交叉する運命
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大学に到着した彼らは、結局同じ講義室のため一緒に歩いていたのだが...
「じゃあね!」
講義室に入ると雪菜は、そそくさと手をサラリと振って別れを告げる。
「え??どこいくの?」
「ずっとアンタラと並んで講義受けるなんてこっちから願い下げよ」
日和の不思議そうに尋ねる言葉に、雪菜は刺々しく答えると前へ歩き出す。
「いいの?日和??」
「何が?」
「雪菜のことだよ」
真ん中あたりに落ち着いた彼らは、荷物から勉強道具を取り出し始めるのだが、郁也は伺うように日和に話しかけた。
「別にいいんじゃない?
雪菜自身がそうしたいらしいしね」
「そうじゃなくて、日和はいいの?
雪菜が一人になってから周りの空気が変わったけど」
その言葉に日和は案の定、眉間に皺を寄せた。
不本意ながら雪菜はどちらかというと、可愛いというより綺麗な分類に入る。モデルのようにスタイル抜群・容姿端麗...彼女が一度歩けばそこはスポットライトを浴びたランウェイのようにパッと鮮やかになる。加えて、他を寄せ付けない芳香漂うオーラを持っている。そのためか彼女の中身を知らない人からは、高嶺の花のように雪菜は見られていた。
現に今も、一人になった途端彼らの視線を一気に雪菜は集めた。
熱を帯びた彼らの視線に気づく事なく、整然と涼しい顔で席に座った雪菜に対し日和の心の奥底では沸々と苛立ちがこみ上げた。
遂には、雪菜が座った席の近くにいた一人の人物がチャンスだと話しかけ始める事態が日和の視界の先で起こる始末。
「あぁ...クソ!!」
居ても立っても居られず、日和は感情のまま勢いよく立ち上がり歩き出した。
警戒心の強い雪菜の事だ。放っておけば、彼女は勝手にあしらうのはわかってはいるものの彼女が誰かと親しげに話しているのを日和は見ていられなかった。
郁也に言われなくてもわかってる
俺はアイツに惚れ込んでる
この渦巻くどす黒い感情は嫉妬だと
知らない他人に彼女のテリトリーを踏ませたく無い、もっと欲を言うと指一本も触れさせたくないのだ。
ズカズカと二人の前に来た日和は雪菜の手を思い切り掴んだ。
その光景を目の前で目の当たりにし呆気に取られる人物に日和は繕った笑みを浮かべた。
「ゴメンねぇ...
この子、俺が先約なんだ」
ニコニコと笑う日和。だが、吐き出された声の質は全く真反対。
手を出すなと言わんばかりの忠告じみたドス黒い低い声と冷酷な瞳を向けられた人物は小さく悲鳴を上げるとそそくさと離れていった。
対して、その一部始終を啞然として見ていた雪菜はサッと掴まれてた手を離すと日和を睨みあげた。
「助けを頼んだ覚えも、何か約束した覚えもないんだけど?」
「別に雪菜からお礼を貰おうなんてこれっぽっちも思ってないよ
僕をただの虫除けと思ってくれたらいいよ」
いつもと同じようにニコニコと笑みを浮かべながら日和は彼女の隣に腰掛ける。
そんな彼のことを視界に入れたくない雪菜は頬杖をつき逆方向に視線を逸らしたままポツリと呟いた。
「郁也は??席戻んなくていいの??」
「平気平気
僕に発破かけたの郁也だしね」
「郁也第一優先の日和がそんなこと言うなんて」
まさかの言葉に雪菜は口をあんぐり開ける。ホントに日和か??熱でもあるのか??と凝視してくる雪菜に、日和はニコやかに笑った。
「僕だって時と場合によって優先順位は変わるさ」
そんな彼の表情に雪菜は小さく頬を緩ました。なかなかお目にかかれない自然な笑みを日和がしていたからだ。
他人とは一線を置くために壁を作るように表情を繕う、そして時には相手をからかうような言動を取る日和は嫌いだ。
だが、時折見せる柔らかい日和の表情を見ると雪菜の心の奥底はざわつくのだ。それと同時に日和のことが好きなのだと思い知らされてしまうのだ。
「ねぇ、一限だけ勉強道具貸してくんない?」
「しょうがないな」
珍しく雪菜は、何も言い返す事もせずに素直に隣りにいる日和に貸し出す。
彼のお陰で面倒事を省けたのは事実であるし、尚且彼の自然な笑みを見れたから。
大嫌いだけど好きになってしまった彼を横目に見ながら雪菜はシャーペンをカチカチと鳴らすのだった。
「じゃあね!」
講義室に入ると雪菜は、そそくさと手をサラリと振って別れを告げる。
「え??どこいくの?」
「ずっとアンタラと並んで講義受けるなんてこっちから願い下げよ」
日和の不思議そうに尋ねる言葉に、雪菜は刺々しく答えると前へ歩き出す。
「いいの?日和??」
「何が?」
「雪菜のことだよ」
真ん中あたりに落ち着いた彼らは、荷物から勉強道具を取り出し始めるのだが、郁也は伺うように日和に話しかけた。
「別にいいんじゃない?
雪菜自身がそうしたいらしいしね」
「そうじゃなくて、日和はいいの?
雪菜が一人になってから周りの空気が変わったけど」
その言葉に日和は案の定、眉間に皺を寄せた。
不本意ながら雪菜はどちらかというと、可愛いというより綺麗な分類に入る。モデルのようにスタイル抜群・容姿端麗...彼女が一度歩けばそこはスポットライトを浴びたランウェイのようにパッと鮮やかになる。加えて、他を寄せ付けない芳香漂うオーラを持っている。そのためか彼女の中身を知らない人からは、高嶺の花のように雪菜は見られていた。
現に今も、一人になった途端彼らの視線を一気に雪菜は集めた。
熱を帯びた彼らの視線に気づく事なく、整然と涼しい顔で席に座った雪菜に対し日和の心の奥底では沸々と苛立ちがこみ上げた。
遂には、雪菜が座った席の近くにいた一人の人物がチャンスだと話しかけ始める事態が日和の視界の先で起こる始末。
「あぁ...クソ!!」
居ても立っても居られず、日和は感情のまま勢いよく立ち上がり歩き出した。
警戒心の強い雪菜の事だ。放っておけば、彼女は勝手にあしらうのはわかってはいるものの彼女が誰かと親しげに話しているのを日和は見ていられなかった。
郁也に言われなくてもわかってる
俺はアイツに惚れ込んでる
この渦巻くどす黒い感情は嫉妬だと
知らない他人に彼女のテリトリーを踏ませたく無い、もっと欲を言うと指一本も触れさせたくないのだ。
ズカズカと二人の前に来た日和は雪菜の手を思い切り掴んだ。
その光景を目の前で目の当たりにし呆気に取られる人物に日和は繕った笑みを浮かべた。
「ゴメンねぇ...
この子、俺が先約なんだ」
ニコニコと笑う日和。だが、吐き出された声の質は全く真反対。
手を出すなと言わんばかりの忠告じみたドス黒い低い声と冷酷な瞳を向けられた人物は小さく悲鳴を上げるとそそくさと離れていった。
対して、その一部始終を啞然として見ていた雪菜はサッと掴まれてた手を離すと日和を睨みあげた。
「助けを頼んだ覚えも、何か約束した覚えもないんだけど?」
「別に雪菜からお礼を貰おうなんてこれっぽっちも思ってないよ
僕をただの虫除けと思ってくれたらいいよ」
いつもと同じようにニコニコと笑みを浮かべながら日和は彼女の隣に腰掛ける。
そんな彼のことを視界に入れたくない雪菜は頬杖をつき逆方向に視線を逸らしたままポツリと呟いた。
「郁也は??席戻んなくていいの??」
「平気平気
僕に発破かけたの郁也だしね」
「郁也第一優先の日和がそんなこと言うなんて」
まさかの言葉に雪菜は口をあんぐり開ける。ホントに日和か??熱でもあるのか??と凝視してくる雪菜に、日和はニコやかに笑った。
「僕だって時と場合によって優先順位は変わるさ」
そんな彼の表情に雪菜は小さく頬を緩ました。なかなかお目にかかれない自然な笑みを日和がしていたからだ。
他人とは一線を置くために壁を作るように表情を繕う、そして時には相手をからかうような言動を取る日和は嫌いだ。
だが、時折見せる柔らかい日和の表情を見ると雪菜の心の奥底はざわつくのだ。それと同時に日和のことが好きなのだと思い知らされてしまうのだ。
「ねぇ、一限だけ勉強道具貸してくんない?」
「しょうがないな」
珍しく雪菜は、何も言い返す事もせずに素直に隣りにいる日和に貸し出す。
彼のお陰で面倒事を省けたのは事実であるし、尚且彼の自然な笑みを見れたから。
大嫌いだけど好きになってしまった彼を横目に見ながら雪菜はシャーペンをカチカチと鳴らすのだった。