迫る不穏な火の手
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「…ところで馬は手配できたけど
皆、馬に乗れるの?
ちなみに僕は乗れないからねっ」
馬を4頭用意したユンは皆の顔を見渡した。
「まぁ雷獣とかは大丈夫として…
シンアは乗ったことないよね?」
ユンの言葉にシンアは小さく頷く。それを確認したユンは他の者は?と視線を飛ばす。それにジェハとゼノとキジャが次々と答えていった。
「僕は乗れるよ
よく女の子と遠乗りに行ったものさ」
「ゼノは立ったままでも乗れるから!!」
「凄っ!!」
「私も乗れるぞ」
「嘘!?」
キジャの返答にユンは驚愕の声を上げた。その反応にキジャは表情を顰めた。
「嘘とは失敬な!!」
「だってキジャが乗れるなんて意外
いや、乗馬姿似合うけどさ」
想像で判断して申し訳ないと思いながらもユンは言葉を濁す。そんなユンに対しキジャは得意げに話し出す。
「私はいつも主と共に戦えるよう馬は嗜みとして習っていた」
「そうなんだ
じゃあ後ろに乗せてもらおうかな」
その言葉にユンは感嘆の声を漏らして目を輝かせる。が、次のキジャの言葉で一気に彼に任せることに不安を覚えるのだった。
「ただ里から出たことはないので広い場所で走るのは初めてだ」
「ジェハ〜!後ろに乗せて〜」
瞬時に危険を察しユンは乗せてもらう相手を切り替えた。それになぁ!?と声を上げた。そんなキジャの様子にルイは苦笑いを浮かべながら彼に対して口を開いた。
「じゃあ僕を乗せてよ、キジャ」
「ルイは乗れないのか??」
その申し出にキジャはキョトンとしながら不思議そうに尋ねる。なんでも器用にこなすルイが馬に乗れないことがあるのだろうかと。そんなキジャにルイは小さく笑ってみせた。
「もちろん乗れるよ」
「じゃあどうして??」
「全くの初心者のシンアは立ったままでも乗れるゼノが適任だろ?」
「まぁ…確かにそうだな…」
ルイの的確な指摘にキジャは言い淀む。確かにそう考えると必然的に残るのは自分とルイだとキジャは気づいた。
「多少経験がある僕が後ろにいたほうが万が一の保険になる…」
「……」
「…ってのは建前で
キジャの傍にいたほうが盛大に暴れまわれるだろ?」
黙りしてしまったキジャにルイは本音を述べると企みを含んだ悪戯顔を浮かべてみせた。その言葉に顔を上げたキジャは好戦的な瞳を宿し不敵な笑みを浮かべてみせた。
「無論だ…
存分にこの右手を振るってやる」
もうやる気に満ち溢れるキジャの頼もしい姿にルイはこれから戦地に向かうにも関わらず笑みを零すのだった。
「ヨナは乗れないんだ
馬を手配してって言うからてっきり乗れるんだと思った」
対して、場を離れたユンはハクと乗ることに決まったヨナに歩み寄った。そのユンの言葉にヨナは馬を撫でながら歯切れが悪い言葉を漏らした。
「うん
一度…
乗せてもらった事はあるんだけど…」
「ヨナ…
本当に行くの??」
ユンは最終確認と言わんばかりに表情を曇らせて尋ねる。その言葉にヨナは小さく頷いた。そのヨナの表情にユンはもう何も言い返せなかった。決意を決めた、でも不安げに微笑するヨナを見て遂に覚悟を固めたユンは背を向けズンズンと自分が乗る馬に足を進めながら彼女に揺るがない決意を込めて言葉を言い切るのだった。
「…わかったもう止めない
その代わり何があっても一緒に行くから!!」
ユンが離れた後、ヨナは馬に視線を戻した。そしてヨナは馬に手を伸ばしながら自分に大丈夫…大丈夫だと言い聞かせていた。それでも、自分の身長より遥かに高い馬の背にヨナは恐怖を抱いていた。
馬、好きでしょ??
そんなヨナの脳裏に過るのは満面の笑みを浮かべながら自分に対して手を差し伸べるスウォンだった。その幻覚を見てヨナは伸ばしていた手がピタッと止まる。その手は小さく震えていた。ハッと息を呑むヨナ。そんな彼女の手は、ある者の大きな掌にガッシリと掴まれて力強い力で引き上げられるのだった。視界が一転し、いつのまにか馬の背に乗っている事に気づいたヨナはの背後にはいつの間にか馬に跨っていたハクがいた。彼女を落とさぬように腰に手を回したハクは、思いとどまるヨナの耳元に小さく力強い声で言葉を囁いた。
「あんたは…
いえ…貴女はこの国の正当なる王家の血を引く御方
行くんでしょ?
この国を守る為に」
そのハクの言葉に目を醒ましたヨナの紫紺色の瞳には力強い光が戻っていた。凛とした表情に戻ったヨナは力強く頷いた。
行こう
私はイル王の子、ヨナ
この国を好きにはさせない!!
南西に向かって一同は馬を走らせる。緋龍城に近づいていく。それと共にヨナはひしひしとスウォンに近づいていっていると直感的に感じ取るのだった。
皆、馬に乗れるの?
ちなみに僕は乗れないからねっ」
馬を4頭用意したユンは皆の顔を見渡した。
「まぁ雷獣とかは大丈夫として…
シンアは乗ったことないよね?」
ユンの言葉にシンアは小さく頷く。それを確認したユンは他の者は?と視線を飛ばす。それにジェハとゼノとキジャが次々と答えていった。
「僕は乗れるよ
よく女の子と遠乗りに行ったものさ」
「ゼノは立ったままでも乗れるから!!」
「凄っ!!」
「私も乗れるぞ」
「嘘!?」
キジャの返答にユンは驚愕の声を上げた。その反応にキジャは表情を顰めた。
「嘘とは失敬な!!」
「だってキジャが乗れるなんて意外
いや、乗馬姿似合うけどさ」
想像で判断して申し訳ないと思いながらもユンは言葉を濁す。そんなユンに対しキジャは得意げに話し出す。
「私はいつも主と共に戦えるよう馬は嗜みとして習っていた」
「そうなんだ
じゃあ後ろに乗せてもらおうかな」
その言葉にユンは感嘆の声を漏らして目を輝かせる。が、次のキジャの言葉で一気に彼に任せることに不安を覚えるのだった。
「ただ里から出たことはないので広い場所で走るのは初めてだ」
「ジェハ〜!後ろに乗せて〜」
瞬時に危険を察しユンは乗せてもらう相手を切り替えた。それになぁ!?と声を上げた。そんなキジャの様子にルイは苦笑いを浮かべながら彼に対して口を開いた。
「じゃあ僕を乗せてよ、キジャ」
「ルイは乗れないのか??」
その申し出にキジャはキョトンとしながら不思議そうに尋ねる。なんでも器用にこなすルイが馬に乗れないことがあるのだろうかと。そんなキジャにルイは小さく笑ってみせた。
「もちろん乗れるよ」
「じゃあどうして??」
「全くの初心者のシンアは立ったままでも乗れるゼノが適任だろ?」
「まぁ…確かにそうだな…」
ルイの的確な指摘にキジャは言い淀む。確かにそう考えると必然的に残るのは自分とルイだとキジャは気づいた。
「多少経験がある僕が後ろにいたほうが万が一の保険になる…」
「……」
「…ってのは建前で
キジャの傍にいたほうが盛大に暴れまわれるだろ?」
黙りしてしまったキジャにルイは本音を述べると企みを含んだ悪戯顔を浮かべてみせた。その言葉に顔を上げたキジャは好戦的な瞳を宿し不敵な笑みを浮かべてみせた。
「無論だ…
存分にこの右手を振るってやる」
もうやる気に満ち溢れるキジャの頼もしい姿にルイはこれから戦地に向かうにも関わらず笑みを零すのだった。
「ヨナは乗れないんだ
馬を手配してって言うからてっきり乗れるんだと思った」
対して、場を離れたユンはハクと乗ることに決まったヨナに歩み寄った。そのユンの言葉にヨナは馬を撫でながら歯切れが悪い言葉を漏らした。
「うん
一度…
乗せてもらった事はあるんだけど…」
「ヨナ…
本当に行くの??」
ユンは最終確認と言わんばかりに表情を曇らせて尋ねる。その言葉にヨナは小さく頷いた。そのヨナの表情にユンはもう何も言い返せなかった。決意を決めた、でも不安げに微笑するヨナを見て遂に覚悟を固めたユンは背を向けズンズンと自分が乗る馬に足を進めながら彼女に揺るがない決意を込めて言葉を言い切るのだった。
「…わかったもう止めない
その代わり何があっても一緒に行くから!!」
ユンが離れた後、ヨナは馬に視線を戻した。そしてヨナは馬に手を伸ばしながら自分に大丈夫…大丈夫だと言い聞かせていた。それでも、自分の身長より遥かに高い馬の背にヨナは恐怖を抱いていた。
馬、好きでしょ??
そんなヨナの脳裏に過るのは満面の笑みを浮かべながら自分に対して手を差し伸べるスウォンだった。その幻覚を見てヨナは伸ばしていた手がピタッと止まる。その手は小さく震えていた。ハッと息を呑むヨナ。そんな彼女の手は、ある者の大きな掌にガッシリと掴まれて力強い力で引き上げられるのだった。視界が一転し、いつのまにか馬の背に乗っている事に気づいたヨナはの背後にはいつの間にか馬に跨っていたハクがいた。彼女を落とさぬように腰に手を回したハクは、思いとどまるヨナの耳元に小さく力強い声で言葉を囁いた。
「あんたは…
いえ…貴女はこの国の正当なる王家の血を引く御方
行くんでしょ?
この国を守る為に」
そのハクの言葉に目を醒ましたヨナの紫紺色の瞳には力強い光が戻っていた。凛とした表情に戻ったヨナは力強く頷いた。
行こう
私はイル王の子、ヨナ
この国を好きにはさせない!!
南西に向かって一同は馬を走らせる。緋龍城に近づいていく。それと共にヨナはひしひしとスウォンに近づいていっていると直感的に感じ取るのだった。