虚ろの影
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とある日の屋上…
いつものように屋上にあるダクトの上で寝そべる博臣を探しにある人物が上がってくる。目的の人物を見つけた秋人は、その近くにいた人物に驚きながらも彼らの名前を呼んだ。
「博臣と志帆!?」
「呼び捨てをするなよ、先輩を。」
「久しぶり、秋人」
やんわりと微笑む志帆を横目にのそりと起き上がった博臣に秋人は畳み掛けるように口を開く。
「お前、この間学校に檻貼り忘れてただろ。そのせいで掃除屋呼ぶはめになったんだぞ。」
この間、秋人は未来と好戦していた時に妖夢が現れたのだ。普段なら檻により近づくことができないはずの妖夢が。
それは偶然駆けつけた異界士兼ここの先生である雫により退治はされたのだがこの時に窓ガラスが割れたりと結構な損害がでて修復のために掃除屋を呼ばざる負えなかったのだ。
「いつも檻を貼っていると約束した覚えはない。学校を守る義務もないし。」
さらりと言い捨てる博臣。
そんな彼に緊張な面付きの秋人が口を開く。
「ちょっと聞きたいことがある。」
「なるほど。そうでもなければアッキーが俺を訪ねてくる理由がない。」
「なぜ会いたくないか理由を教えてやろうか。」
秋人、博臣を見ながら片眉をピクピクと動かす。
「異界士と妖夢を相反するものだからだろ?」
「お前が僕にアイドル崩れの変なニックネームをつけるからだ!!」
「アッキーはわんぱくだな。いつでも元気に突っ込んでくる。」
「会話を始めて30秒で後悔している僕にあやまれ!!!」
「で、何が聞きたい?」
さらりと本題に戻る博臣に秋人は眉を顰める。そして咳払いすると口を開く。
「んんっ。昨日、やたら攻撃的な妖夢に出会った。原因に心当たりはないか?」
秋人が気になったのは、昨日未来の家に居ると言われて一緒に退治した妖夢。だが、それは珍しく攻撃的な妖夢で苦戦されたのだ。
何か原因があるのではと秋人が切り込む。
「また余計なことに首を突っ込んでいるのか?」
小さくため息を吐きながら博臣はダクトから立ち上がり両手をズボンのポッケに突っ込むと秋人に近づくとゆっくり背後に回り込んだ。
「だとしたら?」
「俺はアッキーに手を出さない。その代わりアッキーは誰にも加担しない。」
「そういう約束だったな。」
「約束じゃない。協定だ…休戦の。」
「なぁ、博臣。」
「どうした?アッキー。」
秋人は急に両脇にきた違和感に寒気を覚えながら切り出す。
「その手はなんだ?」
「いや、手先が冷えるのでな。やはりアッキーの脇は格別だなー。」
背後に回った博臣が取った行動。
それは己の両手を温めるために秋人の両脇に手を突っ込んでいたのだ。
「って、やめい!」
慌てて秋人は嫌そうに離れる。
そして、こそばゆかったのか両脇をくねくねと身体を捻ってさすった。
「男が男の脇に手を差し込んだぐらいで驚くなよ。」
「驚くわ!」
「俺はアッキーの脇の清潔さとぬくもりだけは認めているんだぞ?」
「そんなもん、認めてられても嬉しくないわ。つか、本題に戻れ!」
「ん?女性に冷え症が多い理由だったか?」
「ちょっとだけ興味があるけど、全然違う。妖夢の件だ。」
「なぜ知りたい?」
急に真剣味を帯びた博臣の声に秋人はハッとしする。
「美月に頼まれたのか?」
「…いや、僕の判断だ。」
気まずそうに口を開く秋人を放置し、博臣は屋上に続く階段に歩み寄る。
「だったら、なお話す義理はない。」
一言言い捨てるよ秋人に背を向け階段を降りていく。
「つまり、原因を知ってるってことか。」
秋人の追求に博臣は答えることなく手をヒラヒラとさせるだけだった。
「相変わらずだね…お二人さんは」
今まで二人の会話を面白そうに見ていた志帆がようやく口を開く。
「なぁ!!志帆は知ってんじゃないのか!?」
秋人の言葉に志帆は困った表情を浮かべた。
「うーーん…
確かに検討はついてるけどね…」
「じゃ…じゃあ!!」
ようやく訳が聞けると思った秋人。
だが、志帆の言葉は彼の予想と真反対だった。
「教えるわけないでしょ?」
「な……なんで!?!?」
「危険だからよ」
真剣な眼差しを向ける志帆に秋人は口をつぐんだ。
「どうして教えてくれないかって………
そんなの決まってるでしょ
アンタのためよ」
「俺のため??」
「そう。
博臣も私も、秋人から危険を遠ざけたいから話したくないの」
呆気にとられる秋人。
そんな彼を志帆は放っておきながら階段へ。
そして階段前で一瞬足を止め志帆は顔だけを秋人に向ける。
「余計な詮索をせずに大人しくしてなさい」
冷たい青色の双眼に射抜かれた秋人は身体が膠着する。その反応を見た志帆は柔らかく微笑むとその場を後にするのだった。
いつものように屋上にあるダクトの上で寝そべる博臣を探しにある人物が上がってくる。目的の人物を見つけた秋人は、その近くにいた人物に驚きながらも彼らの名前を呼んだ。
「博臣と志帆!?」
「呼び捨てをするなよ、先輩を。」
「久しぶり、秋人」
やんわりと微笑む志帆を横目にのそりと起き上がった博臣に秋人は畳み掛けるように口を開く。
「お前、この間学校に檻貼り忘れてただろ。そのせいで掃除屋呼ぶはめになったんだぞ。」
この間、秋人は未来と好戦していた時に妖夢が現れたのだ。普段なら檻により近づくことができないはずの妖夢が。
それは偶然駆けつけた異界士兼ここの先生である雫により退治はされたのだがこの時に窓ガラスが割れたりと結構な損害がでて修復のために掃除屋を呼ばざる負えなかったのだ。
「いつも檻を貼っていると約束した覚えはない。学校を守る義務もないし。」
さらりと言い捨てる博臣。
そんな彼に緊張な面付きの秋人が口を開く。
「ちょっと聞きたいことがある。」
「なるほど。そうでもなければアッキーが俺を訪ねてくる理由がない。」
「なぜ会いたくないか理由を教えてやろうか。」
秋人、博臣を見ながら片眉をピクピクと動かす。
「異界士と妖夢を相反するものだからだろ?」
「お前が僕にアイドル崩れの変なニックネームをつけるからだ!!」
「アッキーはわんぱくだな。いつでも元気に突っ込んでくる。」
「会話を始めて30秒で後悔している僕にあやまれ!!!」
「で、何が聞きたい?」
さらりと本題に戻る博臣に秋人は眉を顰める。そして咳払いすると口を開く。
「んんっ。昨日、やたら攻撃的な妖夢に出会った。原因に心当たりはないか?」
秋人が気になったのは、昨日未来の家に居ると言われて一緒に退治した妖夢。だが、それは珍しく攻撃的な妖夢で苦戦されたのだ。
何か原因があるのではと秋人が切り込む。
「また余計なことに首を突っ込んでいるのか?」
小さくため息を吐きながら博臣はダクトから立ち上がり両手をズボンのポッケに突っ込むと秋人に近づくとゆっくり背後に回り込んだ。
「だとしたら?」
「俺はアッキーに手を出さない。その代わりアッキーは誰にも加担しない。」
「そういう約束だったな。」
「約束じゃない。協定だ…休戦の。」
「なぁ、博臣。」
「どうした?アッキー。」
秋人は急に両脇にきた違和感に寒気を覚えながら切り出す。
「その手はなんだ?」
「いや、手先が冷えるのでな。やはりアッキーの脇は格別だなー。」
背後に回った博臣が取った行動。
それは己の両手を温めるために秋人の両脇に手を突っ込んでいたのだ。
「って、やめい!」
慌てて秋人は嫌そうに離れる。
そして、こそばゆかったのか両脇をくねくねと身体を捻ってさすった。
「男が男の脇に手を差し込んだぐらいで驚くなよ。」
「驚くわ!」
「俺はアッキーの脇の清潔さとぬくもりだけは認めているんだぞ?」
「そんなもん、認めてられても嬉しくないわ。つか、本題に戻れ!」
「ん?女性に冷え症が多い理由だったか?」
「ちょっとだけ興味があるけど、全然違う。妖夢の件だ。」
「なぜ知りたい?」
急に真剣味を帯びた博臣の声に秋人はハッとしする。
「美月に頼まれたのか?」
「…いや、僕の判断だ。」
気まずそうに口を開く秋人を放置し、博臣は屋上に続く階段に歩み寄る。
「だったら、なお話す義理はない。」
一言言い捨てるよ秋人に背を向け階段を降りていく。
「つまり、原因を知ってるってことか。」
秋人の追求に博臣は答えることなく手をヒラヒラとさせるだけだった。
「相変わらずだね…お二人さんは」
今まで二人の会話を面白そうに見ていた志帆がようやく口を開く。
「なぁ!!志帆は知ってんじゃないのか!?」
秋人の言葉に志帆は困った表情を浮かべた。
「うーーん…
確かに検討はついてるけどね…」
「じゃ…じゃあ!!」
ようやく訳が聞けると思った秋人。
だが、志帆の言葉は彼の予想と真反対だった。
「教えるわけないでしょ?」
「な……なんで!?!?」
「危険だからよ」
真剣な眼差しを向ける志帆に秋人は口をつぐんだ。
「どうして教えてくれないかって………
そんなの決まってるでしょ
アンタのためよ」
「俺のため??」
「そう。
博臣も私も、秋人から危険を遠ざけたいから話したくないの」
呆気にとられる秋人。
そんな彼を志帆は放っておきながら階段へ。
そして階段前で一瞬足を止め志帆は顔だけを秋人に向ける。
「余計な詮索をせずに大人しくしてなさい」
冷たい青色の双眼に射抜かれた秋人は身体が膠着する。その反応を見た志帆は柔らかく微笑むとその場を後にするのだった。