Last Game【映画】
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「「おはようございまーす」」
連絡を受けたその翌日、美桜と高尾はとある体育館の入り口にいた。
「お...おはよう
高尾に神田...
朝から元気がいいな」
その挨拶を受けて顔を引きつらせながら言葉を発するのは日向だ。
「えっと、秀徳の2年の高尾とマネージャーの神田だっけ?」
そしてもう一人。初めましての若松は微かな記憶をたどりながらたどたどしく返事を返した。
「はい!いつも大輝がお世話になっております」
美桜は礼儀正しく一礼した。その彼女が発した名前に若松は思い出したようにあぁと声を漏らす。
「そういえば、青峰の幼馴染だっけ?」
「そーです!!
若松さん!もし大輝関連でお困りでしたら私に連絡してください。
いつでも成敗に向かわせていただきます」
「満面の笑みでスゲぇー物騒な事言うな...」
桃井にしろ目の前の神田にしろ何故青峰の幼馴染は可愛らしい子ばかりなのだと思いきややはり一癖ニ癖あるらしいと若松は若干引き気味になる。が、彼女の申し出は有り難いと若松は素直にそのご厚意に乗っかろうとスマホを取り出す。
その光景を見て一人静かに黒いオーラを発していてそれをもう一人が必死に宥めているのも知らずに。
「...若松さん」
「なんだ?高尾??」
ドス低い声に若松は顔を上げ、美桜はキョトンとする。二人が視線を上げると満面の笑みを浮かべる高尾と何故か若松に対して憐れみの眼差しを向ける日向がいたのだった。
「美桜と連絡先、交換すんのは別にいいんすけど...」
高尾は人懐っこい笑みで若松に話し出す。が、言葉を途中で区切るとガッと美桜の腕を掴んで己に引き寄せた。美桜の肩に腕を回して彼女を閉じ込め、高尾は言葉の続きを吐き出す。
「コイツ俺のなんで
行き過ぎた行動しないで下さいよ」
ギラギラと獰猛な瞳を向ける高尾、そして彼の腕の中で赤面する美桜を交互に見た若松はえっ...と声を漏らす。
「お前らそういう関係なのか!?
知ってたか?日向?」
「頼むから俺に振るな
コイツら度がつくほどのバカップルだから
くれぐれも注意しといた方が身のためだぞ」
若松は驚きながら日向に話を振る。振られた日向は頭を抱えながら面倒くさそうに若松に忠告するのだった。
「高尾も独占欲剥き出しにしすぎだ
ちょっとは自制しろ!」
「いやだって日向さん!
美桜のやつ全く危機感がないんすよ!!」
「牽制したくなる気持ちはわからなくないが...」
日向の言葉に高尾は美桜を離すと日向に前のめりになり噛みつく。その勢いに押され尻すぼみになり言い淀む日向にもう一押しと高尾が声を上げる。
「日向さんだって、相田さんが男の人と親しげに話してたら同じことしますよね!?」
高尾の行動を注意していたはずの日向はここにきて話題が逸れていることに気づく。矛先が変わっていることに内心焦りながら日向は声を上げる。
「ちょ...ちょっと待て高尾...」
「あ!日向さん!
リコさんに気持ち伝えましたか??」
唐突に話に割って入ってきた美桜が爆弾発言を落とす。その言葉に完全に日向の思考は停止してしまう。
「なんだ?日向ってあの監督のことが好きなのか??」
「「そーなんですよ!!」」
「待て待てお前ら!!
勝手に俺抜きにして話を進めんな!」
横から更に興味を示した若松の疑問が発せられ、思考停止している日向に代わり美桜と高尾が声を揃えて答えた。そんな二人に向けて日向は慌てて叫んで制止させるのだった。
「...なんで俺がリコが好きという前提で話が進んでるんだ!?」
「「違うんですか???」」
「..............」
「これは図星だな」
純粋な二人の眼差しに日向は返す言葉を失い視線を外し黙り込んでしまう。それは肯定だと言っているもんで、ほんわかに頬を染めて全く説得力がない日向を若松が呆れた眼差しを向けるのだった。
「あ、もしかしてまだ言ってない感じですか〜
もしよろしければ俺が...」
「ちょっと和
それは流石にお節介だよ...」
日向の様子に全てを察した高尾がヘラヘラとしながら手助けの申し入れをしようとするが、その言葉を美桜は遮って高尾のやりそうな行動を制止させるのだった。
「それに!!
今こんなことに現抜かしている場合じゃないでしょ!!
何のために招集されたか忘れたの!?」
「まぁ神田の言うとおりだなって...
なんでこんなに燃え上がってんだ...」
目尻を吊り上げて高尾を一喝する美桜のエメラルドグリーンの瞳の奥はメラメラと炎が燃えていた。そんな彼女の一声に日向は賛同しながらも美桜の異常過ぎる気合の入れように疑問を抱く。それに何言ってるんですか!と美桜は胸を張った。
「もちろん!Jabberwockの連中に一矢報いためですよ!!」
「あ、今回美桜は選手として呼ばれてるんで...」
「はぁ!?マジで??」
ポカンとする日向と若松に忘れてたと付け加えるように高尾が言葉を付け足す。その事実は、マネージャーとして呼ばれているもんだと思っていた日向と若松は信じられないと啞然としてしまうのだった。
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