夏祭り
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「リコさん!!」
花火が終わった後も和気あいあい楽しんでいた、誠凛の2年生勢そしてそこに後から加わった海常勢。そんな彼らの耳に聞き覚えのある声が入るのだった。呼ばれた相田を筆頭に勢いよく振り返った。
「あら!美桜ちゃんじゃない!」
遠くで手を振りながら歩いてくる美桜。その隣にはもちろん高尾の姿があった。相田が自分を識別したと確認した美桜は相田の胸に飛び込むのだった。
「リコさん、浴衣凄く似合ってますね!お綺麗です!」
「あらそう?そういう美桜ちゃんも似合ってるわよ」
ほんとですか?とキャキャ騒ぎ出す二人。そんな二人に割って入る人物がいた。
「いやいや…まさかこんなところでこんなにお美しい女性に会えるなんて…。
お嬢さん、お名前はなんというのですか?」
美桜の目の前では跪き彼女の手を取る森山の姿。え…とこの状況を呑み込めず美桜は固まる。そして困惑気味に名乗った。
「えっと…神田美桜といいます。」
「美桜さんですね。いいお名前ですね。もしよかったら…今度僕と一緒に…」
「はいはーい…すんませんね」
その光景を見た高尾は近づくと美桜の手をとっていた森山の手を払う。そして美桜を自分に引き寄せる。その手はもちろん見せつけるかのように彼女の腰に回っていた。
「俺の彼女にちょっかい出さないでもらえますかね」
え!と驚く森山。だが、驚いたのは森山だけではなかった。
「え!?高尾君、みおっちとつきあってるんすか!?」
「なになに?いつの間にあんた達くっついたの?」
すかさず黄瀬と相田が突っかかりはじめる。
「えっと…合宿の最終日に…」
やべ…思わず言ってしまったと高尾は一気に顔を赤くする。高尾に抱え込まれたままの美桜は、公開処刑じゃないか…とうつむいたまま心の中で叫ぶのだった。
「めでたいじゃないか!ほら!二人とも座って」
それを聞いた木吉はニコニコしながら二人を手招く。誘われる形で二人は宴会騒ぎの場に混ざるのだった。
色んな人達と話していくなかで、美桜はとあることに気づく。
笠松さん…また私と目を合わせてくれない…
何か嫌われることをしてしまったのか、笠松と一切視線が合うことがなかったのだ。もし機嫌を損ねることをしていたのだったら謝りたい。美桜はゆっくりと彼の元へ向かった。
「笠松さん、私のこと嫌いなんですか?」
「そんなんじゃね!」
近づく美桜に対して半歩後ずさる笠松。だが、すぐに美桜はその距離を詰める。
「じゃあなんで目を合わせてくれないし、後ずさるんですか」
「そ…それは…」
言い淀む笠松。そんな様子を傍らで面白そうに見ていた黄瀬が美桜に近づくなり彼女の耳元で囁く。
「ああ見えて、笠松先輩…女性と話すの苦手なんすよ」
「きーせーー!!聞こえてんぞ!!」
「先輩!!痛いっす!!蹴んないで!!」
いつもの見慣れた光景が始まる中、そうだったのかと美桜は驚くのだった。彼女にとって、この前笠松と出くわした渋谷の南部デパートから疑問に思っていたことが解決した瞬間であった。