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境界の彼方

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とある学校の屋上

空が夕焼け色の時間帯に二人の生徒がいた。

一人は今にも自殺しそうな勢いでフェンスを超えて建物の縁に立つ少女。もう一人は、ふとその場を訪れてそれを阻止しようとしている少年だった。

「あ…あの!!!」

振り返らない少女にその青年は懸命に訴えかけた。

「とにかく貴方のように眼鏡が似合う人が死んではいけない!
要するに…メガネが大好きです!!!」


「不愉快です」

だが、その少年の言葉を一言で少女は表すと立っているその場から一気に後ろに飛び上がる。そしてフェンスを越えると、キレイに反転し転がって着地。残りのスピードを足で上手く制御すると少年の前に。その少女の手には真紅の剣のような物が握られていた。

グサッ

かすかに震えるその手で少女は目の前の少年の胸部に突きつけた。

「うわっ、あ、あっ…」

うめき声を上げながら少年はひざまずく。
荒く息をする少年に少女は一言言い切った。

「っ、相手が悪かったですね。」

だが、少女は険しい表情をしながらも己に目を向ける少年に目を見開いた。
急所を突いたはずなのにどうして生きているのだと…

「あ、あのさ…とりあえずこれどうにかしてくれない?頼むよ。」

「貴方、いったい何ものですか?」

「それは僕のセリフだよ。」

少年の名は、神原秋人

少女の名は、栗山未来


人間と妖夢の間に生まれた半妖であり不死身での身体である秋人

血を操る呪われた一族である栗山未来




これが二人の最初の出逢いだった。





「さて…これは吉と出るか…凶と出るか…」



その様子を人知れず見ている人物がいた。
彼らと同じ制服に高校3年生が持つ緑色のリボン…
胸元まである銀色の髪を春風に靡かせながら、青色の瞳を細める少女がいた。


瀬那 志帆


彼女はある人物から任務を仰せつかりこの場で二人の様子を見ていたのだ。だが、彼女の青い瞳の奥は何故かどんよりと暗かった。




はぁ…どうしてこんな運命なんだろ





大きく諦めがついたため息を吐いた志帆はその光景を見終えると風と共に姿を消すのだった……
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