桐皇学園対海常(IH準々決勝)
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黄瀬が尻もちを着いた途端に終了を知らせるホイッスルが鳴る。整列とコールされ、黄瀬は立ち上がろうとする。しかし、足にきていたのか、立つことが出来なかった。言うことを聞かない震えた自分の足...何度やっても立ち上がれない。
自分の弱さ…
海常を勝たせることが出来なかった…
青峰に勝てなかった悔しさ...
むしゃくしゃして、黄瀬はくそ!と悔し気に拳で地面を叩いた。自分の不甲斐なさに黄金の瞳からは悔し涙が零れ落ちていく。そんな涙で霞む視界に入ってきたのは誰かの手の平。不思議そうに黄瀬は見上げると手を差し出す笠松の姿があった。
「立てるか?もう少しだけ頑張れ...」
「センパイ...オレ...」
思わず黄瀬は唇を噛みしめるが、嗚咽が止まることはなかった。そんな彼を見て、笠松は黄瀬を立たせると肩を貸し、歩き出す。
「お前はよくやったよ...それにしてもこれで全てが終わったわけじゃない。仮は...冬返せ」
涙を流す黄瀬の黄色の髪に手を乗せワシャワシャと掻き回し、宥めるように笠松は言う。そして、整列し終わった後、誰もが浮かない顔をする中、声を張り上げるのだった。
「しょぼくれてんじゃねぇ!全員がすべてを出し切った!
全国ベスト8だろ?胸張って帰るぞ!!」
一番悔しいのは笠松自身であるはず。
だが、キャプテンである笠松は沈んでるチームの空気に一喝し鼓舞するのだった。その姿を見て黄瀬はある想いを胸に刻む。
次は絶対に海常を勝たせると。
*****
コート上で涙を流してる黄瀬を見ていると美桜は心が傷まれた。ホントなら駆け寄ってよく頑張ったねって褒めてあげたい。
『でも、大丈夫だよね?』
いいチームに恵まれた、と美桜は嬉しそうに目を細めた。だって称えてくれる人達が彼の周囲にもういるんだから。彼がここまで変わったのも、黒子の存在以上に彼ら…海常のメンバーのお陰かもしれない。
「さぁ行こ」
不思議と美桜は後ろ髪引かれることなく立ち上がった。
黄瀬とマッチアップしていた彼の姿は久々に彼女の胸を躍らせた。
今はそれで十分。少しでも楽しそうに黄瀬と戦う彼を見れただけで…。
例え、彼がまだ全力をだしていないとしても…。
すぐに席を立ってその場を離れようと動き出す美桜。そんな彼女の後ろ姿を高尾は不安げに追うのだった。
*****
試合が終わり人混みに溢れる廊下の壁際で、美桜と高尾はとある人物が通りかかるのを今かと待っていた。そしてお目当ての彼が彼らの前を横切ろうとする。彼はいつもの眼鏡ではなく、サングラス。だが、高身長で特徴的な緑の髪を持つ彼がサングラス1つで人混みの中に紛れることができるはずがなかった。
「真ちゃん、あれで変装したと思ってるから凄いよな、マジで」
「...ほんとだよね。バレバレっていうか、逆に目立つ」
これで変装したと思っている彼に呆れかえりながらも二人は壁から背を離した。
「すげぇー試合だったな真ちゃん」
「なぜ、わかったのだよ?」
高尾は、気づかずそのまま通り過ぎようとする緑間に話しかける。声を掛けられた緑間はホントに今まで気づかなかったらしく、振り向き彼らの姿を確認するとギク!と肩を強張らさせた。
「来ないわけがないと思ってさ。っーか、いい加減それで変装した気になるの、やめたほうがいいとおもうけど?」
「大きなお世話なのだよ」
だが、彼の言葉に聞く耳を持たず緑間は踵を返し歩き出す。思わず美桜を見る高尾。だが、彼女はしょうが無いと諦めた表情をしていた。とりあえず本人がこんななのでこの件は保留し、高尾達はすたすた歩く緑間に慌てて駆け寄り横に並んだ。
「やっぱ化け物だな...黄瀬も青峰も」
「わかりきったことを言うな。
それに化け物はお前の目の前にもいるのだよ。」
緑間の言葉で高尾は思い出したように目を思い切り見開いた。
あ...そうだったわ。こいつも化けもんだわ...
って自分で言うかそれ。
「大丈夫、真太郎はそこまでじゃないよ」
「確かにな。どちらかというと美桜、お前の方がアイツらに近いかもな」
「それ、どういう意味?」
「あはは!!確かに美桜もそうかも知んねぇーな...」
「あーもう!!みんなして酷い!」
フォローしたつもりだった美桜は、緑間の言葉に不服そうに口を尖らし彼に詰め寄る。が、緑間は事実だろうと平然と彼女を見下ろすまま。その二人のやり取りに高尾はどっちも変わらないと愉快気に高笑いした。そんな彼をジト目で美桜は見上げながら不満げに声を荒げた。
「…冬が楽しみだな」
「頑張ろうね...二人共」
そんな彼女を宥めるかのように高尾は優しくマリーゴールド髪を撫でると、前を見据えた。IHの会場の熱気を浴びた彼らが見据えるのは次の大舞台だ。真剣味を帯びた彼の声音に、美桜は身を引き締める。そして美桜は彼らに抱きつくと、自身にも言い聞かせるように小さく呟くのだった。一方で、そんな美桜を見て改めて高尾は決意をするのだった。
いつもいつも部活の時はサポートしてくれ、俺達を鼓舞してくれる彼女。
そんな秀徳の女神はいったいどれくらいその背に重たいものを背負ってるのだろうか?
少しでもその荷を下ろしてあげたい。
彼女の弾ける笑顔をテッペンで見たい。
そのためにも、まずはWCに行かなくては…
「あったりまえだろ!!WCの頂点に立ってやるよ!」
「うん!楽しみにしてるよ!」
秀徳の女神兼自分の彼女である美桜。高尾は見上げてくる彼女のことが愛おしく感じるのであった。しかし、高尾はあることが気に喰わず、暫くした後、感情のままに美桜に手を伸ばした。
「っーことで、さっさと真ちゃんから離れなさい」
「なんで???」
私...なんかした??
普通にいつも通りに彼らに抱きついただけなのだが?
美桜はいつの間にか高尾に腕を引っぱられ抱き寄せられた。不思議気に美桜は見上げると彼の表情は呆れ顔だった。だが唯一引き剥がされた緑間は高尾の心情に勘付き、小さくため息を溢した。
「なんだ??嫉妬か?高尾」
「うっさいな!真ちゃん!悪いかよ!」
フン!といつもの仏頂面でサングラスを押し上げる緑間。それに対し高尾がギャアギャアと騒ぎはじめる。未だに意味がわからない美桜は高尾の腕の中にいながら、話に入れずそのまま行末を見ていた。
「美桜の周りが皆スゲーぇやつばっかだから俺は不安なの!!
真ちゃんとか黄瀬とか青峰とかさ!!」
あー、そういうことか....
懸命に訴える高尾の言葉で、やっと美桜の頭の中で点と点が線で繋がった。
すっかり自分の心は彼に毒されてしまっていていっぱいいっぱい。だけど当の本人は不安で仕方がないらしい。
美桜は今日の行動をふと思い起こし、血相を変えた。今まで彼らとの距離を大して気にしたことがなかったから美桜は違和感を覚えなかったのだ。かつてのチームメートとの距離感を。だが、改めて冷静に考え直すと流石に不味いと美桜は気づいたのだった。
「ゴメン...不安にさせちゃった。
大丈夫、私は何処にも行ったりしないから。
…大好きだよ、かず」
恥ずかしさを覚えながら、美桜は人の目を気にすることなく高尾の背に手を回し軽く裾を掴んだ。そして想いの丈を言葉にするのだった。
一方で言い争っていた高尾は唐突な彼女の行動に口を噤むと目を見開き固まった。だが、上目遣いで見上げてくるエメラルドグリーンの瞳は真っ直ぐ自分を見ており、これは夢でなく現実なのだと気づくと、急激に彼の頭は回り始めた。
「美桜、不意打ちキツイ!お陰で頭の中、キャパオーバー。」
慌てふためきながらも高尾は美桜をキツく抱きしめると、彼女の肩に顔を埋める。そして心底幸せそうに鼻を伸ばしながら、嬉しそうに言い返すのだった。
「俺も美桜のこと、だ~いすき」
密着し、伝わってくる互いの温かいぬくもりを堪能する美桜と高尾。だがそのおかげで二人は肝心なことがすっぽりと抜けてしまっていた。
「お前ら...」
地響きでも起こりそうな怒りの籠った一声。ギクッと身体を強張らせた両者は恐る恐る振り向く。するとそこにはわなわなと怒りで肩を震わす緑間の姿があった。
あっ、これはやばい
至福の一時から一転。奈落の底に突き落とされた心地の美桜と高尾は薄々と全身から血の気が失せていくのをヒシヒシと感じ取った。そんな彼らの前で緑間は仁王立ちをし彼らをレンズ越しに見下ろした。
「俺がいるのを忘れてないか!!!
後、ここでイチャイチャするのではないのだよ!!」
見せつけられた緑間は握りしめた拳を彼らの頭上に叩き落す。渾身の力を込められた高尾は鈍痛で絶叫を上げる。対して、美桜は俯き頭を押さえながらもほんのりと頬を染めていた。
『良かったな、美桜』
加減した緑間が耳元で囁いた一声。その優しい声は彼女を想って出たもの。傍若無人な彼がここまで自分のことを気にかけてくれたのかと想うと美桜は嬉しさが込み上げてくるのだった。
自分の弱さ…
海常を勝たせることが出来なかった…
青峰に勝てなかった悔しさ...
むしゃくしゃして、黄瀬はくそ!と悔し気に拳で地面を叩いた。自分の不甲斐なさに黄金の瞳からは悔し涙が零れ落ちていく。そんな涙で霞む視界に入ってきたのは誰かの手の平。不思議そうに黄瀬は見上げると手を差し出す笠松の姿があった。
「立てるか?もう少しだけ頑張れ...」
「センパイ...オレ...」
思わず黄瀬は唇を噛みしめるが、嗚咽が止まることはなかった。そんな彼を見て、笠松は黄瀬を立たせると肩を貸し、歩き出す。
「お前はよくやったよ...それにしてもこれで全てが終わったわけじゃない。仮は...冬返せ」
涙を流す黄瀬の黄色の髪に手を乗せワシャワシャと掻き回し、宥めるように笠松は言う。そして、整列し終わった後、誰もが浮かない顔をする中、声を張り上げるのだった。
「しょぼくれてんじゃねぇ!全員がすべてを出し切った!
全国ベスト8だろ?胸張って帰るぞ!!」
一番悔しいのは笠松自身であるはず。
だが、キャプテンである笠松は沈んでるチームの空気に一喝し鼓舞するのだった。その姿を見て黄瀬はある想いを胸に刻む。
次は絶対に海常を勝たせると。
*****
コート上で涙を流してる黄瀬を見ていると美桜は心が傷まれた。ホントなら駆け寄ってよく頑張ったねって褒めてあげたい。
『でも、大丈夫だよね?』
いいチームに恵まれた、と美桜は嬉しそうに目を細めた。だって称えてくれる人達が彼の周囲にもういるんだから。彼がここまで変わったのも、黒子の存在以上に彼ら…海常のメンバーのお陰かもしれない。
「さぁ行こ」
不思議と美桜は後ろ髪引かれることなく立ち上がった。
黄瀬とマッチアップしていた彼の姿は久々に彼女の胸を躍らせた。
今はそれで十分。少しでも楽しそうに黄瀬と戦う彼を見れただけで…。
例え、彼がまだ全力をだしていないとしても…。
すぐに席を立ってその場を離れようと動き出す美桜。そんな彼女の後ろ姿を高尾は不安げに追うのだった。
*****
試合が終わり人混みに溢れる廊下の壁際で、美桜と高尾はとある人物が通りかかるのを今かと待っていた。そしてお目当ての彼が彼らの前を横切ろうとする。彼はいつもの眼鏡ではなく、サングラス。だが、高身長で特徴的な緑の髪を持つ彼がサングラス1つで人混みの中に紛れることができるはずがなかった。
「真ちゃん、あれで変装したと思ってるから凄いよな、マジで」
「...ほんとだよね。バレバレっていうか、逆に目立つ」
これで変装したと思っている彼に呆れかえりながらも二人は壁から背を離した。
「すげぇー試合だったな真ちゃん」
「なぜ、わかったのだよ?」
高尾は、気づかずそのまま通り過ぎようとする緑間に話しかける。声を掛けられた緑間はホントに今まで気づかなかったらしく、振り向き彼らの姿を確認するとギク!と肩を強張らさせた。
「来ないわけがないと思ってさ。っーか、いい加減それで変装した気になるの、やめたほうがいいとおもうけど?」
「大きなお世話なのだよ」
だが、彼の言葉に聞く耳を持たず緑間は踵を返し歩き出す。思わず美桜を見る高尾。だが、彼女はしょうが無いと諦めた表情をしていた。とりあえず本人がこんななのでこの件は保留し、高尾達はすたすた歩く緑間に慌てて駆け寄り横に並んだ。
「やっぱ化け物だな...黄瀬も青峰も」
「わかりきったことを言うな。
それに化け物はお前の目の前にもいるのだよ。」
緑間の言葉で高尾は思い出したように目を思い切り見開いた。
あ...そうだったわ。こいつも化けもんだわ...
って自分で言うかそれ。
「大丈夫、真太郎はそこまでじゃないよ」
「確かにな。どちらかというと美桜、お前の方がアイツらに近いかもな」
「それ、どういう意味?」
「あはは!!確かに美桜もそうかも知んねぇーな...」
「あーもう!!みんなして酷い!」
フォローしたつもりだった美桜は、緑間の言葉に不服そうに口を尖らし彼に詰め寄る。が、緑間は事実だろうと平然と彼女を見下ろすまま。その二人のやり取りに高尾はどっちも変わらないと愉快気に高笑いした。そんな彼をジト目で美桜は見上げながら不満げに声を荒げた。
「…冬が楽しみだな」
「頑張ろうね...二人共」
そんな彼女を宥めるかのように高尾は優しくマリーゴールド髪を撫でると、前を見据えた。IHの会場の熱気を浴びた彼らが見据えるのは次の大舞台だ。真剣味を帯びた彼の声音に、美桜は身を引き締める。そして美桜は彼らに抱きつくと、自身にも言い聞かせるように小さく呟くのだった。一方で、そんな美桜を見て改めて高尾は決意をするのだった。
いつもいつも部活の時はサポートしてくれ、俺達を鼓舞してくれる彼女。
そんな秀徳の女神はいったいどれくらいその背に重たいものを背負ってるのだろうか?
少しでもその荷を下ろしてあげたい。
彼女の弾ける笑顔をテッペンで見たい。
そのためにも、まずはWCに行かなくては…
「あったりまえだろ!!WCの頂点に立ってやるよ!」
「うん!楽しみにしてるよ!」
秀徳の女神兼自分の彼女である美桜。高尾は見上げてくる彼女のことが愛おしく感じるのであった。しかし、高尾はあることが気に喰わず、暫くした後、感情のままに美桜に手を伸ばした。
「っーことで、さっさと真ちゃんから離れなさい」
「なんで???」
私...なんかした??
普通にいつも通りに彼らに抱きついただけなのだが?
美桜はいつの間にか高尾に腕を引っぱられ抱き寄せられた。不思議気に美桜は見上げると彼の表情は呆れ顔だった。だが唯一引き剥がされた緑間は高尾の心情に勘付き、小さくため息を溢した。
「なんだ??嫉妬か?高尾」
「うっさいな!真ちゃん!悪いかよ!」
フン!といつもの仏頂面でサングラスを押し上げる緑間。それに対し高尾がギャアギャアと騒ぎはじめる。未だに意味がわからない美桜は高尾の腕の中にいながら、話に入れずそのまま行末を見ていた。
「美桜の周りが皆スゲーぇやつばっかだから俺は不安なの!!
真ちゃんとか黄瀬とか青峰とかさ!!」
あー、そういうことか....
懸命に訴える高尾の言葉で、やっと美桜の頭の中で点と点が線で繋がった。
すっかり自分の心は彼に毒されてしまっていていっぱいいっぱい。だけど当の本人は不安で仕方がないらしい。
美桜は今日の行動をふと思い起こし、血相を変えた。今まで彼らとの距離を大して気にしたことがなかったから美桜は違和感を覚えなかったのだ。かつてのチームメートとの距離感を。だが、改めて冷静に考え直すと流石に不味いと美桜は気づいたのだった。
「ゴメン...不安にさせちゃった。
大丈夫、私は何処にも行ったりしないから。
…大好きだよ、かず」
恥ずかしさを覚えながら、美桜は人の目を気にすることなく高尾の背に手を回し軽く裾を掴んだ。そして想いの丈を言葉にするのだった。
一方で言い争っていた高尾は唐突な彼女の行動に口を噤むと目を見開き固まった。だが、上目遣いで見上げてくるエメラルドグリーンの瞳は真っ直ぐ自分を見ており、これは夢でなく現実なのだと気づくと、急激に彼の頭は回り始めた。
「美桜、不意打ちキツイ!お陰で頭の中、キャパオーバー。」
慌てふためきながらも高尾は美桜をキツく抱きしめると、彼女の肩に顔を埋める。そして心底幸せそうに鼻を伸ばしながら、嬉しそうに言い返すのだった。
「俺も美桜のこと、だ~いすき」
密着し、伝わってくる互いの温かいぬくもりを堪能する美桜と高尾。だがそのおかげで二人は肝心なことがすっぽりと抜けてしまっていた。
「お前ら...」
地響きでも起こりそうな怒りの籠った一声。ギクッと身体を強張らせた両者は恐る恐る振り向く。するとそこにはわなわなと怒りで肩を震わす緑間の姿があった。
あっ、これはやばい
至福の一時から一転。奈落の底に突き落とされた心地の美桜と高尾は薄々と全身から血の気が失せていくのをヒシヒシと感じ取った。そんな彼らの前で緑間は仁王立ちをし彼らをレンズ越しに見下ろした。
「俺がいるのを忘れてないか!!!
後、ここでイチャイチャするのではないのだよ!!」
見せつけられた緑間は握りしめた拳を彼らの頭上に叩き落す。渾身の力を込められた高尾は鈍痛で絶叫を上げる。対して、美桜は俯き頭を押さえながらもほんのりと頬を染めていた。
『良かったな、美桜』
加減した緑間が耳元で囁いた一声。その優しい声は彼女を想って出たもの。傍若無人な彼がここまで自分のことを気にかけてくれたのかと想うと美桜は嬉しさが込み上げてくるのだった。