インターハイ予選
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
IH予選が始まった。
誠凛高校は辛うじて勝ち上がる中、秀徳高校は初戦を迎えていた。
観客席から聞こえるのは秀徳コール。そしてそこには、『不撓不屈』の垂れ幕がぶら下がっていた。
選手よりいち早く入っていた美桜は、久々の会場の熱気に心躍っていた。その美桜の視界の先には、先ほどまで試合をしていた誠凛高校の姿があった。
「よう...お前が緑間真太郎だろう?」
秀徳の選手が入ってくる中、誠凛サイドから一人出てきた。試合後にも関わらずギラギラと目を燃やし、火神大我は1人の青年の前に立ち塞がった。
「そうだが...誰なのだよ?君は?」
顔色一つ変えることなく緑間は聞き返す。
知ってるくせに…
何のプライドだよそれは
緑間と行動を共にしている高尾はしらばっくれる彼を見て秘かに吹き出していた。
対して、聞き返された火神はというと、黙ったまま手を伸ばす。
「握手か?」
差し出された手に視線を落とす緑間は、はぁ...と溜息をついた。が、礼儀は大事だと彼としては珍しく左手を渋々とだが差し伸べた。すると火神はどこからかマジックペンを取り出し何かを緑間の手に書き出した。
『せいりん1ばん火神大我』
書かれた文字に緑間は目を見開く。対して高尾は予想以上だと、身体を折り曲げていた。
「普通に名乗ってもいかにも覚えてないとかいいそうな面をしてるからな、お前。
先輩達のリベンジの相手にはきっちり覚えてもらわねぇと」
「ふん...リベンジ?随分と無謀な事を言うのだな」
「ああ!?」
挑発的に緑間を見る火神。それに対し、緑間は鼻で笑い小馬鹿にする。そんな態度に案の定噛み付く火神に、後ろから高尾が話に割って入った。
「誠凛さんでしょ?てか先輩から何も聞いてねぇーの?
誠凛は去年決勝リーグで三大王者全てにトリプルスコアでズタズタにされたんだぜ」
「息巻くのは勝手だが...彼我の差は圧倒的なのだよ。
仮に決勝で当たっても歴史は繰り返されるだけだ」
自分たちが勝つのは当たり前だ、そう云わんばかりの態度に火神を追ってきた誠凛の影が口を開いた。
「いえ...過去の結果で出来るのは予想までです。
勝負はやってみなければわからないと思います。緑間君」
火神の横に並んだ黒子を、緑間は一瞥した。
「黒子、やはりお前は気に食わん...何を考えているのかわからん。
目が特にな...
言いたいことは山ほどあるがここで言っても虚しいだけだ。
まずは決勝まで来い。」
一回戦まで見に行ったやつが言うセリフか?
高尾は内心そう思いながら、黒子に近づいた。
「いや〜言うね〜」
高尾は手を頭の後部で組んで黒子の背後へ。そのまま彼の肩へ左腕を回し覗き込んだ。
「あれっしょ?君、真ちゃんの同中っしょ!
気にすんなよ...アイツ、ツンデレだから。
ほんとはちょー注目してるんだぜ?
なんたって予選の一回戦まで見に行った...」
「いつも適当なことを言うな...高尾」
高尾が本当の事を言う前に緑間が遮るように言葉を重ねてきた。そんな緑間に高尾は呆れた眼差しを向けた。
「いつまで喋ってる!!準備しろ!」
「ヘーイ...」
二人を見かねた大坪が早くしろと促す。その声に高尾は黒子の肩から腕を離して彼から離れた。そして手ぶらになった手を頭に組むとベンチへ歩き出す。
「黒子、教えてやろう。お前の考えがどれだけ甘いか」
少し歩いた緑間は足を止める。そして振り向いた緑間は黒子達へと言葉を言い残すのだった。
*****
「スタートから出る??
占いが悪いから出たくねぇって言ってなかったか?」
ドリンク等準備し戻ってきた美桜は大坪が反芻した言葉に驚く。
今日のおは朝占いの順位悪かったような…
よほどのことがない限り緑間は占いが悪かった日は試合に出ることがないのだ。
「旧友に会ってテンション上がっちゃったんだろ?」
珍しいと呆気にとられている美桜の近くにいた高尾が口を挟んだ。その言葉に美桜は納得する。
テツヤに会ったのね…
美桜は小さく笑みを零した。
「いつまでも的はずれなかんぶりはよせ。
シュートタッチを確かめたくなっただけだ。」
半分はそうだろうけど、もう半分はテツヤに見せつけるためでしょ?
素直に認めることをしない緑間に対し、彼の思考を呼んだ美桜は口角を上げる。対して、大坪はというと引きつった笑みを浮かべていた。
「いいけど、監督から許されてる。
お前のワガママは一日3回までだからな...
後2回だけだから。
まぁいつもどうりシュート決めてくれれば文句はねえが...
占いが悪いからって、くその言い訳にもなんねぇからな」
あーあ、確実にきれてるよ…大坪先輩
さっさとコートへ行ってしまった大坪の後ろ姿を見て、美桜と高尾はヤレヤレと肩を竦めた。
緑間の唯我独尊ぶりに監督は彼のワガママを一日3回まで認めているのだ。
「落ちるわけがない、今日のラッキーアイテム...クマのぬいぐるみだ。運気も補正されているのだから」
一瞬表情に影を落としたものの、緑間は左手のテーピングをゆっくりと取った。
「じゃあいってくるぜ」
そそくさとコートへ行く緑間の背を追うように、ベンチから立ち上がり伸びをした高尾は美桜に笑いかけた。
「いってらっしゃい...」
見送った美桜はふと観覧席を見上げる。すると誠凛の姿が目に留まった。
テツヤ…
まっすぐに向けられる空色の瞳。美桜はその瞳と視線が絡み合ったような気がして、目を細めたのだった。
誠凛高校は辛うじて勝ち上がる中、秀徳高校は初戦を迎えていた。
観客席から聞こえるのは秀徳コール。そしてそこには、『不撓不屈』の垂れ幕がぶら下がっていた。
選手よりいち早く入っていた美桜は、久々の会場の熱気に心躍っていた。その美桜の視界の先には、先ほどまで試合をしていた誠凛高校の姿があった。
「よう...お前が緑間真太郎だろう?」
秀徳の選手が入ってくる中、誠凛サイドから一人出てきた。試合後にも関わらずギラギラと目を燃やし、火神大我は1人の青年の前に立ち塞がった。
「そうだが...誰なのだよ?君は?」
顔色一つ変えることなく緑間は聞き返す。
知ってるくせに…
何のプライドだよそれは
緑間と行動を共にしている高尾はしらばっくれる彼を見て秘かに吹き出していた。
対して、聞き返された火神はというと、黙ったまま手を伸ばす。
「握手か?」
差し出された手に視線を落とす緑間は、はぁ...と溜息をついた。が、礼儀は大事だと彼としては珍しく左手を渋々とだが差し伸べた。すると火神はどこからかマジックペンを取り出し何かを緑間の手に書き出した。
『せいりん1ばん火神大我』
書かれた文字に緑間は目を見開く。対して高尾は予想以上だと、身体を折り曲げていた。
「普通に名乗ってもいかにも覚えてないとかいいそうな面をしてるからな、お前。
先輩達のリベンジの相手にはきっちり覚えてもらわねぇと」
「ふん...リベンジ?随分と無謀な事を言うのだな」
「ああ!?」
挑発的に緑間を見る火神。それに対し、緑間は鼻で笑い小馬鹿にする。そんな態度に案の定噛み付く火神に、後ろから高尾が話に割って入った。
「誠凛さんでしょ?てか先輩から何も聞いてねぇーの?
誠凛は去年決勝リーグで三大王者全てにトリプルスコアでズタズタにされたんだぜ」
「息巻くのは勝手だが...彼我の差は圧倒的なのだよ。
仮に決勝で当たっても歴史は繰り返されるだけだ」
自分たちが勝つのは当たり前だ、そう云わんばかりの態度に火神を追ってきた誠凛の影が口を開いた。
「いえ...過去の結果で出来るのは予想までです。
勝負はやってみなければわからないと思います。緑間君」
火神の横に並んだ黒子を、緑間は一瞥した。
「黒子、やはりお前は気に食わん...何を考えているのかわからん。
目が特にな...
言いたいことは山ほどあるがここで言っても虚しいだけだ。
まずは決勝まで来い。」
一回戦まで見に行ったやつが言うセリフか?
高尾は内心そう思いながら、黒子に近づいた。
「いや〜言うね〜」
高尾は手を頭の後部で組んで黒子の背後へ。そのまま彼の肩へ左腕を回し覗き込んだ。
「あれっしょ?君、真ちゃんの同中っしょ!
気にすんなよ...アイツ、ツンデレだから。
ほんとはちょー注目してるんだぜ?
なんたって予選の一回戦まで見に行った...」
「いつも適当なことを言うな...高尾」
高尾が本当の事を言う前に緑間が遮るように言葉を重ねてきた。そんな緑間に高尾は呆れた眼差しを向けた。
「いつまで喋ってる!!準備しろ!」
「ヘーイ...」
二人を見かねた大坪が早くしろと促す。その声に高尾は黒子の肩から腕を離して彼から離れた。そして手ぶらになった手を頭に組むとベンチへ歩き出す。
「黒子、教えてやろう。お前の考えがどれだけ甘いか」
少し歩いた緑間は足を止める。そして振り向いた緑間は黒子達へと言葉を言い残すのだった。
*****
「スタートから出る??
占いが悪いから出たくねぇって言ってなかったか?」
ドリンク等準備し戻ってきた美桜は大坪が反芻した言葉に驚く。
今日のおは朝占いの順位悪かったような…
よほどのことがない限り緑間は占いが悪かった日は試合に出ることがないのだ。
「旧友に会ってテンション上がっちゃったんだろ?」
珍しいと呆気にとられている美桜の近くにいた高尾が口を挟んだ。その言葉に美桜は納得する。
テツヤに会ったのね…
美桜は小さく笑みを零した。
「いつまでも的はずれなかんぶりはよせ。
シュートタッチを確かめたくなっただけだ。」
半分はそうだろうけど、もう半分はテツヤに見せつけるためでしょ?
素直に認めることをしない緑間に対し、彼の思考を呼んだ美桜は口角を上げる。対して、大坪はというと引きつった笑みを浮かべていた。
「いいけど、監督から許されてる。
お前のワガママは一日3回までだからな...
後2回だけだから。
まぁいつもどうりシュート決めてくれれば文句はねえが...
占いが悪いからって、くその言い訳にもなんねぇからな」
あーあ、確実にきれてるよ…大坪先輩
さっさとコートへ行ってしまった大坪の後ろ姿を見て、美桜と高尾はヤレヤレと肩を竦めた。
緑間の唯我独尊ぶりに監督は彼のワガママを一日3回まで認めているのだ。
「落ちるわけがない、今日のラッキーアイテム...クマのぬいぐるみだ。運気も補正されているのだから」
一瞬表情に影を落としたものの、緑間は左手のテーピングをゆっくりと取った。
「じゃあいってくるぜ」
そそくさとコートへ行く緑間の背を追うように、ベンチから立ち上がり伸びをした高尾は美桜に笑いかけた。
「いってらっしゃい...」
見送った美桜はふと観覧席を見上げる。すると誠凛の姿が目に留まった。
テツヤ…
まっすぐに向けられる空色の瞳。美桜はその瞳と視線が絡み合ったような気がして、目を細めたのだった。