新たな脅威
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
異体の知れないものに異界士が襲撃される事件が生じてから暫く。日に日に、その件数は増えていっていた。この事態に頭を悩ましていた頃、一本の連絡が入った。その連絡を聞いた博臣は志帆を誘って車に乗り込んだ。運転席に乗り込んだ博臣は助手席に志帆が乗ったのを確認すると車を発進させる。一本の長いまっすぐの道、トンネルを抜けた先までついた博臣はポツリと声を漏らす。
「ん?そこか。」
運転していた博臣が前方に目を凝らす。
そして、彼はゆっくりとブレーキを踏んでいきある人物の立っている場所に停車させるのだった。
「またか?」
運転席側の窓を開けた博臣は視線を前に見据えたまま尋ねる。
「えー、異界士が何人かやられたそうよ。」
博臣の問いに立っていた雫が答える。
「まだ近いか?」
そう言いながらバタンと車の扉を閉め外に出る博臣。追うように、志帆も車の外に出た。車内から外にでた志帆は吹きつける風に靡く銀色の髪を咄嗟に手で押さえながら前を見据えた。
風に乗って漂う重たい空気がビシビシと伝わってくる。その不穏な空気に3人は警戒心を強め、目線を鋭くした。
何かがいる……そんな気配がしたのだ
「どうやら、探す手間が省けたみたいね。狙われているみたい…」
雫は稼働を確認するように右足を上げて下ろし
志帆は左手に橙色の光を……
博臣は右手から青黒い光を……
バチッと一瞬手元で稲妻のように光らせ、
いつでも戦闘に入れるように3人は厳戒体勢に入る。
「私達!!!!」
雫が右足を上げ勢いよく地面を踏む。
衝撃波が地面に広がり、潜んでいた沢山の黒い物体が墨汁のように飛び出てくる。
滴状の黒い液体は徐々に宙で集まりだす。そしてそれは津波のように3人に向けて濁流のように押し寄せてきた。
一斉に飛び上がった3人。
だが、黒い液体は勢いよく迫ってきた。
博臣は冷静に檻を自分の前に張り
志帆が鉄扇で風を起こし
雫がその集まった塊を宙に浮いた状態から拳で叩きつける。
その衝撃は土埃を巻き上げ地面に大きな跡を残す。
「二人共…後ろ…」
何か見つけたのかか細く鋭い声を志帆が発する。その声に二人は後ろを振り向いた。そこには奥からこちらに向かってくる黒い人状の者が8体いた。
「で、結局これは妖夢なの?傀儡な。」
雫が訝しげに尋ねる。それに申し訳無さそうに志帆が嘆くように呟いた。
「まだ不明です…」
「なるほどねー。
じゃあ、倒したら彩華に高く買ってもらわないと!」
その言葉に雫はニヤリと好戦的に口角を上げた。そして我先にと先陣を切るように雫は一目散に飛び出すのだった。
「相変わらずお金に関してはがめついですよね、ニノさん」
「全くだな」
目の色を変えた雫の姿に志帆と博臣は苦笑いを浮かべた。そんな彼らの視界の先では雫が黒状のものの懐に入ると胸ぐらを蹴り、回転蹴りで頭天を蹴り落とす。その雫に続けと、二人も飛び出す。
博臣はマフラーを取り外し、一体を切り落とす。
続けざまに志帆も鉄扇で鋭い風を起こして複数の黒状のものを切断。
だが、驚くべき光景が目の前に広がっていて二人は驚きの声を漏らした。
「なっ!空間ごと切り裂いていると言うのに!」
「…再生してる!?」
切り裂かれたにも関わらず黒い物は滴状になり集まり人型に再生したのだ
だが、それに呆気にとられている場合じゃないと直様次の一手に出る。
間髪入れず、一斉に飛びかかってくるものを雫が手を地面にかざしその場にだけ衝撃波を加える。
その衝撃で宙に浮き上がったそれらを博臣と志帆は両手に能力を展開させ、橙色の鎖と青色の檻を出現させる。
周囲に大きい檻。
そして、それらを凝縮させるように鎖と檻が張られる。
博臣は収縮させようと片手に意識を集中する。
志帆も鎖で締め付けを強めるため全集中を注ぐ。
拒もうとする力に対抗する二人は眉間にシワが寄せ、歯を食いしばる。
そして、二人がグッ!!と拳を握って捻る動作をすることで同時に檻と鎖がさらに収斂し、ついに弾けた。弾けたことで橙色と青色の星屑が空間に散らばる中、黒い物体は綺麗に消しされたと思われた。しかし、ある一点の先を見て雫は唇を噛み締めた。
「ッ…全部は無理だったわね。」
一つ…小さい黒状のものが逃げるように地面を這って消え去っていったのだ。だが、もうそれらを追うすべはない。一先ず戦闘を終えた3人は上がった息を整えようと肩で息をして呼吸を整えた。
「これで先週で5件目。妖夢でも傀儡でもなさそうだけど。だったら、いったい何だって言うの?」
一難去ったものの3人の疑惑は軽減されるどころか深まるばかり。
雫も流石にこれは一体何なのだと訝しげに声を漏らした。
その中、博臣は何か感じ取ったのか柳緑色の瞳を鋭くさせ遠くを見据えた。だが、それも一瞬。博臣は感じた不穏な空気の元へと駆け出した。その突発的な行動に思わず雫が声を上げる。
「ちょっ、ちょっと!」
「俺は、後を追う。
志帆は名瀬に連絡を頼む。」
駆けだした博臣は首だけ後ろに振り向け、指示を出すと車のキーを志帆へ投げた。それを片手でキャッチした志帆は、暫し掌にある車のキーを見つめた。だが、それも一瞬。志帆は珍しく博臣の指示に背いた。
「私も行きます!!
ニノさん、私の代わりにお願いします!!」
後悔するよりも先に志帆は行動に出た。志帆は博臣の背に言葉をかけると、呆ける雫に車のキーを預ける。そして頭を下げた志帆は博臣の背を追い、走り出した。
「無茶すんじゃないわよ…」
小さくなっていく二人の背に心配そうに雫が言葉を投げかけた。その声は当然彼らの耳に届くことなく風にかき消されるのだった。
「ん?そこか。」
運転していた博臣が前方に目を凝らす。
そして、彼はゆっくりとブレーキを踏んでいきある人物の立っている場所に停車させるのだった。
「またか?」
運転席側の窓を開けた博臣は視線を前に見据えたまま尋ねる。
「えー、異界士が何人かやられたそうよ。」
博臣の問いに立っていた雫が答える。
「まだ近いか?」
そう言いながらバタンと車の扉を閉め外に出る博臣。追うように、志帆も車の外に出た。車内から外にでた志帆は吹きつける風に靡く銀色の髪を咄嗟に手で押さえながら前を見据えた。
風に乗って漂う重たい空気がビシビシと伝わってくる。その不穏な空気に3人は警戒心を強め、目線を鋭くした。
何かがいる……そんな気配がしたのだ
「どうやら、探す手間が省けたみたいね。狙われているみたい…」
雫は稼働を確認するように右足を上げて下ろし
志帆は左手に橙色の光を……
博臣は右手から青黒い光を……
バチッと一瞬手元で稲妻のように光らせ、
いつでも戦闘に入れるように3人は厳戒体勢に入る。
「私達!!!!」
雫が右足を上げ勢いよく地面を踏む。
衝撃波が地面に広がり、潜んでいた沢山の黒い物体が墨汁のように飛び出てくる。
滴状の黒い液体は徐々に宙で集まりだす。そしてそれは津波のように3人に向けて濁流のように押し寄せてきた。
一斉に飛び上がった3人。
だが、黒い液体は勢いよく迫ってきた。
博臣は冷静に檻を自分の前に張り
志帆が鉄扇で風を起こし
雫がその集まった塊を宙に浮いた状態から拳で叩きつける。
その衝撃は土埃を巻き上げ地面に大きな跡を残す。
「二人共…後ろ…」
何か見つけたのかか細く鋭い声を志帆が発する。その声に二人は後ろを振り向いた。そこには奥からこちらに向かってくる黒い人状の者が8体いた。
「で、結局これは妖夢なの?傀儡な。」
雫が訝しげに尋ねる。それに申し訳無さそうに志帆が嘆くように呟いた。
「まだ不明です…」
「なるほどねー。
じゃあ、倒したら彩華に高く買ってもらわないと!」
その言葉に雫はニヤリと好戦的に口角を上げた。そして我先にと先陣を切るように雫は一目散に飛び出すのだった。
「相変わらずお金に関してはがめついですよね、ニノさん」
「全くだな」
目の色を変えた雫の姿に志帆と博臣は苦笑いを浮かべた。そんな彼らの視界の先では雫が黒状のものの懐に入ると胸ぐらを蹴り、回転蹴りで頭天を蹴り落とす。その雫に続けと、二人も飛び出す。
博臣はマフラーを取り外し、一体を切り落とす。
続けざまに志帆も鉄扇で鋭い風を起こして複数の黒状のものを切断。
だが、驚くべき光景が目の前に広がっていて二人は驚きの声を漏らした。
「なっ!空間ごと切り裂いていると言うのに!」
「…再生してる!?」
切り裂かれたにも関わらず黒い物は滴状になり集まり人型に再生したのだ
だが、それに呆気にとられている場合じゃないと直様次の一手に出る。
間髪入れず、一斉に飛びかかってくるものを雫が手を地面にかざしその場にだけ衝撃波を加える。
その衝撃で宙に浮き上がったそれらを博臣と志帆は両手に能力を展開させ、橙色の鎖と青色の檻を出現させる。
周囲に大きい檻。
そして、それらを凝縮させるように鎖と檻が張られる。
博臣は収縮させようと片手に意識を集中する。
志帆も鎖で締め付けを強めるため全集中を注ぐ。
拒もうとする力に対抗する二人は眉間にシワが寄せ、歯を食いしばる。
そして、二人がグッ!!と拳を握って捻る動作をすることで同時に檻と鎖がさらに収斂し、ついに弾けた。弾けたことで橙色と青色の星屑が空間に散らばる中、黒い物体は綺麗に消しされたと思われた。しかし、ある一点の先を見て雫は唇を噛み締めた。
「ッ…全部は無理だったわね。」
一つ…小さい黒状のものが逃げるように地面を這って消え去っていったのだ。だが、もうそれらを追うすべはない。一先ず戦闘を終えた3人は上がった息を整えようと肩で息をして呼吸を整えた。
「これで先週で5件目。妖夢でも傀儡でもなさそうだけど。だったら、いったい何だって言うの?」
一難去ったものの3人の疑惑は軽減されるどころか深まるばかり。
雫も流石にこれは一体何なのだと訝しげに声を漏らした。
その中、博臣は何か感じ取ったのか柳緑色の瞳を鋭くさせ遠くを見据えた。だが、それも一瞬。博臣は感じた不穏な空気の元へと駆け出した。その突発的な行動に思わず雫が声を上げる。
「ちょっ、ちょっと!」
「俺は、後を追う。
志帆は名瀬に連絡を頼む。」
駆けだした博臣は首だけ後ろに振り向け、指示を出すと車のキーを志帆へ投げた。それを片手でキャッチした志帆は、暫し掌にある車のキーを見つめた。だが、それも一瞬。志帆は珍しく博臣の指示に背いた。
「私も行きます!!
ニノさん、私の代わりにお願いします!!」
後悔するよりも先に志帆は行動に出た。志帆は博臣の背に言葉をかけると、呆ける雫に車のキーを預ける。そして頭を下げた志帆は博臣の背を追い、走り出した。
「無茶すんじゃないわよ…」
小さくなっていく二人の背に心配そうに雫が言葉を投げかけた。その声は当然彼らの耳に届くことなく風にかき消されるのだった。