誠凛対陽泉(WC準々決勝)
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タイムアウトを取った誠凛は火神の守備範囲をペイントエリアに縮小させ、氷室に黒子・伊月・日向のトリプルチームをつけた。
中が一気に手薄になる作戦だが、誠凛は目的を氷室の攻撃を少なくさせる手に出たのだ。指示を聞いている時の火神は反論することもせずただ淡々に指示を受け入れた。思わず日向はいつもと違う火神の様子に疑問を抱くが、黒子は違った。
「なんとなく今の火神君はあの人に似ています」
コートに出ていく火神の背中を黒子は誰かと摺り合わせて見ていた。その人物は一番乗っている時の青峰の姿だった。
黄瀬に何か言われたのか美桜から見ても火神は吹っ切れた顔をしていた。いつもの彼のバスケが戻っていたように感じたのだ。そして火神は遂にゾーンに入った。
「ふん...やればできるじゃねぇーか」
青峰がそれを見て笑った。なんだかんだ火神君の事認めてるんだなと美桜は思わずクスリと笑うと「何笑ってんだ、美桜!」と小突かれるのだった。
次々とシュートを決め、陽泉の攻撃を防ぐ火神。今の彼は誰にも止められない。
もし止められるとしたら...ゾーンに入った人だ。
でも、陽泉にはゾーンに入れる人はいないだろうと美桜と青峰は考えていた。ゾーンに入るために必要な最低限の条件はバスケが好きで全力をかけていることだ。紫原は素質から考えたらキセキの世代で一番あるが、バスケを好きではないのだ。一方の氷室はそれ以前の問題だ。おそらくゾーンに入るための域に到達していないのだ。最初はただならぬ雰囲気を感じた美桜と青峰だが、違うと悟ったのだ。氷室は確かにキセキの世代と実力は限りなく近いといっていいが、秀才止まりなのだ。いくら氷室が頑張ってもその領域に届くことはないのだ。
火神に圧倒され陽泉はタイムアウトをとる。
紫原はベンチに座りこむ。もう紫原はこの試合に出るやる気は失せていた。火神を止められないのに試合にこれ以上出る必要はないと思ったのだ。
「もういいや…おれやーめた。交代してよ」
駄々を捏ねる紫原に対し、お前が抜けたら勝てるものも勝てないと岡村は言い聞かすが、紫原が意見を変えるわけがなかった。そんな紫原を氷室は殴った。氷室は悔しかった。ずっと火神の才能に対し嫉妬してきた。自分では到底到達できないラインにいる彼に。だが、今目の前にいる紫原は氷室が喉から手が出るほど欲しい才能をもっている。なのに勝負を放棄しようとしている。思わず手が出てしまうほど氷室は腹だっていたのだ。紫原の胸倉を掴み、涙を流し熱いセリフを言う氷室を見ていて逆に紫原はうざく感じるのだった。だけどそんな紫原の中に真逆の気持ちが生じる。
「うゎー引くは...そういうの心底ウザい。
てか、ありえないわ泣くとか。なんとなく気づいていたけどここまでとは思わなかったよ。
っか、初めてだよ。
ウザすぎて逆にスゲーと思うのは…」
立ち上がり、雅子夫人…と監督の名を呼ぶと紫原はヘアゴムを借りて長い髪を結うのだった。
「タイムアウト中、見てましたけど。正直諦めたんじゃないかと思いました。」
「うん。そうしようと思ったけどやめた。
やっぱ捻り潰すわ。面倒臭くなりそうでいやだけど、負けるのはもっと嫌なの」
「良かった。
けど負けるのが嫌なのは僕も同じですから」
確かに黒子の言う通り、最初はやめようと思っていた。だが、氷室の気持ちを聞いてどうしても勝ちたい…負けたくないという思いが勝ったのだ。
60対64…残り3分
トリプルチームを外し、氷室は陽泉シュートを放とうとする。すかさず火神が飛び上がる。今の火神ではもう氷室のシュートは止められてしまう。
悔しいが火神とのリングをかけた勝負は負けだ。それと今の試合の勝負はまた別。
「勝つのは俺たちだ!」
氷室が選択したのは紫原へのパスだった。シュート体勢に入る紫原に火神はすぐに追いつきブロックしようと飛び上がる。
「言ったろ…負けるのは嫌なんだよ。
だから勝つ!」
紫原は火神との根比べに出ずに氷室へボールを回し、点に繋げた。
陽泉は氷室と紫原中心にパスを回す連携プレー
一方で誠凛は火神中心の個人技重視。
皮肉なことに両チームのスタイルが入れ替わっていた。
美桜の視界に映るのは、パスを回しそしてチームが点を入れたときに一緒に雄叫びを上げる紫原の姿。美桜は光輝く紫原を見て目を細めた。
あっ君がパスをするなんて...初めて見たよ。
残り1分で、72対68。
誠凛が追いつくには一歩足りない。そんな時...誠凛はメンバーチェンジをした。
「なんだなんだ!皆暗いぞ。後一歩じゃないか…楽しんでいこうぜ」
木吉がコートに戻ってきたのだ。木吉は相田に対し最後の1分だけ出させてほしいと頼み込んでいたのだ。そして木吉は時間ギリギリまで回復に努めていたのだ。
木吉が帰ってきたのはいいものの誠凛が勝つにはもう点は落とせない。ここから連続で陽泉の攻撃を止め、誠凛は連続で2本シュートを放つ必要がある。誠凛はフォーメーションをトライアングル2に戻してきた。福井→氷室→紫原→氷室と戻されるボール。紫原にブロックについていた火神は氷室をシュートに対応する時間がない。代わりに木吉が氷室に対峙した。火神じゃなきゃ陽炎シュートは止められないと氷室はシュート体勢に入る。対して、木吉は味方がかかるほどのフェイクを仕掛ける。が、陽炎シュートをする氷室はそのフェイクを見破る。1回目にリリースすればボールを放てると氷室は判断した。
「わかってたよ、読み勝てないことは。だから負けることにした。2度目を止めようとして失敗する方で」
だが、木吉の目論見は読みに勝つことではなかった。確かに後出しの権利を持つ木吉にとってフェイクなのか読み取ることが得意だ。だが、木吉は勝てないことがわかっていたのだ。だからわざと負けることにしたのだ。陽炎シュートは性質上1度目のリリースを最高点に達する前にやる必要がある。よってここでボールを放ってもらえば高さが足りない選手でも止めることができるのだ。
木吉の目の前で駆け込んだ日向がリリースされそうなボールを弾き飛ばした。
日向が弾いたボールに黒子が反応し伊月へ回される。そこから火神へ。火神がシュートするがゴールの端に。リバウンドを木吉が取り外にいる日向へ。そのボールは入り残り20秒で1点差に...。
「当たれ!もう1本とるんだ!勝つぞ、陽泉に!」
木吉の掛け声で誠凛は最後の力を振り絞り陽泉の攻撃を止めるために圧力をかける。
「勝つ!トドメをさしてやる!」
勢いよく紫原はボールを叩きこもうとする。その彼の身体にはふつふつと力が沸き起こり始めていた。今まで受けてきたダンクの中で一番の力強さ。このままでは押し込まれてしまうと火神が思ったその時、彼の手に大きな木吉の手が添えられていた。
「諦めるな…勝つぞ。必ず」
木吉と火神で力を合わせ紫原のシュートを防ぐ。防いだ誠凛はカウンターだと戻り始める。が、なぜだかすでに紫原が行く手を阻んでいた。なんと紫原はゾーンに入っていたのだ。ゾーンに入った今、ゾーンに入っている火神だと力負けしてしまう。加えて、火神はずっとゾーンに入っているためいつ切れてもおかしくない状態だ。けど、彼は諦めなかった。
「俺達は勝つ。皆の想いを背負って決めるのがエースだ!限界なんていくらでも超えてやる!」
飛び上がる火神。いや...でもこれじゃリングには届かないのではと思われた。しかし、彼はそこから投げ入れるようにシュートを決めたのだ。陽炎のシュートと並ぶ無敵のシュート…豪の技である流星のダンク(メテオジャム)を繰り出したのだ。
大声援が鳴り響く。
誠凛が勝ちと誰もが思った。しかし、氷室は駆け出した紫原にロングパスを放った。これでは誰にも止められない...だが紫原は飛ぼうとして飛べなかったのだ。木吉がポイントガードをして以降、巨体で今までにないくらい連続して何回も飛んだ紫原の膝はいつの間にか限界にきてたのだ。
「これは木吉先輩達の執念の結果です。
これで...終わりだ!」
決して黒子は意図していたわけではない。紫原の膝の状態には黒子は気づいていたが確証はなかった。それでも黒子は信じてブロックに向かったのだ。
黒子が紫原の持ってたボールを弾き出すと同時に終了を知らせるホイッスルが鳴った。
中が一気に手薄になる作戦だが、誠凛は目的を氷室の攻撃を少なくさせる手に出たのだ。指示を聞いている時の火神は反論することもせずただ淡々に指示を受け入れた。思わず日向はいつもと違う火神の様子に疑問を抱くが、黒子は違った。
「なんとなく今の火神君はあの人に似ています」
コートに出ていく火神の背中を黒子は誰かと摺り合わせて見ていた。その人物は一番乗っている時の青峰の姿だった。
黄瀬に何か言われたのか美桜から見ても火神は吹っ切れた顔をしていた。いつもの彼のバスケが戻っていたように感じたのだ。そして火神は遂にゾーンに入った。
「ふん...やればできるじゃねぇーか」
青峰がそれを見て笑った。なんだかんだ火神君の事認めてるんだなと美桜は思わずクスリと笑うと「何笑ってんだ、美桜!」と小突かれるのだった。
次々とシュートを決め、陽泉の攻撃を防ぐ火神。今の彼は誰にも止められない。
もし止められるとしたら...ゾーンに入った人だ。
でも、陽泉にはゾーンに入れる人はいないだろうと美桜と青峰は考えていた。ゾーンに入るために必要な最低限の条件はバスケが好きで全力をかけていることだ。紫原は素質から考えたらキセキの世代で一番あるが、バスケを好きではないのだ。一方の氷室はそれ以前の問題だ。おそらくゾーンに入るための域に到達していないのだ。最初はただならぬ雰囲気を感じた美桜と青峰だが、違うと悟ったのだ。氷室は確かにキセキの世代と実力は限りなく近いといっていいが、秀才止まりなのだ。いくら氷室が頑張ってもその領域に届くことはないのだ。
火神に圧倒され陽泉はタイムアウトをとる。
紫原はベンチに座りこむ。もう紫原はこの試合に出るやる気は失せていた。火神を止められないのに試合にこれ以上出る必要はないと思ったのだ。
「もういいや…おれやーめた。交代してよ」
駄々を捏ねる紫原に対し、お前が抜けたら勝てるものも勝てないと岡村は言い聞かすが、紫原が意見を変えるわけがなかった。そんな紫原を氷室は殴った。氷室は悔しかった。ずっと火神の才能に対し嫉妬してきた。自分では到底到達できないラインにいる彼に。だが、今目の前にいる紫原は氷室が喉から手が出るほど欲しい才能をもっている。なのに勝負を放棄しようとしている。思わず手が出てしまうほど氷室は腹だっていたのだ。紫原の胸倉を掴み、涙を流し熱いセリフを言う氷室を見ていて逆に紫原はうざく感じるのだった。だけどそんな紫原の中に真逆の気持ちが生じる。
「うゎー引くは...そういうの心底ウザい。
てか、ありえないわ泣くとか。なんとなく気づいていたけどここまでとは思わなかったよ。
っか、初めてだよ。
ウザすぎて逆にスゲーと思うのは…」
立ち上がり、雅子夫人…と監督の名を呼ぶと紫原はヘアゴムを借りて長い髪を結うのだった。
「タイムアウト中、見てましたけど。正直諦めたんじゃないかと思いました。」
「うん。そうしようと思ったけどやめた。
やっぱ捻り潰すわ。面倒臭くなりそうでいやだけど、負けるのはもっと嫌なの」
「良かった。
けど負けるのが嫌なのは僕も同じですから」
確かに黒子の言う通り、最初はやめようと思っていた。だが、氷室の気持ちを聞いてどうしても勝ちたい…負けたくないという思いが勝ったのだ。
60対64…残り3分
トリプルチームを外し、氷室は陽泉シュートを放とうとする。すかさず火神が飛び上がる。今の火神ではもう氷室のシュートは止められてしまう。
悔しいが火神とのリングをかけた勝負は負けだ。それと今の試合の勝負はまた別。
「勝つのは俺たちだ!」
氷室が選択したのは紫原へのパスだった。シュート体勢に入る紫原に火神はすぐに追いつきブロックしようと飛び上がる。
「言ったろ…負けるのは嫌なんだよ。
だから勝つ!」
紫原は火神との根比べに出ずに氷室へボールを回し、点に繋げた。
陽泉は氷室と紫原中心にパスを回す連携プレー
一方で誠凛は火神中心の個人技重視。
皮肉なことに両チームのスタイルが入れ替わっていた。
美桜の視界に映るのは、パスを回しそしてチームが点を入れたときに一緒に雄叫びを上げる紫原の姿。美桜は光輝く紫原を見て目を細めた。
あっ君がパスをするなんて...初めて見たよ。
残り1分で、72対68。
誠凛が追いつくには一歩足りない。そんな時...誠凛はメンバーチェンジをした。
「なんだなんだ!皆暗いぞ。後一歩じゃないか…楽しんでいこうぜ」
木吉がコートに戻ってきたのだ。木吉は相田に対し最後の1分だけ出させてほしいと頼み込んでいたのだ。そして木吉は時間ギリギリまで回復に努めていたのだ。
木吉が帰ってきたのはいいものの誠凛が勝つにはもう点は落とせない。ここから連続で陽泉の攻撃を止め、誠凛は連続で2本シュートを放つ必要がある。誠凛はフォーメーションをトライアングル2に戻してきた。福井→氷室→紫原→氷室と戻されるボール。紫原にブロックについていた火神は氷室をシュートに対応する時間がない。代わりに木吉が氷室に対峙した。火神じゃなきゃ陽炎シュートは止められないと氷室はシュート体勢に入る。対して、木吉は味方がかかるほどのフェイクを仕掛ける。が、陽炎シュートをする氷室はそのフェイクを見破る。1回目にリリースすればボールを放てると氷室は判断した。
「わかってたよ、読み勝てないことは。だから負けることにした。2度目を止めようとして失敗する方で」
だが、木吉の目論見は読みに勝つことではなかった。確かに後出しの権利を持つ木吉にとってフェイクなのか読み取ることが得意だ。だが、木吉は勝てないことがわかっていたのだ。だからわざと負けることにしたのだ。陽炎シュートは性質上1度目のリリースを最高点に達する前にやる必要がある。よってここでボールを放ってもらえば高さが足りない選手でも止めることができるのだ。
木吉の目の前で駆け込んだ日向がリリースされそうなボールを弾き飛ばした。
日向が弾いたボールに黒子が反応し伊月へ回される。そこから火神へ。火神がシュートするがゴールの端に。リバウンドを木吉が取り外にいる日向へ。そのボールは入り残り20秒で1点差に...。
「当たれ!もう1本とるんだ!勝つぞ、陽泉に!」
木吉の掛け声で誠凛は最後の力を振り絞り陽泉の攻撃を止めるために圧力をかける。
「勝つ!トドメをさしてやる!」
勢いよく紫原はボールを叩きこもうとする。その彼の身体にはふつふつと力が沸き起こり始めていた。今まで受けてきたダンクの中で一番の力強さ。このままでは押し込まれてしまうと火神が思ったその時、彼の手に大きな木吉の手が添えられていた。
「諦めるな…勝つぞ。必ず」
木吉と火神で力を合わせ紫原のシュートを防ぐ。防いだ誠凛はカウンターだと戻り始める。が、なぜだかすでに紫原が行く手を阻んでいた。なんと紫原はゾーンに入っていたのだ。ゾーンに入った今、ゾーンに入っている火神だと力負けしてしまう。加えて、火神はずっとゾーンに入っているためいつ切れてもおかしくない状態だ。けど、彼は諦めなかった。
「俺達は勝つ。皆の想いを背負って決めるのがエースだ!限界なんていくらでも超えてやる!」
飛び上がる火神。いや...でもこれじゃリングには届かないのではと思われた。しかし、彼はそこから投げ入れるようにシュートを決めたのだ。陽炎のシュートと並ぶ無敵のシュート…豪の技である流星のダンク(メテオジャム)を繰り出したのだ。
大声援が鳴り響く。
誠凛が勝ちと誰もが思った。しかし、氷室は駆け出した紫原にロングパスを放った。これでは誰にも止められない...だが紫原は飛ぼうとして飛べなかったのだ。木吉がポイントガードをして以降、巨体で今までにないくらい連続して何回も飛んだ紫原の膝はいつの間にか限界にきてたのだ。
「これは木吉先輩達の執念の結果です。
これで...終わりだ!」
決して黒子は意図していたわけではない。紫原の膝の状態には黒子は気づいていたが確証はなかった。それでも黒子は信じてブロックに向かったのだ。
黒子が紫原の持ってたボールを弾き出すと同時に終了を知らせるホイッスルが鳴った。