夏休みの一幕
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バスケットボールを無我夢中で追いかけているうちに刻々と時間は過ぎ、太陽は沈みかけ空はオレンジ色から紫色へと移り変わり段々と薄暗くなっていた。
「高尾っち!!」
楽しげに黄瀬がボールを運ぶ高尾に向け手を挙げる。その声に高尾は瞬時に反応する。
「ボール欲しいっす!!」
「よっしゃ!!行くぜ、涼ちゃん」
大きなモーションでアピールする黄瀬の位置を把握しきった高尾はノールックで背後にいる黄瀬へとパスを送った。死角のはずなのに正確に己の手に心地よい音を立てておさまるボールを眺めて,黄瀬は嬉しそうに口角を上げた。
「ナイスパス!!」
走るスピードを全く落とすことなくゴール前に駆け込んだ黄瀬はそのままの勢いでボールを叩き込む。
「高尾っちのパス、気持ちいいっす」
「涼ちゃんのダンクも見てて爽快だぜ」
ボールを拾った黄瀬は滴り落ちる汗を拭って爽やかな笑みを零す。そんな彼とハイタッチを交わす高尾。だが,視野に嫌でも入ってくる人物の表情に気づいて振り返る。
「テッちゃん,どうした?」
「黄瀬くんばかりズルいです」
ボールが回ってこないと不服そうに口を曲げる黒子がそこにいたのだ。そんな黒子の様子に高尾はニヤリと含んだ笑みを浮かべてみせた。
「まぁまぁ慌てなさんなって。次はテッちゃんにも回すから」
「ほんとですか?」
「ほんとだって!俺信用ない?」
「そんなことないですよ」
「じゃ頼むぜ!」
そう言った高尾は的確なタイミングで黒子へとボールを回していった。黒子が欲しいっと思った瞬間すぐにボールが飛んでくる。影が薄く仲間ですら黒子の位置を見失うが、鷹の目を持つ高尾は彼を見失うことがない。手に馴染むボールの感覚に黒子は思わず頬を緩めた。
「ありがとうございます。高尾君」
「テッちゃんいると戦略組み立てやすいな」
笑顔を滲ませる高尾。それを見て黒子は目を細めるのだった。
美桜さんが選んだのが高尾君で良かった...と
対して、美桜はというといつまでもよそよそしい人物に頬を膨らませていた。
「ねぇ、火神君。名字で呼ばれるのヤダから下の名前で呼んでよ。」
「え...お前もやめるんだったらいいぜ」
「え、ホント!じゃあ遠慮なくそうする」
弾けそうなほどの笑顔を浮かべ、改めて宜しく!大我と呼ぶ美桜。それを見て少し顔を赤く染めながらも照れくさそうに火神はおう...よろしくな美桜!と互いに下の名前で呼び始めるのだった。緑間はというと何も言うことなくその様子を見ていた。だが、何時も仏頂面な彼の表情にも少しではあるが笑みがこぼれていたのであった。
*****
楽しい時間はあっという間に過ぎ去るものだ。仲良くバスケをした彼らも試合で当たれば敵同士...
「ちゃーんと予選勝ち上がってくるんすよ!」
既にWC出場を決めている黄瀬。対して他のメンバーは予選を控えているのだ。
「余裕ぶっこいてるのも今のうちだ!」
「余裕ぶっこいてるつもりないんすけど!今度当たったらちゃんとリベンジするんすからね!火神っち!」
黄瀬を指差し睨めつける火神。それを見て、黄瀬は瞳の奥底をメラメラと燃えさせる。
「だから、その呼び名なんとかならねぇのか!」
「いいじゃないですか。黄瀬君に認められてるんですよ。火神君」
「テッちゃんの言うとおりだぜ、火神」
「高尾...お前は馴れ馴れしすぎるのだよ。いつの間にか黄瀬や黒子と仲良くなるなんてな」
「え~~、いいじゃん!真ちゃん!ねぇ、涼ちゃん!」
「そうっすよ、緑間っち!」
「お前ら二人はうるさすぎるのだよ!」
似た者同士が仲良くなってしまったと頭を抱えつつ、緑間は二人を追いかけ回す。ゲラゲラとこの状況を笑って楽しむ高尾。ちょっと、高尾っち笑いすぎと言いながらも黄瀬もこの状況を楽しんでるかのように見られた。そんな三人を放っておいて、美桜は黒子達に近づいた。
「この前の試合のリベンジ...させてもらうからね。テツヤに大我」
「絶対に負けません」
「リベンジなんかさせねぇーよ」
好戦的な瞳で三人は向かい合う。誠凛と秀徳は同じ東京都同士。予選で確実にこの2校は当たるのだ。
「フン、次は俺が勝つのだよ。精々首を洗って待ってればいいのだよ。火神」
「あぁ!?覚悟するのはお前の方だ、緑間!」
いつの間にか美桜の背後に立っていた緑間は火神を睨めつける。両者の間にも火花がバチバチとぶつかりあった。
「次の試合、ぜってぇー負けねえーからな。テッちゃん」
頭にできたコブをいてぇ…とさすりつつ高尾はその輪に加わる。
「僕も負けませんよ。高尾君」
「なんか...俺蚊帳の外なんすけど」
それぞれが己の好敵手に向き合う中一人置いてかれたと嘆く黄瀬。そんな黄瀬に美桜はゆっくりと近づいた。
「あはは、こればっかりはしょうがないね」
苦笑いを浮かべつつ黄瀬の隣に美桜は立ち、結いだ髪を解く。サラリと風に揺られ靡く髪を抑えながらも、彼女自身胸の高鳴りを感じずにはいられなかった。
彼らはそれぞれ改めて決意を胸に秘めるのだった。各々背負っているものは異なる。だが、共通していることもある。
それは絶対に負けたくないという気持ちだ。
今度、彼らは大きな舞台で互いにユニホームを着て戦う。
自身のプライドや誇りをかけて...
「「「次はWC(予選)で!!!!!!」」」
ストバスコートでは輪になり手を重ねる6人の影が浮かび上がるのであった。
「高尾っち!!」
楽しげに黄瀬がボールを運ぶ高尾に向け手を挙げる。その声に高尾は瞬時に反応する。
「ボール欲しいっす!!」
「よっしゃ!!行くぜ、涼ちゃん」
大きなモーションでアピールする黄瀬の位置を把握しきった高尾はノールックで背後にいる黄瀬へとパスを送った。死角のはずなのに正確に己の手に心地よい音を立てておさまるボールを眺めて,黄瀬は嬉しそうに口角を上げた。
「ナイスパス!!」
走るスピードを全く落とすことなくゴール前に駆け込んだ黄瀬はそのままの勢いでボールを叩き込む。
「高尾っちのパス、気持ちいいっす」
「涼ちゃんのダンクも見てて爽快だぜ」
ボールを拾った黄瀬は滴り落ちる汗を拭って爽やかな笑みを零す。そんな彼とハイタッチを交わす高尾。だが,視野に嫌でも入ってくる人物の表情に気づいて振り返る。
「テッちゃん,どうした?」
「黄瀬くんばかりズルいです」
ボールが回ってこないと不服そうに口を曲げる黒子がそこにいたのだ。そんな黒子の様子に高尾はニヤリと含んだ笑みを浮かべてみせた。
「まぁまぁ慌てなさんなって。次はテッちゃんにも回すから」
「ほんとですか?」
「ほんとだって!俺信用ない?」
「そんなことないですよ」
「じゃ頼むぜ!」
そう言った高尾は的確なタイミングで黒子へとボールを回していった。黒子が欲しいっと思った瞬間すぐにボールが飛んでくる。影が薄く仲間ですら黒子の位置を見失うが、鷹の目を持つ高尾は彼を見失うことがない。手に馴染むボールの感覚に黒子は思わず頬を緩めた。
「ありがとうございます。高尾君」
「テッちゃんいると戦略組み立てやすいな」
笑顔を滲ませる高尾。それを見て黒子は目を細めるのだった。
美桜さんが選んだのが高尾君で良かった...と
対して、美桜はというといつまでもよそよそしい人物に頬を膨らませていた。
「ねぇ、火神君。名字で呼ばれるのヤダから下の名前で呼んでよ。」
「え...お前もやめるんだったらいいぜ」
「え、ホント!じゃあ遠慮なくそうする」
弾けそうなほどの笑顔を浮かべ、改めて宜しく!大我と呼ぶ美桜。それを見て少し顔を赤く染めながらも照れくさそうに火神はおう...よろしくな美桜!と互いに下の名前で呼び始めるのだった。緑間はというと何も言うことなくその様子を見ていた。だが、何時も仏頂面な彼の表情にも少しではあるが笑みがこぼれていたのであった。
*****
楽しい時間はあっという間に過ぎ去るものだ。仲良くバスケをした彼らも試合で当たれば敵同士...
「ちゃーんと予選勝ち上がってくるんすよ!」
既にWC出場を決めている黄瀬。対して他のメンバーは予選を控えているのだ。
「余裕ぶっこいてるのも今のうちだ!」
「余裕ぶっこいてるつもりないんすけど!今度当たったらちゃんとリベンジするんすからね!火神っち!」
黄瀬を指差し睨めつける火神。それを見て、黄瀬は瞳の奥底をメラメラと燃えさせる。
「だから、その呼び名なんとかならねぇのか!」
「いいじゃないですか。黄瀬君に認められてるんですよ。火神君」
「テッちゃんの言うとおりだぜ、火神」
「高尾...お前は馴れ馴れしすぎるのだよ。いつの間にか黄瀬や黒子と仲良くなるなんてな」
「え~~、いいじゃん!真ちゃん!ねぇ、涼ちゃん!」
「そうっすよ、緑間っち!」
「お前ら二人はうるさすぎるのだよ!」
似た者同士が仲良くなってしまったと頭を抱えつつ、緑間は二人を追いかけ回す。ゲラゲラとこの状況を笑って楽しむ高尾。ちょっと、高尾っち笑いすぎと言いながらも黄瀬もこの状況を楽しんでるかのように見られた。そんな三人を放っておいて、美桜は黒子達に近づいた。
「この前の試合のリベンジ...させてもらうからね。テツヤに大我」
「絶対に負けません」
「リベンジなんかさせねぇーよ」
好戦的な瞳で三人は向かい合う。誠凛と秀徳は同じ東京都同士。予選で確実にこの2校は当たるのだ。
「フン、次は俺が勝つのだよ。精々首を洗って待ってればいいのだよ。火神」
「あぁ!?覚悟するのはお前の方だ、緑間!」
いつの間にか美桜の背後に立っていた緑間は火神を睨めつける。両者の間にも火花がバチバチとぶつかりあった。
「次の試合、ぜってぇー負けねえーからな。テッちゃん」
頭にできたコブをいてぇ…とさすりつつ高尾はその輪に加わる。
「僕も負けませんよ。高尾君」
「なんか...俺蚊帳の外なんすけど」
それぞれが己の好敵手に向き合う中一人置いてかれたと嘆く黄瀬。そんな黄瀬に美桜はゆっくりと近づいた。
「あはは、こればっかりはしょうがないね」
苦笑いを浮かべつつ黄瀬の隣に美桜は立ち、結いだ髪を解く。サラリと風に揺られ靡く髪を抑えながらも、彼女自身胸の高鳴りを感じずにはいられなかった。
彼らはそれぞれ改めて決意を胸に秘めるのだった。各々背負っているものは異なる。だが、共通していることもある。
それは絶対に負けたくないという気持ちだ。
今度、彼らは大きな舞台で互いにユニホームを着て戦う。
自身のプライドや誇りをかけて...
「「「次はWC(予選)で!!!!!!」」」
ストバスコートでは輪になり手を重ねる6人の影が浮かび上がるのであった。