサと外に出ろとギガンが発破をかけていた。
「ルイ…アンタねぇ…」
「やっ…やっぱり別の服に…」
「却下」
落ち着かないとルイが別の服に変えようと戻ろうとするが、それを呆れ返っているギガンが否を唱えた。その一言にルイはガクリと肩を落とした。
「ルイ…その服似合ってるよ
一体誰に貰ったんだい?」
「……ジェ…ジェハ」
「そうか…
アイツが見繕ったとしては上出来じゃないか」
ギガンは俯くルイの顔を腰を屈めて覗き込むと口元を緩めた。その勘くぐる視線を痛く感じたルイは頬をほんのりと染めながら名前を呟いた。その返答にギガンは嬉しそうに笑った。
「ほら、行った行った」
ギガンは未だに躊躇するルイの背を押し、扉の外に押し出した。
「わぁ!!」
急に押し出されたルイは前のめりになりながら甲板へ出た。このルイの声を聞いた甲板にいる皆が視線を一気にルイに向けた。
「お…おまたせ…しました…」
痛い視線にルイは声を尻すぼみに発し縮こまってしまった。そんなルイにヨナとユンが駆け寄った。
「ルイ!似合ってる!!」
「キレイなんだからもっと堂々としてよね!」
ルイの濃紺色の髪は下ろされており、普段つけている薄紫色の紐はサイドにつけられて揺れていた。滅多に見れないルイの女装姿に船員達は色めき立った。
「わ…わかったよ…
それよりユン、火薬は?」
「帯の中に仕組んである。
針金の先に火薬を括りつけてる小さくても高く飛ぶ特製花火」
もうここまで来たら腹をくくるしかないと気を引き締め直したルイは、ユンに火薬の隠し場所を尋ねた。その問いにユンは自身の帯を軽く叩いてみせた。
「じゃ、あとは手筈通りに」
「では行って来る…」
その甲板の傍らではキジャがなんとか女装しようと四苦八苦していた。そんなキジャにヨナは近づき諭す中、ハクがユンを読んだ。気丈に振る舞うユンをハクは心配していたのだ。
「雷獣、合図したら早く助けに来てよね。」
「大丈夫か?」
「何が?」
ユンは強がって髪を靡かせようとするが、その手は小さく震えていた。その手を抑えようとユンは両手を強く握る。
「…情けないと思う?
ヨナがあんなに気丈なのに俺が震えてるなんて。
でもね…だからこそ俺はいいんだ。
誰よりも慎重に…誰よりも見苦しく生きてきた。
誇れるほどにね。雷獣、大丈夫だよ。
俺が行くからには絶対にヨナは死なせない。」
強く笑って見せるユンをハクは見つめると、ルイの方を見た。
「二人のこと任せていいか?」
「あぁ…もちろんだよ
もともとそのつもりで志願したしね」
ハクに小さく笑ってみせるとルイはジェハの方へ行った。
「ルイ…似合ってるよ」
クスリと笑みを零しながら囁いてくれたジェハの甘い声にルイは身体中に痺れが走るのを感じた。だが、それを見せたら揶揄されるのをわかっているルイは平然を装いながら彼の胸に拳を突き出す。
「そっちは任せたよ、相棒
合図したらサッサと飛んでこいよ」
「…当然」
ルイの言葉にジェハは前髪を掻き上げると、口元に笑みを浮かべる。
が、やはり不安は拭えなかったらしくジェハは心配そうにルイを見つめた。
「無茶はしちゃダメだからね」
「......善処するよ」
「その間はなんだい?」
念押ししてくるジェハに、ルイは目を合わすことができず視線を逸しながら返答する。そんな彼女にジェハは呆れた表情を浮かべた。
「なるべく無茶は慎む
でも、絶対しないという保障はない
だってそうだろ?
僕はこれから敵陣に突っ込むんだから」
そんな彼にルイは鋭い眼差しを向けると正論を言い放った。それに言い返す言葉が見当たらずジェハは口を噤む。
「だから、僕が無茶する前に来てくれよな」
闇雲に無茶をするわけではない。後ろにいるのがジェハや仲間達だからこそ、多少の無茶が出来るのだ。
照れくさそうに、はにかんだルイは目を見開いて固まってしまったジェハの心情等には気づくことなく背を向けた。
行ってくるね...
ジェハだけに聞こえるように言い残したルイはそのままヨナとユンと共に敵地へ向かうのだった。
ヨナは赤髪に映える黒いリボンを両側に、ユンは同じ髪色の長髪のカツラを被り淡い紫色の布を巻いていた。
「ヨナちゃん、かわいい♡一発合格。」
「がんばるわ!」
「いいぞ、ボウズ!そのままクムジの愛人になってこい。」
「当然。正妻にだって勝つよ。」
ヨナにジェハが声を掛け、ユンは海賊に笑いながら褒められていた。
「ルイは??」
「まだ着替え終わってないの?」
ヨナとユンが未だ姿を現さないルイの姿を探して辺りを見渡す。それに釣られるように皆が辺りを見渡した。
「恐らくそろそろ来ると思うよ?」
このガヤガヤと騒がしい中、唯一ジェハは不敵な笑みを浮かべていた。
「なんでわかるんだよ…」
「だって僕らは13年の仲だからね!」
「お前が言うと変な意味合いに聞こえるからやめろ」
「えぇ?どういうことだい?ハク?」
語尾にハートマークが付きそうな声を発したジェハにハクはこの前言い寄られたことを思い起こし寒気を起こしていた。
一方甲板に出るための扉の前では違った意味のいざこざが行われていた。
「さっさとしないかい!ルイ!!」
「だって船長…そわそわする…」
扉の前でモジモジとするのはルイ。その背後ではサッサと外に出ろとギガンが発破をかけていた。
「ルイ…アンタねぇ…」
「やっ…やっぱり別の服に…」
「却下」
落ち着かないとルイが別の服に変えようと戻ろうとするが、それを呆れ返っているギガンが否を唱えた。その一言にルイはガクリと肩を落とした。
「ルイ…その服似合ってるよ
一体誰に貰ったんだい?」
「……ジェ…ジェハ」
「そうか…
アイツが見繕ったとしては上出来じゃないか」
ギガンは俯くルイの顔を腰を屈めて覗き込むと口元を緩めた。その勘くぐる視線を痛く感じたルイは頬をほんのりと染めながら名前を呟いた。その返答にギガンは嬉しそうに笑った。
「ほら、行った行った」
ギガンは未だに躊躇するルイの背を押し、扉の外に押し出した。
「わぁ!!」
急に押し出されたルイは前のめりになりながら甲板へ出た。このルイの声を聞いた甲板にいる皆が視線を一気にルイに向けた。
「お…おまたせ…しました…」
痛い視線にルイは声を尻すぼみに発し縮こまってしまった。そんなルイにヨナとユンが駆け寄った。
「ルイ!似合ってる!!」
「キレイなんだからもっと堂々としてよね!」
ルイの濃紺色の髪は下ろされており、普段つけている薄紫色の紐はサイドにつけられて揺れていた。滅多に見れないルイの女装姿に船員達は色めき立った。
「わ…わかったよ…
それよりユン、火薬は?」
「帯の中に仕組んである。
針金の先に火薬を括りつけてる小さくても高く飛ぶ特製花火」
もうここまで来たら腹をくくるしかないと気を引き締め直したルイは、ユンに火薬の隠し場所を尋ねた。その問いにユンは自身の帯を軽く叩いてみせた。
「じゃ、あとは手筈通りに」
「では行って来る…」
その甲板の傍らではキジャがなんとか女装しようと四苦八苦していた。そんなキジャにヨナは近づき諭す中、ハクがユンを読んだ。気丈に振る舞うユンをハクは心配していたのだ。
「雷獣、合図したら早く助けに来てよね。」
「大丈夫か?」
「何が?」
ユンは強がって髪を靡かせようとするが、その手は小さく震えていた。その手を抑えようとユンは両手を強く握る。
「…情けないと思う?
ヨナがあんなに気丈なのに俺が震えてるなんて。
でもね…だからこそ俺はいいんだ。
誰よりも慎重に…誰よりも見苦しく生きてきた。
誇れるほどにね。雷獣、大丈夫だよ。
俺が行くからには絶対にヨナは死なせない。」
強く笑って見せるユンをハクは見つめると、ルイの方を見た。
「二人のこと任せていいか?」
「あぁ…もちろんだよ
もともとそのつもりで志願したしね」
ハクに小さく笑ってみせるとルイはジェハの方へ行った。
「ルイ…似合ってるよ」
クスリと笑みを零しながら囁いてくれたジェハの甘い声にルイは身体中に痺れが走るのを感じた。だが、それを見せたら揶揄されるのをわかっているルイは平然を装いながら彼の胸に拳を突き出す。
「そっちは任せたよ、相棒
合図したらサッサと飛んでこいよ」
「…当然」
ルイの言葉にジェハは前髪を掻き上げると、口元に笑みを浮かべる。
が、やはり不安は拭えなかったらしくジェハは心配そうにルイを見つめた。
「無茶はしちゃダメだからね」
「......善処するよ」
「その間はなんだい?」
念押ししてくるジェハに、ルイは目を合わすことができず視線を逸しながら返答する。そんな彼女にジェハは呆れた表情を浮かべた。
「なるべく無茶は慎む
でも、絶対しないという保障はない
だってそうだろ?
僕はこれから敵陣に突っ込むんだから」
そんな彼にルイは鋭い眼差しを向けると正論を言い放った。それに言い返す言葉が見当たらずジェハは口を噤む。
「だから、僕が無茶する前に来てくれよな」
闇雲に無茶をするわけではない。後ろにいるのがジェハや仲間達だからこそ、多少の無茶が出来るのだ。
照れくさそうに、はにかんだルイは目を見開いて固まってしまったジェハの心情等には気づくことなく背を向けた。
行ってくるね...
ジェハだけに聞こえるように言い残したルイはそのままヨナとユンと共に敵地へ向かうのだった。