突然ですが、私には前世の記憶があります。

前世ではFBI捜査官として犯人を追ってきました。
捜査官としての私の武器は、心理学と行動分析。そして、嘘を見抜くこと。
仲間たちと研鑽し、時にはぶつかり合いながらいくつもの事件を解決してきた。

でも、危険と隣合わせな仕事。
私は33歳の時、追っていた犯人が仕掛けた爆弾によって殉職した。

4歳の頃、よく見る夢が自分の前世の記憶だと気づいた。
それから、父に武術を教えてもらうようになった。
もう、後悔したくなかったから。
強くなろうと決めたから。

捜査官として、いつも心の片隅にあったもの。
事件の被害者、その家族を見るたびに思った。
悲しみの涙を減らしたい。涙や血を流す人を減らしたい。
守りたい。
そして、涙を笑顔に変えたい…！

そして、生まれ変わったこの世界では
あの時、抱いていたものを実現できるかもしれないと思った。

涙を笑顔に変える。

私は、ヒーローになって涙を笑顔に変えたい！

そう強く思った。悔しい思いは前世でたくさんした。
それなら、今世では自分の信念を貫くために出来ることをしていこうって決めた。

私が前世の記憶を思い出したことは、両親に話した。
ヒーローを目指したいということも。

それから、元プロヒーローだった父に武術を中心に指導してもらった。

父の仕事についていき、多くのヒーローにも出会った。
そして、その事務所で個性の訓練もできた。

そんな時、ある高校で出会った。
ヒーローの卵達が集まる高校で。

当時5歳の子供だった私の話を、馬鹿にせず、笑ったりすることもなく
聞いてくれて、鍛錬にも付き合ってくれた。
格好良いお兄さん達。

最後に、お兄さん達に会ったとき約束した。
だから、私は絶対ヒーローになる。

あの時の思いを繰り返さない為にも
約束したお兄さん達にまた会う為にも…。



「まってて、ヒーローになってあいにいくから！！」