阿波の海賊
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ヨナと共にギガンに認められた一行は船に戻っていた。早速戻ったユンは海の幸を使った特製海賊汁を振る舞っていた。その船室を抜け出したヨナは甲板の手すりにもたれ掛かっていたギガンとルイの姿を見つける。
「ギガン船長、ルイ、お食事です」
「あぁ、ありがとうよ」
「あ、悪いね。ヨナ」
ヨナから受け取ったギガンとルイはパクッと一口放り込んだ。思わず二人は美味しさに頬を緩ました。
「美味しい!!」
「美味いじゃないか」
「ユンが作ったの。ユンは何でも上手なのよ。」
二人の反応にヨナは自分のことのように誇らしげに口にした。そんなヨナの様子にギガンは思わず口角を上げた。
「そうかい
お前の取って来た千樹草で仲間の容態が回復に向かっているそうだ
皆お前に感謝してるってよ」
「よかった」
ホッと胸をなでおろすヨナを横目にギガンは嘆くように呟いた。
「あぁ。もう犠牲を出したくないからね。」
「亡くなった人がいるの…?」
「そりゃあね。海賊なんてやってんだ。無傷ってわけにはいかないよ」
ルイはその言葉の重みに表情を曇らせた。一緒に戦った仲間のことを想い。そんな彼女の気持ちを汲み取ったのかギカンはなんて顔してるんだいと呆れながらも彼女の頭をクシャリと撫でると、視線を遠くにやる。
「この闘いが終わったら海賊を解散してあいつらを普通の生活に戻してやりたいんだ」
ギガンのポツリと零した言葉にルイはハッと息を呑んだ。ギガンが抱いていた胸の内。この事実を実感した途端にルイが感じるのは喪失感だった。
ルイがそっと目を伏せる中、ヨナが動揺しながら声を上げた。
「そう…なの。」
「2人だけ難しいヤツがいるがね」
「難しい?」
少し間を開けるとギガンは空を見上げながら呟いた。
「ジェハとルイだよ
あいつらはこの船が家だからね
異形の存在のジェハも私が拾ってきたルイも海賊 が一番心地良いのさ」
「じゃあ海賊を解散したらジェハとルイは独りになるの?」
自分事のように彼らのことを気にかけるヨナにギガンは視線を空からヨナに移してフッと微笑した。
「お前が連れてってくれるかい?」
「ルイはどうしたいの?」
ギガンのお願いにヨナはルイを見上げた。その声にルイは伏せていた瞳をヨナに向けて小さく微笑んだ。
「僕は旅に出ようかな…
まだまだ知らない土地を巡ってみるのもいいかもしれないからね」
「一緒に来ない??」
ヨナの誘いに対してルイは小さく首を横に振った。
「僕を思って誘ってくれてありがと
でも、遠慮しておくよ」
そう言うとルイは二人に踵を返してしまうのだった。そんなルイを見てギガンはヤレヤレと肩をすくめてしまった。
「たく、素直じゃないね」
「……断られちゃった」
ルイの返答に対してヨナはしょんぼりとして俯いてしまった。純粋に彼にも旅に同行してくれれば嬉しいなと密かに思っていたのだ。だが、こうもあっさりと断られると思わなかったのだ。そんなヨナを案ずるようにギガンは彼女の肩に手を置いた。
「気にすんじゃないよ
アイツの本心じゃないかもしれないしね」
「本心じゃない??」
「自分の気持ちを蔑ろにして
いっちょ前に遠慮をするからね」
ギガンはそう嘆くと夜空に目を落とした。ルイの性格を知っているからこそギガンは見抜いたのだ。嬉しいと思ったルイの本心を。
「もう1人はどうだい?」
「…連れていきたいけど私と行くのは嫌だって」
「あいつはまだ親離れ出来ないのかね」
「心外だなぁ、船長」
背後から聞こえるジェハの声にギガンとヨナは驚きながら頭上を振りかえる。するとそこには甲板の手すりに腰掛けるジェハがいた。
「僕は本来一人が好きなんだよ。
海賊がなくなったって気ままにやっていくさ。
それこそ異形の龍達とつるんで何になるんだい。
ヨナちゃんと2人旅なら考えるけど。あ、でも…」
彼は手すりから腰を上げるとヨナ達の目の前にふわりと降りた。
「子守りはしんどいからもう少し大人の女性になったらね」
「ジェハは意地悪ね!ハクみたい」
品定めするようにニヤリと口角を上げてヨナを見るジェハにヨナは頬を膨らませると踵を返してしまった。そのヨナが残していったセリフにジェハはハクのことを思い浮かべた。
「ほ〜、それはオモシロイ」
「珍しいね
ルイ以外の女には砂吐くよーな台詞しか言わないのに…
気になってんのかい、あの娘」
ギカンはヨナの背後を見つめながらジェハに投げかける。それに対してジェハは低い声で否定する。
「ご冗談を…」
「で?ルイは1人で旅に出ると言ってるがどうする気だい?」
ジッとジェハを見ていたギカンはもう一人気がかりにしている娘の名前を上げる。その言葉にジェハはあっけからんに答えるのだった。
「もちろん、連れて行くさ」
「だったらちゃんと捕まえとくんだね
そうしないと風のようにすり抜けていくよ」
「そんなこと言われなくてもわかってるさ…」
ギガンの鋭い言葉はジェハの心に突き刺さる。ギガンの言葉は的を射ていたからだ。ジェハは夜風に髪を靡かせながら自分に言い聞かせるように口に出すのだった。
一方ズンズンと歩いていたヨナは海を見つめるシンアの姿に不審に思って声をかけた。
「シンア、どうしたの?」
「船が…船が港に集まってきている。」
「何隻だい?」
「…7」
「7隻!!?」
「武器を持った人が乗ってる。」
衝撃的なシアンからの事実にギガンは顔を顰めた。普段の薬の取引とは違う大掛かりな悪徳商業を行おうとしているのは明白だった。ギカンはすぐに全員を集めるようにジェハに指示を出す。その言葉にジェハは小さく頷くと船内へ駆け出すのだった。
「ギガン船長、ルイ、お食事です」
「あぁ、ありがとうよ」
「あ、悪いね。ヨナ」
ヨナから受け取ったギガンとルイはパクッと一口放り込んだ。思わず二人は美味しさに頬を緩ました。
「美味しい!!」
「美味いじゃないか」
「ユンが作ったの。ユンは何でも上手なのよ。」
二人の反応にヨナは自分のことのように誇らしげに口にした。そんなヨナの様子にギガンは思わず口角を上げた。
「そうかい
お前の取って来た千樹草で仲間の容態が回復に向かっているそうだ
皆お前に感謝してるってよ」
「よかった」
ホッと胸をなでおろすヨナを横目にギガンは嘆くように呟いた。
「あぁ。もう犠牲を出したくないからね。」
「亡くなった人がいるの…?」
「そりゃあね。海賊なんてやってんだ。無傷ってわけにはいかないよ」
ルイはその言葉の重みに表情を曇らせた。一緒に戦った仲間のことを想い。そんな彼女の気持ちを汲み取ったのかギカンはなんて顔してるんだいと呆れながらも彼女の頭をクシャリと撫でると、視線を遠くにやる。
「この闘いが終わったら海賊を解散してあいつらを普通の生活に戻してやりたいんだ」
ギガンのポツリと零した言葉にルイはハッと息を呑んだ。ギガンが抱いていた胸の内。この事実を実感した途端にルイが感じるのは喪失感だった。
ルイがそっと目を伏せる中、ヨナが動揺しながら声を上げた。
「そう…なの。」
「2人だけ難しいヤツがいるがね」
「難しい?」
少し間を開けるとギガンは空を見上げながら呟いた。
「ジェハとルイだよ
あいつらはこの船が家だからね
異形の存在のジェハも私が拾ってきたルイも
「じゃあ海賊を解散したらジェハとルイは独りになるの?」
自分事のように彼らのことを気にかけるヨナにギガンは視線を空からヨナに移してフッと微笑した。
「お前が連れてってくれるかい?」
「ルイはどうしたいの?」
ギガンのお願いにヨナはルイを見上げた。その声にルイは伏せていた瞳をヨナに向けて小さく微笑んだ。
「僕は旅に出ようかな…
まだまだ知らない土地を巡ってみるのもいいかもしれないからね」
「一緒に来ない??」
ヨナの誘いに対してルイは小さく首を横に振った。
「僕を思って誘ってくれてありがと
でも、遠慮しておくよ」
そう言うとルイは二人に踵を返してしまうのだった。そんなルイを見てギガンはヤレヤレと肩をすくめてしまった。
「たく、素直じゃないね」
「……断られちゃった」
ルイの返答に対してヨナはしょんぼりとして俯いてしまった。純粋に彼にも旅に同行してくれれば嬉しいなと密かに思っていたのだ。だが、こうもあっさりと断られると思わなかったのだ。そんなヨナを案ずるようにギガンは彼女の肩に手を置いた。
「気にすんじゃないよ
アイツの本心じゃないかもしれないしね」
「本心じゃない??」
「自分の気持ちを蔑ろにして
いっちょ前に遠慮をするからね」
ギガンはそう嘆くと夜空に目を落とした。ルイの性格を知っているからこそギガンは見抜いたのだ。嬉しいと思ったルイの本心を。
「もう1人はどうだい?」
「…連れていきたいけど私と行くのは嫌だって」
「あいつはまだ親離れ出来ないのかね」
「心外だなぁ、船長」
背後から聞こえるジェハの声にギガンとヨナは驚きながら頭上を振りかえる。するとそこには甲板の手すりに腰掛けるジェハがいた。
「僕は本来一人が好きなんだよ。
海賊がなくなったって気ままにやっていくさ。
それこそ異形の龍達とつるんで何になるんだい。
ヨナちゃんと2人旅なら考えるけど。あ、でも…」
彼は手すりから腰を上げるとヨナ達の目の前にふわりと降りた。
「子守りはしんどいからもう少し大人の女性になったらね」
「ジェハは意地悪ね!ハクみたい」
品定めするようにニヤリと口角を上げてヨナを見るジェハにヨナは頬を膨らませると踵を返してしまった。そのヨナが残していったセリフにジェハはハクのことを思い浮かべた。
「ほ〜、それはオモシロイ」
「珍しいね
ルイ以外の女には砂吐くよーな台詞しか言わないのに…
気になってんのかい、あの娘」
ギカンはヨナの背後を見つめながらジェハに投げかける。それに対してジェハは低い声で否定する。
「ご冗談を…」
「で?ルイは1人で旅に出ると言ってるがどうする気だい?」
ジッとジェハを見ていたギカンはもう一人気がかりにしている娘の名前を上げる。その言葉にジェハはあっけからんに答えるのだった。
「もちろん、連れて行くさ」
「だったらちゃんと捕まえとくんだね
そうしないと風のようにすり抜けていくよ」
「そんなこと言われなくてもわかってるさ…」
ギガンの鋭い言葉はジェハの心に突き刺さる。ギガンの言葉は的を射ていたからだ。ジェハは夜風に髪を靡かせながら自分に言い聞かせるように口に出すのだった。
一方ズンズンと歩いていたヨナは海を見つめるシンアの姿に不審に思って声をかけた。
「シンア、どうしたの?」
「船が…船が港に集まってきている。」
「何隻だい?」
「…7」
「7隻!!?」
「武器を持った人が乗ってる。」
衝撃的なシアンからの事実にギガンは顔を顰めた。普段の薬の取引とは違う大掛かりな悪徳商業を行おうとしているのは明白だった。ギカンはすぐに全員を集めるようにジェハに指示を出す。その言葉にジェハは小さく頷くと船内へ駆け出すのだった。