「光輝く日々へ」
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
風が吹く度に、花びらが、まるで雪のように、あたり一面に舞い散る。
それを箒で掃除しながら、ぼんやりと七松さんのことを考えていた。
もう来ないものだと、頭では分かっていても、心がそれを拒んでいた。
「すみません。お団子とお茶、お願いします」
聞き覚えのある声に、わたしは、はっとして息を呑み、顔をそちらへ向けた。
「なっ……七松さん」
「お久しぶりです、○○さん」
目の前に、あんなに会いたくてたまらなかった七松さんが立っている。
少し髪が伸びて、背が高くなったような気がする。
生きていたんだ。よかった。
目頭が、じんわりと熱くなると同時に、足から力が抜け、私はその場にへたり込む。
「○○さん?!」
私の姿を見て、七松さんが慌てて駆け寄ってきた。
「どこか、痛むんですか……? 大丈夫ですか?」
申し訳なさそうに眉を下げ、身体を支えてくれる。
「ごめんなさい。違うんです……わたし……」
言葉が追いつかず、まるで小さな子供みたいに、ぼろぼろと涙が零れた。
「もう、七松さんに会えなくなったら、どうしようって……思ってしまって……」
七松さんは、何も言わず、慰めるように肩を擦ってくれた。
そのせいで、余計に胸が苦しくなる。
私は、涙でぐちゃぐちゃになった顔を隠すように、下を向く。
「わっ……わたしも、七松さんの顔を見ると、安心するんです……だから……また、ここに来て、お団子を食べに来てください」
最後の方は、声が震えていた。
私の背中を撫でていた手が、ふと止まる。
不思議に思って顔を上げると、大きな目を見開いたまま、七松さんが固まっている。
――しまった。
変なことを言ってしまった。そう思った瞬間。
腰を引き寄せられ、そのまま、抱きしめられた。
顔が、一気に熱くなる。
「あっ……あの、七松さん」
「……小平太」
「え?」
「七松さんじゃなくて、小平太って、呼んでほしい」
まっすぐにこちらを見つめて、続ける。
どくどくと、心臓がうるさく脈を打つ。
私は、緊張でからからになった喉から、声を絞り出して、名前を呼ぶ。
「小平太……」
小平太は、わたしが名前を呼ぶと、頬を緩ませ、優しく微笑んだ。
「わたしのことも…呼び捨てで呼んでほしい…お願い」
「○○……夏になったら、二人で海へ行こう。いや、夏じゃなくても、海じゃなくてもいい。川でも山でも、○○の好きなところへ、どこへでも連れて行くから……」
「はい……貴方となら、何処へでも」
「敬語も、少しずつでいいから、辞めていこうな」
「はい、頑張ります! あっ」
私の日常は、再びきらきらと美しく、前よりいっそう、輝き出すのだった。
それを箒で掃除しながら、ぼんやりと七松さんのことを考えていた。
もう来ないものだと、頭では分かっていても、心がそれを拒んでいた。
「すみません。お団子とお茶、お願いします」
聞き覚えのある声に、わたしは、はっとして息を呑み、顔をそちらへ向けた。
「なっ……七松さん」
「お久しぶりです、○○さん」
目の前に、あんなに会いたくてたまらなかった七松さんが立っている。
少し髪が伸びて、背が高くなったような気がする。
生きていたんだ。よかった。
目頭が、じんわりと熱くなると同時に、足から力が抜け、私はその場にへたり込む。
「○○さん?!」
私の姿を見て、七松さんが慌てて駆け寄ってきた。
「どこか、痛むんですか……? 大丈夫ですか?」
申し訳なさそうに眉を下げ、身体を支えてくれる。
「ごめんなさい。違うんです……わたし……」
言葉が追いつかず、まるで小さな子供みたいに、ぼろぼろと涙が零れた。
「もう、七松さんに会えなくなったら、どうしようって……思ってしまって……」
七松さんは、何も言わず、慰めるように肩を擦ってくれた。
そのせいで、余計に胸が苦しくなる。
私は、涙でぐちゃぐちゃになった顔を隠すように、下を向く。
「わっ……わたしも、七松さんの顔を見ると、安心するんです……だから……また、ここに来て、お団子を食べに来てください」
最後の方は、声が震えていた。
私の背中を撫でていた手が、ふと止まる。
不思議に思って顔を上げると、大きな目を見開いたまま、七松さんが固まっている。
――しまった。
変なことを言ってしまった。そう思った瞬間。
腰を引き寄せられ、そのまま、抱きしめられた。
顔が、一気に熱くなる。
「あっ……あの、七松さん」
「……小平太」
「え?」
「七松さんじゃなくて、小平太って、呼んでほしい」
まっすぐにこちらを見つめて、続ける。
どくどくと、心臓がうるさく脈を打つ。
私は、緊張でからからになった喉から、声を絞り出して、名前を呼ぶ。
「小平太……」
小平太は、わたしが名前を呼ぶと、頬を緩ませ、優しく微笑んだ。
「わたしのことも…呼び捨てで呼んでほしい…お願い」
「○○……夏になったら、二人で海へ行こう。いや、夏じゃなくても、海じゃなくてもいい。川でも山でも、○○の好きなところへ、どこへでも連れて行くから……」
「はい……貴方となら、何処へでも」
「敬語も、少しずつでいいから、辞めていこうな」
「はい、頑張ります! あっ」
私の日常は、再びきらきらと美しく、前よりいっそう、輝き出すのだった。
2/2ページ
