誠凛対陽泉(WC準々決勝)
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「待たせたな…遠慮なくやろうぜ辰也!」
「いい目だ。安心したよ。試合前に言ってたことはホントみたいだね。だが、勝つのは俺だ、大我!」
兄弟の証であるリングをかけて、そしてこの試合の勝敗をかけて…火神と氷室の対決の幕が開ける。
「相当やんぞあの12番」
氷室の放ったシュートに心奪われていた美桜の隣で青峰がボソッと呟いた。氷室が放つオーラに青峰も何かを感じとったらしい。そして美桜もそれを感じていた。彼女から見ても氷室のバスケはとても綺麗だった。ドライブ、シュート、フェイク...どれも繋ぎ目が滑らか。
青峰の型にはまらないプレースタイル。一方、氷室は対極的で基本に忠実で一つ一つのクオリティーを極限まで高めている超正統派。
「大輝と真逆だね!」
「あっ?美桜、うっせーぞ!」
「だってホントのことじゃん」
思わず美桜は、隣の青峰と比較してしまう。美桜の余計な一言に、たまらず青峰は彼女を小突く。小突かれた美桜は、ムッとしながら言い返す。
「あーあ、また始まっちゃったよ」
「…高尾君、驚かないんだね」
ギャアギャア言い合いを始める、青峰と美桜。その光景に困ったように肩を竦める高尾の様子に、桃井は目を丸くする。昔から二人の傍にいた桃井からしたら見慣れた光景だからこそ驚かないが、大抵の人は驚きの声を上げるのだ。しかし、高尾は驚くどころか呆れかえっていたのだ。
「いやぁ…この前このやり取りを見せつけられているからね」
「あっ、そうだったんだね」
「まぁーね。まぁ、慣れちゃえば平気だけど」
「嫉かないの?」
「…嫉かないって言ったら噓になるな」
直球な彼女の問いかけに、高尾は面食らう。が、その表情はすぐに引っ込む。少し神妙な面持ちを浮かべ考え込んだ末、高尾は言葉を選びながら心情を吐露した。その複雑そうな表情を浮かべる高尾を桃井は、口を挟むことなくジッと見上げた。
「大ちゃんは、美桜と幼馴染で俺よりもずっと一緒の時間を共にしてるから、見せつけらるのは覚悟してたしな。」
どうしても高校で知り合った自分と比べてしまうと、過ごした時間の差があって当然であり、埋めることはできなし。今でも不安はチラついてしまうことがある。
高尾君じゃなきゃ嫌なの!!
その度に彼女の言葉は、不安を吹き飛ばしてくれる。
「まぁでも、これからっしょ!
次はつけ入る隙がないくらい、みせつけてやるよ!」
「…心配損だったかな」
自信満々に、晴れやかな笑みで言い放つ高尾の姿に、桃井はホッとした表情を浮かべ、小さく肩を竦めるのだった。
対してコート上では、氷室と火神が再び対峙していた。
「俺とお前は敵同士…もっと殺す気で来いよ」
火神は本気を出していない。無意識なのだろうが、セーブしている。
まだ気持ちを吹っ切れていないことに気づいた氷室が繰り出したのは陽炎のシュート(ミラージュシュート)。放たれたボールは火神のブロックをすり抜けてゴールネットを揺らすのだった。
「やっぱりな…」
「予想通りの結果になっちゃったね…」
嫌な予感が当たってしまった。ベンチに下げられる火神の様子を、青峰と美桜は追っていた。
付き合いが少なくてもわかる。火神は情と勝負を分けきることができないのだろう。それは試合にとっては寧ろマイナス面。恐らく誠凛は、彼の頭を一回リセットさせるために下げたのだろう。
エース対決は、氷室に軍配が上がった。火神が下がり、コート上には黒子も火神もいない状態。だが誠凛は、イージスの盾破りをするために勝負を仕掛ける。
一方で紫原は、苛立ちをつのらせていた。理由は目の前にいる相手、木吉だ。勝てない相手だとわかっているはずなのに、自分に必死に喰らいついてくる木吉。彼がなぜここまで努力し、必死になるのか、紫原には理解できなかったのだ。そんな彼を見て、木吉は笑みを浮かべる。
「勝てるかなんて関係ない。目標に向かって努力することなんて楽しくてしょうがないさ…お前は楽しくないのか?バスケ」
「どうせ負けるのに…小物が充実した気分になってんじゃねーよ!」
その言葉を聞き頭にチラつくのは黒子、そして中学時代の美桜の姿だった。それらをかき消すように紫原は、木吉のボールを叩く。
叩かれたボールは地面をバウンドする。
取ったのは伊月。ボールを持った伊月は、3Pゾーンに移動していた木吉へパスをする。受け取った木吉はそこからシュートを決めた。
センターポジションの選手がスリーを決めた。その事実は陽泉サイドに一瞬だが動揺を与えた。だが、まぐれに過ぎないと冷静に点を入れる。
「伏線はここまでだ…いくぞ!イージスの盾破りだ!」
陽泉の追加点に怯むことなく、日向の掛け声で誠凛が動き出す。ボールを回し始めたのは木吉。センターであるはずの木吉は、この攻撃ではPGの役割を担っていた。
「やることが一々ウザいんだよ。木吉!」
再びスリーを打つ体勢をとった木吉に向かってゴール前から離れて駆け出す紫原。その姿を見て、誠凛の意図をくみ取った青峰は含み笑みを浮かべた。
「そういうことか。この攻め、誠凛の勝ちだ」
彼の読み通り、シュートを止めるために飛んだ紫原に対し、木吉は駆け込んできた伊月にパスを回す選択をし、ダンクシュートを決めていた。
「あぁ!そういうことね!」
「どういうこと?」
シュートが決まった段階で美桜も彼らのやろうとしたことを理解する。だが、高尾と桃井は首を捻ったまま。二人に対して説明しようと青峰と美桜は口を開いた。
「紫原のディフェンスはどんな連続攻撃でも崩せねぇ」
「あっ君はあの体格を持っているのに加えて反射神経が凄いからね」
だが、木吉の中距離シュートはどうしても飛ばないと止めることが出来ない。つまり着地するまでの数秒間、紫原は動くことができず1テンポ動作がどうしても遅れてしまうのだ。誠凛はそこをついたのだ。
でもこの作戦、あっ君が飛ばねば効力は無いはずでは。
再び同じ布陣で挑む誠凛に美桜は疑問を抱く。
しかし美桜の予想に反して再び紫原は飛んでいた。
彼の脳裏に浮かんだのは先ほどの木吉の言葉。紫原は飛んではいけないと頭の中ではわかっているのに咄嗟に体が動いてしまったのだ。伊月→日向と周り日向が点を追加する。木吉のお陰もあり誠凛はまた点を追加。少しずつ追い上げを見せ、点差を一桁差にしてきた。すかさず陽泉はタイムアウトをとるのだった。
「なんで紫原は飛んだんだ?」
「だよね…木吉さんのスリーの確率を考えたら…」
「だから伏線を張ったんだろ?」
高尾の疑問に美桜も賛同する。だが、青峰だけはこの作戦のカラクリを見破っていた。
誠凛はこの作戦を仕掛けるために伏線を二つ張った。まず一つは成功確率が低い木吉の中距離シュートを入れた事。あれが一発で決まったことで陽泉のメンバーの頭に刷り込まれたのだ。もう1回があるかもしれないと。なおかつ木吉の後出しの権利。直前まで本気でシュートを放ちに行ってる。これを止めるのはなかなか難しいことだ。
「もう一つは俺の推測でしかないが…」
青峰の推測を美桜達はジッと聞くのだった。
木吉は紫原に挑発して怒らせた。嫌われていることを利用して木吉は紫原の身体が無意識に動くように仕掛けたのだろう。
一方、誠凛ベンチでは火神が木吉の姿を見て決意を固めた。未練でしかない、氷室との兄弟の証のリングを黒子に捨ててくれと頼むことで火神は雑念を吹っ切ったのだ。氷室との過去と誠凛との未来を天秤にかけた火神の気持ちは決まっていた。
「いい目だ。安心したよ。試合前に言ってたことはホントみたいだね。だが、勝つのは俺だ、大我!」
兄弟の証であるリングをかけて、そしてこの試合の勝敗をかけて…火神と氷室の対決の幕が開ける。
「相当やんぞあの12番」
氷室の放ったシュートに心奪われていた美桜の隣で青峰がボソッと呟いた。氷室が放つオーラに青峰も何かを感じとったらしい。そして美桜もそれを感じていた。彼女から見ても氷室のバスケはとても綺麗だった。ドライブ、シュート、フェイク...どれも繋ぎ目が滑らか。
青峰の型にはまらないプレースタイル。一方、氷室は対極的で基本に忠実で一つ一つのクオリティーを極限まで高めている超正統派。
「大輝と真逆だね!」
「あっ?美桜、うっせーぞ!」
「だってホントのことじゃん」
思わず美桜は、隣の青峰と比較してしまう。美桜の余計な一言に、たまらず青峰は彼女を小突く。小突かれた美桜は、ムッとしながら言い返す。
「あーあ、また始まっちゃったよ」
「…高尾君、驚かないんだね」
ギャアギャア言い合いを始める、青峰と美桜。その光景に困ったように肩を竦める高尾の様子に、桃井は目を丸くする。昔から二人の傍にいた桃井からしたら見慣れた光景だからこそ驚かないが、大抵の人は驚きの声を上げるのだ。しかし、高尾は驚くどころか呆れかえっていたのだ。
「いやぁ…この前このやり取りを見せつけられているからね」
「あっ、そうだったんだね」
「まぁーね。まぁ、慣れちゃえば平気だけど」
「嫉かないの?」
「…嫉かないって言ったら噓になるな」
直球な彼女の問いかけに、高尾は面食らう。が、その表情はすぐに引っ込む。少し神妙な面持ちを浮かべ考え込んだ末、高尾は言葉を選びながら心情を吐露した。その複雑そうな表情を浮かべる高尾を桃井は、口を挟むことなくジッと見上げた。
「大ちゃんは、美桜と幼馴染で俺よりもずっと一緒の時間を共にしてるから、見せつけらるのは覚悟してたしな。」
どうしても高校で知り合った自分と比べてしまうと、過ごした時間の差があって当然であり、埋めることはできなし。今でも不安はチラついてしまうことがある。
高尾君じゃなきゃ嫌なの!!
その度に彼女の言葉は、不安を吹き飛ばしてくれる。
「まぁでも、これからっしょ!
次はつけ入る隙がないくらい、みせつけてやるよ!」
「…心配損だったかな」
自信満々に、晴れやかな笑みで言い放つ高尾の姿に、桃井はホッとした表情を浮かべ、小さく肩を竦めるのだった。
対してコート上では、氷室と火神が再び対峙していた。
「俺とお前は敵同士…もっと殺す気で来いよ」
火神は本気を出していない。無意識なのだろうが、セーブしている。
まだ気持ちを吹っ切れていないことに気づいた氷室が繰り出したのは陽炎のシュート(ミラージュシュート)。放たれたボールは火神のブロックをすり抜けてゴールネットを揺らすのだった。
「やっぱりな…」
「予想通りの結果になっちゃったね…」
嫌な予感が当たってしまった。ベンチに下げられる火神の様子を、青峰と美桜は追っていた。
付き合いが少なくてもわかる。火神は情と勝負を分けきることができないのだろう。それは試合にとっては寧ろマイナス面。恐らく誠凛は、彼の頭を一回リセットさせるために下げたのだろう。
エース対決は、氷室に軍配が上がった。火神が下がり、コート上には黒子も火神もいない状態。だが誠凛は、イージスの盾破りをするために勝負を仕掛ける。
一方で紫原は、苛立ちをつのらせていた。理由は目の前にいる相手、木吉だ。勝てない相手だとわかっているはずなのに、自分に必死に喰らいついてくる木吉。彼がなぜここまで努力し、必死になるのか、紫原には理解できなかったのだ。そんな彼を見て、木吉は笑みを浮かべる。
「勝てるかなんて関係ない。目標に向かって努力することなんて楽しくてしょうがないさ…お前は楽しくないのか?バスケ」
「どうせ負けるのに…小物が充実した気分になってんじゃねーよ!」
その言葉を聞き頭にチラつくのは黒子、そして中学時代の美桜の姿だった。それらをかき消すように紫原は、木吉のボールを叩く。
叩かれたボールは地面をバウンドする。
取ったのは伊月。ボールを持った伊月は、3Pゾーンに移動していた木吉へパスをする。受け取った木吉はそこからシュートを決めた。
センターポジションの選手がスリーを決めた。その事実は陽泉サイドに一瞬だが動揺を与えた。だが、まぐれに過ぎないと冷静に点を入れる。
「伏線はここまでだ…いくぞ!イージスの盾破りだ!」
陽泉の追加点に怯むことなく、日向の掛け声で誠凛が動き出す。ボールを回し始めたのは木吉。センターであるはずの木吉は、この攻撃ではPGの役割を担っていた。
「やることが一々ウザいんだよ。木吉!」
再びスリーを打つ体勢をとった木吉に向かってゴール前から離れて駆け出す紫原。その姿を見て、誠凛の意図をくみ取った青峰は含み笑みを浮かべた。
「そういうことか。この攻め、誠凛の勝ちだ」
彼の読み通り、シュートを止めるために飛んだ紫原に対し、木吉は駆け込んできた伊月にパスを回す選択をし、ダンクシュートを決めていた。
「あぁ!そういうことね!」
「どういうこと?」
シュートが決まった段階で美桜も彼らのやろうとしたことを理解する。だが、高尾と桃井は首を捻ったまま。二人に対して説明しようと青峰と美桜は口を開いた。
「紫原のディフェンスはどんな連続攻撃でも崩せねぇ」
「あっ君はあの体格を持っているのに加えて反射神経が凄いからね」
だが、木吉の中距離シュートはどうしても飛ばないと止めることが出来ない。つまり着地するまでの数秒間、紫原は動くことができず1テンポ動作がどうしても遅れてしまうのだ。誠凛はそこをついたのだ。
でもこの作戦、あっ君が飛ばねば効力は無いはずでは。
再び同じ布陣で挑む誠凛に美桜は疑問を抱く。
しかし美桜の予想に反して再び紫原は飛んでいた。
彼の脳裏に浮かんだのは先ほどの木吉の言葉。紫原は飛んではいけないと頭の中ではわかっているのに咄嗟に体が動いてしまったのだ。伊月→日向と周り日向が点を追加する。木吉のお陰もあり誠凛はまた点を追加。少しずつ追い上げを見せ、点差を一桁差にしてきた。すかさず陽泉はタイムアウトをとるのだった。
「なんで紫原は飛んだんだ?」
「だよね…木吉さんのスリーの確率を考えたら…」
「だから伏線を張ったんだろ?」
高尾の疑問に美桜も賛同する。だが、青峰だけはこの作戦のカラクリを見破っていた。
誠凛はこの作戦を仕掛けるために伏線を二つ張った。まず一つは成功確率が低い木吉の中距離シュートを入れた事。あれが一発で決まったことで陽泉のメンバーの頭に刷り込まれたのだ。もう1回があるかもしれないと。なおかつ木吉の後出しの権利。直前まで本気でシュートを放ちに行ってる。これを止めるのはなかなか難しいことだ。
「もう一つは俺の推測でしかないが…」
青峰の推測を美桜達はジッと聞くのだった。
木吉は紫原に挑発して怒らせた。嫌われていることを利用して木吉は紫原の身体が無意識に動くように仕掛けたのだろう。
一方、誠凛ベンチでは火神が木吉の姿を見て決意を固めた。未練でしかない、氷室との兄弟の証のリングを黒子に捨ててくれと頼むことで火神は雑念を吹っ切ったのだ。氷室との過去と誠凛との未来を天秤にかけた火神の気持ちは決まっていた。