First Year
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フィル視点
「集合!!」
マダム・フーチの声が響く。
飛行訓練か…。空を飛ぶのは好きだ。叔母さんがよく俺を後ろに乗せて飛んでくれた。自分で飛ぶのは初めてだけど、まぁものは試しだ。心配しても仕方がない。
「さぁさ、箒の左側に立って!箒の上に手を出して“上がれ”!」
マダム・フーチの声に従い皆が一斉に「上がれ!」と声をあげる。
これも一応魔法なんだろうか…。箒がさっと手に収まるところをイメージしてから小さく
『上がれ』
と呟く。
箒はゆったりと、しかし素早く、俺の手に収まった。近くでネビル・ロングボトムが箒の柄に殴られる。
ハリーも手に箒を収めている。反対側ではマルフォイも箒を手にして自慢げだ。
しばらく箒を手に周りの混沌を見つめている。皆の手に箒が収まった後、マダム・フーチは箒に跨るように言った。
「笛で合図したら皆一斉に地面を強く蹴ること。箒は常に真っ直ぐに。しばらく浮いてそれから前かがみになって降りてきます。行きますよ!1・2…」
ピーッ!
笛の音が響く。と、同時にネビルが上空に浮かび上がった。
「う、うわわ…」
あわあわしているネビルにマダム・フーチは
「Mr.ロングボトム!落ち着いて!今すぐ降りてらっしゃい!」
と声をかける。しかし、箒はネビルを乗せたまま高く上がっていく。そして…
「うわあぁぁぁぁ!!!」
ネビルが落ちた。像の先に引っかかっていたが制服が破れ墜落。マダム・フーチが駆け寄り、骨が折れているから保健室に連れていくと言った。
「箒の一本でも飛ばしたら、クィディッチのクの字を言う前にホグワーツから出て行ってもらいます!」
という忠告もつけて。
…大丈夫だろうか…。
心配していた時に俺の足元に思い出し玉が落ちていることに気がついた。
これ、ネビルのか?
拾おうとしたが、誰かが横から取っていった。
「これで尻餅のつき方を思い出させてやろうぜ」
ニヤニヤと笑って言ったのはマルフォイだった。
「マルフォイ、返せよ」
ハリーが強気に言う。
「嫌だね。ロングボトム自身に見つけさせる。屋根に置こうか、どうした、ポッター?ついて来られないのか?」
マルフォイの奴…マダム・フーチの忠告を聞いていなかったのか?それとも、退学になりたいのか?
それよりも…
「ハリー!飛んじゃダメ!先生に言われたでしょ?それに、飛び方も知らないくせに…。」
『ハリー、飛んではいけないよ。マダムが仰っただろう。それに、飛び方を習っていないのに…』
グレンジャーとハモるとは…。
「なんて馬鹿なの…」
…ハリー、君もマルフォイと同族だったのかい?
俺たちの忠告を聞かずに飛んだハリーにため息をつくしかなかった。
勝手に箒を飛ばして大丈夫だろうか、などという心配は杞憂に終わった。ハリーは見事に思い出し玉をキャッチして帰ってきた。
『ハリー!君、そりゃすごかったけど!…なんて馬鹿なことを…』
俺がハリーに詰め寄っていると、マクゴナガル先生がやってきた。
「ハリー・ポッター!ついてきなさい」
マクゴナガル先生に連れていかれるハリーを見送る。
あぁ、マルフォイはこれを狙っていたのだろう。彼の顔は勝ち誇ったような笑顔で彩られていた。
「ねぇ」
ため息をついてハリーと先生が去っていった方を見ていると、グレンジャーが話しかけてきた。
『なに?』
「…なんでハリーが飛ぼうとした時、止めたの?」
『…なぜって…ハリーを退学にするのは面白くないから?』
まぁ1番の理由はハリーをマグルの叔母一家の元に帰すのが可哀想だから、だけど…。
「じゃあ、あなたがマルフォイを追いかけても良かったんじゃない?」
…この子は何が言いたいのだろう。
『俺はそんな面倒なことはしないよ。面倒なことをするのも、巻き込まれるのも嫌だからね』
そう言うと、グレンジャーは少し驚いたような顔をした後笑った。
「そういうことなのね…。こんな時に言うのもなんだけど、私、あなたに興味があるの。当然のように魔法を使うし、いろんな事を知っているもの!食事の時にハリーたちに勉強を教えていたりするでしょう?豆知識も織り込んで教えているから、気になっていたの!」
一気に捲し立てるグレンジャーに驚いていると
「良ければなんだけど…仲良くしてくれたらって…」
と恥ずかしそうに言った。
答えは
『いいよ、ハーマイオニー。俺も君とは勉強において、気が合うと思っていたんだ』
yesだ。
グレンジャーは嬉しそうに笑って、授業へと戻っていった。
マルフォイがこちらを睨んでいたが、恐らく、俺のような純血が、ハーマイオニーのような“汚れた血”と呼ばれるマグル生まれと仲良くするのが気に食わないのだろう。…あぁいう奴は無視するのが一番だ。
友人が1人増えた授業の間、ハリーは戻ってこなかった。
「集合!!」
マダム・フーチの声が響く。
飛行訓練か…。空を飛ぶのは好きだ。叔母さんがよく俺を後ろに乗せて飛んでくれた。自分で飛ぶのは初めてだけど、まぁものは試しだ。心配しても仕方がない。
「さぁさ、箒の左側に立って!箒の上に手を出して“上がれ”!」
マダム・フーチの声に従い皆が一斉に「上がれ!」と声をあげる。
これも一応魔法なんだろうか…。箒がさっと手に収まるところをイメージしてから小さく
『上がれ』
と呟く。
箒はゆったりと、しかし素早く、俺の手に収まった。近くでネビル・ロングボトムが箒の柄に殴られる。
ハリーも手に箒を収めている。反対側ではマルフォイも箒を手にして自慢げだ。
しばらく箒を手に周りの混沌を見つめている。皆の手に箒が収まった後、マダム・フーチは箒に跨るように言った。
「笛で合図したら皆一斉に地面を強く蹴ること。箒は常に真っ直ぐに。しばらく浮いてそれから前かがみになって降りてきます。行きますよ!1・2…」
ピーッ!
笛の音が響く。と、同時にネビルが上空に浮かび上がった。
「う、うわわ…」
あわあわしているネビルにマダム・フーチは
「Mr.ロングボトム!落ち着いて!今すぐ降りてらっしゃい!」
と声をかける。しかし、箒はネビルを乗せたまま高く上がっていく。そして…
「うわあぁぁぁぁ!!!」
ネビルが落ちた。像の先に引っかかっていたが制服が破れ墜落。マダム・フーチが駆け寄り、骨が折れているから保健室に連れていくと言った。
「箒の一本でも飛ばしたら、クィディッチのクの字を言う前にホグワーツから出て行ってもらいます!」
という忠告もつけて。
…大丈夫だろうか…。
心配していた時に俺の足元に思い出し玉が落ちていることに気がついた。
これ、ネビルのか?
拾おうとしたが、誰かが横から取っていった。
「これで尻餅のつき方を思い出させてやろうぜ」
ニヤニヤと笑って言ったのはマルフォイだった。
「マルフォイ、返せよ」
ハリーが強気に言う。
「嫌だね。ロングボトム自身に見つけさせる。屋根に置こうか、どうした、ポッター?ついて来られないのか?」
マルフォイの奴…マダム・フーチの忠告を聞いていなかったのか?それとも、退学になりたいのか?
それよりも…
「ハリー!飛んじゃダメ!先生に言われたでしょ?それに、飛び方も知らないくせに…。」
『ハリー、飛んではいけないよ。マダムが仰っただろう。それに、飛び方を習っていないのに…』
グレンジャーとハモるとは…。
「なんて馬鹿なの…」
…ハリー、君もマルフォイと同族だったのかい?
俺たちの忠告を聞かずに飛んだハリーにため息をつくしかなかった。
勝手に箒を飛ばして大丈夫だろうか、などという心配は杞憂に終わった。ハリーは見事に思い出し玉をキャッチして帰ってきた。
『ハリー!君、そりゃすごかったけど!…なんて馬鹿なことを…』
俺がハリーに詰め寄っていると、マクゴナガル先生がやってきた。
「ハリー・ポッター!ついてきなさい」
マクゴナガル先生に連れていかれるハリーを見送る。
あぁ、マルフォイはこれを狙っていたのだろう。彼の顔は勝ち誇ったような笑顔で彩られていた。
「ねぇ」
ため息をついてハリーと先生が去っていった方を見ていると、グレンジャーが話しかけてきた。
『なに?』
「…なんでハリーが飛ぼうとした時、止めたの?」
『…なぜって…ハリーを退学にするのは面白くないから?』
まぁ1番の理由はハリーをマグルの叔母一家の元に帰すのが可哀想だから、だけど…。
「じゃあ、あなたがマルフォイを追いかけても良かったんじゃない?」
…この子は何が言いたいのだろう。
『俺はそんな面倒なことはしないよ。面倒なことをするのも、巻き込まれるのも嫌だからね』
そう言うと、グレンジャーは少し驚いたような顔をした後笑った。
「そういうことなのね…。こんな時に言うのもなんだけど、私、あなたに興味があるの。当然のように魔法を使うし、いろんな事を知っているもの!食事の時にハリーたちに勉強を教えていたりするでしょう?豆知識も織り込んで教えているから、気になっていたの!」
一気に捲し立てるグレンジャーに驚いていると
「良ければなんだけど…仲良くしてくれたらって…」
と恥ずかしそうに言った。
答えは
『いいよ、ハーマイオニー。俺も君とは勉強において、気が合うと思っていたんだ』
yesだ。
グレンジャーは嬉しそうに笑って、授業へと戻っていった。
マルフォイがこちらを睨んでいたが、恐らく、俺のような純血が、ハーマイオニーのような“汚れた血”と呼ばれるマグル生まれと仲良くするのが気に食わないのだろう。…あぁいう奴は無視するのが一番だ。
友人が1人増えた授業の間、ハリーは戻ってこなかった。
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