虚ろの影
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一方、秋人は虚ろの影を倒そうとする未来を止めようとしていた。
未来は虚ろの影と因縁を持っていたのだ。
呪われた血を持っていながらも伊波家に引き取られた未来。そこで友達とも言える存在になる伊波家の長女の唯に会う。
だが、二人はある日に虚ろの影に襲われてしまう。その時、未来に襲ってきたのは命を奪われてしまうのではないかという恐怖心だった。虚ろの影に包まれる中、未来は思わず自信の力を制御する指輪を抜いてしまったのだ。そして虚ろの影に憑依されてしまった唯を殺してしまったのだ。
そんな過去があり未来は虚ろの影を追う。一度は未来に拒絶される秋人だが、いてもたってもいられず後を追いかけたのだ。
そしていま現在、二人は虚ろの影の中にいる。だが、二人だけでなく未来を姉の仇だと彼女を狙う妹の伊波桜もいた。
二人は虚ろの影の作り出した迷宮を桜から逃れながら、虚ろの影に攻撃することで元の世界に戻る。
だが、今度は秋人に虚ろの影が憑依してしまう。それを、秋人は自分ごと貫けと未来に言う。躊躇する未来だが、秋人の必死の説得で未来は血の剣を作り秋人を貫き、血を放った。
そして、秋人から出てきた虚ろの影を未来は倒すことに成功する。だが、同時に秋人は瀕死状態に陥ってしまうのだった。
「先輩!?」
慌てて未来が駆け寄ろうとする。
が、それを秋人を追い駆けつけた志帆に制止させられる。
肩に手を置かれた未来は振り向くと真剣な表情を浮かべる、志帆・博臣・彩華・雫がいた。
彼らはそのまま秋人に歩み寄る。
「下がってて…」
志帆は未来にそう言い残すと3人を追うように後に続く。
「なぜだ?相手は虚ろな影だぞ…こうなるとは思わなかったのか?」
「すまない。」
「命の保証はしないぞ。」
「分かっている。」
博臣の言及に秋人はただ謝ることしか出来なかった。
そしてその言葉を最後に秋人は気を失ってしまう。
秋人を囲んだ4人は真剣な面付きで頷くと、各自秋人から距離を取り厳戒態勢に。
志帆と博臣が隣同士に立ち同時に両手をかざし、鎖と檻を出現させる。
それらは秋人を囲むように結界と化し、さらにその外側に彩華が力で護符を周囲に纏わせていく。
雫は万が一に備えて拳を構える。
その光景に一番驚いたのは下がっていた未来。たまらず声を上げる。
「皆さん、何してるんです。」
「神原君が半妖やってるのは知ってはるんやろ?
体が極度に危険な状態の陥ると妖夢の意識が目覚める。とにかく、これが厄介やねん。」
未来の声に答えたのは彩華。
そしてこうしている間にも秋人の中にいる妖夢が目覚めようとしていた。その徴候に、秋人の身体から波状に力強い衝撃波が放たれていく。その頻度は秒をおうごとに増し、強くなっていく…
遂に秋人の内側の妖夢が現れてしまうのだった。
「あぁっ!先輩…」
未来は身体を震わせ、涙目になりながら悲痛な声を出す。
禍々しい気を帯び妖夢となった秋人は一歩一歩前に歩き出す。
だが、それを拒むように鎖と檻があるのを認識すると咆哮を上げる。
その声とともに異能で作った鎖と檻が破壊されていく。
「……クッ!!」
「志帆!!拘束しろ!!」
「…で…でも!!」
「グズグズすんな!!早くしろ!!」
躊躇する志帆に切羽詰まった博臣が指示を出す。
それにすぐさま答えるように秋人の身体に淡い橙色の光を放つ鎖が絡みついていく。
だが、その鎖を無理やり壊そうと力を入れてくる。そんな馬鹿力に志帆は必死に体力を削りながら力を注いでいく。
「彩華さん!」
「分かってる。
あくまで檻を再生するだけやからね。
それ以上のスピードで破壊されたら止める術はあらへん。」
その言葉に答えるように彩華が宙に浮く護符を檻へ。すると護符を張った箇所が再生されていく。
「もしそうなったら、俺が消す。」
最悪の事態を覚悟しながら博臣が答える。
その言葉に不安げに未来が反応する。
「消す?」
「体の組織そのものを空間に消滅させる。それでも死なへんかもしれへんけど、存在はできんかさいね。」
冷静に答える彩華。
その言葉に未来は思わず無意識で呟いてしまう。
「ダメです…ダメです!!」
未来の悲痛な想いと裏腹に妖夢の秋人の攻撃が更に増していく。
雄叫びとともに志帆が拘束していた鎖は破られ、彼の周囲から沢山の火玉が檻を襲い始める。
「「グッ!!!」」
顔を歪めながら、志帆は再び鎖を張り巡らそうとし、博臣は必死に檻を保とうと意識を集中させる。
「あかん!!」
彩華も慌てて檻を再生しようとするが、もはや破られるのは時間の問題に。
「長くは持たへんで!!長女はどないしたん??」
「コッチに向かっているはずです!!」
最後の頼みの綱は当主の泉。
連絡は入れたから来るまでそう時間がかからないはずだと志帆はそう思いながら答える。
そして、遂に檻が破られた箇所から火玉が飛び散り始める。
真正面に来たものは雫がなんとか食い止めるものの。上空にいったものは森の方へ。
落ちた火玉は大きな炎と共に黒い煙を巻き起こす。その惨劇に未来は愕然としてしまう。
「ニのさん!!」
「気休めにしかならないわよ!」
博臣の言葉に雫は拳を地面へ。
すると秋人の地面が少しだけ陥没し、彼の態勢が崩れる。
「今だ!!」
博臣はマフラーを外すとそこから秋人に向け攻撃を放つが、一向に効いていない。そればかりではなく跳ね返されてしまう。
逆に態勢を崩された博臣は慌てて檻を形成するほうに集中する。
「前より成長しとる!」
「ダメだ!!!破られる!」
これが…境界の彼方の力なのか!!
あまりにも強力すぎる力、自分たちとの力の違いに志帆は驚愕する。
どうしてそんな物が秋人の中に……
現実を突きつけられた志帆は思わず顔を歪めるのだった。
そしてトドメと言わんばかりの強烈な一撃。巻き込まれた彼らは一瞬で吹き飛ばされ、起き上がることすら出来ないダメージを喰らってしまう。
そんな中、己の血で防御できた未来は目を開けた途端に周囲に広がる惨劇に言葉を失ってしまう。
辺り一面まっさら…焼き尽くされた木々が無残にも転がっていた。そしてその木々からは黒い煙が出て、その煙は辺りに立ち込めていた。
そしてそれを作った人物が一人中央に立っているだけ。
そんな彼が昔の自分に酷似して見えて、ふと先程自分が彼に言ったことを未来は思い返していた。
私が普通の人間に見えますか??
私の何がわかるって言うんです!!!
そして彼が自分に返した言葉も…
何もわかってないのは栗山さんのほうだ!!
それは僕も同じだよ…
「ごめんさない!!私、先輩のこと何も…」
ポタポタと未来の瞳から涙が溢れ落ちていく。
優しく言葉を掛けてくれたのに、自分は拒絶するようにその言葉を突っめた。言葉ではなんとでもいい繕うことができるから。でも、違うことにようやく気づいた。
彼も同じ境遇を味わっていたのだと…
謝っても謝りきれない感情。
静かに涙くんで座り込んでいた未来。だが、秋人の周りに新たに火玉が現れたことを確認すると、未来はおぼつかない足で立ち上がった。
「止めなきゃ…」
秋人の元へ駆け出す未来。
その彼女を重たい瞼をゆっくりとかろうじて開けた志帆は見つける。
危ない!!
そう思いながらも思うように指一本も動かせない状態に、志帆は歯がゆさを感じる。
意識がゆっくりと失われていく中、隣りに倒れ込んでいる博臣を見つけ必死に手を伸ばす。
「...ッ...博臣...」
そして、博臣の右手に添えるように自分の左手を乗せる。握ろうとするが、そこまで意識を保つことが出来ず、ガクリと力を無くすようにグッタリと意識を失う。
対して、未来は秋人の火玉を己の血で防御しながら彼の胸に両手を広げて飛び込み、彼の首に腕を回し頭突きをするかのように倒れ込む。必死に抵抗する秋人を未来は決してこの手を離さまいとしがみつく。
未来の想いが届いたのか、秋人は雄叫びを上げながらゆっくりと妖夢から人間に戻っていく。
その頃に、一瞬だけ意識を取り戻した博臣が見たのは地平線が紫色に染まる空と秋人に跨る未来の姿。それを確認すると己の右手に感じる温もりに気づく。残りの力を振り絞り、そちらを確認すると力尽きて倒れていく志帆の左手だと気づく。それを知った博臣はその手が離れないように指を絡み合わせ握りしめる。そして博臣は志帆の温もりを感じながら意識を失うのだった。
一方で、意識をようやく取り戻した秋人は、自分を抱きしめて目を閉じる未来を見つける。なぜ彼女が…と思いつつ秋人は上半身を起こす。そんな彼が見たのは悲惨な惨劇。
「また…僕は…」
顔を歪め秋人は左手を顔に持っていき、項垂れた。
こんなもの見れば一目瞭然だ。やったのは妖夢化した自分自身だということが。
そして秋人は目の前にいる未来を案じてそっと左手を彼女の頭に置き撫でる。
「…先輩?」
おぼろげな瞳で見上げる未来に、秋人は表情を歪ませながら口を開く。
「…ごめん」
その言葉に未来は驚きながら瞳を潤わせる。必死に涙を止めようにも止められず溢れだす涙は、未来が思い切り首を横に振ることで飛び散る。そして未来は秋人の胸に顔を埋めた。
「ごめんなさい!!!」
泣きじゃくる未来を秋人は呆然としながら見るのだった。
未来は虚ろの影と因縁を持っていたのだ。
呪われた血を持っていながらも伊波家に引き取られた未来。そこで友達とも言える存在になる伊波家の長女の唯に会う。
だが、二人はある日に虚ろの影に襲われてしまう。その時、未来に襲ってきたのは命を奪われてしまうのではないかという恐怖心だった。虚ろの影に包まれる中、未来は思わず自信の力を制御する指輪を抜いてしまったのだ。そして虚ろの影に憑依されてしまった唯を殺してしまったのだ。
そんな過去があり未来は虚ろの影を追う。一度は未来に拒絶される秋人だが、いてもたってもいられず後を追いかけたのだ。
そしていま現在、二人は虚ろの影の中にいる。だが、二人だけでなく未来を姉の仇だと彼女を狙う妹の伊波桜もいた。
二人は虚ろの影の作り出した迷宮を桜から逃れながら、虚ろの影に攻撃することで元の世界に戻る。
だが、今度は秋人に虚ろの影が憑依してしまう。それを、秋人は自分ごと貫けと未来に言う。躊躇する未来だが、秋人の必死の説得で未来は血の剣を作り秋人を貫き、血を放った。
そして、秋人から出てきた虚ろの影を未来は倒すことに成功する。だが、同時に秋人は瀕死状態に陥ってしまうのだった。
「先輩!?」
慌てて未来が駆け寄ろうとする。
が、それを秋人を追い駆けつけた志帆に制止させられる。
肩に手を置かれた未来は振り向くと真剣な表情を浮かべる、志帆・博臣・彩華・雫がいた。
彼らはそのまま秋人に歩み寄る。
「下がってて…」
志帆は未来にそう言い残すと3人を追うように後に続く。
「なぜだ?相手は虚ろな影だぞ…こうなるとは思わなかったのか?」
「すまない。」
「命の保証はしないぞ。」
「分かっている。」
博臣の言及に秋人はただ謝ることしか出来なかった。
そしてその言葉を最後に秋人は気を失ってしまう。
秋人を囲んだ4人は真剣な面付きで頷くと、各自秋人から距離を取り厳戒態勢に。
志帆と博臣が隣同士に立ち同時に両手をかざし、鎖と檻を出現させる。
それらは秋人を囲むように結界と化し、さらにその外側に彩華が力で護符を周囲に纏わせていく。
雫は万が一に備えて拳を構える。
その光景に一番驚いたのは下がっていた未来。たまらず声を上げる。
「皆さん、何してるんです。」
「神原君が半妖やってるのは知ってはるんやろ?
体が極度に危険な状態の陥ると妖夢の意識が目覚める。とにかく、これが厄介やねん。」
未来の声に答えたのは彩華。
そしてこうしている間にも秋人の中にいる妖夢が目覚めようとしていた。その徴候に、秋人の身体から波状に力強い衝撃波が放たれていく。その頻度は秒をおうごとに増し、強くなっていく…
遂に秋人の内側の妖夢が現れてしまうのだった。
「あぁっ!先輩…」
未来は身体を震わせ、涙目になりながら悲痛な声を出す。
禍々しい気を帯び妖夢となった秋人は一歩一歩前に歩き出す。
だが、それを拒むように鎖と檻があるのを認識すると咆哮を上げる。
その声とともに異能で作った鎖と檻が破壊されていく。
「……クッ!!」
「志帆!!拘束しろ!!」
「…で…でも!!」
「グズグズすんな!!早くしろ!!」
躊躇する志帆に切羽詰まった博臣が指示を出す。
それにすぐさま答えるように秋人の身体に淡い橙色の光を放つ鎖が絡みついていく。
だが、その鎖を無理やり壊そうと力を入れてくる。そんな馬鹿力に志帆は必死に体力を削りながら力を注いでいく。
「彩華さん!」
「分かってる。
あくまで檻を再生するだけやからね。
それ以上のスピードで破壊されたら止める術はあらへん。」
その言葉に答えるように彩華が宙に浮く護符を檻へ。すると護符を張った箇所が再生されていく。
「もしそうなったら、俺が消す。」
最悪の事態を覚悟しながら博臣が答える。
その言葉に不安げに未来が反応する。
「消す?」
「体の組織そのものを空間に消滅させる。それでも死なへんかもしれへんけど、存在はできんかさいね。」
冷静に答える彩華。
その言葉に未来は思わず無意識で呟いてしまう。
「ダメです…ダメです!!」
未来の悲痛な想いと裏腹に妖夢の秋人の攻撃が更に増していく。
雄叫びとともに志帆が拘束していた鎖は破られ、彼の周囲から沢山の火玉が檻を襲い始める。
「「グッ!!!」」
顔を歪めながら、志帆は再び鎖を張り巡らそうとし、博臣は必死に檻を保とうと意識を集中させる。
「あかん!!」
彩華も慌てて檻を再生しようとするが、もはや破られるのは時間の問題に。
「長くは持たへんで!!長女はどないしたん??」
「コッチに向かっているはずです!!」
最後の頼みの綱は当主の泉。
連絡は入れたから来るまでそう時間がかからないはずだと志帆はそう思いながら答える。
そして、遂に檻が破られた箇所から火玉が飛び散り始める。
真正面に来たものは雫がなんとか食い止めるものの。上空にいったものは森の方へ。
落ちた火玉は大きな炎と共に黒い煙を巻き起こす。その惨劇に未来は愕然としてしまう。
「ニのさん!!」
「気休めにしかならないわよ!」
博臣の言葉に雫は拳を地面へ。
すると秋人の地面が少しだけ陥没し、彼の態勢が崩れる。
「今だ!!」
博臣はマフラーを外すとそこから秋人に向け攻撃を放つが、一向に効いていない。そればかりではなく跳ね返されてしまう。
逆に態勢を崩された博臣は慌てて檻を形成するほうに集中する。
「前より成長しとる!」
「ダメだ!!!破られる!」
これが…境界の彼方の力なのか!!
あまりにも強力すぎる力、自分たちとの力の違いに志帆は驚愕する。
どうしてそんな物が秋人の中に……
現実を突きつけられた志帆は思わず顔を歪めるのだった。
そしてトドメと言わんばかりの強烈な一撃。巻き込まれた彼らは一瞬で吹き飛ばされ、起き上がることすら出来ないダメージを喰らってしまう。
そんな中、己の血で防御できた未来は目を開けた途端に周囲に広がる惨劇に言葉を失ってしまう。
辺り一面まっさら…焼き尽くされた木々が無残にも転がっていた。そしてその木々からは黒い煙が出て、その煙は辺りに立ち込めていた。
そしてそれを作った人物が一人中央に立っているだけ。
そんな彼が昔の自分に酷似して見えて、ふと先程自分が彼に言ったことを未来は思い返していた。
私が普通の人間に見えますか??
私の何がわかるって言うんです!!!
そして彼が自分に返した言葉も…
何もわかってないのは栗山さんのほうだ!!
それは僕も同じだよ…
「ごめんさない!!私、先輩のこと何も…」
ポタポタと未来の瞳から涙が溢れ落ちていく。
優しく言葉を掛けてくれたのに、自分は拒絶するようにその言葉を突っめた。言葉ではなんとでもいい繕うことができるから。でも、違うことにようやく気づいた。
彼も同じ境遇を味わっていたのだと…
謝っても謝りきれない感情。
静かに涙くんで座り込んでいた未来。だが、秋人の周りに新たに火玉が現れたことを確認すると、未来はおぼつかない足で立ち上がった。
「止めなきゃ…」
秋人の元へ駆け出す未来。
その彼女を重たい瞼をゆっくりとかろうじて開けた志帆は見つける。
危ない!!
そう思いながらも思うように指一本も動かせない状態に、志帆は歯がゆさを感じる。
意識がゆっくりと失われていく中、隣りに倒れ込んでいる博臣を見つけ必死に手を伸ばす。
「...ッ...博臣...」
そして、博臣の右手に添えるように自分の左手を乗せる。握ろうとするが、そこまで意識を保つことが出来ず、ガクリと力を無くすようにグッタリと意識を失う。
対して、未来は秋人の火玉を己の血で防御しながら彼の胸に両手を広げて飛び込み、彼の首に腕を回し頭突きをするかのように倒れ込む。必死に抵抗する秋人を未来は決してこの手を離さまいとしがみつく。
未来の想いが届いたのか、秋人は雄叫びを上げながらゆっくりと妖夢から人間に戻っていく。
その頃に、一瞬だけ意識を取り戻した博臣が見たのは地平線が紫色に染まる空と秋人に跨る未来の姿。それを確認すると己の右手に感じる温もりに気づく。残りの力を振り絞り、そちらを確認すると力尽きて倒れていく志帆の左手だと気づく。それを知った博臣はその手が離れないように指を絡み合わせ握りしめる。そして博臣は志帆の温もりを感じながら意識を失うのだった。
一方で、意識をようやく取り戻した秋人は、自分を抱きしめて目を閉じる未来を見つける。なぜ彼女が…と思いつつ秋人は上半身を起こす。そんな彼が見たのは悲惨な惨劇。
「また…僕は…」
顔を歪め秋人は左手を顔に持っていき、項垂れた。
こんなもの見れば一目瞭然だ。やったのは妖夢化した自分自身だということが。
そして秋人は目の前にいる未来を案じてそっと左手を彼女の頭に置き撫でる。
「…先輩?」
おぼろげな瞳で見上げる未来に、秋人は表情を歪ませながら口を開く。
「…ごめん」
その言葉に未来は驚きながら瞳を潤わせる。必死に涙を止めようにも止められず溢れだす涙は、未来が思い切り首を横に振ることで飛び散る。そして未来は秋人の胸に顔を埋めた。
「ごめんなさい!!!」
泣きじゃくる未来を秋人は呆然としながら見るのだった。