「光輝く日々へ」
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「すみません。お団子とお茶、お願いします」
声がして、のれんを捲ると七松さんと目が合う。
にこりと微笑まれ、胸がなぜか、きゅっと切なくなった。
「この前、クラスのみんなで海へ泳ぎに行ったんです」
お団子を頬張りながら、七松さんは楽しそうに話し始めた。
「いいですねえ。楽しかったですか?」
「はい! とても。日が暮れるまで、みんなで遊びました」
他愛ない会話をする。これは、彼が店に来た時の日課だ。
綺麗な花が咲いたとか、猫の親子を見たとか、そういう話をお互いにして、それだけで、なんだか心の奥が、まるで春のお日様のように、ぽかぽかと温かくなるような感じがした。
わたしの、特段変わったことのない日常に、七松さんという、きらきらとした光が差し込む。
「これ、お土産です。どうぞ」
そう言うと、私の手のひらの上に、小さな桃色の貝を載せた。
思わず、はっと息を呑む。
「いっ……いいんですか?」
「すみません。周辺に土産屋が無くて。こんなものでよければ、貰ってください」
「いいえ。七松さんに貰った物は、何でも嬉しいです。たとえ石ころでも!」
貰った貝殻が割れないように、そっと手で握った。
「○○さんそれは、ちょっと大袈裟すぎませんか」
そう言うと、七松さんは笑った。
「ごちそうさまでした」
礼儀正しく両手を合わせると、立ち上がった。
毎回、この時間は淋しくなる。
「七松さん、また来てくださいね」
「絶対に、また来ます」
そう言って、私に手を振り、彼は帰っていった。
でも、七松さんは、夏が終わって、秋になっても現れなかった。
こんな時代だ。もしかしたら、戦へ行ってしまったのかもしれないし、学校が忙しくて、ここへ来られないのかもしれないし、どこかの誰かと、結婚してしまったのかもしれない。
七松さんという光が消えてしまっても、変わらずに朝はやってくる。
いつのまにか、雪が溶けて春になった。店先の桜の花が蕾をつけている。この調子だと、来週には咲くだろう
声がして、のれんを捲ると七松さんと目が合う。
にこりと微笑まれ、胸がなぜか、きゅっと切なくなった。
「この前、クラスのみんなで海へ泳ぎに行ったんです」
お団子を頬張りながら、七松さんは楽しそうに話し始めた。
「いいですねえ。楽しかったですか?」
「はい! とても。日が暮れるまで、みんなで遊びました」
他愛ない会話をする。これは、彼が店に来た時の日課だ。
綺麗な花が咲いたとか、猫の親子を見たとか、そういう話をお互いにして、それだけで、なんだか心の奥が、まるで春のお日様のように、ぽかぽかと温かくなるような感じがした。
わたしの、特段変わったことのない日常に、七松さんという、きらきらとした光が差し込む。
「これ、お土産です。どうぞ」
そう言うと、私の手のひらの上に、小さな桃色の貝を載せた。
思わず、はっと息を呑む。
「いっ……いいんですか?」
「すみません。周辺に土産屋が無くて。こんなものでよければ、貰ってください」
「いいえ。七松さんに貰った物は、何でも嬉しいです。たとえ石ころでも!」
貰った貝殻が割れないように、そっと手で握った。
「○○さんそれは、ちょっと大袈裟すぎませんか」
そう言うと、七松さんは笑った。
「ごちそうさまでした」
礼儀正しく両手を合わせると、立ち上がった。
毎回、この時間は淋しくなる。
「七松さん、また来てくださいね」
「絶対に、また来ます」
そう言って、私に手を振り、彼は帰っていった。
でも、七松さんは、夏が終わって、秋になっても現れなかった。
こんな時代だ。もしかしたら、戦へ行ってしまったのかもしれないし、学校が忙しくて、ここへ来られないのかもしれないし、どこかの誰かと、結婚してしまったのかもしれない。
七松さんという光が消えてしまっても、変わらずに朝はやってくる。
いつのまにか、雪が溶けて春になった。店先の桜の花が蕾をつけている。この調子だと、来週には咲くだろう
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