1年生
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「へいへーい!!
なにやってんの??黒尾」
スマホを眺めていた黒尾の真後ろからひょっこりととある青年が顔を出す。ミミズクの羽角のような灰色の髪型をし異常にテンションが高い彼の名は木兎光太郎。梟谷学園の1年生のWSであり、合同合宿でひょんな事をキッカケに仲良くなった人物だった。
突然の木兎の登場に、黒尾はビクッと体が震えた。今眺めているものを面倒くさそうな奴に見せたくなく黒尾は急いでしまおうとするのだが、その前に木兎が黒尾の了承を得ずままスマホに映る画面を覗き込むのだった。
「えっ、えぇ!!
なにこれ女の子と2ショット!?
ってか、その子めちゃ可愛いじゃん
誰だよ!!!」
案の定、騒ぎ出す木兎。最もバレたくない相手にこの画像を見られ、予想通りの反応を示した木兎に黒尾はげんなりとした表情を浮かべた。
「うっせ!!お前には関係ねぇーだろ」
「なに言ってんだよ!!関係ありまくりだろ!!」
「はぁ??」
「だって俺、すげぇー気になるし!!」
「……」
「このままだと俺、気になりすぎて練習集中できねー」
意味わからんとポカンとする黒尾に、木兎は矢継ぎ早に言葉を吐き出した。そして最後の言葉を最後にドヨーンとしょぼくれてしまう。
木兎という人物は、スパイカーとしての力が突出しており1年ながらエースとして活躍している。だが、彼は残念なことに気分の上げ下げが激しいのだ。調子が良いときは良いのだが、気分が少しでも落ち込む自体が発生すると普段の木兎とは思えないくらいテンションが低くなってしまうのだ。
合同合宿の自主練で声を掛けられて以来、木兎と関わるようになった黒尾は木兎の厄介な性格を重々思い知っていた。だからこそ、このタイミングで木兎の面倒くさい性格が発令するのかと黒尾はぎょっと眼を見開くのだった。
「なぁなぁ!!黒尾〜!!
紹介してくれよ〜」
絶対言うものかとだんまりを決め込む黒尾に対して、木兎は彼の肩を掴むと思い切り揺らして頼み込む。
「絶対、オメーには会わせねぇ!!」
「えぇ〜なんでだよ〜!!
いいじゃねーか」
一回こうなったら止まらない木兎の対応に、どーするもんかと揺らされながら思考を巡らす黒尾。そんな二人を偶然見かけたのは、たまたまその場を通りかかった夜久と海だった。
「相変わらず仲いいなぁ」
「なにやってんだよ、お前ら」
ニコニコと微笑ましげに見る海に対して、夜久はこの光景に顔を顰めた。
「おぉ!!丁度いい!!」
夜久と海の登場に、未だに黒尾を揺らしていた木兎の動きが止まる。ピタッと手を止め、木兎は目を輝かせ近づいてくる二人を見た。
「何が丁度いいんだ??」
「実はさ〜」
「おっ、おい!!ちょっと待て!!」
口を一向に開く兆しを見せない黒尾から木兎は事情を知ってるであろう黒尾のチームメイトに矛先を向けた。当然、その自体に黒尾は上ずった声を上げて慌てだす。だが、黒尾の静止を木兎が聞くわけがなく夜久と海に誰なんだあの可愛い子は!!と持ち前のテンションの高さで疑問をぶつけるのだった。
最初は木兎の勢いに若干引き気味になりながら耳を傾けていた夜久と海。だが、木兎の口から発せられる黒尾の謎の可愛い女の子と二人がよく知る女の子が二人の脳裏で結びついたことでようやく二人はあぁ…と口に漏らすのだった。
「それって、香坂だろ」
「あぁ、間違いなく香坂だな」
夜久と海は互いに確認せずともこの結論に至った。二人の口から出てきた一人の人物の存在に木兎はもちろん喰い付いた。それを傍らで聞いていた黒尾は頭を抱えて天井を見上げた。
「なぁなぁその香坂って人、黒尾のなに??」
「なにって…」
「それ俺らが聞きてぇことなんだけど」
「でも少なからず二人で海行くっことは特定の仲ってことだよな」
素朴な木兎の疑問に、二人は苦笑いを浮かべていたのだが次の木兎の言葉に二人は相反する表情を浮かべた。
「あぁ、それは……」
「おい待て…香坂と海行ったのか、クロ」
テスト勉強のお返しで海に行ったのかと合点が行く海、そんな彼に対して夜久は思いっきり怪訝な表情を浮かべて黒尾を今にも殺しそうな勢いで睨みつけた。
「え…ま、まぁ…」
「ふーん」
「な…なんすか、夜久パイセン」
「海ね…
これで他意がないとは見えねーな」
夜久の雰囲気の変貌にたまらず顔を引き攣らせる黒尾に対して夜久はさらに眼光を光らせた。
「海行きたいって行ったのは香坂の方だぞ
別に俺が企てたわけではないんだが」
「へぇー、まぁそういうことにしといてやるよ」
これ以上追求をやめると夜久は、やれやれと肩をすくめながらおもむろに片手を広げて黒尾に伸ばした。その行為に対してなんだと身構える黒尾に夜久は不敵な笑みを浮かべた。
「木兎に見られた写真見せろよ、クロ」
「は…はぁ!?なんで見せねーといけねーの」
「俺も見たいな、クロ」
「海まで何言い出すんだ」
サッサと渡せと云わんばかりに伸ばした手を動かす夜久に、もちろん黒尾は動転する。だが、夜久の意見に賛同するように海も声を上げた。
「俺もさっき一瞬しか見てねーからもう一度見て〜」
便乗するように木兎が身を乗り出す。
「お前はもういいだろ!!」
「えぇ〜、黒尾は俺だけ除け者にする気かよ」
「別にいいだろ」
「俺は良くない」
これは完全に見せるまで引かないなと、彼ら3人の様子に黒尾は大きくため息をついた。
「はぁ…少しだけだぞ」
遂に黒尾が折れると持っていたスマホを操作。だが、いてもたってもいられない木兎が強引に奪い取った。そしてすぐに確認し終えたのか木兎は夜久にスマホを渡すのだった。渡された夜久は海と共に写真を確認していく。
互いに撮りまくったのか、海辺ではしゃぐ姿が沢山残されていた。そして、ビーチボールで楽しむ様子や海の家で食事をとる姿等、満喫している彼らがいた。
そしてふと夜久がスクロールする手を止める。
その画面に映るのはほっこりするような写真だったからだ。
青く澄み切った海をバッグにして、楽しげな表情を浮かべる雫と黒尾の2ショット写真。これが木兎が騒いだ元凶かと気づいた夜久と海は小さくため息をついた。
そして、もう満足したのかサッサと黒尾を巻き込み再びスパイク練習を始める木兎を横目で見る。
「まぁ、こりゃあしゃあないな」
「こんなに幸せそうな写真を見たら木兎も黙っていられないだろ」
悪態をつく彼らの頬は自然と緩んでいた。
なにやってんの??黒尾」
スマホを眺めていた黒尾の真後ろからひょっこりととある青年が顔を出す。ミミズクの羽角のような灰色の髪型をし異常にテンションが高い彼の名は木兎光太郎。梟谷学園の1年生のWSであり、合同合宿でひょんな事をキッカケに仲良くなった人物だった。
突然の木兎の登場に、黒尾はビクッと体が震えた。今眺めているものを面倒くさそうな奴に見せたくなく黒尾は急いでしまおうとするのだが、その前に木兎が黒尾の了承を得ずままスマホに映る画面を覗き込むのだった。
「えっ、えぇ!!
なにこれ女の子と2ショット!?
ってか、その子めちゃ可愛いじゃん
誰だよ!!!」
案の定、騒ぎ出す木兎。最もバレたくない相手にこの画像を見られ、予想通りの反応を示した木兎に黒尾はげんなりとした表情を浮かべた。
「うっせ!!お前には関係ねぇーだろ」
「なに言ってんだよ!!関係ありまくりだろ!!」
「はぁ??」
「だって俺、すげぇー気になるし!!」
「……」
「このままだと俺、気になりすぎて練習集中できねー」
意味わからんとポカンとする黒尾に、木兎は矢継ぎ早に言葉を吐き出した。そして最後の言葉を最後にドヨーンとしょぼくれてしまう。
木兎という人物は、スパイカーとしての力が突出しており1年ながらエースとして活躍している。だが、彼は残念なことに気分の上げ下げが激しいのだ。調子が良いときは良いのだが、気分が少しでも落ち込む自体が発生すると普段の木兎とは思えないくらいテンションが低くなってしまうのだ。
合同合宿の自主練で声を掛けられて以来、木兎と関わるようになった黒尾は木兎の厄介な性格を重々思い知っていた。だからこそ、このタイミングで木兎の面倒くさい性格が発令するのかと黒尾はぎょっと眼を見開くのだった。
「なぁなぁ!!黒尾〜!!
紹介してくれよ〜」
絶対言うものかとだんまりを決め込む黒尾に対して、木兎は彼の肩を掴むと思い切り揺らして頼み込む。
「絶対、オメーには会わせねぇ!!」
「えぇ〜なんでだよ〜!!
いいじゃねーか」
一回こうなったら止まらない木兎の対応に、どーするもんかと揺らされながら思考を巡らす黒尾。そんな二人を偶然見かけたのは、たまたまその場を通りかかった夜久と海だった。
「相変わらず仲いいなぁ」
「なにやってんだよ、お前ら」
ニコニコと微笑ましげに見る海に対して、夜久はこの光景に顔を顰めた。
「おぉ!!丁度いい!!」
夜久と海の登場に、未だに黒尾を揺らしていた木兎の動きが止まる。ピタッと手を止め、木兎は目を輝かせ近づいてくる二人を見た。
「何が丁度いいんだ??」
「実はさ〜」
「おっ、おい!!ちょっと待て!!」
口を一向に開く兆しを見せない黒尾から木兎は事情を知ってるであろう黒尾のチームメイトに矛先を向けた。当然、その自体に黒尾は上ずった声を上げて慌てだす。だが、黒尾の静止を木兎が聞くわけがなく夜久と海に誰なんだあの可愛い子は!!と持ち前のテンションの高さで疑問をぶつけるのだった。
最初は木兎の勢いに若干引き気味になりながら耳を傾けていた夜久と海。だが、木兎の口から発せられる黒尾の謎の可愛い女の子と二人がよく知る女の子が二人の脳裏で結びついたことでようやく二人はあぁ…と口に漏らすのだった。
「それって、香坂だろ」
「あぁ、間違いなく香坂だな」
夜久と海は互いに確認せずともこの結論に至った。二人の口から出てきた一人の人物の存在に木兎はもちろん喰い付いた。それを傍らで聞いていた黒尾は頭を抱えて天井を見上げた。
「なぁなぁその香坂って人、黒尾のなに??」
「なにって…」
「それ俺らが聞きてぇことなんだけど」
「でも少なからず二人で海行くっことは特定の仲ってことだよな」
素朴な木兎の疑問に、二人は苦笑いを浮かべていたのだが次の木兎の言葉に二人は相反する表情を浮かべた。
「あぁ、それは……」
「おい待て…香坂と海行ったのか、クロ」
テスト勉強のお返しで海に行ったのかと合点が行く海、そんな彼に対して夜久は思いっきり怪訝な表情を浮かべて黒尾を今にも殺しそうな勢いで睨みつけた。
「え…ま、まぁ…」
「ふーん」
「な…なんすか、夜久パイセン」
「海ね…
これで他意がないとは見えねーな」
夜久の雰囲気の変貌にたまらず顔を引き攣らせる黒尾に対して夜久はさらに眼光を光らせた。
「海行きたいって行ったのは香坂の方だぞ
別に俺が企てたわけではないんだが」
「へぇー、まぁそういうことにしといてやるよ」
これ以上追求をやめると夜久は、やれやれと肩をすくめながらおもむろに片手を広げて黒尾に伸ばした。その行為に対してなんだと身構える黒尾に夜久は不敵な笑みを浮かべた。
「木兎に見られた写真見せろよ、クロ」
「は…はぁ!?なんで見せねーといけねーの」
「俺も見たいな、クロ」
「海まで何言い出すんだ」
サッサと渡せと云わんばかりに伸ばした手を動かす夜久に、もちろん黒尾は動転する。だが、夜久の意見に賛同するように海も声を上げた。
「俺もさっき一瞬しか見てねーからもう一度見て〜」
便乗するように木兎が身を乗り出す。
「お前はもういいだろ!!」
「えぇ〜、黒尾は俺だけ除け者にする気かよ」
「別にいいだろ」
「俺は良くない」
これは完全に見せるまで引かないなと、彼ら3人の様子に黒尾は大きくため息をついた。
「はぁ…少しだけだぞ」
遂に黒尾が折れると持っていたスマホを操作。だが、いてもたってもいられない木兎が強引に奪い取った。そしてすぐに確認し終えたのか木兎は夜久にスマホを渡すのだった。渡された夜久は海と共に写真を確認していく。
互いに撮りまくったのか、海辺ではしゃぐ姿が沢山残されていた。そして、ビーチボールで楽しむ様子や海の家で食事をとる姿等、満喫している彼らがいた。
そしてふと夜久がスクロールする手を止める。
その画面に映るのはほっこりするような写真だったからだ。
青く澄み切った海をバッグにして、楽しげな表情を浮かべる雫と黒尾の2ショット写真。これが木兎が騒いだ元凶かと気づいた夜久と海は小さくため息をついた。
そして、もう満足したのかサッサと黒尾を巻き込み再びスパイク練習を始める木兎を横目で見る。
「まぁ、こりゃあしゃあないな」
「こんなに幸せそうな写真を見たら木兎も黙っていられないだろ」
悪態をつく彼らの頬は自然と緩んでいた。