秀徳対洛山(WC準決勝)
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沸き上がる歓声。
だが俯いていた赤司にはそれが聞こえなかった。
負けた…
これが敗北
初めて味わう感覚に思わず胸に手を当てる。
ひどい胸の痛みだ
とても整列するまで平穏を保つことなどできそうにない
だが…だからこそ思う
それでも赤司は前を向き歩き出す。
絶望という敗北ではない。互いに全力を出し戦ったからこそ味わえる心地よい敗北。悔いなど赤司にはなかった。
バスケをしていて良かったと
ゆっくりと小さく微笑んだ赤司はコート中央へ。そして、秀徳のメンバーの元で勝利の喜びを噛みしめていた美桜に赤司は手を伸ばした。
「負けたよ…神田。お前の勝ちだ」
彼の手をゆっくりとおどおどしながらも美桜は手を伸ばして握りしめた。
「征君…」
赤司を近くで見た途端、美桜の目に溜めていた涙が額を流れる。そして感極まった彼女は思いっきり彼に抱きついた。
「おかえり!!征君!!」
「ただいま…神田」
泣きじゃくる美桜の背中に赤司はそっと手を回した。だが、なかなか離れない彼女を見て赤司はすぐに困った表情を浮かべた。
「神田…そろそろ離れてくれないかい??」
「…??なんで?」
「なんでって…彼からの視線が凄く痛いんだが」
そう言った赤司の視線の端ではわかってはいるものの気持ちを抑えきれず彼を睨む高尾がいた。赤司の視線を追うように振り向いた美桜は状況に気づきそっと赤司から離れた。そんな彼に一人の影が近づく。
「赤司…」
「緑間…」
赤司の元に来た影の正体は緑間だった。
「どうだ…敗北を知った感想は?」
「想像以上の胸の痛みだ」
「そうか…」
互いに暫く見つめあう二人。だが、フッと小さく息を吐いた赤司が緑間に先に手を伸ばした。
「覚悟しておけ…次こそ勝つのは俺たちだ」
「フン…次も勝つのだよ」
赤司の伸ばされた手を緑間は強く握りかえした。
熱い握手を交わす二人に
そして秀徳と洛山に向けて
温かい拍手が送られるのだった。
だが俯いていた赤司にはそれが聞こえなかった。
負けた…
これが敗北
初めて味わう感覚に思わず胸に手を当てる。
ひどい胸の痛みだ
とても整列するまで平穏を保つことなどできそうにない
だが…だからこそ思う
それでも赤司は前を向き歩き出す。
絶望という敗北ではない。互いに全力を出し戦ったからこそ味わえる心地よい敗北。悔いなど赤司にはなかった。
バスケをしていて良かったと
ゆっくりと小さく微笑んだ赤司はコート中央へ。そして、秀徳のメンバーの元で勝利の喜びを噛みしめていた美桜に赤司は手を伸ばした。
「負けたよ…神田。お前の勝ちだ」
彼の手をゆっくりとおどおどしながらも美桜は手を伸ばして握りしめた。
「征君…」
赤司を近くで見た途端、美桜の目に溜めていた涙が額を流れる。そして感極まった彼女は思いっきり彼に抱きついた。
「おかえり!!征君!!」
「ただいま…神田」
泣きじゃくる美桜の背中に赤司はそっと手を回した。だが、なかなか離れない彼女を見て赤司はすぐに困った表情を浮かべた。
「神田…そろそろ離れてくれないかい??」
「…??なんで?」
「なんでって…彼からの視線が凄く痛いんだが」
そう言った赤司の視線の端ではわかってはいるものの気持ちを抑えきれず彼を睨む高尾がいた。赤司の視線を追うように振り向いた美桜は状況に気づきそっと赤司から離れた。そんな彼に一人の影が近づく。
「赤司…」
「緑間…」
赤司の元に来た影の正体は緑間だった。
「どうだ…敗北を知った感想は?」
「想像以上の胸の痛みだ」
「そうか…」
互いに暫く見つめあう二人。だが、フッと小さく息を吐いた赤司が緑間に先に手を伸ばした。
「覚悟しておけ…次こそ勝つのは俺たちだ」
「フン…次も勝つのだよ」
赤司の伸ばされた手を緑間は強く握りかえした。
熱い握手を交わす二人に
そして秀徳と洛山に向けて
温かい拍手が送られるのだった。